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百物語2015 本スレ [転載禁止]©2ch.net

1 :わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 18:59:22.97 ID:uO4SmEpe0
2015年夏。今年もこの季節がやってまいりました。
こちらは『2chオカルト板百物語2015』の本スレです。
今宵の百物語を楽しむために、以下をご一読ください。

□■□■□■□■□■□■□

百話目終了まで、このスレでの雑談はご遠慮願います。
語り部の受付・雑談等は下記の専用スレをご利用下さい。

準備スレ:語り部希望の受付、その他。
     http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/occult/1438097765/
雑談スレ:お話の感想や雑談、エントリー済みの語り部さんの点呼はこちらです。
     準備スレが規制で書き込めない場合は、語り部希望の受付もこちらへお願いします。
     http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/computer/22553/1440837375/
代理投稿メールフォームはこちら↓
     http://www9.atwiki.jp/100mono2015/pages/12.html

【ルール】
○進行は、age進行です。
○本スレは運営がご案内します。進行、非常時にも指示等はお任せ下さい。
○飛び入り語り部さん、飛び入り受付大歓迎です。まずは、準備スレにお越し下さい。
○本スレの進行の妨げにならぬよう、雑談は雑談スレにてお願いします。
○変なものが見えた際には、雑談スレでご報告するか、一話語ってみませんか。
○当企画中に起こった事象に関して、当方は一切の責任を負いません。自己責任でお願い致します。

【投稿の際の注意点】
★投稿する文章は、メモ帳等に全部書き終えてから一気に投稿してください。
★書き込む前にリロードして更新チェックをお願いします。
★お話を投稿していただける方は、このスレには書かず、『雑談スレ』へお越しください。
★何か不測の事態が起きた場合は即座に『雑談スレ』へご報告をお願いします。

2 :わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:00:41.99 ID:uO4SmEpe0
【語り部の皆様へ】
お話を語り終えましたら、以下のAAで書き込みを行っていただきますようお願いいたします。
語った話数を『xx本目』、雑談スレやエントリー表を確認して次の語り部さんに『□□□さん』、次の話数を『第xy話』と変更していただき、蝋燭を吹き消して下さい……。

xx本目の蝋燭が消えました・・・


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□□□さん、第xy話をお願いします
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語り部希望は【準備スレ:2ch.net】へ
雑談、感想は【雑談スレ:したらば】でお願いします。

3 :わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:03:18.43 ID:uO4SmEpe0
                     2ちゃんねる オカルト板百物語2015
 
 
 
 
 
 
                       皆様 まもなく 怪 幕 いたします

4 :わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:04:50.65 ID:uO4SmEpe0
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:::::::::  夕闇降りて夜の底 . . . . . . . . .
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:;.:. .: .: . . .  揺らめく百の灯火に
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               くべるは百の怪異譚  
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                     人も怪しもサア来たれ
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                      . .━━━━━━━━━━━ .:.:.:.::::::
                   . . . . . .百物語の始まりだ   .:.:.:.:.:::::::::
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5 :わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:06:24.67 ID:uO4SmEpe0
 
 
 
 
 ━━━━━━━━━━━━━ー─────‐ ‐ -

        2ちゃんねる オカルト板 百物語 2015

                  開 演

           - ‐ ‐─────一━━━━━━━━━━━━━
 
 
 
 
猫虫 ◆JmJaz0BtVcさん、第一話をお願いします…

6 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:08:15.72 ID:rKZkpF2O0
【台風】1/2

Uという知り合いの農家さんから聞いた話だ。

台風が来ると「ちょっと田んぼの様子見てくる」のAAがよく貼られるが、農家さん達は本当にあんな感じで見回りに出かけてしまう。
危ないのは百も承知なのだが、一年分の収入が左右されるだけに、やはり気が気ではないのだそうだ。
特に、車に乗っていれば大丈夫だろうと考えて、多くの農家さんが軽トラに乗って暴風雨の中を出かけていく。
その日のUさんもそうだった。

夜半過ぎ、台風が間近まで迫る中、Uさんは自分の田へ見回りに出かけた。
その棚田は山懐に抱かれたような場所にあり、一番奥の田の縁には山の木々が迫っている。
田と田の間を走る未舗装の農道は軽トラがギリギリ一台通れる程度の幅で、山に突き当たった所で折り返し用の広場になっており、広場の一番奥からは山奥へと続く細い獣道が伸びている。
Uさんの田は奥から二枚目なので、普段は広場まで行って車を停めてから自分の田まで歩いて戻るのだが、深夜の時間帯に他に来る車もいなかろうと、その時はヘッドライトも点けっ放しで自分の田の脇にそのまま停車した。

田や水路の確認を終えて、Uさんが車に乗り込もうとした時。
何か気配を感じ、Uさんはヘッドライトの照らす先へと目を向けた。
光は広場の中ほどまで届いていたのだが、横殴りの雨に遮られて視界は悪い。
それでもじっと目を凝らして広場を見つめていると、高音の耳鳴りが始まった。
音自体は小さいのだが、それは雨音を相殺するかのように脳内で鳴り続け、その中でUさんの耳は聞こえるはずもない音をとらえた。
ベチャリ、ガサガサ。ベチャリ、ガサガサ。
濡れた土を踏みしめ、草木を揺らしながら、何かが山から下りてくる…そんな音が、ノイズを切り裂いて妙にクリアに響いてきた。
本能的な恐怖が肌を粟立たせ、悪寒が背中を駆け抜ける。
これはヤバイと感じたUさんだったが、逃げ出そうにも体が動かない。
音はどんどん近付いてくる。
獣道を下りきったのか、草木を揺らすガサガサという音は消え、ベチャリという音だけがゆっくりとしたペースで規則的に繰り返される。

7 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:09:53.91 ID:rKZkpF2O0
【台風】2/3

やがて、ヘッドライトの光の端っこが照らす地面に、それはベチャリと右足をついた。
かなり遅れて、左足。
両足が揃うと、再び右足を踏み出す。
闇のように均一な黒色をした下半身が光の中に現れる。
見たくないのに、Uさんは視線を逸らす事ができない。

光の中に、ついに全身が現れる。
それは、ひどく太った人間のような形をした、泥の塊だった。
背丈は軽く2mを超えており、体を左右に大きく揺らしながら、左足を引きずるようにしてUさんの方へゆっくりと近付いてくる。
葉を付けたままの枝が体のあちこちから飛び出しており、それらが強風にあおられて ワサワサと震えていた。
目鼻も口も何もないのっぺらぼうの顔のど真ん中にも、大きな枝が斜めに刺さっていた。

ベチャッ、ズリズリズリ、という音を響かせながら、それは広場を通り抜けて農道の入り口へと足を踏み出した。
震えながら茫然とそれを見つめていたUさんだったが、次の瞬間、のっぺらぼうのそいつと目が合ったような気がした。
そいつは歩みを止め、ほんの少しだけ首を傾げてUさんをじっと見つめた。

Uさん曰く、その時がこれまでで一番ゾッとした瞬間だったという。
人間じゃない、と思ったのだそうだ。
見目形の明らかな異常さよりも、そいつの心とでもいうべき部分がUさんを凍りつかせた。
上手く言い表せないが、とした上で、Uさんはこう言った。
「感情が読み取れないとかじゃなく、感情が『なかった』んだよ、完璧に」

8 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:10:18.40 ID:rKZkpF2O0
【台風】3/3

それを感じた瞬間、Uさんは自分の体が動く事に気が付いた。
急いで車に飛び乗り、エンジンをかけようとするが、手が震えてなかなかうまくかからない。
悪戦苦闘している最中、再び濡れた足音が聞こえ始めた。
(来てしまう、あいつが来てしまう!)
ちっくしょう、つけよポンコツが!と悪態を吐いた直後、ようやくエンジンがかかった。
慌てて前を見ると、そいつはかなり近いところまで来ていた。
「ああああああ!」と叫びながら、Uさんは車を猛スピードでバックさせた。
幸いにも脱輪する事なくそのまま200m近くもバックのまま走り抜け、Uさんの軽トラは舗装された公道にお尻から飛び出した。
タイヤが悲鳴を上げるのも構わず乱暴にハンドルをきると、相当な速度超過で脱兎の如く逃げ帰った。
事故を起こさなかったのが不思議なくらいだった。

以来、台風が来てもUさんは夜の見回りへは行かなくなったそうだ。

【了】

9 :わらび餅(進行) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:15:03.84 ID:uO4SmEpe0
1本目の蝋燭が消えました・・・


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スヴィトリアークさん、第2話をお願いします
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語り部希望は【準備スレ:2ch.net】へ
雑談、感想は【雑談スレ:したらば】でお願いします。

10 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:19:01.21 ID:WCE2gmw+0
『浜辺の寓話』

(1/2)
 俺の旧来からの趣味に『釣り』がある。とは言っても、某巨大掲示板でそのスレッドを
度々賑やかす方の意味での『釣り』では無い。こっちは正真正銘のサーフフィッシング、
いわゆる『投げ釣り』というヤツだ。紺碧の大海原に向かい力の限りロッドを振り下ろす
爽快感たるや、これがなかなか癖になったり…。


 その日も俺は、夜も明けきらぬうちから穴場のポイントへ向かうべくスクラップ扱いの
トヨタスプリンターのハンドルを握っていた。ここだけの話結構飛ばし、さほどの時間も
要さずに現地に着くとトランクを開け、さっそく軽く舌打ちをする。
「ありゃ。折りたたみ椅子を持って来るのを忘れちまったか」
 基本的に立った姿勢でのアプローチが多い投げ釣りであるが、長時間夏の日差しを
浴びながらのそれは結構きついものがある。べったりと岸辺に腰を下ろすにしても、砂と
湿り気とでいたずらにズボンの尻を汚すだけだ。手頃な敷物を探すべく周囲を見渡した
俺は、砂の中に半分ほど埋まっている古ぼけた板に目を留めた。

 大きさは縦横70p程、通常のベニヤ板よりもひと周り小さなそれは多少たわみも認め
られたものの、座る分には問題ない。さっそく掘り出して腰を下ろし、仕掛けを作り終えた
俺は第一投を試みた。
 弓状にしなるロッドの風切り音と共に勢いよく射出されたジェット天秤はゆるやかな放物
線を描いた後、海上彼方のポイントに小さなしぶきを上げて着水する。それを認めて再び
板にどっかと座り込む俺。クリック音を響かせながらリールに巻かれたラインが幾重にも
シャフトを覆い、殆どそれが巻き取られた頃には仕掛けの先には4匹ほどのいい型をした
シロギスが、銀色の鱗光を伴いながら波打ち際に跳ねていた。
「うん、幸先がいいぞ」
 針から外した獲物をシメて無造作にクーラーボックスへ放り込み、餌であるアオイソメを
針先に通していたその時である。

「座っちゃ駄目だよお…」」

11 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:21:25.98 ID:WCE2gmw+0
(2/2) 
俺の背後から初老の男性と思しき、間延びした声が聞こえた。
 訪れる人も少ない釣り場であるが、早朝の散歩をする老人や漁師に声を掛けられる事は意外に多い。おそらくその声の主もそんな類の
おっさんであろう。しかし座っちゃ駄目とはちょいと挑発的な物言いだなあ、座っちゃいけないワケでも聞いてみるか。

「はい?」
『何で座っちゃいけないんですか?』との極めて紳士的な問いを喉の奥でスタンバイさせつつ、勢いよく振り返る俺。
 …しかし、声の聞こえたと思しき辺りには人っ子一人居なかったものである。

「ありゃ?何かと聞き違えたのかなあ」
 釈然とせぬまま、俺は再び針に餌をつけ始めた。

「座ったら駄目だって…」
 
 今度は明らかに、俺の耳元で先ほど同様の声がする。いや、耳元と言うよりもむしろ、頭の中に直接響いて来たかの様な感覚であった。
「だから誰よ!」
 ギョッとして再び背後を見据えた俺の目には、やはり誰一人の姿も映らない。

「何だろうね、薄気味悪いな」
 俺はぶつぶつ呟きながらも二投目に入ったのであるが、不思議な事にそれ以降ピタリと当たりが無くなってしまったのである。針に掛かる
のはいわゆる『外道』として忌み嫌われる親指大のクサフグやらウグイやら、果てはゴム手袋に至るまでがまるで親の仇であるかの如く
何度も何度も俺の仕掛けに引っかかって来た。
 焦り始める自分とは裏腹に、時間だけがただ無情に過ぎてゆくばかり…。
「波はほぼベタ凪ぎだしポイントには正確に打ち込んでるってのに、一体どういう…」

12 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:22:40.92 ID:WCE2gmw+0
(正3/3)
 そうこうするうちに日も天頂近くに達し、肌を焦がす熱波もいい加減鬱陶しく感じた俺は、忸怩たる思いでその場からの
戦略的撤退を決意した。
「あの変な声でケチが付いたな。もう納竿する事にしようっと」
 ひとたび大きな欠伸をして、尻に敷いている件の板を拾い上げた俺はその時初めて気がついた。
 その板を裏返したところ、わずかながらも掠れかけの文字が見て取れたのである。
「ん、○×丸…?ってこの板、近海漁船か何かの船尾板の破片だったのかよ」
 俺の脳裏に蘇る、先ほどのあの間延びした声。

 「さっきの声の主は、ひょっとしてこの舟にゆかりのある人だったのかな。そりゃあ自分がかつて関わってた舟に見ず知らずの
奴がケツ掛けたとあっちゃあ、誰だっていい気持ちはしないもんなあ、うん」
 その板を元の場所へと戻し、心の中で軽く頭を垂れる俺。帰路につく際に背負い込んだ、完全敗北の証である釣果の入った
ボックスは殆ど空っぽ同然であるにも関わらず、俺の肩には妙にずっしりと重く感じられたものであった。


【了】

13 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:23:32.24 ID:WCE2gmw+0
2本目の蝋燭が消えました・・・


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わらび餅 ◆jlKPI7rooQさん、第3話をお願いします
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14 :わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:25:42.67 ID:uO4SmEpe0
『遺書に好かれた男』

私が大学生の頃、実際に友人が体験した話です。

その友人のことはAとしておきましょうか、彼は講義にはあまり真面目に出ないタイプの大学生だったのですが、本を読むのは好きだったらしく大学通りの古本屋に立ち寄ってはバイトで稼いだお金を使っていました。
そんな時、彼は普段趣味で読む為ではなく講義のための教科書を中古で買ったそうです。
遅れて講義にやってきた彼は、

「いやー、ぎりぎり間に合った。さっきそこで教科書買ってきたんだよ、よかったよかった」

と言って私の横の席に着いた。

程なくして講義が始まり、流石に一回目の講義だったこともあってか真面目に教科書をぱらぱらと眺めていた。(でも教授の話は全くメモしていなかった)
私は真面目に教授のメモを取っていたのですが、突如横にいたAは「えっ?」と声を上げてページをめくる手を止めた。
何かが本の間に挟まっていたいたようだ。

中古だしそういうこともあるだろう、と私は気にもとめずにメモを取っていたのですがそれからAは何かずっとそわそわしたような様子でした。
いつもどうでもいい講義のときは寝てることが多い彼なのですが、このときはずっとそんな感じでした。

その後、二人で学食で昼食をとっていたのですが、私が何か聞くよりも前に彼がさっきの講義でのことを話し始めた。

「あのさ……さっき買ってきた教科書なんだけど、こんなものが挟まっててさ……」

そうして見せてきたものは、折りたたまれた紙でした。
それだけならばどうと言うことはないのですが、その紙には『遺書』と折りたたまれた表の部分に書かれていたのです。

「うわっ、何だそれ……マジか」
「マジだよ、どうしようこれ、捨てるわけにも行かないよな……いや、それより」

この遺書を書いた人間はまだ生きているのか? ということに私も思い至ったのですが、Aはそれ以上言葉を続けませんでした。

15 :わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:26:41.26 ID:uO4SmEpe0
「中読んだ?」
「読んでない……でも、名前とかわかるかもだし開けてみるか」

そういって折りたたまれた遺書を開いたのですが、内容はとてもあっさりしたものだった。
ありきたりな感じで先立つ不孝をお許しください、といったようなことが書いてあったと思う。
しかし、明らかに内容が途中で切れていた、誰が書いたものかわかるような名前は書かれていなかった。

「書きかけっぽいな」
「そうだな……だったら大丈夫だろ」

そう言ってその場は彼と別れたのですが、どうやら後になってあの遺書は捨ててしまったようです。


それから、彼に不思議なことが起こるようになりました。
買った古本に、『遺書』が挟まっていることが何度か続いたそうなのです。

私は流石にお祓いに行くとか、遺書を焚き上げてもらうなどしたほうがいいんじゃないか、とアドバイスをしました。
Aもそれは実践したようなのですが、彼は日に日に体調を悪くしているようでした。

それから一年もしないうちに、Aは友人にも何も告げずに借りていたアパートを引き払って大学も中退してしまいました。

最後に話したとき、彼は青い顔でこんなことを言っていました。

「せめて名前がわかれば……名前がわかればなぁ……そうしたら……」

ぶつぶつとそんなことを言う彼は、どう見ても何かに憑かれているようでした。
Aのその後がどうなったかは他の友人も知りません。
あの遺書は、無念を残したまま自殺した、名前もわからない誰かの言葉だったのでしょうか……。




16 :わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:27:40.71 ID:uO4SmEpe0
3本目の蝋燭が消えました・・・


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ぺそ ◆qyVZC3tLJoさん、第4話をお願いします
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雑談、感想は【雑談スレ:したらば】でお願いします。

17 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:28:27.86 ID:uO4SmEpe0
【4話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『キャンプ場』

今から20年ほど前、地元で療育団体のサマーキャンプをしたときの話です。
場所はK村とします。
そこは地元の診療所、スポーツ施設、ダイエット道場、キャンプ場などがあるいたって普通の地元の小学校も遠足で行くような場所です。

100人規模のキャンプだったので、中には霊感の強い方などもおり「ここやばいね」と最初からいわれていました。
私自身、感じるほうだったので無事おわるといいなーと思っていました。
ですが、キャンプのイベント中も何度人数確認しても合わない、風呂に人影が通り過ぎるなど怪奇現象は続発していましたね・・・・

キャンプの醍醐味といえば肝試し。
暗い夜の遊歩道の山道を歩き、山を登った先のキャンプ場でスタンプを押して帰る、そういう内容だったと思います。
しかし雰囲気どころか本気で怖い。しかし当時中学生だったので小学生の子達を連れて行かねばならず「大丈夫!」と言い聞かせ出発。
全員が終わったあと、怪奇現象報告がたくさんありました。
お化け役は一人で待機してたはずなのに何人もその場所には二人いたという。霊感の強いひとはなにか連れ帰ったのか宿泊場に戻ると泣きながらゲーゲー吐く・・・・思い出せるだけでそれくらいですがもっとあったと思います。

18 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:29:34.01 ID:uO4SmEpe0
そして怪奇現象だらけだった最終日前夜のキャンプファイヤー。
山の上にあり、街灯は一つ。ほぼ真っ暗です。
私がまず体験したのは班ごとに並んでいたのですが、猛烈な視線。
誰か話したいのかとそちらをみると、並んでる子どもの肩から顔全てが緑色のおかっぱの女の子がいました・・・・。
「うわーまずいなー嫌な予感しかしない」と内心おもっていました。
いざキャンプファイヤーが始まるといろんな出し物は楽しく参加してたのですが、猛烈に後ろが気になって仕方がない。チラチラうしろを見てしまうくらいに。
何度も見てるうちに白いワンピースの端だけがふわっと見えることがでてきました。
でもみんなを怖がらせるわけにはいかず、黙って脂汗をかいていました。
もうキャンプファイヤーもおわりに近づいた頃、ボランティアのJくんが真ん中でギターをひいてくれました。
みんなは、もうおわりだなーと聞き惚れてたのですが、私の姉が????しています。
姉はとても霊感が強かったのです。
「Jくんの後ろで白のワンピースの女の人が歌聞いてる・・・・・」
あ、さっきの人か、と私の中で納得しましたがその状況なのに誰も気づかないのが怖すぎるともう真夏なのにブルブル震えていました。
また、毎年キャンプの恒例としてキャンプファイヤーの最後は端からみんなと握手する、といういべんとがありました。
それぞれ楽しかったね、おつかれさまなど言いながら。
私は比較的最初に終わったのでさっきの姉の様子も気になっていたので姉をみていました。
すると・・・・最後の人を通り過ぎてもまた「お疲れ様でしたー」と握手しているのです。
うわーこれは絶対つれてくるぞ!と感じましたがやはり宿泊場に戻った時は「なんかわからんけど涙とまらん・・」とずっと泣き続けていました。
これは感極まって、とかいう種類ではなかったです。
詳しい方にその後の処理をしてもらいましたが、握手のことなど覚えていませんでした。

もう二度とあの場所でキャンプなどしたくないですね。

おわり

19 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:30:30.29 ID:uO4SmEpe0
4本目の蝋燭が消えました・・・


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猫虫 ◆5G/PPtnDVUさん、第5話をお願いします
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20 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:31:17.64 ID:rKZkpF2O0
【手】

小学校に上がった年の夏、じいちゃんの家へ泊まりに行った時の話だ。
その夏は親戚内での祝い事があり、親戚の大半がじいちゃんの家に集まっていた。
俺は集まった親戚の子供達の中ではKという男の子と一番年が近く、その時が初対面だったにも関わらず、悪ガキ同士あっという間に仲良くなった。
俺の家族もKの家族もじいちゃんの家にしばらく泊まる事になっており、俺はそこで過ごす間は毎日Kと二人で夏の冒険ごっこに勤しんだ。

じいちゃんの家は海のすぐ近くにあり、子供の足でも徒歩2分とかからずに浜辺へ出られた。
ただ、海は砂浜の少ない岩だらけの磯で、とがった岩が多い上に潮の流れも複雑なため、泳ぐ事は禁じられていた。
その代わり干潮になると岩伝いにかなり沖の方まで行く事ができ、磯遊びには最適の場所だった。
俺達は潮だまりで魚やカニを捕まえたり、うじゃうじゃいたアメフラシを雪合戦の如く投げ合ったり、こっそり泳いでいるところを見つかって親にゲンコツをもらったりと、実に悪ガキらしく夏の海を満喫していた。

じいちゃんの家に来て四日目。
その日は大潮だったのか、これまでよりさらに沖まで岩場が顔を出していた。
俺はバケツを、Kはタモ網を片手に、海面にほんの少しだけ出ている岩を飛び石のように渡りながら未開拓の岩場へと向かって行った。
いつもは海中に没している大きな潮だまりに近付いた時、俺の前を進んでいたKが急に足を止めた。
「見ろよ、あそこ、手があるぞ!」
Kの肩越しにそちらを覗くと、潮だまりの縁から1mくらい先の水中に人間の手のような物が沈んでいた。
行ってみようぜ、と促され、俺はKに続いて潮だまりの縁を回り込み、その物体へと近付いた。

21 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:34:25.76 ID:rKZkpF2O0
その潮だまりはそれなりの深さがあり、近くまで寄っても水の屈折に邪魔されて見えにくかったが、それが人間の右手の形をしている事だけは分かった。
指を軽く曲げた形の手に10cmほどの腕が付いており、手のひらを下にする形で沈んでいるようだ。
俺達から見て、指先が左、腕の端が右を向いている状態だった。
「マネキンかなぁ」
「分っかんねーよ、もしかしたらバラバラサツジンかも」
俺達は腕の断面がどうなってるかが気になり始めた。
マネキンなら均一な肌色に見えるだろうし、もしも本物なら赤い肉と白い骨が見えるはずだ。
だが、手に一番近い位置からは断面がよく見えず、断面の方の岩場に回り込むと今度は遠くてよく見えなかった。

手に一番近い位置まで戻ってくると、俺達は再びしゃがみこんでそれを眺めた。
人体の一部かも知れない物体が目の前にあるというのはひどく気味が悪かった。
同じ事を感じていたのか、いつもはガキ大将気質で強気なKが、ためらいがちに口を開いた。
「網で…獲ってみる…か?」
「うん…」
ビビリの俺はあれを間近で見る事になるのは怖かったが、獲るのはKがやってくれそうな流れだったので、俺はその提案をとりあえず受け入れた。
同意を得て決心がついたのか、Kは「よし、やるぞ」と気合を口にしつつ、恐る恐るタモ網を差し入れた。

だが、しゃがんだ姿勢では腕を精一杯伸ばしても目標までは届かず、タモ網の先端は手の少し手前の砂地を引っ掻いただけだった。
届かないなぁとぼやきながら、Kは水を揺らして手を転がせないかと砂地を引っ掻き続ける。
舞い上がった砂で濁っていく水の中で手はかすかに揺れているようだったが、転がるほどには動かない。
諦めてタモ網を引っ込めながらチラリと俺を見ると、Kは俺の腕を引っ張って自分の腕と長さを比べたが、ほんの少し自分の方が長いと分かるとガックリとうなだれた。
「どうすっかなー、水に入ったら母ちゃんにぶったたかれるしなー」
濁った水を睨みながら、俺達はしばし思案に暮れた。

22 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:40:47.25 ID:rKZkpF2O0
「…そうだ!うつ伏せになって手ぇ伸ばしたら届くんじゃない?」
俺の案をKはすぐに試そうとしたが、岩場は潮溜まりの水面に向かって落ち込むように下り坂になっており、腹這いになって手を離したら頭から水に突っ込んでいってしまいそうだった。
「お前、ちょっと俺の足押さえてろ」
そう言われ、俺はアシカみたいな体勢になっているKの足をまたいで足首あたりに腰を下ろし、ヒザの裏あたりをしっかりと押さえた。
ズリ落ちないのを確かめると、Kは再びタモ網を水に入れた。

肩近くまで水に浸けながらKが腕を伸ばすと、タモ網の先端は今度は手を軽々と越えて向こう側の砂地を突いた。
意を得たKはそのまま手前に引き寄せながら手を網の中に入れようとするが、向きが悪くてなかなか入らない。
しかも岩に押し当てられているヒザが痛かったらしく、いてーやべーもうムリだーと喚きながら飛び起き、デコボコに岩の痕が付いたヒザを押さえて悶絶し始めた。
「近いとこまで転がったから、あとお前やれ!」
げぇー、と露骨に嫌な顔をする俺に、Kは容赦なくタモ網を投げてよこした。

仕方なくタモ網を水の中に入れると、Kの言った通り、手はしゃがんだ体勢の俺でも十分に網が届く位置まで転がってきていた。
網の中に入れ易いようにつついて向きを変えていくと、気になっていた断面がこちらを向いた。
網を止めて目を凝らすと、幸いそれは肉の赤と骨の白ではなかったが、マネキンの断面とも違っていた。
断面は手や腕の部分と同じ色をしていたが、マネキンのような真っ平らではなく、イボのような丸っこい形状のもので一面びっしりと覆われていた。

あまりの気持ち悪さに怖気づいて一向に網を動かせない俺の背中に、「何ビビってんだよ、早く上げろよー」とKの不機嫌そうな声がぶつけられる。
そりゃこんなキモイの見たらビビるだろ、と思いながらも、口で説明するより見せた方が早いと判断して作業を再開する。

輪っかになっている網の縁で指の先を引っ掛けて持ち上げ、水中に全体が浮いたところで網の中にすくい取る。
そのままの勢いで水から引き揚げたが、水面を出た瞬間の予想外の重さに耐えかねて、半ば取り落とすような感じで自分の左側の岩場に網を下ろした。

23 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:43:54.04 ID:rKZkpF2O0
「おー、獲れた獲れたー!」
テンションの上がったKが真っ先に網先へと駆け寄った。
続いて俺も網先に近付き、網の中に入ったままの手を見た。

置いた拍子に網の輪っかから半分飛び出した断面を見て、Kは顔をしかめた。
「うわ、気持ちわりぃなー…なんだこれ」
親指以外の指はクシャっとなった網に隠れてよく見えなかったが、だからといってとても触る気にはなれず、俺達はしゃがみこんだ状態で様々な角度から覗きこみながら観察を開始した。

見た感じは若い男の右手で、マネキンのような無機質さは全くないが、妙に青白い肌をしていた。
親指には関節のシワも爪もあり、腕には全体的にうっすらと毛が生えていた。
イボのようなもので覆われている断面部分には毛がないようだったが、他はまさに人間の皮膚そのものだ。

見れば見るほど気味が悪く、俺は立ち上がって二三歩あとずさった。
「これ、なんかヤバイ気がする。大人に見せた方がいいんじゃないかな」
難しい顔で謎の手を見つめながら、Kも立ち上がった。
「そうだな、じゃあじいちゃん呼んでくる。海のこと詳しいし。お前、ここで見張ってろ」
「ちょっ、やだよ!」
地元民で元漁師のじいちゃんを選んだ事には何の文句もなかったが、こんな所にこんなモノと取り残されるのは御免だった。

「でも潮が満ちてきてるし、これが波にさらわれちゃったら意味ないだろ。それにお前、足遅いじゃん。俺が行くからお前残って見張れって」
「やだよ、やだってば!じゃあ持っていこうよ、これ網ごと持って二人でじいちゃんのとこに持っていこうよ!」
俺の言葉にKはタモ網の中の手と半泣きの俺の顔を交互に眺めると、怒ったような顔をしてしゃがみこんだ。
「ああもう、分かったよ!じゃあせめてお前も一緒に持てよな」
「やだよ、Kが持ってよ!」

24 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:49:45.93 ID:rKZkpF2O0
丸投げしたい俺と丸投げされたくないKとでケンカになりかけた時、立ち上がろうと一歩踏み出したKの足が偶然タモ網の柄を蹴ってしまった。
二人とも一瞬ハッとしたが、幸いにもタモ網は水に落ちるほどには動かなかった。
一応の確認のつもりで二人そろって手の方に視線を向けた、その時。

ガランガランと網の縁を岩にぶつけながら、手が、暴れ出した。
それは手首を支点に、おいでおいでをするような動きで激しくのたうちまわっていた。
あまりの事に茫然とそれを見つめていた俺は、Kが腰を抜かして尻餅をついた事で我に返り、わあああああ!と叫びながらKを置いて逃げ出した。
が、数歩も行かない所で蹴躓いて転び、結局はKと同様に腰が抜けて動けなくなってしまった。

声にならない悲鳴をもらしながら、体をよじって手の方を振り返る。
がくがく震えているKの向こうで、手は動きを少し緩めて指を複雑に動かし、ちょうど網から抜け出したところだった。
自由になった手は、指と手首を器用に動かして潮だまりの縁を登りきり、ドプンという音を立てて海へと飛び込んだ。
数秒の沈黙の後、俺達は大声を上げながら一目散に逃げ出した。
二人とも足がもつれて何度も水に落ちたり転んだりしたが、もうそれどころではなかった。

じいちゃんの家に帰り着いた俺達は今見たものを必死になって大人達に説明したが、子供の戯言と笑うばかりで取り合ってはもらえなかった。
ただ、俺達の忘れてきたタモ網とバケツを回収しに行ったじいちゃんだけは否定も肯定もせず、こう言った。
「海にはいろんなもんが棲んどる。わしらの知っとるもんなんてほんの一部にすぎん。それが何かなんて事は考えても埒が開かん。忘れろ」

夜になってKは高熱を出し、その日のうちに家族に連れられて自宅へと帰っていった。
俺はそれから二日間じいちゃんの家にいたが、もう海へは出なかった。

【了】

25 :わらび餅(進行) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:51:41.92 ID:uO4SmEpe0
5本目の蝋燭が消えました・・・


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川瀬 ◆/dSdUme0iMさん、第6話をお願いします
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26 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:52:41.93 ID:uO4SmEpe0
【6話】川瀬 ◆/dSdUme0iM 様
『霊がしつこい』

うちの市内に大手堀という掘割があって、普段から薄気味悪い場所だった
大学時代に帰省した時、地元の友人と一緒に興味本位で大手堀の近くに遊びに行ったのだが
そのとき堀の水面に丸い物が浮いているのを見た
初めは何だか分らなかったが段々それはこちらに近づいてきた、なんとそれは
水死体のようにむくんで白目をむいた女の首だった。
慌てて友人にも教えたが、友人にはどうしても見えないようだった
10秒ぐらいして突如その首は水中に沈んでしまった

俺は見間違いだったと思う事にしたが、しばらくして妙な事に気づいた
地面に映る自分の影が、なぜか友人の影よりずっと長いのだ
身長がほぼ同じなのになんで自分の影だけが長いのか
そのとき偶然 堀の水面に映る自分の姿をみて驚いた

水に映る俺の肩の上には年とった女が肩車のように乗っているのだ!
その顔は白目をむい膨れあがり水死体のよう、さっき見たやつだ!
俺の影が長くなっていたのはこいつが肩の上に乗ってたせいだった

27 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:53:32.59 ID:uO4SmEpe0
憑かれた!?、と俺は焦ったが、ともかくも友人と共に近くの神社に行き、頼み込んでお祓いをしてもらった
お払いの最中に神主さんが険しい顔をしていたので、恐ろしくて教わった印を真剣に結んでいた
20分ほどでお祓いは終わり、脱力したような気分で神主さんに礼を言い、料金を払った
外で待ってた友人とともに外に出た
地面に映る自分の影は友人と同じくらいの長さになっていた
神社の池に自分の姿を映してみたが、もうあの女は乗っていない
改めて安堵したが、なんか神主さんと女の人がこっちを相変わらず険しい顔で見ている
不思議に思って池を振り返ったら、背中の方にあの女が張り付いてるのが映っていた

自分と友人は神主さんに食ってかかり、料金とっておいてそれは無いだろと抗議した
神主さんも困ったらしく、隣の市の大きな神社を紹介してくれた
車で隣の市まで行ったら、そこの神主さんに「大変でしたね」と言われて涙が出た
1時間半ほど待たされてお祓いが始まり、こんども30分くらいで終わった
神社にあった池で今度こそ後ろに前にもあの女が映ってない事を確認し、来た甲斐があったと喜んだ。

28 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 19:55:45.18 ID:uO4SmEpe0
神主さんに礼を言い、神社を出ようとして、自分の影が前と後ろに2つあるのに気づいた
もしやと思い、さっきの池に足もとまで映したら、足首を掴んでいる腕がある
あの女は足首にしがみついていたのだ
神主め俺が足先までは確認しないとタカをくくってたな〜
またも文句を言ったが、どうにもならないと言われて家に帰った
帰って寝る前に般若心経をネットで1時間ほど流しまくって寝たら次の日から不思議とあの女は見えなくなった
何のかんので退散したのかもしれない
しかし今でも風呂などで水面にあの女が映るのではないかと時々心配になる

それにしても、こっちの神明宮の神主はいいかげんなヤツだった




29 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:00:46.27 ID:9PgS3cT70
6本目の蝋燭が消えました・・・


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ぺそ ◆qyVZC3tLJoさん、第7話をお願いします
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30 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:03:33.58 ID:uO4SmEpe0
【7話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『療養所』

私は持病があり、幼少期から入退院をくりかえしていました。
あまりに入院が長期になることが多くて学校にもいけない状態になってしまったので養護学校の隣接する療養所に入院することになりました。
その療養所は戦時中からあるとても古い病院でしたので色々な噂がありました。
看護学生寮に出る、など。
養護学校があった場所は兵隊の施設だったのか、学校の敷地内にかつて処刑場だったといわれている場所もありました。
子どもが遊ぶにはもってこいな環境だったのですが噂が噂だけに誰もはいらず、怖い雰囲気だけはみちていたと記憶しています。

その療養所は学校の長期休みに入ると帰省という、1〜2週間家に帰れるシステムがありました。
しかし私は家に帰るとすぐ体調を崩し、仕方なく帰省を中断して療養所に戻るということが度々あったのです。

31 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:07:02.99 ID:9PgS3cT70
丁度夏休みのお盆のときでした。
その時も体調を崩してしまい療養所に戻るハメに。8月15日だったのは確かです。
17日にはみんな戻ってくるから、という理由で普段の6人部屋で一人寂しく寝かされました。
また戻ってきてしまった、寂しいとぐすぐす泣きながら寝ようとしたとき、ある噂を思い出してしまったのです。
終戦記念日には夜中0時に廊下を兵隊さんが歩く足音が聞こえると・・・・。
よくあるような怪談ですが、場所が場所なだけにリアルさがありました。
寂しいのと怖いのとで目がぱっちりねむれそうにありません。
刻々と近づく0時。ナースセンターに逃げ込めばよかったのかもしれませんが、廊下で会ったらどうしようとへやを出ることもできない。
ずっと耳をふさいでいました。
しかし、やはり・・・・ざっざっざっざっ・・・・・聞こえます。
確実に看護師さんではない足音。
怖い怖い怖い怖い怖い・・・・・
頭もパニックになりすぎたせいか気を失ったのか気づけば朝でした。
気づかぬうちに漏らしてしまっていた私は本当の理由も看護師さんにはいえませんでした。
怖すぎてみんなが帰ってきたあともいえなかったですね。嘘つきよばわりされるのも目に見えていたので。

今や、入院患者も少なくなりその病棟もなくなり更地になったと聞いていますが15日に歩く彼らはまだそこを歩いているのでしょうか・・・・

おわり

32 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:09:18.70 ID:9PgS3cT70
7本目の蝋燭が消えました・・・


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セキ ◆OCtDMhDM/sさん、第8話をお願いします
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33 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:10:23.97 ID:uO4SmEpe0
【8話】セキ ◆OCtDMhDM/s 様
『版画の傷』

私の通っていた小学校は、モナリザのレプリカもベートーベンの肖像画も飾られてはいなかったけれど、やはり七不思議というものはあってね。
私は全部は知らないけれど、たぶんあの学校独自の怪談だろうと思う話を今からしようと思う。

まずはその学校について説明しなきゃならない。
今思うと変わった造りじゃないかと思うんだけど、特別教室棟の2階が体育館になってた。
1階は真ん中を廊下が通っていてその両側に理科室、家庭科室、図工室、視聴覚室、突き当たりが音楽室。
各教室の引き戸についた小さなガラス窓しかないその廊下は、昼間でも薄暗くて、一人で通るのは少し躊躇われた。
廊下の電気はひどく曇った日とか、冬の夕方とか、それくらい暗い日じゃないとつけられていなかったから、本当にいつも薄暗かったんだ。
さらにそこが不気味に思えたのは、壁に飾られた大きな版画のせいもあったと思う。
ずっと前の卒業生の、たぶん卒業制作か何かだろうと思うけれど、特に小柄だった私のこととはいえ、両腕を目一杯広げてもその幅には足りないほどに大きな版画。それが6枚ほども飾られていただろうか。
学校行事を模したその版画は、一枚だけ大きな傷がついていた。
それは大縄跳びの様子を表したもので、その傷はあろうことか、描かれたうちの一人の児童の頭を両断していた。
しかも、その版画は緑の色で刷られているのに、なぜかその傷のところはいつも、赤茶色に汚れていたんだ。

今から話すのは、その版画の傷の話。

34 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:12:53.46 ID:9PgS3cT70
学校行事の一つに縄跳び大会というのがあった。全学年全クラスが大縄跳びを跳んでその回数を競うというもの。
低学年は左右に揺れる縄を跳ぶけれど、高学年になると回した縄を跳ぶ。高学年くらいになると、100回くらいは大体跳べた。
数週間前から練習が本格化して、体育館でも、外でも、大繩が回るのがよく見られた。
そんな頃、あの版画の傷が見つかったそうだ。最初は悪質ないたずらだと思われたらしい。版画とはいえ、児童の頭を傷つけて、しかもそこに赤の絵の具で血みたいな落書きをした者がいると、相当な問題になったと聞く。
汚れた部分はきれいに拭われたけれど、犯人は見つからなかった。
その翌朝また、版画は汚されていた。やはり傷の部分に、赤で。
きれいにしても、きれいにしても、翌朝にはまた汚されている。いつやっているのか、誰がやっているのか、それは誰にもわからなかった。

そんな中で、縄跳び大会の本番の日が来た。
その日は版画の傷の部分から、たらりと赤い液体が滴っていた。ふき取った用務員さんは、やけに鉄くさい絵の具だと思ったそうだ。

35 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:15:47.53 ID:9PgS3cT70
縄跳び大会は滞りなく進んだ。1学年は大体1クラス、たまに2クラスあるくらいの小さな学校だったから、クラスごとに順番を回してもさほど長い時間がとられるわけでもなかった。
5年生の順番になって、事故は起こった。100回を越えて少しした頃に、一人の児童が足をもつれさせて転んだのだ。その子はうまく手を付けずに、頭を床に強打した。
今でこそ体育館の床は板張りだけれど、その頃はリノリウムというのか、廊下と同じ固い床材がむき出しの状態だったんだそうだ。
児童は流血こそしたものの幸い命に別条はなく、数日の入院で済んだ。
それを機に体育館は改装されて、衝撃を吸収できる木の床になった。
全てが終わってから、誰かが気付いた。
怪我をした子は縄の中で、傷つけられた版画の中の子とちょうど同じ場所を跳んでいたのだ。

その後もたびたび、傷に赤がにじむことがあった。そういう日に限って、児童の中に流血を伴う怪我を負う者が出る。赤がにじむせいで怪我人が出るのか、
怪我人が出ることを教えようとして赤がにじむのか、それは誰にもわからなかったけれど、敢えてその赤い汚れに触れようとする人はいなくなった。

私が卒業してから、もう二十年近くは経つけれど、今もきっと、あの版画は血を流しているんだろうと思う。




36 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:17:48.00 ID:uO4SmEpe0
8本目の蝋燭が消えました・・・


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松屋の虎 ◆s8FSqGDfDYさん、第9話をお願いします
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37 :松屋の虎 ◆s8FSqGDfDY @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:20:12.84 ID:CHH62SdA0
【お宮籠り】

(1/3)
自分の地区には毎年立秋の間に行われる肝試しみたいな行事があります。
お宮籠りとよばれる行事ですが その内容は、「夜中に神社の境内に籠る」というものです。
いわれは分かりませんが、毎年、20歳を迎えた男性がひと晩「神社警備員」になります。
過疎った地区なので今年は自分が一人で籠ることとなり、先月からワクテカ状態でした。
神社は、北関東に多い○○神社で、普段は無人の山の中の小さい社です
立秋の日、ここでひと晩すごし、深夜の10時、12時、2時、4時に見廻りと称して拝殿と
本殿の周囲を蝋燭1本持って巡回を行います
それ以外は拝殿の横にある天幕小屋で控えています(寝たら駄目)。
やることはそれだけです。神社の建物には入りません(入るほどの広さもない)。
まともな神事と言うより、昔の肝試しを形式化したみたいに見えますが、大正時代から
続く伝統ある行事という話なのです。
境内は真っ暗らしく、過去にやったことのある年上の人からは
「真夜中に誰もいないのに拝殿の扉が開く」とか「3時過ぎに幽霊が出る」とか聞かさ
れてましたが、自分的には暑さと虫と眠気が心配でした。
以下は今年8月9日(立秋初日)に自分がお宮籠りをした体験談です。

当日、夕飯食べて家を出て、神社に到着したのが午後7時過ぎ
山の中の境内は既にかなり暗く、携帯で家族に到着を連絡したあと、床にタオルを敷い
て今晩の準備をしてました。

準備が終わった頃には8時すぎで既に真っ暗でした。
夏とは思えないほど空気が冷たく心配していた暑さと虫は問題なかったのですが
周囲に強い風が渦巻き「うおおぉぉぉ」と人の叫び声のような音が響きます。
あと、どこからかたまに拍子木のような音がカシーンと鳴ります。

38 :松屋の虎 ◆s8FSqGDfDY @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:22:08.25 ID:CHH62SdA0
(2/3)
そして10時、最初の見廻りです 蝋燭一本持って小屋を出て拝殿の前へ
拝殿で一礼した後、左回りで廻る決まりです、逆に廻ると祟られるそうです
目の前は真っ暗で、さすがに恐る恐るでしたが何もなく、ただ真っ暗なだけでした
しかし12時の2度目の見廻りの時、慣れてきて退屈してきた自分は 決まりとは逆に
右回りに廻ってみようとしました。
何もあるはずがない、そう思って本殿の裏まで来たとき、向こうから誰かが見ている
感じがします。
この場に人などいるはずもないのですが真っ暗な向こう側から強い視線を感じました
蝋燭をかざしてみたり、呼んでみたりもしましたが、当然返事はありません
しかも、その視線が段々と自分に近づいてくる気配がします
自分は怖くなって走って拝殿前まで戻り、拝殿で謝ったのち、左から廻り直しました、
すると今度は何事もありませんでした

2時になって三回目の見廻り
先ほどの事が気になった自分は、もう一度確認したくてまたも右から廻ってみました。
そろりそろりと歩いて本殿の裏を曲がると、またも強い視線を感じます!
怖ろしいのを我慢して用意していた携帯で奥の暗闇を写し、すぐ引き返しました
拝殿で謝り倒してのち、小走りで左から廻り直しました
自業自得とはいえ ここまでで精神的にかなりテンパった感じだったのですが、3時頃
ウトウトしていたら拝殿の方でバン!!と大きな音がして何かが参道から鳥居の方へ
走りぬけたような気配がしました。
慌てて拝殿を確認に行きましたが扉は閉じたままでした。
これで帰りたいモードMAXになった自分は、最後の見廻りは素直にささっと廻って
5時になったら早々に帰宅しました。

39 :松屋の虎 ◆s8FSqGDfDY @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:23:32.94 ID:CHH62SdA0
(3/3)
帰宅すると、お宮籠りを達成したことでお酒を飲まされ、9時ごろに寝ました。
午後に起きてから、携帯で撮った写真を見てみましたが、ただ真っ暗なだけでした。
実は帰ってから、前に親から聞いたことを思い出したのですが
神社に祀られている○○様は夜には本殿で西の方角(京の方角)を睨んでいるそうです。

あの神社を右まわりに廻ると本殿の裏で西を睨む○○様と鉢合わせの形になりますが
そうならないように左まわりに廻っていたのかもしれません
とすれば、あのとき2度感じた強い視線は○○様だったのかもしれません
実は、帰った後で少々 変なことが続いたり体調を崩したりもするので少し怖いです

拝殿奥の路地で撮った写真を貼っておきます(真っ暗で見えません!)。

http://s1.gazo.cc/up/150699.jpg
http://s1.gazo.cc/up/150700.jpg

【おわり】

40 :松屋の虎 ◆s8FSqGDfDY @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:25:01.79 ID:CHH62SdA0
9本目の蝋燭が消えました・・・


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キツネ ◆8yYI5eodysさん、第10話をお願いします
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41 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:26:18.60 ID:9PgS3cT70
【10話】キツネ様◆8yYI5eodys 様
『笑顔』

医療とは生と死の狭間。
とりわけ病院にまつわる怪異の数は知れず。

このお話は残念ながら病院が舞台ではございません。
病院の傍に佇む、町の薬局にて起きた出来事にございます。


薬局に勤務する薬剤師のUさん。
来局する患者さんも落ち着き、子供たちが読んでいた絵本を片付けていた時のことでした。

パタパタ、と足音に気付いたUさん。
目を遣ると、そこには見知った女の子がジッ、と絵本の棚を見つめておりました。
数日前に来局し、感冒症状の薬が処方された女の子。
確か、薬局に置いてある迷路の本を気に入って、手放そうとせずにお母さんを困らせた子です。

あ、風邪が治って絵本の続きが気になったのかな?
そう思った彼女は笑顔で件の絵本を手渡しました。
椅子に座って静かに絵本に没頭する女の子。

お母さんは一緒じゃないのかな?
そう気にはなりましたが、患者さんが来局したので彼女は仕事に戻ったそうでございます。

患者さんに薬を渡した時。
ふと、女の子の傍らに初老の男の人が立っているのに気付きました。
目を細めてニコニコと女の子を見ている男性。
―――そうか、今日はお爺ちゃんと一緒なのね。

そうこうしている内に絵本を読み終えたのでしょう。
女の子はちらりとUさんを一瞥すると、外へ駆け出して行きました。

42 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:28:46.07 ID:uO4SmEpe0
それから数日後。

そろそろ辺りが暗くなり、閉局の時間に差し掛かった頃。
1人の患者さんが来局いたしました。

入院して暫くお会いしていなかったお婆ちゃん。
いつも取り留めの無い話をしては笑っているような常連さんです。
恐らく退院されたのでしょう。
スッとカウンターまで歩いて来ると、Uさんの方をじっと見つめます。

まだ体調が優れないのかな。
そう感じたUさんは、

「お加減はどうです?」
「近所の○○のお婆ちゃんも寂しがっていましたよ?」

などと気さくに声を掛けますが、何も答えてくれません。
単に無表情でUさんをじっと見つめるだけ。
その背後を見て、Uさんはギョッとしました。
いつの間にそこに居たのでしょうか?
若い男性がお婆さんの背後で目を細め、笑顔を浮かべておりました。
不自然に白い歯を見せ、ニタニタと。

介護士かな?
何とか驚きを隠しながらも、

「あのー……今日は処方箋は?」

そう問いかけたと同時に、お婆ちゃんは寂しそうに出口に向かって行きました。

43 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:31:50.17 ID:9PgS3cT70
そして去り際に、

「貴女なら、助けてくれると思ったんだけどねえ」

それだけを呟き、お婆ちゃんの姿は見えなくなりました。
その背後には、相変わらずニタニタ笑いの男を伴って。

何か不自然なものを感じたものの、顔見知りの患者さんが退院して嬉しかったのでしょう。
Uさんは薬局の奥にいる年配の薬剤師に、

「さっき××さんの家のお婆ちゃんが見えましたよ。退院できたみたいで安心しました」

「××さんって、あの?いやいやいや!」

年配の薬剤師もそのお婆ちゃんと顔馴染みだった筈ですが……どうも様子がおかしい。
首を傾げるUさんに、年配の薬剤師は今日の新聞を渡しました。

ほら、ここ……
そう言って指差した先には通夜・お葬式の案内。
そこにハッキリと件のお婆さんの名前。

「Uちゃん、××さんの話、よく親身になって聞いてあげてたからねえ。きっとお別れが言いたかったんだよ」

そうしんみりと年配の薬剤師に言われましたが、
どう考えてもお別れとは別の意味を持った最後の言葉が頭から離れなかったそうでございます。

それから暫くして。
いつものように絵本を整頓していた時のことでした。
Uさんの手が、ふと迷路の絵本に触れました。

44 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:34:20.04 ID:uO4SmEpe0
あの女の子が読んでいた絵本だ。

何気なく手に取ってページを捲っていると、

「ひぃッ!?」

Uさんは悲鳴ともつかない声をあげました。
迷路の絵本の最後のページ。
そこには爪で何度も引っ掻いたような文字でこう、削られておりました。


 お ね え さ ん

   た す け て


後に彼女が聞いた話では、その女の子は既に亡くなっていたのだそうで。
それも、あの絵本を読みに来た前日のことだったそうでございます。



果たして、あのニタニタと笑う者たちは何だったのでしょう。
女の子とお婆さんは何から助けて欲しかったでしょうか?

皆様もお知り合いにお会いする際にはお気を付けくださいまし。
もし、その傍らに目を細めてニタニタと笑う誰かが見えたとしたら……

そのお知り合いは既に、この世の者ではないかもしれません。
そして、あなたに何某かの助けを求めているのかもしれませんよ?


【完】

45 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:36:27.33 ID:9PgS3cT70
10本目の蝋燭が消えました・・・


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猫虫 ◆JmJaz0BtVcさん、第11話をお願いします
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46 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:39:23.30 ID:rKZkpF2O0
【結婚祝い】

人に話すなと言われていたが、本人が亡くなってからもう30年くらい経つし、そろそろ時効だろう。
ひいばあちゃんの仕事についてと、亡くなった時の出来事を話そうと思う。

俺のひいばあちゃんは、拝み屋みたいな事をやっていた人だった。
といっても除霊やお祓いをするわけではなく、所謂『呪い返し』が専門だったそうだ。
呪いと言うと藁人形みたいな儀式めいたものを想像しがちだが、ただ誰かに対してほんの少し悪意や嫉妬を抱いただけでもそれは小さな呪いなのだという。
ひいばあちゃんはそういった負の感情みたいなものを跳ね返す術に長けていた。
…と書くとイマイチ効果がなさそうだが、向けられた悪意が大きければ大きいほど返ってくる力も大きくなるので、それこそ藁人形などを使って本格的に死を願った者に返れば、逆に本人が死んでしまうほどだったそうだ。
ほんとかよ、と俺も思っているけど。

ひいばあちゃんはそれを『呪返し(しゅがいし)』と呼んでいた。
呪返しには鏡を使う。
悪い事が続いたりした依頼者は壁掛け可能な鏡を持ちこみ、ひいばあちゃんに念を込めてもらう。
この時、ひいばあちゃんは依頼者の話は絶対に聞かない。
話を聞いたところで、呪っている犯人が誰かなんて事は依頼者本人にもひいばあちゃんにもはっきりとは分からない。
それに、誰々の呪いに決まっています!なんて依頼者の話を鵜呑みにして特定の誰かに返るように仕向ければ、それは呪返しでも何でもなく純粋な呪いそのものになってしまうからだ。
まさに鏡のように、向かってくる悪意の力をただそのままに反射するのが正しい呪返しだ。
弱いものは弱く、強いものは強く、どれだけ多くが向かって来ようとも正確にそれぞれの発信元へと返す。
尚且つ、善意や幸運は跳ね返さずに通さなければならない。
ひいばあちゃんは鏡が正しくその働きをするように念を込め、依頼者へと渡す。

47 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:41:30.92 ID:rKZkpF2O0
呪返しの鏡を受け取った依頼者は、それを自宅の玄関に入って真正面にあたる壁に掛ける。
入ってすぐ廊下だったりして壁が遠すぎる場合には、天井から吊ったりしても良い。
どちらにせよ、玄関から入る時に自分の顔が映らない位置にセットし、普通の鏡のように身だしなみを整えたりする事にはなるべく使わないというのが決まりだ。
そして、数日に一度は必ず綺麗に磨く。
鏡が汚れて曇ったり割れたりすると、呪返しの効果は失われてしまう。

ひいばあちゃんがそんな仕事をしている人だったから、一族の者は必ず玄関に鏡を飾っていた。
というか、ほとんどの家が未だに飾っていると思う。
すでに日常風景の一部になっているから敢えて外そうとも思わないし、ばあちゃんが各家庭に贈ったその鏡は趣味のいい木彫り枠に嵌まっていて、インテリアとしても悪くない物だからだ。

その鏡は、一族の者が結婚する時に結婚祝いとして贈られる。
枠は地元の名産品である木彫りの伝統工芸で、ひいばあちゃんと懇意にしていた職人さんが何週間もかけて仕上げた物だ。
結婚式を挙げる季節に合わせた花や植物が彫られ、ひいばあちゃんの念が込められた鏡がセットされてから、式の当日に渡される。
反撃重視の依頼物とは少し異なり、祝い鏡の効果は防御重視だ。
災いが降りかかる事なく末長く幸せでありますように、という願いがそのまま効果になっている。
ちなみにサイズはiPadくらいで、壁掛けと立て置きの2WAY仕様だ。

そうやって一族の幸せを願い続けてきたひいばあちゃんが亡くなった。
最後の最後までボケもせず大病もなく元気そのものだったが、ある日突然、眠っている間に心臓が止まってしまい、眠るように…というか眠ったまま安らかに息を引き取った。
92歳の大往生だった。

48 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:43:38.58 ID:rKZkpF2O0
葬儀の日、いつも祝い鏡を頼んでいた職人が弔問に訪れたのだが、焼香を済ませて家族に挨拶をする段になった時、妙な事を言い出した。
先月、ひいばあちゃんが工房を訪れて祝い鏡の枠を大量発注し、代金と依頼枚数分の鏡を置いていったらしく、このまま依頼品を仕上げて良いのか遺族の意見を聞きたいとのことだった。
その場でゴーサインを出すにはあまりにも枚数が多かったので、ともかく詳しい話を後日聞かせてもらってからという事となった。

初七日の法要を終えた後、職人が本家を訪れた。
「とりあえず、お預かりした鏡を持ってきました」
職人が風呂敷を開けると、中から大量の鏡が出てきた。
どれも枠の付いていない切りっぱなしの四角い鏡で、いつも祝い鏡に使うものだった。
「これの裏に書かれた通りの順番で作るようにと言われまして」
そう言って職人が一枚を裏返すと、一族の中のある独身男性の名前と1の数字が中央に並んでいた。
次々にめくっていくが、その全てに独身者の名前と通し番号が書かれている。
成人だけでなく、当時まだ赤ちゃんだった子の名前まであった。

それだけなら、ひいばあちゃんが自分の死後のために独身者全員分の鏡を用意していたという美談で終わる。
だが、その鏡に書かれた文字には奇妙な点が幾つかあった。

ひとつは、通し番号が必ずしも年齢順になっていないという事。
当時25歳の者より20歳の者の方が早い番号になっていたりするのだ。
次に、独身者全員分ではないという事。
大半の者には鏡が用意されていたが、28人中4人だけ鏡のない者がいた。
そして何より奇妙だったのは、彫る花が決められていた事。
左下に小さく『牡丹』『桜』『桔梗』といった花の名前が書かれており、職人はそれぞれの鏡を指定された花の枠で仕立てるよう言われたというのだ。

ひいばあちゃんの人智を超えた力をよく知っていた本家の者達は、「多分、まぁそういう事なんでしょうね」と納得し、ひいばあちゃんが注文した通りに全てを仕上げてもらう事に決めた。
ただ、一気に作ってもらうのはあまりにも迷惑がかかるので、一族の者の結婚が決まり次第、本家の者が「誰々の鏡の製作をお願いします」と工房に頼みに行く形となった。

49 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:48:38.50 ID:rKZkpF2O0
かくして、一族の独身者はその後どんどん結婚していき、祝い鏡は職人の息子の代になっても作られ続けた。
それはやはり通し番号の順番通りであり、結婚式も指定された花の季節であった。

ただ、一度だけ通し番号と花がズレた事があった。
ある女性が、通し番号通りに結婚が決まりかけた後で破談となり、ひいばあちゃんの予知とは異なる時期に結婚したのだ。
その時は本家と職人が相談して正しい花の枠を誂え、花嫁は自分の結婚式が行われた晩秋の花である『山茶花』の祝い鏡を受け取った。
ひいばあちゃんの死後は、鏡の裏の文字が見えるように穴を開けた裏板を貼るのが習わしとなっているのだが、件の花嫁の祝い鏡だけは花の種類の部分が塞がれているのだそうだ。

ちなみに、鏡がなかった4人の内の1人だった女性は、未婚のまま早逝した。
そのため、鏡がないのは単に生涯未婚という意味ではなく、早死にするという暗示だと考える者もいる。

通し番号の順番・花の種類・鏡の有無は、今も本家の者と職人だけが知る秘密である。
ただ、ひいばあちゃんの死から30年くらい経つ今では、鏡の有無は段々察しがつき始めてきた。
当時4歳だった俺を含め、残る未婚者は6人。
自分に鏡がないかも知れないと思うと、生涯未婚にしろ早死にするにしろ、正直ちょっと怖くなる。

【了】

50 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:50:17.09 ID:uO4SmEpe0
11本目の蝋燭が消えました・・・


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ぺそ ◆qyVZC3tLJoさん、第12話をお願いします
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51 :猫虫(代理投稿) ◆Ax39zFrW6I @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:51:58.43 ID:rKZkpF2O0
【12話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『座敷わらし』

うちの父は今でこそ落ち着いたものの引越しが好きな父でした。
母の結婚指輪がなくなった時に絶対引越しをし、その後なぜか指輪は発見されるという今思えばこれも不思議な現象でしたね。
そんな繰り返し引越ししていた幼少期すんでた家でのことです。

3歳くらいの頃だったと思いますが、当時すんでいた家は記憶によると割と変な間取りでしたが大きな平屋で庭もあり蔵もある家でした。
当時我が家は縫製業で両親ともずっと仕事をしていましたし、仲のよかった年の近い姉も保育所に通いだし結果私一人で家で遊ぶことが多くなっていました。
あとで母から聞いた話では私は、台所におばちゃんがいるよ、そのおばちゃんと庭で遊んだよなどいっていたようです。
夜中にトイレに起きて不思議なものをみることも多かったです。
お風呂の前で青白い光をみたり、2段ベットの上から下をみると木のおじさん(なんというか、木でできた人形のような)が新聞を読んでる、など。
子どもなので夢だったのかなーとも思ったりもしますが、リアルだったので今でも忘れられません。
でも怖くはなかったのです。

ある夜、また私は夜中にトイレに起きました。
でもいつもは絶対行かない仕事場になぜか呼ばれてるような気がしていっていました。
すると床に半分日本人形が光って埋まっていたのです。これは探検好きな私でしたので家にある人形ではないとわかりました。
なんだろう?と思いながら床に押し込むように押さえると人形は床に消えて行きました。
今なら怖くてできないと思うのですが全く怖くなかったんですよね。そのときも「あれーなくなっちゃったー」くらいでした。

翌日こんなことがあったよーと母に報告したら「きっとそれは座敷わらしじゃない?」といわれたのですが、座敷わらしにしてはなんか気持ち悪いですよね。
そういうふうに色々私だけ見ることが多かったので母はそう言っていたのかもしれませんが。
その人形をみたあと、大病をしましたし今もその病気をもったままです。
果たしてあれはよい座敷わらしだったのでしょうか。それとも・・・・・

52 :わらび餅(進行) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 20:58:41.32 ID:uO4SmEpe0
12本目の蝋燭が消えました・・・


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ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzsさん、第13話をお願いします
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53 :ずんちゃ虫(実は統括者) ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:00:37.25 ID:M2JR/Zcj0
『幼稚園時代の恐怖』

1/2
私が通っていた幼稚園は寺が経営しておりました
幼稚園の裏側が寺に繋がっており、普段は間には柵がしてありました
私と友達のM君はいつも「あっちに行ってみたいなあ」と言っていたのですが、ある日の昼休み
いつもは閉まっている柵の戸がなぜか開いているのをM君が見つけたのです
私とM君の二人は これ幸いとばかりに先生たちの目をぬすんで寺側に忍び込み探検を始めました
本堂の方に行くと他人に見つかるかと思い、二人は脇にある大きな黒塗りの蔵に向かいました
石垣の上に組まれた蔵は古そうな造りで何か宝物でもありそうに思えたのです
一番下の板がはがれて四角い穴が開いており、そこから覗いてみましたが暗くてよく見えません
扉の前まで行ってみると残念ながら施錠されていました
二人はそれでも鍵を揺すったりして暫くゴソゴソやってましたが、結局あきらめて他を当たろうとしました

54 :ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:01:43.53 ID:M2JR/Zcj0
2/2
私たちが蔵から離れて行くときに、蔵の方からコトンと音がしました
振り返った私たちは驚きました
さっき覗いてみた蔵の下の四角い穴から人の顔がこっちを覗いてたのです
私たちは立ちすくみました、中に人がいたとは、カギがかかってたのに
どうやら蔵の床に寝そべって穴に顔を寄せているようです
相手はこっちよりも2歳くらい年上の感じです、私たちを見つめていますが、その表情まではよくわかりません
私たちはイタズラが見られた事と相手への恐怖感で青くなって幼稚園の方へ逃げました
直後、蔵の方から床を這いずり回るようなゴロゴロ、ズザザザ という音が聞こえてきましたが構わずに逃げました
その日はM君と二人で夕方までまんじりともせず、今日の事は絶対に口外しない事を互いに約束しました
次の日幼稚園に行くと、講堂で他の子たちが騒いでいました
中に入ってみると講堂の床に擦れたような跡が講堂をを一周するようについていました、
それは大きな蛇でも這いずり回ったかのようでした
私とM君は昨日の事を思い出し、夜にあいつがこっちまで来たんじゃないかと恐ろしくなりました、
相手はこっちの顔を見ているのですから
あとで親にそれとなく裏の寺の事をたずねたりもしましたが全くわかりません
小学校にあがってから親にあの日の事を話しましたが、夢でも見たんだろう と言われました
この件を一緒に体験したM君は小学校二年の時に転校してしまいそれっきりだけど、あいつも覚えているはず

《了》

55 :ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:02:41.97 ID:M2JR/Zcj0
13本目の蝋燭が消えました・・・


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ぺそ ◆qyVZC3tLJoさん、第14話をお願いします
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56 :猫虫(代理投稿) ◆Ax39zFrW6I @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:04:01.19 ID:rKZkpF2O0
【14話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『挨拶』

霊感の強い姉(Yとします)の話です。姉は看護師をしています。
20年ほど前に勤めていた総合病院での話です。
ある患者さん(仮にAさんとします)は長らく病床についていたそうです。
それゆえに看護師さんとの付き合いも長く仲が良くなっていたそうです。

ある日そのAさんが遂に手の施しようがなくお亡くなりになってしまいました。
看護師はやはりプロなので長らく付き合った患者さんであってもいつまでも気持ちをその方にむけることはできません。
それほどに激務ですしね。「ずっとしんどかったから楽になれたね」と当時思ったと姉は語っていました。

数日後、「Yさん、Yさん」と声をかけてくる患者さんがいます。
振り返ると「よくしていただいてありがとうございました。お世話になりました。」と挨拶にこられたのです。
姉は「あ、今日退院される方かな?」と思い、「いえいえ〜これからもお身体大事にしてくださいね〜」と返事をしました。
すると他のスタッフから「Yさん、何してんの?誰に挨拶してんの??」と・・・・・。
姉は「あ・・・・今のAさんや・・・・」と気づいたそうです。
その後、霊感の強い他のスタッフから「Aさん、挨拶にきはったやろ?」といわれて「あぁ、できることはできたのかなぁ。満足してくれてたのだろうか。」と思ったと言っていました。

亡くなられてからもきちんと挨拶にこられる、丁寧な方だったのですね。

おわり

57 :わらび餅(進行) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:06:22.99 ID:uO4SmEpe0
14本目の蝋燭が消えました・・・


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コワリ ◆ityfMlfdbAさん、第15話をお願いします
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58 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:07:33.47 ID:uO4SmEpe0
【15話】コワリ ◆ityfMlfdbA 様
『心霊プリクラ』

高校生の時、プリクラを撮るのが好きな子と仲が良かった。
私とも沢山一緒に撮ったけど、他の子と遊んだ時も必ずと言っていいほど撮っていたので、月曜の朝なんかは学校に到着するやいなや、真っ先に彼女から新しく撮ったプリクラを何種類かもらうっていうのが挨拶みたいになっていた。

彼女(名前をPとします)には、高校で離れてしまった幼馴染のCがいた。
私とCは直接面識は無いものの、PはCとよく一緒に遊びに行き、撮ったプリクラも私にくれるため、私のプリクラ帳の結構な割合をPとCのペアが占めていた。

さて、そんな平和な日常を過ごしていたある朝。
いつも通りPはCと撮ったプリクラを私含む仲良しメンバーと交換していたんだけど、1人が妙な事に気が付いた。

「あれ、なんでこのプリクラだけ3人なの?」

プリクラは一枚のシートに何種類かの小さな写真がついてくる。

問題のプリクラは、同じシートの他のものはPとCの二人っきりなのに対し、一種類だけ、三人で写っている…ように見えるのだ。
いや、ぱっと見では2人なのだが、PとCが並んだ肩の間から、短い髪の毛が生えていて、それを辿ると頭の形をしており、生え際とおでこの部分のような部分が確認できた。
Pは「肩にかかった私の髪だよ〜」と笑っていた。
しかし、見れば見るほどPの頭部からの髪の流れとは全く別物にしか見えない。

当時よくプリクラを撮っていた私たちは機種もよく知っていた。
細かい落書きはできないし、こんなリアルなホラースタンプだって無い。それに、撮影スペースだって知らない人がこっそり紛れ込んでイタズラできるようなものじゃない。
何よりPは超が付くほどの人見知りなので、他人と撮るなんてありえないのだ。

「これ、心霊写真じゃね?」

59 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:09:05.17 ID:uO4SmEpe0
心霊写真、もとい心霊プリクラをめぐる騒ぎを聞きつけた他のクラスメイトも集まってきてちょっと騒然となったけど、もう朝のHRが始まる時間だったのでチャイムと共にそこで騒ぎは収束した。

しかし気になって朝のHR中、自分のプリクラ帳とにらめっこをしていた私はもう一つの発見をしてしまった。

それはその当時からさらに遡ること2、3ヶ月前にPがみんなに渡していたプリクラだった。それも例によってPとCのものだったが

Pの指が9本あったのだ。

ここで私は別の考えに至る。
(ひょっとして気付かないだけでプリクラって近くのものが滲んだり増えたりして、心霊写真みたいに撮れちゃう現象がよくあるのかも?)
そう思い、自分の持ってる数百枚のプリクラが収められたプリクラ帳を頭から全部見返した。

しかしその推理とは裏腹に…不思議な写りをしたプリクラはこの2枚だけしか存在しなかった。

Pは怖がってる様子ないし、私たちへのドッキリなのか?それともCがホラー好きでPを怖がらせるためにやったのか?
HRが終わり、私たちの中から様々な憶測が出たものの、結局本物の『心霊プリクラ』ではないかいう結論に落ち着いた。

よくある怖い話だと、この後そのプリクラ機を皆で一緒に検証しそうなものだが、
グループの人々はクールで、オカルト好きな人も居なかったので『そういえばPって心霊写真みたいなプリクラとってたよね〜』みたいな話題が笑い話として出る程度で、その後、深い追求はされなかった。

60 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:10:32.04 ID:uO4SmEpe0
それから月日は流れ、10年ほど経った去年の春。Pは結婚し、第一子を出産した。
私は出産祝いも兼ねて、当時の友人達とPを訪ねていた。

そこでふと高校時代の心霊プリクラの話題になったのだ。

改めて聞いてみたが、やはり、撮ろうと思って撮ったトリックではなかったらしい。
「もし撮ろうと思って撮ったものなら、皆と撮る時にもやりまくったよ〜!」と。
アレがなんだったのか改めて見てみたいねーという話になり、Pは当時のプリクラ帳を持ってきてくれた。
懐かしいプリクラが沢山あって、話が弾んだ。そして、呆気なくプリクラ帳は最後のページまで来てしまった。

盛り上がりすぎて見過ごしてしまったのか?
もう一度、最初から。今度は当時の話題に逸れることなく、純粋にPとCの撮った奇妙なプリクラを探す。
しかし、やはり見当たらない。

Pに確認してみると「記憶にはないし、自分はそんなことしないと思うけど…ひょっとしたら当時、気持ち悪くなって捨ててしまったのかもしれない」と言っていた。
まあ、当事者はそうだよね。という話になり心霊プリクラの話はそこまでで、後は違う話題になっていった。

61 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:12:25.80 ID:uO4SmEpe0
それから。
Pの家から帰宅し、私も心霊プリクラを探してみた。

しかし、見つけられなかった。私のプリクラ帳からも、消えていたのだ。

年代や顔ぶれからこの時代のプリクラ帳で間違いない。
大学生になってから、例の心霊プリクラを複数の友人に見せた事もある。
びっしりと貼られたシール台紙に後から剥がしたような隙間は無く、ページごと破られた形跡だって無い。

まるで初めから存在しなかったかのようだった。

しかもその消失現象は私とPの身だけに起こったのではない。
Pの出産祝いに一緒に行ったた内の1人がプリクラ帳を確認したが、やはり見つけられなかったというのだ。
「見つけたら写メを撮ってグループLINEに載せようと思ったのに…」と悔しそうにコメントしていた。

そのコメントを受け、「実家にプリクラ帳置いているから帰省したら探してみる!」と言っている友人が他にもいるが
…個人的にはもはや、見つかってほしいような欲しくないような。背中が薄ら寒い気分だ。

ちなみにその『心霊プリクラ消失騒動』から1年以上経過しているが、見つかったという報告は今のところ、無い。



62 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:13:56.52 ID:uO4SmEpe0
15本目の蝋燭が消えました・・・


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猫虫 ◆5G/PPtnDVUさん、第16話をお願いします
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63 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:15:06.38 ID:rKZkpF2O0
【竹】

仕事の関係で、道の駅に品物を卸している方々と親しくさせてもらっていた時期があった。
野菜や果物を卸す農家さんばかりでなく、山で採れた山菜や茸を卸している人もいたし、民芸品を作って卸している人もいた。
これは山菜と竹細工を卸していたMというおじいさんから聞いた話だ。

Mさん夫妻は竹細工を作るのが昔からの趣味だった。
ざるやかご、置物などを作っては近所の人にプレゼントしていたのだが、知人に勧められて道の駅にも品物を卸すようになった。
裏山から切り出した竹は二三カ月ほど陰干ししてから巨大な鍋で煮て下処理をするのだが、Mさんは切り出した直後に鍋サイズに切り分けてから干していた。

ある時、その切り分け作業をしていると、妙に重い竹があった。
持つ場所を変えたり回したりしてみると、ひとつの節にやたらと重みが集中しているのが分かった。
中に雨水でも溜まっているのかと思い、Mさんはノコギリでその節の端を切り始めた。
案の定、切り口からは液体が垂れ始めたのだが、雨水にしてはやたらと粘っこい感じがした。
何だか薄いハチミツみたいだな、と思いながら節を完全に切り落とすと、中にはつるんとした丸っこいピンク色の物体が詰まっていた。

左手の上に切り口を向けて軽く振ると、粘液にまみれているおかげでそれは抵抗もなくつるりと出てきて、手のひらに落ちた。
「なんじゃこりゃ」
手のひらの上の物体を見て、Mさんは頭をひねった。

64 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:21:49.72 ID:rKZkpF2O0
大きさはおはぎくらいで、勾玉のような形をした本体部分から短い手足が生えている。
表面は半透明なピンク色で、勾玉の穴にあたる部分には皮膚の下の目が透けて見えていた。
どう見ても、それは何かの胎児だった。

気味が悪いと思いながらも矯めつ眇めつ見ていると、突然ピクリとそれの左手が動いた。
驚いたMさんは「うわあ!」と声を上げながら、思わずそれを放り投げてしまった。
べちゃりと嫌な音を立てて、それは土の上に落ちた。
いかん、と思って慌てて拾おうとしたMさんだったが、異変に気付いて手を止めた。

それは土の上に水分を染み出させながら、見る間に潰れていった。
広がっていく水たまりの中、薄い皮の中に黒い眼球が二つ入っているだけの状態になり、その眼球も水分を放出して、最後はぺったんこの皮だけになった。
溢れた水分を土が吸収していく中、残った皮も溶け始め、最後には土の上に濡れた黒いシミだけを残して跡形もなく消えてしまったのだという。

「あれはかぐや姫ですよ、骨なしのかぐや姫。もうちょっと育つまで置いといてやったら、ちゃんとしたかぐや姫になったかもしれませんがねぇ」
Mさんはそう言って笑ったが、多分それはそんなかわいらしいものにはならないだろうと俺は思った。

【了】

65 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:23:02.68 ID:uO4SmEpe0
16本目の蝋燭が消えました・・・


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66 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:24:44.10 ID:rKZkpF2O0
【17話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『海釣りにて』

数年前に起こった父の体験談です。
父は磯釣りが趣味で仕事のないときはプラプラと釣りにでかけます。
その日も自分で開拓した穴場スポットでのんびり釣りをしていたそうです。

突然、ザバーッ!!!!!と海からびしょ濡れの女性が現れたというのです。
父は当然驚愕しましたし、これはなんだ!?と焦ったそうです。

幸いその女性は生きている人間でした。
入水自殺をしようと海にはいったけれど苦しくてだめだった、と。
驚いたけれど、ただ事ではないと感じた父は「そんなことはやめなさい。何があったんや。」と話を聞いてやったり
びしょびしょなので近くの衣料品店に行き、服を用意して銭湯にも連れて行ってやったそうです。
警察は嫌だというので、父がその女性の両親に連絡し事情を話し、両親が迎えに来るまで一緒にいてやったそうです。

死のうと思った理由は嫁ぎ先で子どもを産んだらもういないような扱いをされ、実の子供にさえ人間扱いされていなかったようです。
そうしてある日手切れ金だと30万ばかりをもたされ家を出された、実家には迷惑をかけられないしもう死ぬしかない、と思ったようでした。

ただそれだけの話ではあるのですが、本当にこういうことがあるのだなぁと驚いたのと、人を追い詰める人間というのが一番怖いなと感じた出来事でもありました。

おわり

67 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:26:07.61 ID:uO4SmEpe0
17本目の蝋燭が消えました・・・


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68 :ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:28:03.78 ID:M2JR/Zcj0
『恐怖の寺』

1/2
私が子供のころ住んでいた町には林幽寺(りんゆうじ)という浄土真宗系の寺がある
小学生の頃、境内でよく遊んだ記憶があるが、最近はすっかり忘れていたのだが
寺では最近になって住職が代わって雰囲気がだいぶ変わったらしい
この新しい住職が問題で、鉄深という住職だが、なんでも関西の寺で問題を起こして
追い出されたという噂で、いきなり胡散臭い人物である
檀家の間でも不評らしいが、しかし誰も鉄深に表立って文句言う者はいない
なぜなら、鉄深は身長180cmを軽く越える大男で、体格隆々、眼光鋭く、空手の達人という
噂もあってとっても怖いからである
子供たちの間では、実は鉄深は、前の住職を法力で倒して寺を乗っ取った、とか
やられた前の住職は今も病院に入院中だ、とか色々な噂がたっている

69 :ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:28:24.88 ID:M2JR/Zcj0
2/2
ところで林幽寺といえば、私の小さい頃には なんと言っても血を吸う仏像の噂が有名だった
それはこの寺の本堂にある御本尊なのだが、昼間は普通の仏像だが、夜になると
恐ろしい形相になり、口から舌をだらりと垂らしていたという
夜にこの仏像を見てしまった者は長い舌で首を絞められ血を吸われるといわれ、当時の
私たち子供は本気で怖ろしがっていた
この恐怖のお化け本尊も、最近、鉄深の真言冥界波だかなんだかを受けて爆散してしまって
もう無いらしい

本堂には鉄深が自分で持ち込んだ仏像が代わりに安置されたのだが、これがなんとも
おどろおどろしい姿の三面阿弥陀像なのだそうだ
この新しい本尊は夜中にゴォーと火を吐くと噂されている

以上はいま小学校に通っている姪から聞いた話だ
今では近所の小学生は寺の前を避け、わざと一本向こうの路地を回り道して帰るらしい
葬式で寺に行かなくてはならず泣いて嫌がった子供もいたという
小学校以来ひさしぶりに林幽寺の噂を聞いたが、相変わらず健在と言うか、近所の小学生の恐怖の的のようだ

《了》

70 :ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:29:16.39 ID:M2JR/Zcj0
18本目の蝋燭が消えました・・・


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71 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:30:05.08 ID:uO4SmEpe0
18本目の蝋燭が消えました・・・


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72 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:30:29.56 ID:rKZkpF2O0
【10話】キツネ様◆8yYI5eodys 様
『オフィス街の焼き鳥屋』

蒸し暑い夜が続きます今日この頃。
こんな晩はキンキンに冷えたビールが恋しいものでございます。
炭火で香ばしく焼き上げた熱々の焼き鳥も一緒に、如何でございましょうか。
これは行き付けの焼き鳥屋の大将が暑い夜の酒のツマミに、と語ってくれたお話。

大将の店はオフィス街の狭間にポツン、と佇んでおります。
周囲に飲み屋はおろか飲食店も無く、夕方以降は仕事帰りの客でごった返している様子をよく目に致します。
開店当初はなぜこんないい場所に店が無いのか疑問にも思ったそうですが、そこは商売人。
競合店が出てくる前に馴染みの客を掴んでしまおうと、日々商売に精を出したそうでございます。

開店から2週間ほど経った頃でしょうか。
夜の11時を過ぎた頃。
小雨がしとしとと降る夜のこと。
最後のお客を笑顔で送り出した大将は、暖簾を外して1人で片付けをしておりました。
さて、炭の火を消そうと火消壷に炭を移し終えた、その時。

テバぁ……てください……

突然の囁くような、か細い女性の声にギクリ、と大将は驚きながらも
「すみません、今日は手羽先は終わっちゃって」
と、背後のカウンターに目を遣るが、そこには誰もいない。

大将は首を傾げながら、その日はいそいそと片付けを済ませて帰宅したのでございます。

73 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:36:26.35 ID:rKZkpF2O0
それから数日は何事もなく過ぎ、ある晩のこと。
暖簾を入れる際に雨が降っているのを見た大将は、あの晩のことを思い起こしました。
あれは気のせい、と決め込んで炭火を片付けようとした時、

おじちゃん……モツ……焼いて……

今度は絞り出すような子供の声でした。
気のせいじゃない、これは尋常じゃないぞ、と考えながらも
「臓物の類は切らしてるんだよ、ごめんねえ」
グッと堪えながらそれだけ告げると、背中のカウンターへ振り返らぬよう手早く片付けを済ませて大将は帰宅いたしました。

その後も時折夜になると声が聞こえる。
その時々によって声も老若男女、好みも各々違うのか焼いて欲しいメニューも違う。
不思議と、雨の晩に限って聞こえてくるのでございます。

これはとんでもない外れ物件を手にしてしまったと思った大将は、本気で閉店を検討したそうで。
しかし、店仕舞の前にせめて声の正体は確認しよう、そう心に誓ったのでございます。


次の雨の晩。
換気扇から聞こえる雨の音を聞きながら待つこと暫く。

…………さい……

あの声でございます。
次第に近づいて来る声。

……テバぁ……焼いて…さい…

…アシばぁ……焼いてください…

ゾウモツばぁ…焼いてくださいまし…

74 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:39:37.14 ID:rKZkpF2O0
ままよ、と振り返る大将。
しかしながら、すぐ背後に聞こえた筈の声の主は見当たらず。

ホッとして調理場を振り返った時でした。

炭火の前に立つ黒い影が目に飛び込んで参りました。
まるで火の消えた炭のように、煤けた影。

炭火に照らされたソレは、焼け焦げた人の形をしております。
髪は半分ズルリと皮ごと剥け落ち、目鼻口は窪んで黒く、所々四肢の表面が赤黒く光っており、
その腕には……不自然に白く生々しい、骨の飛び出した手首から先、足首から先を抱えておりました。

流石の大将もその姿には恐怖を覚え、呆然と見ていることしかできません。

黒い影はゴトリ、ゴトリと手足を炭火の中にくべ始めました。
鶏肉や豚肉とは違う、何かの焼け焦げるような不快な臭気。
ジリジリと音を立てながら、脂の燃える黒い煙が上ってゆく。

どれほどの間その光景を眺めていたのでしょうか。
不意に影が大将の方を振り返り、スーッと頭を下げ、そのまま黒い靄となって換気扇に吸い込まれていったのでございます。

ふと我に返った大将は慌てて調理台に駆け寄ると、そこには手足など無く、只々火の消えた炭が転がっているだけ。
顔の筋肉が麻痺したような感覚に囚われながら、大将は淡々と炭を片付けて帰宅したそうです。

75 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:46:54.78 ID:rKZkpF2O0
これは後日、大将が常連の老爺から聞いたそうなのですが……

大戦末期、この辺りは手酷い空襲を受け、多くの方が亡くなったそうでございます。
日が昇ってから遺体を収集してゆくのですが、
最も近い火葬場では遺体の処理が間に合わず、それでも次から次と遺体が増えていく。
その為、近くの小学校の敷地で廃材を組んで仮火葬をするのですが、折しも小雨が降り始めなかなか上手く燃えない。

漸く火が着いても火力が足りず、取分け水分の多い内臓は燃えにくかったり、手先や足先が焼け残ることが多かったとか。
それでも増え続けるご遺体を処理せねばならない。
ある程度燃えたところで遺骨とし、残った手足や臓物は小学校跡の敷地にそのまま埋葬されたそうでございます。


それから数十年も経った今日。
何度か飲食店や飲み屋が出来ては、数か月持たずに潰れる。
そうしてこの土地はオフィスのみが立ち並ぶ街になったのだそうで。

もしかすると、その潰れた飲食店の人々も大将と同じような何かを見たのかもしれません。


その話を聞いて以来、大将は時々雨の降る晩になると、店仕舞の後も炭が燃え尽きるのを待ってから帰宅するのだそうでございます。
その甲斐あってか、大将のお店は潰れる事無くつい最近、無事に5周年を迎えたそうで。


オフィス街にただ1件だけの焼き鳥屋。
雨の晩に訪れると、閉店間際、そこでは客以外の何者かに出会えるのかもしれません。


【完】

76 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:49:38.57 ID:uO4SmEpe0
19本目の蝋燭が消えました・・・


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肴 ◆4zQNaTWiYAさん、第20話をお願いします
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雑談、感想は>>1の【雑談スレ:したらば】でお願いします。

77 :◆4zQNaTWiYA @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:50:04.77 ID:uh5nE5Jy0
【瓶】
まだ小学生のころ、母方の祖父の弟が死んだ時の事。俺は、葬式のために祖父に連れられて祖父の実家まで行くことになった。忙しかった母親の代わりだったようだ。
家に着いてしばらく経って、親戚と話している祖父を眺めているのにも飽きたので、遺体を見に行くことにした。寝室に寝かせてあると聞いていたので一人でも迷わなかった。
ところが部屋に入ろうとしたとき、他にも誰かいることに気付いた。襖の陰から覗いてみると、それは自分と同じくらいの女の子だった。
女の子は赤と白の服を着ていて、どう見ても今からお通夜という格好ではなかったし、それに親戚の中でチビは俺だけだったから、何とも怪しい子だと思った。
女の子は俺が覗いていることに気付いていないようで、遺体をじっとりと見つめていたが、やがて服のポケットから何かを取り出した。よく見ると、ジャムの入っていたような透明な瓶だった。
そして、彼女は躊躇いもせずにそれを遺体の顔の上に落とした。
ゴン、という鈍い音がした。瓶は割れて、破片が枕元に飛び散った。
数秒あけて、枕に血が滴り始めた。その血は遺体から出ているのではなく、瓶の割れ目から出ているように見えた。

78 :◆4zQNaTWiYA @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:51:10.91 ID:uh5nE5Jy0
呆然と眺めていると、女の子はやっと俺に気付いたようで、こちらに目を向けてきた。その目が凄く黒くて、何だか怖かった。
しばらくして、帰りが遅いので探しに来た祖父に声をかけられ、俺は我に帰った。もう一度部屋を覗いてみたものの、女の子どころか血さえ残っていなかった。
十年ほど経って、今度は祖父が亡くなった。そして女の子はまた現れた。
吸い込まれそうな不気味な瞳も、十年前と変わっていなかった。祖父の弟にしたことを、そのまま祖父の遺体にもやって見せた。まるでデジャブのようだった。
しかし、今度は瓶が割れなかった。祖父の頭にぶつかった瓶は、そのままゴロゴロと部屋の隅まで転がっていった。
祖父と祖父の弟に何の違いがあったのか分からないけども、彼女の黒い瞳だけはずっと忘れることが出来ない。
[了]

79 :◆4zQNaTWiYA @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:54:09.46 ID:uh5nE5Jy0
20本目の蝋燭が消えました・・・


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ぺそ ◆qyVZC3tLJo さん、第20話をお願いします
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雑談、感想は>>1の【雑談スレ:したらば】でお願いします。

80 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 21:56:46.30 ID:uO4SmEpe0
さて、20本の蝋燭の火が消されました……。

皆様、身の回りに不思議なことは起こっておりませんでしょうか?
体調に変化があったりといったことはございませんか?

それでは、ここで一つ小休止をとらせて頂きたいと思います。
再開は【20:10】を予定しております……。

81 :わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:11:47.43 ID:uO4SmEpe0
……時間となりました。

おや? どうやら開始時刻が異空間に迷い込んでしまったようですね……。

それではぺそ ◆qyVZC3tLJoさん、第21話をよろしくお願いいたします。

82 :わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:12:43.70 ID:uO4SmEpe0
【21話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『家』

今住んでる家のことです。
転勤族なので引越しは多いのですが、今住んでいる物件はかなりいい条件の借家です。
変な時期の引越しだったのによく空いてたな、と思えるほどの綺麗な一軒家です。
しかしハイツなので同じ敷地内に何件かの一軒家が入っている、という環境です。

以前住んでいた家のほうが築年数は遥かに長いのに今の家はちょっと変です。
まず家鳴りがひどい。気温差などでピシッパシッとなることは多いかとは思います。
しかし時間を問わず、常に。特に私が一人でリビングにいるときがひどいです。
そしておそらく・・・います。
階段の途中で気配がしますね。おそらく男性では、と思っていますが。
特に実害もないので共存できるレベルなので時々驚かされても平気です。
リビングにはこれないようで、2階を歩き回ったり(誰もいないときに歩き回る音がするので最初はよく見に上がってました)、時間関係なく玄関がガチャっと音がする程度です。
出て行きたければ出て行ってもらっても構わないんですが、お買いものにでもいってるんでしょうか。
そういえば、主人は2階で寝てるときに私がいないのにキッチンの換気扇が時々回ってる、というのを聞いたことがあるので私がいるせいでリビングにこれないのかもしれないですね。
守護霊がとても強い、といわれたことがあるので。

唯一困ったことといえば、子供部屋で眠れないことです。
どうも行動範囲が階段か子ども部屋が多いらしく、影響してるのかそこで寝ると悪夢をみるか、もう寝れないかのどちらかです。
2階はそこにしかエアコンがないのできついですねぇ。

この話を投下しようか悩んでいるときはラップ音が激しかったです。壁を叩く音もしていました。
ですが、別に悪く思ってないと理解してもらったのか書き始めるとすごく静かになりました。
・・・・・むしろ怒ってるのかな?

おわり

83 :わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:13:30.86 ID:uO4SmEpe0
21本目の蝋燭が消えました・・・


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猫虫 ◆5G/PPtnDVUさん、第22話をお願いします
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84 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:16:02.20 ID:rKZkpF2O0
【脳内彼氏】

元カノと同棲していた頃の話。
俺の勤めてた会社と元カノの勤めてた会社は取引先同士で、互いの会社の人間とは幾らか面識があったので、家に帰ってからもよく仕事や職場の話をしていた。
その中でも特によく話題に上っていたのは、元カノの職場の先輩であるYという女性だった。

Yは当時、彼氏のいない30代半ばの独身女性だった。
女性の少ない職場だったせいもあるが、その部署の独身女性はYを含めても四人だけで、うち二人には彼氏がいた。
Yは自分と同じく彼氏のいない唯一の女性とだけ仲良くし、それ以外の社員に対しては男女問わず所謂『お局対応』だった。
ところが、その女性は昔の彼氏とヨリを戻して電撃結婚する事になり、相手の転勤に合わせて寿退社が決まった。
途端にYはその女性と一切口をきかなくなり、挙句に全員参加の送別会では開始五分で帰って場の空気を凍らせたそうだ。

寿退社の一件から半月ほど経った頃、Yは職場の女性達に突然すり寄り始めた。
これまではネチネチと嫌味ばかり言っていたYが妙に優しくなり、女性達は困惑した。
特に元カノのいたグループは何故かYのお気に入りとなってしまい、同期を中心とした若い仲間内でのランチに毎日あたりまえのように同席するようになった。
Yを避けてグループは次第に細分化されていき、二三人ずつの組み合わせで去っていったが、取り残された元カノと通称『天然さん』という女性は最後までYの標的となってしまった。

ある日のランチタイム、天然さんが持ち前の天然っぷりを発揮して、誰も聞けなかった質問をYにぶつけた。
「Y先輩、最近急に優しくなりましたよねー。なんかあったんですかー?」
Yは無遠慮な質問に腹を立てるどころか、待ってましたとばかりに話し始めた。
「やだ、分かる?最近彼氏ができてね、ちょっと幸せオーラ出ちゃってるのかも!」
会社帰りのYをナンパしてきたというその相手は開業医の一人息子で、三つ年下のイケメンなのだそうだ。
やっぱ女性は愛されてこそなんたらかんたらと、Yは昼休みが終わるまで延々と熱弁を振るったらしい。

85 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:18:23.59 ID:rKZkpF2O0
それからというもの、Yはランチタイムの度に毎日毎日のろけ話を延々と語るようになった。
いつもプラス思考の天然さんも、さすがにこの事態には相当落ち込み、「ほんとごめんね…私、パンドラの箱を開けちゃったみたい」と元カノに謝った。

毎日飽きもせずのろけ話を繰り返していたYだったが、しばらくすると話の内容に変化が生じ始めた。
曰く、別の男性(イケメン弁護士)からも猛烈なアプローチを受けて二股状態になった、との事。
どっちもすっごい愛してくれてるから選べなくて、などと嬉々として語るY。
無論、内容がどう変わろうとも元カノと天然さんのウンザリ度は変わるはずもなく、二人は作り笑顔を必死に貼り付けた顔で適当に相槌を打っていた。
その空気を感じ取ってか、Yはしきりと「あなた達はどう思う?」「あなただったら何て答える?」などと話を振ってくるようになり、当時の二人のストレスは相当なものだった。

しばらく経つと、今度は四股になりかけて困っていると言いだした。
某俳優と某ジャニーズに似た男性二人から、またしても言い寄られたのだという。
これまでは半信半疑ながらも一応はYの話を信じていた元カノと天然さんだったが、ここにきて「これは明らかにおかしい」と感じ始めた。
次々に繰り出されるYと男達のエピソードも、どんな乙女ゲーだよとツッコミたくなるような内容ばかりだった。

そりゃ、人にはモテ期もあるだろうが、得てしてそれは何らかの変化に伴って始まるものだと思う。
『痩せた』『服や化粧を変えた』『進学や就職などで新しい人間関係が始まった』等、何かしらのきっかけがあってこそモテ始めるものだ。
だが、Yは女性社員へのお局対応をやめた以外、これまでと何ら変わった様子はない。
容姿も『地味』を体現したような雰囲気のままで、相変わらずぽっちゃりをだいぶ通り越してもいた。
勿論そういう女性に目がない男もいるわけだが、ほんの三カ月足らずの間にそういう趣味嗜好をもつイケメン高学歴の男ばかりが突然集まりだすというのは考えにくい。
出会いが婚活パーティーなどであれば多少なりとも話は違うのかもしれないが、なぜか四人ともYをナンパしてきたのが始まりだというのだから、さすがにちょっと無理がある気がする。

86 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:22:17.59 ID:rKZkpF2O0
どんな話でも、あまり盛りすぎれば当然ボロが出る。
話が五股になったあたりから、Yのモテ自慢は急激に辻褄が合わないものになっていった。
Aとの思い出が数日後にはBとの思い出に変わっていたり、Cの実家が六本木から代々木に移動していたり、取り繕えば取り繕う程さらに矛盾が増えていった。
Yが今後どう話の収拾をつけていくのか、この頃には元カノも結構面白がっていた。

やがてYは六股目の男を登場させ、その男一人に決めて他の五人とは別れることにした、と言い出した。
広げすぎた風呂敷の畳み方としては悪くない設定だと俺も元カノも思った。
だが、今になって思えば、これこそ彼女が語った唯一の真実だったのかも知れない。
形はどうあれ、彼女はその男に人生を捧げる事になるのだから。

本命を決めたYは、これまでのようにのろけ話を延々と語るような事はしなくなった。
下手に話してボロが出るのを恐れているのかとも思ったが、「彼の事が大事だから、あんまり軽々しく話したくないの」と笑うYは本当に恋をしている顔だった、と元カノは言っていた。
綺麗に化粧をし、明るい色柄の流行りの服を着るようになり、少しずつ痩せてきているようでもあった。
ただ、その一方で何故か仕事のミスが増えていき、上司にこっぴどく叱られる姿をよく目にするようになった。
一度、さすがにちょっと可哀想と思った天然さんが声をかけたらしいが、「いいの、夜になれば彼に会えるから全然平気」と幸せそうに笑っていたという。

本命決定宣言から二カ月もすると、Yは見違えるほど細身になっていた。
だが、目の下には化粧で隠せないほどのクマができ、頬はこけ、どう見ても健康的な痩せ方ではなかった。
同僚達は無理なダイエットや病気を心配したが、Y本人は別にダイエットもしてないし元気だと言って一向に取り合わなかった。
しかし実際、常に上の空でまともに仕事をこなせず、出先で貧血を起こして倒れたりもするような状態だった。

87 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:25:24.17 ID:rKZkpF2O0
ある日、事態を重く見た上司に今すぐ健康診断に行けと厳命され、Yは病院へ行くため出勤直後に退勤した。
そして、それきり会社には二度と来なかった。
三日後に上司がYの住むアパートを訪れたのだが、Yはチェーンをかけた状態のドアを少しだけ開けて応対し、近日中に辞表を郵送するとだけ言ってドアを閉めてしまったらしい。
その日の夜に元カノと天然さんもアパートへ見舞いに行ったのだが、どれだけ呼びかけてもYは出てこなかったそうだ。

数ヵ月後、俺と元カノはクリスマス一色になった新宿をぶらぶら歩いていた。
マルイの前まで来た時、「あっ」と小さく叫んで急に元カノが足を止めた。
向こうからふらつきながら歩いてきた女性も、彼女に気付くと同じく足を止め、小さく手を振った。
ガリガリに痩せこけたその女性は、Yだった。

「久しぶりね、元気だった?」
街に流れるクリスマスソングに掻き消えそうな小さな声でYは元カノに話しかけてきた。
仕事で面識があったので俺にも挨拶をしてくれたが、実際ほとんど聞き取れないほど弱々しい声だった。
異常なほど厚着をしているせいで体は膨らんで見えたが、そのぶん骨と皮しかないような顔の異様さが目立っていた。

一体どうしちゃったんですか、体は大丈夫なんですか、今どこでどうしてるんですか、と元カノは矢継ぎ早に質問を並べたが、Yはそれには答えず、うふふと笑ってからこう言った。
「あのねぇ、私、今とっても幸せなの」
「え…あの、幸せって…?」
怪訝な顔で元カノが聞くと、Yは左手の手袋を外して骨ばった手を差し出した。
「ほら、見て。先週もらったのよ。彼、一緒になろうって言ってくれたの」

88 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:28:55.62 ID:rKZkpF2O0
Yが嬉しげに右手の指でいじってる左手の薬指には、指輪も何もついてはいなかった。
そんなYの姿に、俺は背筋が凍るような悪寒を感じた。
隣で元カノも絶句していた。
そんな俺達の様子に気付くと、Yは手袋をはめ直しながら真顔になり、「あなたたちには見えないのね」と低い声で呟いた。
一瞬の後、再び満面の笑みをこちらに向け、妙に明るく弾んだ声で続けた。
「いいのよ、私には見えるから。指輪も、彼も、私にはちゃんと見えてるんだもの。クリスマスに彼と一緒になるんだから。もうすぐよ、本当にすぐよ」
じゃあね、と言い残してふらつく足取りで去っていくYの後ろ姿を茫然と見送りながら、元カノはYの言った言葉を反芻した。
「今、『彼も』って言ったよね…」
俺も同じ部分が気になっていたが、元カノには「聞き間違えじゃない?声、小さかったし」と返した。
俺達には見えない『彼』と『一緒』になる、なんて事は考えたくなかった。

その後、Yがどうなったのかは分からない。
Yに会った二日後には元カノと天然さんが再びアパートを訪れたのだが、すでに部屋は引き払われていて空室だったそうだ。
クリスマスから年末にかけては訃報が入るんじゃないかと内心怯えながら過ごしたのだが、結局その後も元カノの会社にそういった連絡は入らなかった。

Yが霊的なものに取り憑かれていたのか、単に正気を失っていただけなのか、今はもう確かめようもない。
ただ、人が短期間でこれほどまで壊れてしまったという事実が俺は本当に怖かった。

【了】

89 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:32:31.66 ID:rKZkpF2O0
22本目の蝋燭が消えました・・・


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下級選民 ◆55t.r6W7pAさん、第23話をお願いします
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語り部希望は【準備スレ:2ch.net】へ
雑談、感想は【雑談スレ:したらば】でお願いします。

90 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:34:23.68 ID:uO4SmEpe0
【23話】下級選民 ◆55t.r6W7pA 様
『無題』

祖父の七日法要の時の話。
祖父の家は車で40分かかる場所にあり、通夜の日から八泊ほど泊まらせてもらっていたのだが、
俺は朝が弱く、その日も一番最後に起きた。
俺が寝ていたのは仏壇のある部屋の隣で、二つの部屋の横には縁側がある(旧みたいな感じで)。
親が俺を呼んでいたので、リビングに行こうとしたとき、縁側からトトトトトト…と犬が走るような音がした。だが縁側は戸が完全に閉まっていて、猫すらも入ることは不可能だ。
その音は俺のいる部屋の方の突き当たりまで来た後、仏壇の部屋の方の突き当たりにむかって進んでいった。
そして縁側を突き当たりまで行き、また戻り、再び行く…を何度か繰り返す。
ところが、音が仏壇側の突き当たりいったきり、戻ってこなくなった。
気のせいだったのか、と思った俺が向かおうとしたとき、


重い仏壇がガタリと揺れた

【了】

91 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:35:51.56 ID:rKZkpF2O0
23本目の蝋燭が消えました・・・


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下級選民 ◆55t.r6W7pAさん、第24話をお願いします
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92 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:37:16.54 ID:uO4SmEpe0
【24話】下級選民 ◆55t.r6W7pA 様
『無題』

一人暮らしをしていたある日、深夜に起きると、部屋の中に知らない人が大勢いた

しばらく話をしていたが、朝日が昇るのと同時に意識を失い、次に目が覚めた時に全員消えていた

嘘のようで本当の、夢のようで現実の、とある盆の切ない話です

【了】

93 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:39:24.72 ID:rKZkpF2O0
24本目の蝋燭が消えました・・・


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スヴィトリアーク◆lBDllPVzBwさん、第25話をお願いします
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94 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:40:50.74 ID:WCE2gmw+0
『公園の怪異』


 こいつは先日、久々に会った大学時代の友人の話。自分の体験談では無いため、そいつの脚色も多少入っている可能性はあるものの、いつも冗談の好きな彼が
この時ばかりは心底嫌そうな表情を浮かべていたのが印象に残っている。


 とある春の日の夜、入社した先の歓迎会であまり得意では無い酒をしこたま飲まされた彼は、千鳥足で帰路についていたそうだ。
「むう、駄目だわこれ。そこの児童公園でちょいと酔い覚まししていくかな」

 あまり規模の大きくない公園に足を踏み入れて年代物のベンチに腰掛けた彼は、ため息まじりで手に持ったウーロン茶のペットボトルのキャップをキュルッと開ける。
 子供たちの歓声に溢れる日中とは異なり、深夜の公園は人っ子一人居ない別世界だ。蛍光管が切れかけてでもいるものか、しきりに明滅を繰り返す街路灯に照ら
された遊具をぼんやりと眺めていた彼は、ふと妙な事に気がついた。
 主の居ないブランコが、春の生温い夜風の中でかすかに揺れていたそうである。

「あはは。風もないのにブ〜ラブラ、か」
 酔いのためか若干焦点の定まらぬ視線で、その光景を見やる彼。その時はまだ、彼には笑みをうかべる余裕があったと言う。
 そうしてしばらくするうちに、今度はそのブランコの手前にある球形の骨組みに覆われた回転遊具が鈍い擦過音を伴いながら少しずつ回り始めたそうだ。
「あれれ、今度はあの遊具か。シャフトの軸がどうかしてんじゃないの?あんなのに子供が乗って万が一の事でもあったらどうするつもりだよ。全くお役人ってやつは、
何か事が起きなきゃ重い腰上げねえんだから」

 独り言を呟きながら、それでもなお状況の不自然さを把握しきれていない彼。最初こそじんわりゆっくりとした回転であったその遊具は、あれよあれよという間にまるで
目に見えぬ何者かが勢いよく漕いでいるかの様に、ギュルギュルと力強く回り始めたものである。
「え?まだ酔ってるのか俺…」
 目をこすり、己の頬を平手で勢いよくはたいて見ても、その遊具は自らの回転を止めようとはしなかった。
「ち、ちょっとこれまずいんじゃないの?」
 ようやく我に返って不安に駆られ始めた彼は、震える膝に力を込めて腰掛けたベンチから立ち上がった。
 その時である。

95 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:42:27.65 ID:WCE2gmw+0
「ギイギイギイ…ガンッ!」
 彼の間近で更にいきなり、今度は何か重いものでも地面に叩きつけたかの様な派手な音が響き渡った。
「ひっ!」 
 プルシェンコのトリプルアクセル並みの回転速度でその音がした方向に首を向けた彼の視線のすぐ先では、これまた誰も乗っていないシーソーが、
通常ではあり得ない勢いで左右交互に上下運動を繰り返し始めているではないか。
 不気味な叩音は、地面に敷かれたタイルとシーソーの端を覆う金属部とがぶつかり合って生じるそれであった。
「ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ…」
 いつ果てるとも無く、夜の帳が降りた公園に不気味な音を響かせ続けるシーソー。

 先ほどまでの酩酊状態はどこへやら、すっかり酔いも覚め切った彼は、叫ぶ事すら忘れて涙目になりながらそのまま転がる様に公園の入口まで
駆けだしたとの事だそうだ。


「ガンガンガンガン!って、ゲッターロボの主題歌みたいだなおい」
 無理矢理冷やかした俺の軽口にも、彼は苦々しげな面持ちを崩さない。
「それでね、這々の体でその公園の入口から出かけた時に初めて、一陣の風が園内の木々の枝を揺らしたと思ってくれよな。そしたらさ…」
「うん、それからどうした?」
 俺の問いにひと呼吸置いて重い口を開いた彼曰く、

「あのさ、確かに聞いたんだよ俺。耳を塞ぎたくなるくらいうるさい木々のざわめきの中で、ほんのかすかに消え入りそうな女の子の声でひと言、『遊んでよ』って…」


【了】

96 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:45:56.96 ID:WCE2gmw+0
25本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMboさん、第26話をお願いします
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97 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:47:12.53 ID:uO4SmEpe0
【26話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『火で焼けた黒い人』

実母の体験談です。
母の実家は昔から地元で有名な大きな農家でした。
母はその末っ子で、母の時代には小さくなっており家族だけになっていました。
大地主の農家の名残で大きな蔵や物置があったそうで、祖父の道楽のガラクタ置場なんかもあったそうです。
母は霊感はなかったのですが、盆と彼岸の時期になると姉妹全員でその日は過ごすようにと言われていたそうです。
ある盆の日に母の持っていた送り火の提灯が突然燃えた事から全てが始まりました。
周囲にいた人たちは騒然となったそうです。7人姉妹の母だけ風もないのに提灯が燃えた事の意味を子供たちだけは知りませんでした。
その日からお守りを持たされ学校の生き返りも必ず姉たちが付き添い、放課後に遊びに行くのも禁止になったそうです。
庭が広かったのでそこで一人で遊んでいると、何か影が見える。
目をこらすとユラユラとゆれて近づいてくる蜃気楼のようだったと。
ただ近づくにつれて「ヴォーヴァー」と小さな音が聞こえてきたそうです。
だんだんとそれが近づいてくるので、母は必死で自宅に戻り祖父に話すと問答無用で塩を頭からかけられ
その足で祖父は外に塩をまきに走って行ったそうです。
次の日に近くの神社で意味のわからぬままにお祓いをされ、数か月は何もなかったそうで皆が安心していました。
母の外出禁止もなくなり友達の家に遊びに行った帰り、とても夕陽が綺麗だったのを覚えているそうです。
帰宅途中のつり橋を渡るときに、急になぜか怖くなってしまったそうです。

98 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:48:09.98 ID:uO4SmEpe0
何度も慣れたつり橋でしたが、その時だけは地獄への道のようで渡ると帰れないと感じてしまい
でも通らないと帰れないと涙目で渡って行きました。
足元がガクガク震え、なんとか掴まってわたっていると、突然に前からユラリとあの黒い影が出たそうです。
その時に母は見ました。女性だったそうですが焼け焦げて髪もなく、目だけ穴が開いてお腹が異様にポッコリしていたそうです。
そして母は気絶しました。夜になっても帰らぬ母を心配して地元の人たちが探してくれて母は橋の手前で発見されました。
母は三日目には目が覚めた様子ですが、ただ「ヴァー」と犬のように泣くだけで目も虚ろで、ひたすら水をガブ飲みしていたそうです。
母は記憶を失っており今でも、その間の記憶はありません。記憶が戻ったのは一週間後だそうです。
母がずっと持っていたお守りがボロボロになっていたそうで、一時は地元でも有名になりました。
あの黒い影の正体はハッキリとはわかりません。家が古いので土地で何かあったのか?あの女性は何者なのか?
ただ母だけは盆に送り火禁止となり、毎年一族で行っていた場所に近づくのを禁止されました。
そして、その子である私も近づくことを禁止されており、今では本家の跡取りだけが行っています。
母は記憶がない間に夢を見たそうです。女性の名前も当時は覚えていたそうです。
なんでも愛人の身分で虐げられ、子ができた途端に捨てられてお腹に子がいるのに自殺した女性らしいです。
そして、その女性を捨てたのは私たちの一族の血筋の者。あくまで夢ですが祖父母はその話をきくと激怒したそうです。
夢の中で最初は怖い顔だった女性も、母が延々と「おかーちゃん」と泣いていると、次第に優しい顔になり
慰めてくれたそうです。最後は彼女の腕にいた赤ん坊を抱かせてくれ、母が「可愛いね」と言うと
「お前は許してやる」と言われ、青い花畑を追い出されたそう。
私の母方の身内の男性はいまだに運がありません。それとどう関係あるのかはわかりませんが
真相を知る祖父母も亡くなりました。私も母の実家に近づくと気分が悪くなるので近づきません


(終)

99 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:48:53.80 ID:rKZkpF2O0
26本目の蝋燭が消えました・・・


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ぺそ ◆qyVZC3tLJoさん、第27話をお願いします
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100 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:49:49.45 ID:uO4SmEpe0
【27話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『しなない』

昔から、九死に一生ばかり続いています。
幼少期、3階建てくらいの高さから落ちたのに歯が欠けただけ。
何度も病院で「今日が山場です」といわれたけども、翌日元気に。
車と自転車の衝突事故であと数センチで崖下。
何度も持病で昏倒し、絶対普段人が通らない場所でも発見してもらえる、など。

偶然といえばそれまでなのですが、本当に本当にしなないんです。
関わった人には不思議がられます。
先日たまたま占い師の方に見てもらう機会がありそのとき「守護霊がすごく強いね、しなないでしょ?」といわれびっくりしました。
確かにそうなんです。いわれたからそう感じただけ、とも言えるのですが実際自分自身よく生きてるなとも思うので・・・・。
そういえば小さい時にもなんか言われたことあるなぁと思い出しました。
なにかすごく強いものに守られていると。

偶然であれなんであれ、何かに守られてるのかなと思い日々周りの人、もの、見守ってくれてるモノたちに感謝して生きていたいです。

おわり

101 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:50:37.30 ID:rKZkpF2O0
27本目の蝋燭が消えました・・・


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スヴィトリアーク◆lBDllPVzBwさん、第28話をお願いします
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102 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:52:23.97 ID:WCE2gmw+0
『事務室に棲む主』


 以前勤めていた会社での飲み会の席上、お世話になったKさんと言う経理課の先輩から教えて貰った、ちょっとした小ネタである。


 時は9月末の決算期、このシーズンになると経理課員も当然仕事に忙殺される。ご他聞に漏れずKさんも、決算書類の処理に追われていた。毎日早朝から夜は他の社員の退社後も
パーテーションに仕切られた個室に籠もり、机上に堆く積まれた収支報告書や各伝票とにらめっこするKさんを見る度に、俺は他人事ながらも軽いため息をついていたものである。

「そんな晩の事なんだけどね…」
 その日もKさんはたった独りで、いつ果てるとも知れないデスマーチの中に身を置きながら悪戦苦闘を続けていた。
「じゃあ悪いけど先に帰るからさ、体壊さない程度に頑張ってな」
 彼の背中に手を置きそう言い残して家路に就く上司の後ろ姿に、聞こえぬ程度の小声で悪態をつくKさん。
「そう思ったら、栄養ドリンクの一本も差し入れて下さいよっつーの…」

 事務所の時計は既に午後10時を回っている。ようやく資料のチェックを追えたKさんは、眠い目をこすりながらも最終計算へと入ったものだ。
 男性にしてはいささか細めのKさんの指に弾かれて、商売道具である算盤の珠が事務室内に軽やかな音を響かせる。
 元々が商業高校出身のKさんは、算盤の技術にはちょっとした自信を持っていた。何しろ「算盤弾きながら生まれて来た」とまで周囲から賞賛されるその腕前たるや、俺がとろとろ
電卓を弾くよりも数倍早く、彼の手にかかると少年ジャンプ程に分厚い資料の山が5分もせずに綺麗さっぱり無くなるくらいである。
 しかしその夜のKさんは、どうやらいつもの彼では無かった模様だった。

103 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:53:53.84 ID:WCE2gmw+0
「あれ?」
 単純な加減のみである筈の計算が、何度検算を繰り返してみても弾き出される結果が異なりまくるのである。腕に覚えのKさんのプライドが、この時ばかりは
微妙に揺らぎつつあった。
「いつも通りのありふれた計算のくせ、何で毎回答えが違うんだっけ」
 まだ経理ソフトなど導入されていなかった時代の事である、何度も何度も弾いてはやり直しを延々と続けるKさん。さらにおかしな事には、そうして得られた数値は
検算を繰り返す度に狭まるどころか、振幅が逆にだんだん大きくずれて行く。
 ひと呼吸置いて大きな背伸びの後、再び資料に挑んだものの相変わらず出された計算結果はデタラメな数値を示すだけ…。

「あーもう、やめたやめた。明日仕切り直しをするとして、もう帰るとするか」
 すっかり自棄になり、そそくさとカバンに資料を詰め込んで退社前の戸締まりをするKさん。指先呼称で異状の有無を確認し、事務室の消灯をしてあとは入口ドアの
施錠をするのみであった。そしてドアノブの鍵穴にキーを差し込む段になって、Kさんの耳にはおよそ場違いな「何か」が聞こえたそうである。

「フフフフ…」 

 今しがた照明を落としたばかりの無人の事務室の一角から、悪戯っぽい中性的な含み笑いがドアの隙間越しに響いて来たと言うのだ。
「お、俺一人しかここには居なかった筈だよなあこの事務室…」
 心に広がる不気味な不安を振り払うかの如く、勢いよくドアをロックするKさん。かちりと小さな施錠音が鳴ると同時に、事務室内の奇妙な笑い声もピタリと止んだそうな。
 翌日出社してからKさんが前夜の残り作業を再開すると、今度は一転どうしたものか、初っ端の一発で無事正解が導き出されたとの事である。


「やっぱアレはさ、支社の事務室に憑く得体の知れない何かが俺をからかったんだろうね。そんな事して何が面白いんだっつー話なんだけど、まあ命までは取られないと
思うから良しとしなきゃ、な」

 そこまで一気に語り終えると、Kさんは手にしたグラスの水割りを大きくあおった。


【了】

104 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:55:27.67 ID:WCE2gmw+0
28本目の蝋燭が消えました・・・


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猫虫 ◆JmJaz0BtVcさん、第29話をお願いします
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105 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 22:57:19.30 ID:rKZkpF2O0
【ネックレス】

今の彼女と付き合い始めたばかりの頃の話。
とある駅前で彼女と待ち合わせをしていたのだが、その日は時間より早く着いてしまった。
近くに喫煙所があったのでそこで煙草を吸っていると、すぐ近くで黒人男性が露店の準備をし始めた。
並べているのは、カラフルなビーズで作られたネックレスやブレスレット。
どれも鮮やかな原色が多用されており、大ぶりなビーズが多く使われた派手なものばかりだ。

退屈なので横目で品物を見ていると、その黒人が視線に気付いて声をかけてきた。
「オニイサン、見テッテヨ。コレ、アフリカ本物ネ。ケニア、コンゴ、スーダン、イロンナ国ノヨ。安イ安イヨ」
いや俺そんなの付けないし、と断ろうとした時、運悪く彼女が来てしまった。
「お待たせー、あ、カワイイ!」
俺の顔もろくに見ないうちから、彼女の目は色とりどりのアクセサリーに釘付けとなった。
すぐに幾つかのネックレスを手に取ると、置かれた小さな鏡の前で自分の胸元に当て始める。
「最近フォークロアが流行りなんだよねー。私もこういうの一個欲しいなって思ってたんだ」
まずい流れだなと思っていると、案の定彼女はキラキラした笑顔で俺を見つめた。
「買って!」
「やだよ、自分で買え」
「今日、記念日じゃん!買って!」
「何の記念日だよ」
「付き合って、えーと…5週間ちょっと記念日!」
凄まじく半端な記念日を提示され、俺は言葉を失った。

俺の沈黙を勝手に肯定と判断した彼女は、どれにしよっかなーとひとしきり悩んだ後、ひとつのネックレスを手に取った。
「これ…」と呟いた後、笑顔だった彼女の顔から、すっと笑みが消えた。
その瞬間、俺は彼女が別人に変わってしまったかのような感覚を覚え、言いようのない不安を感じた。
彼女はどこかうつろな表情でネックレスを見つめたまま、「これにする。これがいい」と黒人に差し出した。
「アリガトネー、サンゼンエンネー」と言いながら、黒人がネックレスを袋に入れて彼女に手渡す。
正直俺は、このネックレスを彼女に買ってやりたくはなかった。
さっき感じた不安が頭を離れなかったからだ。
だが、黒人に「オニイサン、サンゼンエン」と真顔で催促され、俺は流されるまま金を支払ってしまった。

106 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:02:48.97 ID:rKZkpF2O0
「ありがとう、大事にするね!」
そう言って振り返った彼女からは、先ほどの異様な雰囲気はすっかり消え失せていた。
結果的に上手く騙されたような気がしないでもなかったが、彼女はああいう妙な小技を瞬時に繰り出せるほど器用なタイプではない。
あの時の嫌な感じはただの気のせいだと自分に言い聞かせ、「今後、記念日は月一回だけな。それ以上は認めん」と彼女を小突いた。

夕食を摂ろうと入ったレストランで、注文の品が来るまでの暇つぶしに彼女はさっきのネックレスを取り出し、さっそく首に掛けた。
「どう?似合う?」と笑ってみせる彼女は実に嬉しげだったのだが、胸元にかかったそのネックレスをまじまじと見直してから「あれ?」と首をかしげた。
「なんか思ったより地味。こんなだったっけ?」

そのネックレスはバッファローの角を楕円に削った黒と白の大きなビーズの間に、緑と黄色の小さなガラスビーズが交互に挟まれているだけのシンプルなデザインだった。
確かに、これ以外で彼女が手に取っていたのはもっと派手なものばかりだったので、俺も彼女がこれを選んだ時は意外に思ったのだ。
「じゃあ、返品して他のに変えてもらわない?」
怖がらせたくはなかったので理由は明かさず遠回しにそう聞いてみたのだが、彼女の答えは「うーん、まぁシンプルな方が使い回しもきくし、これでいいよ」だった。
まあ、変な感じがしたのはあの時だけだったし、たいして気にするほどの事でもないかもしれない。
ちょうど頼んでいた料理が運ばれてきたのもあって、俺達はそこで話を打ち切った。

107 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:06:02.19 ID:rKZkpF2O0
その夜、彼女の部屋で眠っていると、夜中に彼女が突然ガバッと飛び起きた。
その気配につられて俺も目が覚めた。
「何、どうしたの」
眠い目をこすりながら彼女に尋ねると、彼女はしばらく俺の顔を見つめてから「…なんだっけ?」と訳の分からない質問で返してきた。
聞けば、怖い夢を見て飛び起きたのだが、内容をすっかり忘れてしまったのだという。
ああそう、と速攻で寝直す体勢に入った俺は、彼女にぶーぶー文句を言われながらも眠りに落ちていった。

それからほぼ毎日、彼女は悪夢にうなされるようになった。
目が覚めるといつも内容を忘れているのだが、泣きながら目覚めることもあった。
あのネックレスが怪しいと思った俺は、あの日感じた不安をついに彼女に打ち明けた。
「だからさ、やっぱ捨てたほうがいいって。あれ買ってからじゃん、うなされるようになったの」
しかし、俺の主張に彼女は難色を示した。
「あれが原因とは限らないじゃん。違ってたらもったいないもん」
どうしても捨てるのは嫌だと言う彼女と折衝を重ねた結果、とりあえず何日か俺が預かってみることで話が付いた。
俺はネックレスを持ち帰り、彼女がしていたようにベッドの脇に置いて眠ってみたが、特に悪夢は見なかった。

だが、彼女の方は効果覿面だった。
ネックレスを手元に置かなくなってから、悪夢を見る事がなくなったのだ。
明らかな変化に、今度は彼女の方から処分を頼んできた。
彼女は俺が鈍感だから影響を受けないのだと茶化したが、「だからって普通に捨てたりしないで、ちゃんとした人にやってもらってね」と俺の身を案じてくれた。
俺は彼女の言葉に従い、神社で禰宜をやっている知人に処分をお願いした。

108 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:10:04.20 ID:rKZkpF2O0
そのネックレスを見るなり、知人は「あー多分これ遺品」と言った。
詳しく話せと言われて経緯を話すと、なるほどねとうなずかれた。
「前に似たようなの預かった事があって調べたんだけど、アフリカとかの貧困地域だと死者の遺品は遺族の大事な収入源なんだよ」
宗教観もあるのだろうが、手元に置いて故人の思い出に浸る事よりも、明日ご飯を食べる事の方がよほど大事なのだろう。
そんなわけで、遺品を安く買い取って物価の高い国に持ち込んで売ってるような露店ってのは結構あるそうだ。
最近だとネットオークションにも多いらしい。

一応「俺が影響を受けないのは鈍感だからですか」と聞いたら、「それもあるかもしんないけど」と大笑いされた。
「まぁ多分、女性の方が影響受けやすいんじゃないかなぁ。霊が憑いてるというより『念が残ってる』って感じなんだけど、そういうのは女性の方が感じやすい。それにこれは女性の持ち物だっただろうから、同性の方が思いを共有しやすいのかもね」
モノが手元を離れれば問題ないとの事だったので、ネックレスだけ供養してもらう事になった。

かくしてアフリカの遺品ネックレスは遥か極東の神社でお焚き上げ供養を受け、天へと還った。
輸入雑貨が持て囃される昨今だが、出処のはっきりしない物を買うという事のリスクを痛感した出来事だった。

【了】

109 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:13:47.57 ID:rKZkpF2O0
29本目の蝋燭が消えました・・・


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キツネ ◆8yYI5eodysさん、第30話をお願いします
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110 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:15:13.21 ID:uO4SmEpe0
【30話】キツネ様◆8yYI5eodys 様
『回線の向こうの人』

ネットが普及して久しい昨今。
遠くに住んでいる友人や家族と瞬く間に遣り取りができて、いやはや便利になったものでございます。
中には知人のみならず、SNSや掲示板で顔も知らない相手と談笑している方も多いのではないでしょうか。

これは職場の先輩が、数年前に某携帯電話用のSNSで経験した出来事にございます。

そのSNSには「サークル」という機能がありまして、特定の趣味や共通点を持つ利用者が会話を楽しめるのだとか。
ある日、先輩は同じ市内に住む人が集まるサークルを見つけました。
参加者も7名と少なく、2、3日前に立ち上げられたばかり。
のんびり会話を楽しみたかった先輩は、すぐさまそのサークルに参加致しました。

「三毛汰」という女性が主催するそのサークル。
なんとなく居心地が良く、
どこどこの店がおススメといった情報や、
大学の友達が長いこと学校サボってて単位がやばい、
果ては、あそこ幽霊出るらしいよ、
出るって言えば、今包丁で手を切って血がドバドバ出てる・・・等々。

7人の面々が思い思いに取りとめの無い話題で盛り上がっていたそうでございます。
中でも先輩は「三毛汰」さんと気が合ったらしく、相談したり冗談を言ったり。
次第にその気さくな人柄に惹かれるようになったとか。

そんな日々が1か月ほど経った頃でしょうか。
主催者の三毛汰さんがOFF会をやろう、と提案。
日取りもすんなりと決まった頃、三毛汰さんオススメの店があるとのことで、夜、その近くのコンビニ前に集合する運びと相成ったのでございます。

111 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:17:08.79 ID:uO4SmEpe0
コンビニ前で待つこと暫く、先輩を含めサークルの面々6人が集まりました。
年の頃は20歳くらいの大学生から30代までの男女。
各々ハンドルネームを名乗り一頻り盛り上がった頃でございましょうか。
三毛汰さん遅いですね、なんて言っていた矢先に先輩の携帯が鳴ります。
見ると、どれは三毛汰さんからのSNS内メールのお知らせでございました。

「先に店で待ってるよ。○○の角を曲がった先の××ビルの4F、『Blue glass』ね」

先輩は集まった6人にその内容を伝え、談笑しながら路地に入っていきました。
街灯が心許なく足元を照らすような路地。
そんな寂れた路地を歩きながら、店なんてあるの?と思い始めた頃。

「ここ……ですかね?」

メンバーの1人が指差します。
皆、つられたように指差したその先を見ると、そこには1件のビルが佇んでおりました。
入口には、なるほど、薄汚れた『××ビル』の文字。

しかし、そのビルには指定された名前の店は疎か、テナントの1店舗も見当たりません。
それどころか、どの窓も光が漏れることなく真っ暗。
廃ビルとしか言い様の無い様相を呈しておりました。
皆で付近を歩いてみますが、『Blue glss』なんて店などございません。

それでも三毛汰さんに会いたいと常々思っていた先輩は、なんとなく彼女に会えるような気がしたそうで、

「ここ、入ってみませんか?」と提案致しました。

が、見るからに不気味な廃ビル。

112 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:19:04.02 ID:uO4SmEpe0
年長者の男性から、きっと三毛汰さんに担がれたんだよ、それにこういう所に無断で入るのは良くないよ。
そう、窘められて先輩が徐々に冷静さを取り戻した矢先でございました。


♪♪♪♪〜……!!


一斉に、そこに居た全員の携帯が鳴り響いたのでございます。

ビクっ!と身を震わせ、携帯を操作し目に飛び込んできたのは、サークルの解散を伝えるSNSからの通知。
皆、一斉にびくついた顔を見合わせる中。
先ほどの年長者が安心し切ったような顔で、「やっぱり三毛汰さんに担がれてたんだよ」と皆に笑いかけました。
な〜んだ、とホッとしたり、悪態をつく面々に気を利かせたのか、年長者の男性が別の店に行こうとしきりに提案。

しかしまあ、三毛汰さんに裏切られたショックや気まずい雰囲気もあってか、その場は解散と相成ったのでございます。

それから1週間ほど経った頃でしょうか。
職場で食事をしていた先輩が何気なく見ていたニュース。
テレビから自分の住んでいる町の名前が聞こえてきました。

珍しいな、なんて思いながら見ていると、映されたのは見覚えのあるビル。
そう、先日サークルの面々が呼び出された、あのビルでございました。

アナウンサーが読み上げる、女性の遺体が見つかった、手首に刃物による傷、死後1か月は経過、1か月ほど前から行方不明になっていた女子大生の△△さんと見て身元の確認を云々。

113 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:20:04.80 ID:uO4SmEpe0
唖然とする先輩の横で、ふと、同僚が口を開きました。

「あー、あの子、行き付けのガールズバーに居た子だ。
 なんか客の1人からしつこく付き纏われて辞めたって聞いてたんだけど、可哀想になあ……」

不思議そうな顔の先輩に向けて、同僚は続けてこう言ったそうでございます。

「知らない?※※町の『Blue glass』って店なんだけど」


聞き覚えのある店名。確か、三毛汰さんが指定した店の名前。
慌ててSNSのページを開き、あるページを確認しました。

『三毛汰』という女性のアカウント。
そのページがどうしても見つからない。
それどころか、三毛汰さんと遣り取りしたSNS内のメールやコメントすらも見つからない。

サークルに参加したのは1か月前。
その1か月の間、自分は一体、誰と会話をしていたのか?
『三毛汰』さんの顔も名前も知らない為、先輩はこれ以上は確かめる術もございませんでした。

その後、別の街に転勤になった先輩。
久々に会って酒を酌み交わしていた折のこと、先輩はこの話を語ってくれたのでございます。

114 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:21:30.08 ID:uO4SmEpe0
「きっと、亡くなった子が先輩に見つけて欲しかったんじゃないですか?」

何気なく言った私の一言に、いやいや、と先輩は首を振り、

「ビルに言った時点で俺ら彼女を見つけてないだろ?それなのに目的を達したかのようにサークルを解散した」

「はあ…?」

「俺は逆だと思うんだよね」

と言って手近なメモ帳にサラサラと

『三毛汰』

と書きます。

115 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:22:54.84 ID:uO4SmEpe0
「つまり俺らに見つけて欲しいんじゃなくて、彼女が俺らの中の誰かを……」

その上にカタカナでルビを付け加えたのを見て、ギョッと致しました。


『 ミ ツ ケ タ 』


どうやら先輩はそのように解釈したようでございます。


今宵お集まりの皆様。
お互いに顔も身元も知らずに百物語を愉しんで居られる訳でございます。
しかし、どうでしょう?
運営や語り部の皆様、雑談スレを盛り上げていらっしゃる名無しさん。
数多くの皆さまが参加しておいでですが、果たして、皆が皆この世に実在する方々なのでございましょうか?

ひょっとすると……この顔の見えない会話の中に、既に幾許かの怪異が潜んでいるのやもしれません。


【完】

116 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:23:42.12 ID:rKZkpF2O0
30本目の蝋燭が消えました・・・


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スヴィトリアーク◆lBDllPVzBwさん、第31話をお願いします
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117 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:27:34.39 ID:WCE2gmw+0
『蛍狩り』


 晩春から夏にかけての風物詩と言えばズバリ、『蛍(ほたる)』ですよね。
『いきなり何だよその強引な前振りは!』と思われた方、ごめんなさい。
 だけど俺、この小昆虫が好きでしてねえ。夏の夜を彩るあの華奢な容姿からは到底想像出来ないけど、幼虫時にはカワニナとかタニシとかの淡水系巻き貝に手当たり次第
頭を突っこんでは根こそぎ食い散らす、その獰猛さとのギャップがまずたまらない。
 そして成虫期には殆ど餌を口にすること無く、ひと夏の生を終えるってな儚さもまた侘びし気で何とも言えないところである。
 ちなみに聞き慣れぬ響きであるHNの『スヴィトリアーク』ってのも、実はロシア語で『蛍』の意味だったり…。
 無駄話はこのくらいにしておくとして、これからのお話はそんな蛍を愛でるために訪れた山峡の渓流で体験した出来事。


「おーい。高校の頃遊んでた連中集めてさ、お前の帰省祝いにひと晩泊まりがけで蛍見物としゃれ込みたいなって思ってんだけど、どうよ?」
 幼なじみからそんな電話が掛かって来たのは、夏休みに俺が故郷に戻って数日経った頃である。
「そいつはありがたい提案だねえ。しかしさ、足、あるの?」
「俺、この間免許取ったんだよ。それに加えてキャンプ道具も準備万端、心配すんな」

 程無くして、俺と旧友3人を詰め込んだおんぼろハイエースは砂利道の震動に軋んだ悲鳴を上げながら、県境に近い山間の渓流へと赴いたのである。
 蛍の行動が活性化するのはひと晩に三度程と言われている。宵の口と午前0時、そして夜半の午前3時辺りが活発に飛び回る時間帯らしい。そんなタイムスケジュールを
織り込んだ俺らが現地に到着したのは、山の向こうに夕陽が沈みつつある午後7時前であった。

118 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:28:42.51 ID:WCE2gmw+0
「まだいくらか明るいうちに準備しちまおうや」
 俺の他3人の友人は、仮に名前をA、B、Cとしておこう。この蛍狩りの発起人となった幼なじみのAはさすがメンバー随一のアウトドア派だ。
手際よく天幕を張って雨溝を掘りペグを打ち、あっという間に宴の場を設営し終えたものである。
 往路の途中で買い込んだおにぎりやスナック菓子へ手を付けるのもそこそこに、俺たちは薄暮の中でようやく互いの再会を祝す乾杯の声を
上げたのであった。
 会話が弾み辺りも闇に包まれた頃、清流のほとりに茂る草木の中で本日の主人公達の淡い光がひとつ、またひとつと瞬き始める。
「お。お出ましになったね」
「一匹光り出すと、次から次へと現れるなあ。まともな一眼レフと三脚でも持ってくれば良かったよ」
 河の面を渡るかすかな涼風に身を委ね、明滅を繰り返しながら闇の中を飛翔し続ける数知れぬ光の粒を目で追う俺たち。

「美しい。これって、最高の贅沢ってやつかも知れねえなあ」
 団扇を扇ぎながら伝法な口調で呟くBに、度の強い眼鏡を光らせながら頷くC。
「うん。確かに都会じゃ滅多にお目にかかれない光景だよね。環境破壊にエアロゾル…」
 そんな幻想的な情景に時が経つのも忘れていた俺たちが腕時計を覗き込んだ頃には、既に時刻は午後の10時を過ぎていた。
 「さて、明日も早いしそろそろおねんねしようかね」
 Aの音頭で皆がテントへと戻ろうとしたその矢先、俺は山の端にポツンと漂う奇妙な光源を認めたのである。

119 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:29:55.96 ID:WCE2gmw+0
「ちょっと、あそこ見てみ。何だありゃ、あれも蛍かね」
「え?…違うね。蛍にしちゃあの発光色はルシフェリン系のそれでは無いよ。そもそも蛍の発光素子と言うのはさ、体内のアデノシン三リン酸による…」
 空気を読めぬ理数系のCが極めて無駄な蘊蓄を語ろうとするのを遮り、今度はAが素っ頓狂な声をあげた。
「おいおい。蛍なんかよりも明らかにでかいだろ…って、あっちからも来るぞ!」

 振り返ると今度は逆の方角から、同じ様に緋色の光をたたえた何かが、短い尾を曳きゆっくりと飛来して来たのである。
 鉢合わせする形となった二つの発光体は、ヒューヒューと鳴る風切り音の中お互いの周囲を巡りつつ時折絡まり合いながら、まるで意思を持ってでもいるかの様に
山影のシルエットを背景に睦み合っていた。そう、丁度若い男女がまるで逢瀬を楽しむかの如く…。
 5分ほども経ったであろうか、それらは絡まりながらひときわ高く舞い上がったと思うや否や、フッと深山の木々の中に吸い込まれ、そして消えた。

「………おい、確かに見たよな?」
「うん、見ちまった。…なあ、予定変更して戻ろうぜ。気味悪ぃや」
「無理だわ。今から帰るっつっても、運転手の俺がビール飲んじまってるもんよ」
「こんな事になるんなら、家で黙って量子力学概論のレポートでもやってた方が良かった…」

 結局俺たちは空が白み始めるまで、Aの持参した虫除けなどをものともせずにテントの中まで襲い来る蚊やアブ、ブユに散々悩まされながら、まんじりともせず
数時間を過ごさざるを得なかったのである。

120 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:31:24.80 ID:WCE2gmw+0
 実はこの河では戦国時代にまで遡れる遙か古、道ならぬ恋に落ちた若い男女二人がお互いの身の行く末を儚んで自らの命を絶ったという悲しい言い伝えが…
などと言うありがちな後日談など、これっぽっちも無い。
 あの夜に見たものは一体…。某教授が語る様なプラズマボールだったのか、それともこの世のものならざる何かだったのであろうか。
 それを確認する術を残念ながら俺は持たない。
 あれの正体を知るものはおそらく、漆黒が支配する闇夜の中を無数の光跡を残して舞い続けていた、あの蛍たちだけなのかも知れなかった。


【了】

121 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:32:57.44 ID:WCE2gmw+0
31本目の蝋燭が消えました・・・


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suu_o◆QfeyGUP37WSwさん、第32話をお願いします
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122 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:34:52.42 ID:rKZkpF2O0
【32話】suu_o◆QfeyGUP37WSw 様
『警備員さんの話』

先月のことなんですが、近くの雑居ビルで深夜にボヤ騒ぎがありました。
警備員さんがすぐに発見し消火に努めたおかげで、被害を最小限に食い止めたと高く評価されたと聞いています。
しかし当の本人は怯えながらもう辞めると連呼していて、様子が尋常でないことから同僚が理由を訊ねたところ、火事自体が色々おかしかったことが分かりました。

まず出火はコンセントを抜いていた機械の内部から起こり、本体は焼け尽きていたそうです。ところがその周囲は、燃えやすいものを積んであったにもかかわらず延焼は無し。
夜勤の見回り中に火を発見した警備員さんは、感知機が作動してないのに気付き、火災報知機を鳴らそうとボタンに指を伸ばしました。
すると報知機からじわじわと五本の指が生えてきて、人差し指を包んだのだそうです。
細く小さい指先に撫でられながらボタンを押すのは、本気で頭がどうにかなるかと思ったとのこと。

炎の熱と煙への危機感から何とか恐怖心を切り替え、消火器ボックスの扉を開けた時。
肌色をした何かがぎゅうぎゅうに詰まっていて、反射的に閉めてしまいました。
とにかく気色の悪さに全身が総毛立ち、後からそれが蠢いていたことに衝撃を受け、自分が逃げ出さずにいるのが不思議なぐらいだったとか。
火を食い止めたい一心で、勇気を振り絞って扉を開けると奇怪な物体は影も形も無かったそうです。
しかし消火剤を散布するあいだもホースをぐいぐい引っ張られたり、揺さ振られて難儀したと。
あまりに気味が悪くて精神的に挫けかけたころ、消防士さんが駆け付けてくれてボヤは鎮火しました。
警備員さんはクタクタに疲れて詰め所に戻る途中、耳元で子供の甲高い笑い声が響き、もう無理だと思ったそうです。

話の顛末を聞いた同僚は、その不気味な存在に怒りを覚え「何だそいつ、腹立つな!」と壁を殴った瞬間。
きゃっ! と声がして、ぺたぺたと逃げるような足音を、確かに耳にしたんだよ……。
と思い出しながら、同僚(=私の勤めるビルの警備員さん)が話をしてくれました。
そこで私が「こんなふうに?」と、書棚をバンッと叩いたところ。
きゃっ!? と机の下辺りで驚いた声がして、ぺたぺた走り去る音が……。

【了】

123 :わらび餅(進行) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:37:01.39 ID:uO4SmEpe0
32本目の蝋燭が消えました・・・


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スヴィトリアーク◆lBDllPVzBwさん、第33話をお願いします
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124 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:37:47.49 ID:WCE2gmw+0
『河川敷』


「レントゲンとMRIの結果が出ましたよお。こりゃあ頸椎椎間板ヘルニアですね」 
「第5・第6頸椎の髄核…ホラこれね。これが剥がれて神経を潰しかけてるんですよ。症状は結構深刻な部類なんで、出来れば手術の後にリハビリ含めたひと月程度の入院を…」
「ん〜、致し方ないですねえ。どうにか早いうちにこれ治したいんで合意しますわ」

 不承不承頷く俺を見た医師はこちらが怯んだとでも思ってか、ニヤリと意地悪気な笑みを浮かべる。
「あ、手術自体はそれほど面倒じゃありませんから安心して。…けどね、少し腑に落ちないトコがあるんですよねえ」
「え?、何でしょう」

 再び眉間に皺を寄せた壮年の医師が言うには、
「いえね、通常ここまで病状が進行するまでにはもっと長いスパンがかかるもんなんですけど…本当に自覚症状が起きたのはたった1ヶ月前だったんですか?他に何か心当たりは無いの?」
「ええ。まあ…無いっちゃー無いっつーかあるっちゃーあるかも知れなかったり…」

 心当たりは確かにあった。整形外科医に語ったところで一笑に付された挙げ句、そう遠く無い精神病院への転院を勧められそうな心当たりが…。

 話はひと月ちょいと前に遡る事にしよう。

 梅雨も終わりに近いその頃、俺は郊外にある二級河川のほとりで孤軍奮闘していた。
 河川管理業者の下請けである伐採屋の友人から極秘裏のうちに頼まれ、本来の仕事が週休であるにも関わらずこの河川敷の雑草刈りに駆り出されていたのだ。

125 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:39:07.13 ID:WCE2gmw+0
 じっとりと額に滲む汗を拭い、刈り払い機を手に天を仰ぐ俺。
 何しろ梅雨時ってのは雑草どもが最も活性化するシーズンだ。一日おきくらいに雨天と晴天が繰り返された時には最後、奴らは目に見える程にすくすくざわざわ繁茂する。
 ギュルギュル唸る丸鋸の主軸の先端へ執拗に絡みつく葦だの蔦だのに悪戦苦闘しながら、ようやく何とかノルマの半ば過ぎに差しかかったその時である。
「バンッ!」
 漫画や小説、時代劇でよく見聞きする「スパッ」「サクッ」ってな聞き心地の爽やかなそれでは無い。大口径の発砲音にも似たこの響きは、紛うかた無く刈り払い機が草藪の
中にある異物をかけた手応えだ。手首に伝わる軽い衝撃が何よりもその証左である。
「つまらぬものを斬ったか…」
 何処かの誰かみたいな独り言を呟き、足下の刈草をおそるおそるかき分ける俺。その眼前に見えたのはいつものヘビでもカエルでもテニスボールでも無い、およそこちらの
予想をちょいと躱した代物だった。
「へ?何でこんなのがここに落ちてるの?」

 日本人形。

 象牙色にくすんではいるが端正な顔貌の日本髪には花簪、薄紫の和服に纏われた桜模様のだらり帯…おそらくは芸妓さんがモデルなのかも知れぬ。
 その人形が、事もあろうか刈り払い機の一撃でふた目と見られぬ無残な姿を俺の眼前に晒していたのだ。
 本体の左脇から右肩にかけて、それこそ逆袈裟に…俺の手で斬られていたのである。
「うわあ…」
 恐る恐る彼女を手に取る俺。着物の布が厚手のせいか完全には寸断されていないものの、上半身が「く」の字に曲がり掌の中でガクガク揺れるその様は、見ていて気持ちの
良いものでは無かった。日が高いにも関わらず、まだ朝露が残っているかの如くしっとりと湿った顔に浮かぶ水滴が、あたかも涙の様にも思えて…。
「悪い事しちまったねえ」
 ゆるやかに流れる河岸の岸辺にその人形の身を置いて、心中で形ばかりの詫びを入れた俺がその日の作業を終えるまで、小一時間とかからなかった様に思う。

126 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:41:07.34 ID:WCE2gmw+0
 それから二日と経たぬうちに、俺の左肩を名状し難い感覚が襲った。
 左首筋から肩胛骨にかけて、肩こりにも似た鈍痛が支配し始めたのである。
「久々の草刈りで疲れが出たのかね?それにしちゃあイヤな痛みだな、取りあえず湿布でも貼っとこ」

 その痺れを伴う感覚は二の腕を経て肘を経て、またたく間に左手指の先端にまで降りてきた。
 多忙な日々に追われつつ、それでもまだ「どこ吹く風」とばかりに暢気な俺。その後も病状は改善を見せず、遂には肘から先は痺れを通り越して千枚通しを刺されても何も感じぬ神経マヒ、
それとは逆に寝返りどころか仰向けに寝ても耐えられぬ程の激痛が左肩を蝕んだ時点で初めて、俺は冒頭の整形外科へと赴くために重い腰を上げたのである。

 先生の執刀は完璧だったものの、何故か術後の経過がよろしく無い。ガラパゴスゾウガメの歩みにも劣る回復速度。リハビリに至っては、術後二週目を過ぎてもたかが1s程度の鉄アレイ
ですら30秒垂直に掲げるだけで額に脂汗が滲む体たらくである
「先生も首傾げてましたよ。困りましたねえ」
「実を言うとね、あんたと別れる日を迎えるのが辛いからこうして居座ってんのさ」
 すっかり気のおけぬ会話を交わす仲となった看護師の娘にそんな冗談で応じてはみたが、心中ではどうしようも無くいらついていたものだった。

 入院してから三週目を数えた頃だろうか。病室の窓を叩く夜半の風雨と雷鳴の音で俺はまどろみを侵された。かねてから囁かれていた台風擬きの爆弾低気圧が、どうやらこの地を直撃した
模様なのだ。
 窓ガラス越しに時折瞬光する稲妻に照らされながら、今まで左肩を痛めつけていたものがスッと何処かに昇華していく感覚を、真夜中のベッドの上で俺はかすかに、しかし確かに感じたものである。

127 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:42:15.77 ID:WCE2gmw+0
 何のはずみかどうした事か、そこから先の事態は目を見張るばかりの急転直下、俺の体調はそれまでの雌伏の期間がまるで嘘であるかの如くメキメキと快方へ
と向かっていった。 首を傾げて左肩に耳をつけたら「メキメキッ!」ってな音が聞こえたくらいである、ウソだけどw
「一週間前の握力測定左腕18sの人が今日は56sって…どういう事です?」
「何て言うか、あんたの可愛い顔もいい加減見飽きたからねえ」

 それから程無くして、俺は病院を辞した。退院したら、手に掛けたあの日本人形を手厚く葬る…ってワケでもないけど、せめてちゃんとした所に持ってって供養したい
とも思い彼の地に向かったのだが、それは結局叶えられぬ願いとなったものだ。
 近所の婆さん曰く、件の河川敷はどうやら丁度あの夜の豪雨で氾濫し、ほとりにあった刈草を初めありとあらゆる岸辺の雑物を綺麗さっぱり流し尽くしてしまったみたい。
 久々に訪れた俺を迎えてくれたその河は、付近数十戸を床上浸水に巻き込んだとされる鬼の形相はどこへやら、ゆるい陽光を浴びながら長閑に水浴びを楽しんでいる
数羽の鴨をその面に抱きつつ、さわさわと流れ続けているばかりであった。
 

 長々と書き連ねたけど、『後日思い返してそう言われてみれば…』的な思い込み以外の何物でも無いよね、人間ってもんはひとつの事象を何かと己の因果にこじつけ
たがる生き物だし。
 けどさあ、やっぱ時々思うんだよ。あの人形、今どこに居るのかな?大海に辿り着いて紺碧の波上に漂っているのかな?それとも下流の澱みに引っかかりながら濡れ
そぼった目で未だにこっちを恨めしげに見つめているのかな?ってね…。


【了】

128 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:43:00.27 ID:WCE2gmw+0
33本目の蝋燭が消えました・・・


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NNN ◆fRBuZwgwpさん、第34話をお願いします
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129 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:44:32.39 ID:rKZkpF2O0
【三十四話】NNN ◆fRBuZwgwp 様
『無題』

20年くらい前の出来事です。

夜寝ていて、ふと気がつくと妙に体がこわばって、動こうとしても
どうにも動かすことができません。
これはもしかして金縛りというやつか?と思い、隣で寝ている夫に
助けを求めようとしましたが、声も出せませんでした。

以前、金縛り中に目を開けると、傍らに落ち武者が立って睨みつけて
いる、とか、老婆が斧を振り上げている、とか聞いたことを思い出し、
目を開けるのも怖くてそのままじっと、金縛りが解けるまで
我慢するしかありませんでした。

どれくらい時間がかかったかは覚えていませんが、ようやく動けて
声も出せるようになったので隣の夫に、今金縛りにあって、呼ぼう
としたんだけど声も出なかった、と伝えると、なんと夫も私と全く
同じ状況だったとのこと。

夫も私も全く霊感はなく、不思議な体験は後にも先にもこれだけです。
当時アパート住まいで、隣がお寺だったので、そこから何かが私たちの
上を通過していったのかな、と今でもそう思っています。

<終了>

130 :わらび餅(進行) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:48:03.39 ID:uO4SmEpe0
34本目の蝋燭が消えました・・・


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【35話】デッドエンド ◆JY70SElFKIさん、第35話をお願いします
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131 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:49:08.94 ID:uO4SmEpe0
【35話】デッドエンド ◆JY70SElFKI 様
『壁越し』

私が昔住んでいたマンションでのことです。
ことの発端は、ある日の朝TVを観ながらダラダラとしていたら、ベランダの方から焦げたような臭いがしてきました。
なんだろ?と思い見てみると、何かが燃えたカスがありました。
私の住んでたマンションは7階建ての7階です。放火?ビックリしたのと怖いので警察に連絡し現場を見てもらいました。
そして、燃えカスの中に見覚えのある赤いテープをみつけ、つい最近ベランダに設置してあるガスの箱のようなパイプの付いたなんかうまく説明できないけど、それを全室新品に交換する工事があり、それに巻いてある

やつだと思いますと警察の方に説明しました。
すると警察の人はベランダから両隣を除き家の中に戻ってから小さな声で「おそらくこちら側の人やと思います。
水面下で調査しますのでなんかあったら直ぐ連絡して下さい」と言い燃えカスを持って帰って行きました。
そして管理会社に電話して事情を話すと「犯人は?隣の人でしょ!」と、なぜそう言うのか私は不思議に思いましたけど、その後直ぐに管理会社の人が隣の人のとこに来て数か月分の家賃を払ってくれと催促したことで

なんとなく理解しました。

132 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/08/29(土) 23:49:57.33 ID:eAXrYNbH0
1/3とか書いてほしいんだけど

133 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:50:02.04 ID:uO4SmEpe0
その後、隣人は部屋の中で毎日荒れていて、夜になると女の人のすすり泣く声とそれに話しかける男の人の声が聞こえて複雑な気持ちになりました。
ある日、壁にもたれてTVを見ていたら、ドンッ!と爆発した音と衝撃があり部屋が揺れました。
ビックリしたもののしばらく様子をみてなにもなかったので通報はしませんでした。
ところがそれからしばらくしたある晩、ベットに入り寝ようとしていたら、やけに隣が静かでふと隣の人死んだんかなと思いました。
で、眠りに落ち急に目がパッと覚め部屋の空気が生温かく異様なことに気づくと同時に人の気配も感じました。
怖いけど枕から少しだけ離れるか離れないかくらい頭を持ち上げチラっとみて布団をかぶって目をつぶりました。
灰色のズボンを履いた男の人が立っていたんです。もう言葉にならないくらいの恐怖で逃げたくても逃げれない。
ジッとしていると、気配が消えた!今や!とベットから飛び出そうとした瞬間、バンッ!とその男の人の両手が私の両足を叩きつけました。
もうパニックになった私はワーなのかギャーなのかわからない声を出しながら跳び上がり部屋中の電気という電気を無我夢中で付けて回り朝まで眠れず、昼前頃、経験したことのない臭いがしました。
なんの臭いかと思っていたら、マンションの廊下から「早く来て下さい!」「たぶん死んでます」「この部屋の◯◯さんやと思います」と電話してる人の声が聞こえてきました。
その数十分後に警察や鑑識の人が来て話をしました。
警察の方の話では部屋に灯油を撒き火を点けたが失敗に終わり、結局のところ隣人の死因は餓死で死後2週間くらい立ってますとのことでした。
警察の人達はよく火事にならなかったもんやと首を傾げていました。
昨日まで私が聞いていたあの声は一体なんだったんでしょうか?流石にそれは警察には言えませんでした。



134 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:51:26.38 ID:uO4SmEpe0
35本目の蝋燭が消えました・・・


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未帰還 ◆H3nLk5uPzさん、第36話をお願いします
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135 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:52:24.29 ID:rKZkpF2O0
【36話】未帰還 ◆H3nLk5uPzc 様
『呼吸』

私が小学生の頃、曾祖母が亡くなった時の話です。
母方の曾祖母が亡くなったという報せを真夜中に受け、母の実家に急遽帰省する事になりました。
親戚はとても多いのですが私達は親戚の内では近くに住んでいたため私達より早かったのは伯母の家族だけで、母の実家の大きな家にはあまり人が居ませんでした。
両親とともに顔布を掛けられた曾祖母と対面したのですが、恥ずかしながらその頃私はまだ「死」というものを理解しておらず、何故曾祖母の顔を隠すのか分かりませんでした。
その後集まってくる親戚の出迎えなどで家中が忙しくなり、とんでもない話ですが曾祖母の部屋に小学生の私一人しかいないという時間がありました。
なんとなく「今は大人しくしていなければならない」というのは伝わっていたので、悪戯するような事はありませんでしたが。
その時、私は曾祖母の顔に掛けられた布が、曾祖母が呼吸しているかのように上下に動いているのに気付きました。
しかし「死」を理解していない私はその事を特に不思議には思わず、ただ「自分が吸って吐くのと、ひいばあちゃんが吸って吐くのが一緒だな」と考えていました。
そんな不自然な一致や、真夜中だった事から今考えてみると、単にうとうとして夢を見ただけだったのかもしれません。
ただ、戻ってきた両親に「顔布が乱れている、悪戯するな」としこたま怒られて、「自分は悪くない」とかなんとか泣き出してしまったのは覚えています。



136 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:54:46.28 ID:uO4SmEpe0
36本目の蝋燭が消えました・・・


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スヴィトリアーク◆lBDllPVzBwさん、第37話をお願いします
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137 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:57:42.11 ID:WCE2gmw+0
『誘(いざな)われたら気をつけて』


 俺はかつて駆け出しのライダーだった頃、地元のバイクショップが主催するツーリングクラブに所属していた。そこで俺はバイクのメンテナンスやツーリングのノウハウを
諸先輩の皆様に色々と叩き込まれたものだ。そうした先輩の一人にNさんという方が居た。
 飄々としたいでたちのそのNさんはひと口で言えばホント『いいひと』。
 つまらない相談にも笑顔で接してくれる上に、クラブの新参者で年下で、しかも中型バイクまでしか乗れない俺にすら、いつも敬語で受け答えしてくれたものだ。
 とある春の日に、ショップのテーブル越しに彼が語ってくれたのが以下のお話。


 大型免許取りたてだった頃のNさんは、1週間程度のスケジュールで東日本をのんびりと旅した事があったらしい。そして道行きには、彼の友人の住む地に立ち寄り旧交を
温めるというプランも含まれていたそうだ。
 それは、まさにその旧友の実家に立ち寄らんとしていた時の出来事であったと言う。

 盛夏の深夜、Nさんを乗せたカワサキGPZ900Rは、心地良いエキゾースト・ノートを奏でながら緩やかなカーブの続く路上を疾走していた。
 開通したてであるとのその道路は、路面の各種表示も綺麗に真っ白真黄色、アスファルトはひび一つ無い濡れ羽色、雨でも降れば湯気のひとつも立ちそうなそれこそ文字
通りの『ヴァージン・ロード』だったそうだ。自然とNさんの心も躍る。
「気持ちのいい道だなあ。この分なら早朝にはあいつの街に着けるかもな」

 その時、Nさんの目には前方で扇状に揺れる赤い灯が見えた。
 細かく点滅する光源に近づくにつれ、それが道路工事における片側一車線規制の交通誘導員が振る誘導棒の生み出す赤色灯である事が判ったNさん。
 ちなみに『片側一車線規制』とは、中央線を挟んで上下を通過出来る車両が一台分ずつの道路の片側どちらか一方で路面工事などの作業が行われている場合、作業中の
車線を通過しようとする車両をとうせんぼしてから反対車線の交通状況を確認後、一時的に反対車線での通行を促して工事区間終了後に本来の車線へと復帰させる規制の
事であるッ!…って、頭じゃ判ってても文字に起こすと何言ってるのか判んない状況ですね。ですからあんまり鵜呑みにしない方がいいです、責任持てませんので…閑話休題

138 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/29(土) 23:59:20.73 ID:WCE2gmw+0
「開通してさほど経って無いってのに、この真夜中に保守作業か何かかな…大変だなあ」 扇状に振られていた手の動きを止め、頭上に誘導棒をピタリと静止させた誘導員の数メートル手前まで
徐々に減速してゆくNさん。それに伴い愛車GPZのエンジン音も、まるで鍋物でも煮ているかの様なアイドリング時のそれに変わってゆく。
 そんなNさんに今度は深々と頭を下げる誘導員。

 バイクを停車させたまではよかったものの、Nさんはちょいと首を捻った。
 それも当然、通常ならば派手な注意標識や進路指示灯、そして何よりも五月蠅い作業音がこれでもかとばかりに自己主張する工事現場が前方に見える筈であるのに、そこには静寂に包まれた
深夜の暗がりしか広がっていなかったわけなのだから。
「してみりゃ、誘導員の前に『○○メートル先工事中』の看板、あったっけか?」
 そんなNさんの心中を知ってか知らずか、今度は誘導員は頭上にかざしていた誘導灯を自分の体と平行に、下半身沿いの半弧を描く形で進行方向へと向けて何度も何度も振り流す。これは
常識的に考えると、勿論『青信号』と同等の意味を有するジェスチャーだ。

『え、いいの?対向車両はまだ一台も通過して無いんだよ。いいの?』
 前方を指さしながらフルフェイスのバイザーを開き、アイコンタクトを試みるNさん。 誘導員はそんなNさんを一瞥し、薄明かりの下でその表情までは窺い知れなかったものの、確かにこくりと頷いた。
「本当にいいのかなあ」
 納得いかぬ気持ちのまま、Nさんのバイクは対向車線へと躍り出てゆく。

 走り出してから十数秒、左車線をいくらチラ見しても相変わらず工事の『こ』の字も窺えない。ただのっぺりとした路面だけが、青白い道路照明灯にぼんやりと照らされているのみである。

 不可解な誘導員の存在に対する疑念が心中を支配していたせいか、Nさんの集中力は若干弛緩していたのであろう。けたたましいクラクションの響きでふと気がつくと、彼の僅か前方には猛然と
迫り来る一対の馬鹿でかいヘッドライトが目映い銀光を放っていた。

139 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:00:24.13 ID:ujnfAOrg0
「…うぉっ!」
『視覚情報が脳みそに届く前に、反射的に舵切ってました』とは後日のNさんの弁。間一髪で本来の走行車線へ流れた彼をあざ笑うかの如く、轟音と共に傍らをすれ違ってゆく大型貨物…。
「あのまま行ってたら、逝ってたわ。しかしあの立ちんぼ野郎、どこの誰だか知らないがこんな辺鄙な山ん中でタチの悪い悪戯しやがって…」
 本来は温厚である筈のNさんの怒りは、翌日彼の友人に会うまで治まる事は無かったそ
うだ。

「…しかしな、お前の『こっち来る時はこの道来いよ。出来たてのホヤホヤだから走り心地いいと思うよ』ってな台詞を真に受けて、えらい目に遭いそうになったぞ」
 Nさんの愚痴をひと通り聞いていた彼の友人は、一部始終を聞き終えて口を開いた。
「悪い事したなあ。お前が言ってたその場所で、ちょうど開通する一年ほど前に工事作業車の誘導してたおっさんが、よろけたはずみでダンプに巻き込まれちゃったんだそうだよ。炎天下の
誘導だったから頭がボーッとしちゃってたのかもって事で、現場の安全管理ミス含めてこっちじゃ当時、さんざんニュースで取り上げられてたもん。それかもな」
「それかもなってお前、あっさり…ってか、それ知ってたんなら何でそんな道を俺に!」「仕方ないだろ、俺だってそんなもんが出るなんてのは初耳だもの。しかしまた何でだろうね、昔の現場が
懐かしくて出ただけならともかくその誘導員、ひょっとしたら寂しくてお前をこの世じゃないどこかへ誘導しようと…」
「やめてくれよお…」

 先程までの腸の煮えくり返りもどこへやら、終いにはすっかり涙目のNさんだったそうで…。

140 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:01:52.63 ID:ujnfAOrg0
「…それでですね、俺ってビビリなもんだから、帰りは不案内ながらも別ルート駆けて来たんですよ。そこでもかなり怖い思い、しましてねえ」
「そいつは大変でしたねNさん、口調が稲川淳二ですよ。それからどうしました?」

 そこまで話し終えた後、トレードマークのバンダナ頭を掻くNさんのネクスト・ストーリーに更なる興味が湧いた俺。
「別ルートも同じく深夜走行を余儀なくされたんですよ。そしたら漆黒の闇の中、延々と砂利道の続く九十九折れの山道でしょ…ちょっと気を抜けば谷底ですよ、谷底!ようやっと
舗装路に出たら今度は対面から威勢のいい四輪の走り屋どもが中央車線はみ出して特攻紛いのコーナリングして来るしで、あの晩何度死にかけましたかね俺」
「…ひょっとして、今ここにいるのは本当に生きてるNさんなんですか?はははは」
 おちゃらけてテーブルの下を覗き込み、足の有無を確かめる素振りの俺にNさんは少し唇の端を歪める。
「笑いごとじゃありませんよ。ホントにあの誘導員、どうせなら他人の迷惑顧みねえあの走り屋どもの前に化けて出て、奴らをまとめてあの世へいざないやがれってんだよ。使えね
野郎だぜ、全く…」

『Nさんのその喋り方、面前で初めて聞いた!』
 前半と後半との彼の口調の見事なギャップがやたらと可笑しかった半面、ちょっとNさんの本性が垣間見えてどことなく怖い気がした春の夕暮れだった…。


【了】

141 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:03:28.73 ID:ujnfAOrg0
37本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMboさん、第38話をお願いします
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142 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:04:54.26 ID:slHZZ5U50
【38話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『子供の記憶』

うちの子がお腹にいた時から不思議な体験をしました。
めったに雪の降らない土地に雪が降った日、どうしても用事があった私が車で出かけました。
交差点の信号が青だったのですが急にお腹が張り、ブレーキをかけて停止した瞬間に
信号無視で雪で滑った車が勢いよく目の前を通過しました。
停止していなければ衝突していたでしょう。
子が生まれてからもドライブ中、機嫌が良かった娘が突然泣き出しました。
唐突でビックリして路肩に止めた瞬間に対向車のトラックが横道からきた乗用車と衝突しました。
部品はこちらに飛んできましたが停止していたために巻き込まれずに済みました。

そもそも、この子の出産は大変で本当に命の危険がある難産でした。
医者からも覚悟をして欲しいと言われ、万が一を考えた対応で出産に挑みました。
その時点で私はすでに虫の息で必死で我が子を出すだけで意識を繋いでいました。
酸素マスクを口につけられ、数々の点滴や機械に繋がれ、暴れないようにと手足を固定されての出産。
出産中に私意識を失い、どうも生死の境をさまよい、世で言う三途の川に行った様子です。
川ではなく光の集合体が暗い闇の中で川のように真横に流れていました。
フワフワとホタルより大きく、けれど暖かみのある光が周囲に幾つかフワフワと舞っていました。
川の向こうで亡くなった祖母を見つけ、私はただ嬉しくて「おーぃ」と手を振ったのです。
すると祖母は険しい見た事もない顔でこちらをにらみつけ、何も言わずに手でシッシッとあしらわれました。
シッシッって犬かよ!!と私がイラついた瞬間に小さな、でもはっきりした声で
「おかーさーん」って声が聞こえて目が覚めました。
婦長さんが私にまたがって私の頬をたたきがら「目を覚ましなさい」と叫んでいました。
そしてなんとか出産もできましたが、子はとても小さな子でした。

143 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:09:43.71 ID:slHZZ5U50
私には霊感がありませんが、霊を否定する気もありませんでした。
ですが子が3歳程度になるまでは、見えない場所と会話をゴニョゴニョとしていたり手を振ったり
娘の写真に光が写っている確率が高かったりと色々と迷いました。
今でも娘の小さい頃の写真には、そんな不思議なモノが写っています。
持っている石が人の顔だったり、撮った背景の鏡に見知らぬ老人がいたりです。
3歳程度の時に娘とお風呂に入っていると娘が急に言いました。
「お腹の中でおかーちゃんの声きいてたよ?はやく会いたかったんだよ。
あのね、お空でどのおかーしゃんにするって時に、おかーしゃんがいいって思ったの
ずーっとお腹でここにいるよーってキックキックしてたんだよ」

それからも不思議な事は保育園時代まで続きました。
保育園に珍しく行きたくないと言った日は近くの山が家事になったり
あのトンネルは嫌と行った次の日に、そのトンネルで事故があったり。
ですが小学校に入る頃には収まり、今では怖いテレビを見て「キャー」なんて言ってます
今では普通の子ですが、親としてはこの方が安心できます

(終)

144 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:11:59.20 ID:AgCPeYID0
38本目の蝋燭が消えました・・・


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スヴィトリアーク◆lBDllPVzBwさん、第39話をお願いします
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145 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:13:17.69 ID:ujnfAOrg0
『鏡よ鏡よ鏡さん』


 学生だった当時、某サークルでの会報作成に忙殺されていた頃の話だ。
 夕暮れのサークル室、同期のY子と二人きりで与太話をしながら作業を進めていたのであるが、どんな経緯を経たのかは失念したものの、やはり話はそっちの方向へと…。
「小学校の頃なんだけど、私、変な目に遭っちゃってさ…」


 彼女の実家は信州だったか甲州だったか、とにかくその辺りだとの事。勿論彼の地でも神社の縁日ともなれば沿道に露店が軒を連ねるワケで、その晩は当然お祭り好き
のY子も兄と連れだって賑やかな人混みの中にいた。
 さっそく輪投げに興じ始めたY子の兄であったが、何度投げても狙った的に嫌われるばかりで持ち輪はどんどん少なくなってゆく。
 そして業を煮やした挙げ句に気合いを込めて放った最後の一投は、ようやく彼の執念が通じたものか、狙いは外したとは言えとある景品の台に見事すっぽりと収まった。
「つまんねえなあ。こんなの、俺使わねえからお前にやるよ」
 狙っていた超合金のおもちゃを取りそこねていささかご機嫌斜めの兄がY子に手渡したその景品とは、『ひみつのアッコちゃん』の商売道具でお馴染みの丸形コンパクト
ミラーだったのである。
「やたっ!ありがとう兄ちゃん」

「知らない誰かが使った鏡を貰うのって、お婆ちゃんあんまり感心しないねえ」
 家に戻って家族に件の戦利品を見せるや否や、彼女の祖母は眉を顰めてそう呟いた。
 そのコンパクトは直径6p程度の年季物ではあるものの、いわゆる『いい仕事してますね』的な完成度を誇る、素人目に見ても極上の一品だったと後のY子は述懐する。
 微細なエングレーブで縁取られたその上蓋の面には薄紅色に咲き誇る夾竹桃の周りを舞う蝶の群れが、精緻を尽くした螺鈿細工の技法により美しく描かれている。そして
金粉の散らされた裏蓋にはススキの穂を思わせる放射状の飾り絵の中、元の持ち主の名前と思しき草書体の文字が彫られていた。
 何れにしろ、およそ露店の香具師が子供騙しのアイテムとして扱う様な代物では無い。
 信心深かったとのY子の祖母は、なおも心配げに小さく囁く。
「今からでも遅くないよ。返しに行った方がいいんじゃないかえ?」
「いやだもん。古道具屋さんから買ったと思えばいいじゃない!」

146 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:15:16.03 ID:ujnfAOrg0
 翌日からY子はそのコンパクトを肌身離さず持ち歩き始めたと言う。学校では先生に見つからぬ様に休み時間ともなればこっそりとそれを取り出し鏡に映る己の顔を飽きもせずうっと
り見つめ、放課後はそれを繰り返し友達に見せびらかして…という具合。
 照れくさ気に頬を掻きながらの彼女曰く、
「ちょっと大人になったかな?みたいな気にさせてくれたあのコンパクトに、何て言うか、情が湧いちゃってねえ」とか。

 やがてY子がコンパクトの異変に気づくのには、さほどの日数を要しなかった。
「あれっ?」
 その日もいつも通り鏡の中の自分に見惚れていた彼女であったのだが、ひと重で自他共に認めるドングリ目玉である自分の目がほんの一瞬、二重で切れ長のそれに見えたのだと言う。
 そしてまたある時は自分の背後に吊されているカレンダーの文字が、普通であれば反転されるはずであるのに当たり前の表示のままで鏡には映っていたりして。
 何れの場合も共通するのは、ハッとして鏡を二度見した時にはいつも同様に普通の映り具合に戻っているという事であった。
 一度であれば見間違いと言う事もあろう。しかしそれが二度三度と続くとなると、さすがの彼女も一抹の不安を覚えざるを得なくなると言うものである。

 その他にも、確かに洗面台脇に置いたはずのコンパクトが、顔を洗い終えて見ると玄関の下駄箱の上に鎮座していたり、パチンと閉じたかと思えば少し目を離した隙にバネ仕掛けの
蝶番でも無いその蓋が、囲炉裏で炙ったホタテの如く何故かパックリと開いていたり。
 にも関わらず、Y子はコンパクトを手放す気にはなれなかったそうである。そう、まるで何かに魅入られたかの様に…。
 そしてある夜、決定的な出来事が起こった。

 ここ数日体調が思わしくないものの、それでも就寝前にいつもの如くコンパクトを開いて鏡の中の自分と対面するY子。
「あたし寝るよ。あんたもおやすみ…」
 そして蓋を閉じかけたその時、上蓋と下蓋の隙間で何かが瞬いた様に彼女には思えた。
「え?」
 閉じかけていた蓋を再び開けたY子はコンパクトに顔を近づけ、青光りする鏡面を再びまじまじと覗き込む。
 その瞬間彼女は見たそうだ。鏡の中の自分の唇が、本来無いはずの八重歯を覗かせてニヤリと薄気味悪く微笑んだのを…。

「パリンッ!」

147 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:16:14.12 ID:ujnfAOrg0
 後の記憶は霧中の如く漠然としているために彼女には思い出せない。ただどこか遠いところで、

「タイヘンダ!カアサン!タオル ト ホウタイ ダア! アト ハヤク イシャ…」
「ダカラ イッタンダヨ!アンタ ガ ヘンナモノ ヲ コノコ ニ アゲルカラ…」
「ンナコト イッタッテ オ オレ シラネエヨオ…」

 そんな喧噪が聞こえていたのだけは覚えている…との事。


「次の日、コンパクトはお婆ちゃんが近くのお寺に持ってっちゃったみたい。今でこそ兄貴も『あの鏡さ、多分お前が美しすぎるから割れたんだよ。ほら、パタリロのオープニングみたいにさあ』
なんて茶化しやがるけど、その後は普通の鏡さえもしばらくの間見られなかったもんね、あたし」

 言い終えた後に、小さく肩をすくめるY子。
「ほう。怖くて普通の鏡も、か。Y子も男勝りに見えて結構、可愛いとこあるじゃないの…しかしその話、本当かい?」
 自分の話を疑われ、Y子は紅潮して頬を膨らませた。
「嘘じゃ無いのに!ホラ、もっとこっち来てあたしの顔、じっくり見なさいよ」
 言われた通りお互いの吐息が交錯するほどの間近でよく見ると、なるほど彼女の両頬には確かに鋭利な何かを散らされたかの様な小さい古傷の窪みがうっすらと数カ所見て取れる。
「ね、判ってくれた?」
「ああ、よ〜く判ったよ。お前さんの厚化粧の理由がな」
 俺の何気ない失言が彼女の中のデリケートな何かをいたく刺激したものか、その後しばらくの間Y子はひと言も口を利いてはくれなかった。

 もっともその後、丁度彼女に顔を近づけていたところを忘れ物を取りに来た同サークルの後輩が偶然目撃した様で、誤解を解くために俺はさんざん要らぬ苦労を強いられる羽目になってしまった
のだが、それはまた別の話。


【了】 

148 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:19:11.97 ID:ujnfAOrg0
39本目の蝋燭が消えました・・・


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儚 ◆Um9yHBDNIMLwさん、第40話をお願いします
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149 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:19:28.99 ID:AgCPeYID0
【40話】儚 ◆Um9yHBDNIMLw 様
『無題』

小6の時に私が体験した話です
当時通ってた小学校にはいくつか怪談がありました
いわゆる学校の七不思議というやつです
休み時間中に仲のいい友達3人とその話で盛り上がり放課後確認することになりました

私たちは1つずつ確認していくも
6つ目まで何も起こらず
?やっぱ七不思議なんて全部ウソだよね〜?なんて言いながら最後の7つ目を実行すべく体育館に向かいました
7つ目の七不思議は
一人で体育館の真ん中にボールを置いて?一緒に遊ぼう?と3回言いボールに背を向ける
霊が来るとボールが勝手に動き出すというものでした
これは一人でやらなければならないためじゃんけんで負けたアヤちゃん(仮名)が実行役になりました
その間私たち3人は舞台横の用具室に隠れることに
ドアの隙間から覗いてましたがやはり何も起こらず
がっかりしていると一緒に覗いてたはずのカナちゃんがいません
名前を呼ぶと?みんなこっち来てー!?と舞台の方から声がするので行くと
?放送室空いてる!?と興奮気味
放送室は舞台横の階段の上にあります
普段は先生や放送委員の人しか入れない上いつもは鍵がしまっている場所
中に入ると当然普通の放送室ですが脇にある窓から体育館が見下ろせるのでいつもと違う気分が味わえました
秘密基地みたいだねなんて話してたらアヤちゃんが?ボールなくなってる?と…
確かに窓からさっき使ったボールは見当たらず

150 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:20:32.80 ID:AgCPeYID0
?アヤちゃんが片付けたんじゃないの??
?私触ってない。そのままにしてこっち来た?
?見回りの先生もう来ちゃったんじゃない!??
?見つからないうちに逃げよう?
私が先にドアに近づくと向こうからコツコツコツコツと足音が
私は人差し指を立て?静かに?の合図をして小声で?先生こっち来てる?と伝えました
カナちゃんが?鍵、鍵しめて見つかったらヤバい?と言うので私はなるべく音が出ないようそっと鍵を締めました
鍵が閉まってればわざわざそこを開けたりはしないはずです
私たちは息を殺してドアを見ながらじっとしてました
すると突然ガンガンガンガンガン!!とものすごい勢いでドアが叩かれました
とても一人でやってるとは思えない勢いでガンガンガンガンガン!!ガンガンガンガンガン!!
?アケテーアケテーアケテー?
ノックの音に混じって歪んだような女の声
こんな声の先生は知りません
瞬時に得体の知れないナニカだと思いました
他の3人もこれは先生ではないと気付き真っ青になりました
ヤバいきっと七不思議なんか試したりしたから変なのを呼んでしまったんだ
どうしようどうしようとみんなパニックっておろおろするしか出来ない
私はランドセルに付けてたお守りを握りひたすら?神様お願いします守って下さいお願いします?と心の中で唱えました
しばらくすると音は止み去ったかと思ったら今度はペシャペシャと湿り気のある気味の悪い音
ドアの向こうで何をしてるのか
ぞっとしました
窓の一番近くにいたリサちゃんが?先生来た!先生来た!?と言うので見たらちゃんと知ってる先生がそこに!
私たちはもう怒られるとかそんなのはどうでもよくなって必死に窓を叩いて?先生!先生!?と呼びました
それに気づいて舞台の方に駆けていく先生を見てホッとしました
いつの間にかペシャという音はなかなっていて階段を登ってくる音

151 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:22:00.21 ID:AgCPeYID0
?どうしたの?何かあったの??
私たちはドアを開けて正直に今起こっていたことを話しました
先生は?誰かのイタズラじゃないの??と言って舞台の周りなどを見て回るも誰も見当たりませんでした
先生もこちらに向かうさいに誰かとすれ違うこともなかったとのこと
怖がってる私たちを可哀相に思ったのかこの事は担任には言わないでおいてくれました
それから半年ほどして私たちは卒業式を向かえました
式の後あの先生にも挨拶に行くと
?あの時あなたたち怯えてたから言わなかったけどあそこ出るみたいなのよ。
ほら去年までいた保健のサトウ先生(仮名)覚えてる?サトウ先生霊感強かったみたいでね体育館は“アレ”がいるからなるべく近づきたくないてよく言ってたのよ。
アレって何?て聞いても教えてくれなかったから先生もよく分からないんだけどね。
もしかしてあなたたちが遭遇したのはサトウ先生が感じてたアレなのかもしれないわね。ごめんなさいね今更怖がらせちゃったかな。でもアレはあそこから動けないから憑いたりはしないそうよ。だから安心して?
今も体育館にアレはいるのか
確かめようがないし確かめたくありませんが母校の前を通ると思い出します



152 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:23:41.61 ID:slHZZ5U50
40本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMboさん、第41話をお願いします
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153 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:25:51.80 ID:AgCPeYID0
【41話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『道向いの家の影』

私の家系は昔から猫が好きで自然と猫がいます
現在も縁で猫が4匹いるのです
昔から我が家に何かあると猫が消えたり亡くなります
私の身内は「身代わりになってくれたんだね」と土地に埋めて拝みます

我が家の猫は完全な室内飼育です(事故とか嫌なので)
家の窓から外を見張るのが大好きです
車が窓外に通ると「ナーナー」ときたよきたよと教えてくれます
飽きもせずジーッと何時間でも見ているのですが、この前のお盆から
どうも様子がちょっと違います
決まっているのが夜7時過ぎからの時間で道向いの家の小さな小窓を見ています
気づいたのは小さく唸り声をあげている時があるからです
実は霊感のない私は向いの、その小窓を見るのが嫌です
近所づきあいしないので、だいたいの家族構成しか知りません
夜はカーテンを閉めて向いを見えないようにしていますが
猫がヒョイっと自分の顔をつっこむスペースを開けて観察しています
私には何も見えないし、なんとなく黒いカーテンがたまに人影に見えるのが
嫌なだけなんですけど、この前ここの息子さんが言うんですよ
「寝ようとすると、女がずっとこっちみてる感じがして気持ち悪い」って
似たヤンチャな友達に笑われてました
今日もずーっとカーテンは閉まったままです

(終)

154 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:27:39.32 ID:slHZZ5U50
41本目の蝋燭が消えました・・・


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スヴィトリアーク◆lBDllPVzBwさん、第42話をお願いします
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155 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:29:44.89 ID:ujnfAOrg0
『感性の違い』


「あのさ、ただであげるからこのチケット、要らないか」
 映画マニアである父の友人は気さくな口調でそう笑い、俺の手にとある名画座のチケットを握らせた。
「え、いいんですか。何の映画?」
「ああ、アンドレイ・タルコフスキーってソ連の監督が昔撮った作品。君は若いからちょっと退屈するかもなあ。だけど、それでもまあ話の種にはなる思うよ」
 翌日そのチケットを胸ポケットに忍ばせて、俺は早速夕暮れの街に踏み出した。

 街外れにその名画座はある。それまでも何度か訪れた場所だがこの映画館、採算性に牙を剥いているとしか思えぬ様な、趣味的で超マニアック作品しか扱っているのを
見た事のない、小ぢんまりとしたシアターだった。
 ライブハウスを改装したとされるこのシアターは一般的な映画館のスクリーン設置位置と比しても遥かに低いそれに加え、リノリウム貼りの上に据えられたシート数はほんの
百席弱。フロアそのものが平坦であるため、通常でも鑑賞の際は観辛い事この上無い。
 そんな場内に足を踏み入れると、上映5分前だと言うのに来館者はたったの俺一人。「まあこんなのも貸し切りみたいで、いいか」
 4列目の真ん中辺りに腰を下ろし、あまり期待もせずに俺は開演のベルを待ったものである。

「やばい。貴重な時間を無駄にしたか」
 始まってから俺がそう後悔するまでに、さほどの時間は要しなかった。肝心の題名は失念したもののこの映画、開演以降ろくな台詞も無いままに、河やら雲やら農村やらの
情景が延々と流れ続けている、いわゆる『アート系環境映画』的な代物だったのだ。
 玄人にはおそらく高評価な作品なのであろうが、バカでも判るスペクタクル超大作を好む俺にとって、この展開は苦痛以外の何物でも無い。
「ひょっとしてこれが最後まで続くのかなあ。涙目のせいか、スクリーンが霞んできたよ」
 欠伸を繰り返す俺の瞳の中で、銀盤の風景がじわりと滲んでいる。
 いや、しかし…その滲み方が何か変?

156 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:30:46.27 ID:ujnfAOrg0
 誰も座っていない最前列中央、ちょうど俺の視線の先が真っ正面に捉える席上だけが、丁度肩から上の人型に歪んでいるのだ。それ以外のスクリーンは鮮明に見えている。
 ほら、『光学迷彩』ってのを想像して欲しいんだけど、あたかもそれを纏った人間が前々々のシートにこちらに背を向け座っている様な不思議な構図。その半透明のシルエットが
動くと同時にその空間範囲だけ、映写されている光景が部分的にぐにゃりと歪む。

 その正体が何なのかはひとまず置き、普通であればスクリーンがもう少しはよく見える座席までの移動を試みれば良さそうなものであるが、上映作品も肩透かしな上に猛烈な
眠気に襲われた俺には、もうそれすら努力する意欲が既に残ってはいなかった。
 程なくして俺は睡魔に負け、深い眠りへ真っ逆さまに落ちていったものである。

「パチ、パチ、パチ…」
 神社を参拝する際の柏手にも似たその響きで、俺は目を覚ました。
「んん、やっと終わったか。しかしこんな映画でもブラボーするのがいるんだな。俺が寝てる間に他の客でも来館したか」

 館内照明が再点灯し始めた薄明かりの中、眠気の残る目を擦りながらフロア内をぐるりと見渡す俺。しかし劇場の中には入館時までと同様、俺以外の客は見当たらなかった。

「パチ、パチ、パチパチパチ…」
 若干速度を速めながらも続いているその拍手は、どうやら例の最前列中央の席から確かに聞こえているらしい。

『何だかなあ。さすが目に見えない誰かさんの芸術的感性ってのは、生きた人間のしかも凡夫たる俺なんかとはどうやら一線を画すみたいだわ…』
 かび臭いロビーを抜けて、今やとっぷりと日も暮れた街を吹く木枯らしに再び身を晒した俺は、肩を窄めながらも前方の空車タクシーに向かって右手を振ったものだった。

 蛇足ではあるが、当然の如くこの名画座は潰れてしまって今は無い。


【了】

157 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:31:25.73 ID:ujnfAOrg0
42本目の蝋燭が消えました・・・


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まんじゅう ◆PP2Ugyol5sさん、第43話をお願いします
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158 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:31:46.60 ID:AgCPeYID0
【43話】まんじゅう ◆PP2Ugyol5s 様
『ついてくる』

同僚の父、Kさんは山歩きが趣味で、よく休日を利用し関東近郊の山へ赴いていたそうです。

数年前ひょんな事からカメラに凝り始めたKさんは、山歩きのついでに四季折々の自然をカメラに納めるようになりました。

そんなある日の事。いつもの様にトレッキングを楽しんでいたKさんは、山道から少し外れた場所に咲いた一輪の野花にカメラを構えました。
何枚か撮影してみたものの、なかなか思うようなアングルで写真が撮れません。
焦れったくなったKさんは、思わず身を乗り出し、その拍子に足を滑らせ数メートル下の斜面に滑落してしまいました。

幸い怪我もなくカメラも無事です。
「しまったなぁ。しかし夏も終わりとはいえまだまだ暑いし、この山は気軽なトレッキングが楽しめる初心者向けの山。遭難した話も聞かないし、まぁ大丈夫だろう」
そう楽観的に考えたKさんは一旦休憩し、山道に戻ろうとめぼしい場所に向けて道なき道を進みました。

しかし、何の手入れもされていない山の中を進むのは難しいものです。ましてやKさんは山歩きが趣味とはいえ、藪漕ぎの経験などありません。
ようやく山道らしきものに行き着いた頃には、日は暮れかかり辺りには夜の気配が漂い始めていました。

Kさんは心細く不安になる気持ちを何とか奮い立たせ、リュックの中に入れていた携帯用ライトで先を照らしてみました。

山道は随分荒れており、長い間人が通った形跡は見当たりません。野草が繁茂し、大きな石が転がる道を見失わないようにKさんは必死で歩きました。

どれくらい歩いたでしょう。
同じ様な風景が続く山の中、ふとKさんは自分の後方に何かがいる事に気づきました。
草を踏みしだく音、時折石にあたる爪の「チャッ」という音。微かに聞こえる息遣い。
狸か狐か。それとも何か他の野生動物でしょうか。ここいらに熊が出る話は聞きませんが、Kさんはライトを向けて確認してみました。

薄ぼんやりした明かりに照らされた後ろには、見た感じ生き物はおらず、荒れた山道しか見当たりません。
隠れたか逃げたか、まぁ良い先を急がなければ。Kさんは明かりを前に戻し歩き続けました。

159 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:32:45.18 ID:AgCPeYID0
一向に麓に近づく雰囲気がなく、暗い山道を足を取られながら進むうち、Kさんの中で少しづつ焦りと恐怖が膨らんできます。
後ろに先程と同じ気配をまた感じましたが、好奇心旺盛な狐か何かが自分を窺っているのだろう、
そう思ったKさんは相手にしませんでした。

「疲れた…」滴る汗を拭い、水分を補給しようと立ち止まったKさんですが、ふいに嫌な事に気付きました。
後方の気配は未だ変わらず、「ザサッ、チャッ…チッ」という足音に「…ハッ、ハッ…フーっ」という吐息。明確にKさんの後をつけてきている意思を感じます。
更に、最初に感じたよりも、かなり大きい。
足音の重さや雰囲気で、姿を確認せずとも人は大体の大きさを察することが出来ます。
少なくとも大型犬くらいはある、そう感じたKさんは追いつかれる事に恐怖を感じ、歩みを早めました。

「チッ、チャッ…ハッ、ハッ…」
これだけの大きさのある野生動物。Kさんはこの音の主に当てはまりそうな動物を片っ端から考えましたが思い当たりません。恐怖で散漫になる思考に、じわりと嫌な、嫌なイメージがKさんの脳裏に浮かびました。

「ガサッ、チャッ…チャッ」
石にあたる爪は、マニキュアの剥げたボロボロの女の爪。

「…フーッ、ハッハッハッ…」
ざんばら髪の合間から覗く、裂けたような大きな口から漏れる荒い吐息。

そんな訳ない!そんな訳ない!
自分はアイツを見ていないのだから、これは疲労と恐怖が見せる何かだ!!

そう必死に自分に言い聞かせるKさんですが、何故か後ろにいるのはアレに違いないと確信していました。
まるで自分の頭の後ろに目の様な器官があって、後ろの映像をKさんの脳内に流し込んでいる。そんな感覚でした。

160 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:33:36.13 ID:AgCPeYID0
ボロボロの爪の赤いマニキュア。泥だらけの汚い長い髪。四つん這いの体もどこかおかしく、ギクシャクと部分がどこか欠損しているよう。

違う!違う!
恐怖のあまり走り出したKさんですが歩き詰めの体は限界で、のろのろと歩く速度でしか進めません。太ももや脹ら脛がビキビキと痙攣しているのが分かりました。

「…、…◯◯ぁ◯ー…」

ゆっくりとですが確実に後ろの気配はKさんに近づき、吐息に混じって何事か呟きが聞こえてきます。

痛いほど乾いた喉から嗚咽が漏れ、視界が滲んでいるのに、Kさんは自分が泣いているのに気づきました。
走って逃げ出したいのに、今にも止まってしまいそうな身体。
もう無理かもしれない。後ろを振り返って終わりにしてしまいたい。
Kさんがそんな事を思った時、鬱蒼とした木々の先にぼんやりとした明かりと人の気配がしました。

「おーい!…おーい!誰かっ」
弱々しい嗄れた声でしたが、Kさんの助けを呼ぶ声は幸いにも聞き届けられました。

Kさんに気づいた1人がライト片手に、木々の合間を縫ってこちらに向かって来てくれます。
どうやら壮年の男性のようでした。

161 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:34:44.19 ID:AgCPeYID0
「どうしましたー?」
大丈夫ですか?そう言おうとしたであろう相手はライトに照らされたKさんを見て絶句しました。
相手の恐怖に固まった顔と視線から、「あぁ、後ろのアレを見たなこの人…」そう思ったのを最後にKさんは気を失ってしまいました。

Kさんが意識を取り戻した時、既に時刻は明け方でした。
痛む体を引きずって寝かされていたテントから出ると、そこは見知ったキャンプ場で、どうやらKさんはここの裏手に辿り着き、倒れたところを介抱されていたようです。
心配していた周りの人が車で病院まで送ってくれる事になり、ほっとしたKさんですが、皆の中に1人だけKさんと視線を合わさず遠巻きにしている人がいます。

昨夜、Kさんを発見してくれた、あの男性でした。
爽やかな早朝の光の中では、あの夜の事が嘘の様に感じられ、Kさんは一言お礼を言おうと、その男性に近づきました。

口を開きかけたKさんは、しかしその男性に遮られ、

「あのね。あなたもう山に入らないほうが良いと思うよ。私ももう行くことはないと思う」

そう一方的に告げられたそうです。


〈完〉

162 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:35:15.63 ID:slHZZ5U50
43本目の蝋燭が消えました・・・


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猫虫 ◆JmJaz0BtVcさん、第44話をお願いします
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163 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:40:36.06 ID:slHZZ5U50
【帰る】

俺のじいちゃんは漁師だった。
10歳の時から船に乗り、家族の反対を押し切って80歳まで現役を続けた生粋の海の男だ。
これはそんなじいちゃんから聞いた話だ。

夜に沖へ船を出していると、奇妙な事象に出くわすのはそう珍しくもない事なのだそうだ。
霊と思しきものや人魂のようなものばかりではなく、もっと謎めいたものも多く見たという。
それらは恐らく神や妖怪に分類されるものと思われるが、そういったものについてじいちゃんは多くを語らなかった。
一度その理由を尋ねたら、「人が触れちゃなんねぇ領域ってもんがあるんだ」と言っていた。
ちなみに、じいちゃん基準で人が触れてもいい領域の端っこにあたるのが幽霊だったらしく、海で見た霊のことはたまに話してくれた。

じいちゃん曰く、霊というものは光を求めるものなのだそうだ。
霊といえば夜に出るという概念があるから闇の方が好きそうに思えるが、霊にとって光は生者の世界の象徴であり、そちらに戻りたいという思いが彼らを光に惹き付けるのだろう。
特に、海で死んだ者は真っ暗な海に取り残されている事がつらくて仕方ない。
そんなわけで、じいちゃんのイカ釣り漁船にはそういった霊が時折寄ってきたらしい。
いつの間にか甲板に乗ってきていたり、引き揚げてくれとばかりに海の中から手を伸ばしてくる者もあったそうだ。

といっても、じいちゃんはそこまで霊感が強い訳ではない。
顔かたちまではっきり見えるようなことはほとんどなく、霊の声も聞こえないから話もできない。
半端に相手をすると厄介な事になるので、基本的にじいちゃんは霊に対して無関心を貫いていた。
海中から助けを求める霊は気の毒だが無視し、船に乗ってきた霊にも気付かないふりをした。
そうする事がお互いのためなのだそうだ。

164 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:43:42.82 ID:slHZZ5U50
ある時、じいちゃんの仲間が海で事故に遭った。
同じ船に乗っていた者がすぐに引き揚げて病院へ運んだのだが、残念ながら助からなかった。
頼れる兄貴分だったその漁師の死を悼み、多くの仲間達が彼の葬儀に集まった。
悲しみを抱えながらも、漁師達は翌朝からまた海へと出ていった。

葬儀から半年ほど経った頃。
沖に停めた船の中でじいちゃんがあぐらをかいて作業をしていると、突然猛烈な眠気が訪れた。
寝ちゃいかんと思いながらも、瞼が重くて仕方ない。
必死で睡魔と戦っていると、背後に誰かが立っている気配がした。
眠くて振り返れないじいちゃんの頭の上から、テツ、とじいちゃんのあだ名を呼ぶ聞き覚えのある声が降ってきた。
「テツ、悪いがちょっと陸まで乗っけてくれな。俺、足がなくて戻れんから」
夢うつつのじいちゃんは、声の主である漁師が亡くなった事を忘れていた。
「ああ、兄貴か…どうした?」
じいちゃんの問いに背後の人物は答えず、「悪いな、頼むよ」と返した。
ああ、分かった…と呟いた時、じいちゃんは唐突に覚醒した。

辺りを見回すが、気配はすっかり掻き消えている。
それでもじいちゃんは兄貴の霊がこの船に乗っていると確信し、同じ船に乗っている仲間達に今見た夢を話した。
その場所が偶然にも兄貴の落ちた海域だった事もあり、仲間達はじいちゃんの話に納得すると、すぐに漁を打ち切って港へと戻ったのだそうだ。
じいちゃんが『無関心』の鉄則を破ったのは、それが最初で最後だった。

じいちゃんによれば、人は命を落とした場所に魂まで落っことしてきてしまう事があるらしい。
そうなると、体は埋葬されても魂はそこから帰れず、誰かに連れ帰ってもらう必要があるのだろう。
「幽霊に足がないってのは上手いこと言ったもんだな。足(交通手段)がなきゃ、生きてるもんでも遠くからは帰れんもんなぁ。タクシーやらバスやらに出る幽霊ってのも案外そんな理由なのかもしれんね。俺の船は幽霊のタクシー代わりだったわけだ」
そう言って笑った後、じいちゃんは海の方を向いて深いため息をついた。
「死ぬ瞬間まで俺は海の上にいたい」と言ってなかなか漁師をやめずに家族を困らせたじいちゃんは、海に魂を落っことした彼らの事を少し羨んでいるようにも見えた。

【了】

165 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:46:52.27 ID:slHZZ5U50
44本目の蝋燭が消えました・・・


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suu_o◆QfeyGUP37WSwさん、第45話をお願いします
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166 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:47:11.00 ID:AgCPeYID0
【45話】suu_o◆QfeyGUP37WSw 様
『ひっぱりっこ』

私の祖父は、私が小学二年に上がる直前に病気で亡くなりました。
突然の変調で入院してしまい、一年近く会わないままの他界でした。

それから半年以上経ったある日。不意に祖父が思い出されて懐かしくなり、お墓が近かったこともあって一人でお寺に行ってみることにしました。
当時両親は忙しく、親しい友達もいなかったので暇だったのだと思います。
しかしお寺には着いたもののお墓の場所が分からず、途中で生えていた草で遊んだりしたため帰りが遅くなってしまいました。

やっとお寺の敷地から道路に出た頃には日が傾き、見渡す限り人ひとりいません。
そんな時、路側帯の白線の上に綺麗なビー玉が落ちているのが見えたのです。
夕陽に照らされてキラキラと光を反射させる様子は、子供心を惹き付けるのには十分でした。
一応左右を見て安全なことを確認し、ビー玉に近づきます。
拾おうと屈んだ時でした。いきなりスカートが引っ張られ、私は数歩前に出ていました。
よろよろと進めば、そこは車道です。あわてて戻ろうとしましたが、スカートにかかる力は強くてびくともしません。
何が起きているのか理解できず、ただただ「車が来たらはねられちゃう! はねられたら死んじゃう!」と怯え、涙ぐみました。

167 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:48:20.98 ID:AgCPeYID0
……しかし、いつまで経っても道の奥から車が現れる気配はありません。
(それもそのはず、いま調べてみると曲がり角の先は行き止まりでした)
静寂のなか立ち尽していると、その何かは痺れを切らしたのか再び強い力で引っ張りだし、私はフラフラと道の端まで引きずられていきます。
ついには歩道に乗りあげ、助かったのかと思いきや……目の前には石の階段があり、下方に続いているのです。
(えっ、やだ落ちる!)
そう直感し、脇の柵にしがみつきましたが7歳の筋力で自重が支えられるわけもなく。あっさり手は離れ、坂の下へと転落しました。
しかし抵抗したことで、軌道が石段から横の草むらの上に逸れ、幸運にも肘を擦り剥いたくらいで済みました。
腰を抜かし、呆然としたのも束の間。いきなり右足首を掴まれる感覚に飛び上がりました。
そればかりか足は勝手に宙に浮き、ずるずると私の体を持っていくのです。
その諦めの悪さから執念じみた殺意が伝わり、言葉を失っていると。
今度は、左の手首を掴まれました。
見れば空中からガリガリに細くて骨と皮だけの腕が現れ、食い込むほどの力で手首を握ってきたのです。
冷えた指先と骨の固い感触が生々しく、度重なる異常事態に私はパニックになりました。
正体不明の二つの存在が協力して、自分に危害を加えるとしか考えられなかったからです。
ところが腕は予想とは裏腹に、私をもと来た方向へと引っ張りだしました。
すると足を持つ側も異変に気付いたのでしょう、連れていこうとする力が急に増しました。
両者のあいだで私の体は限界まで伸び切り、膝の関節が捻られ、手首は圧迫痛に悲鳴をあげ……ちぎれてしまうのではないかと不安になるほど痛かったです。
辛くて苦しい引っ張り合いの末、ふと足元の気配が消えました。
勢い余って地面に投げ出された後は無我夢中で、どうやって帰ったかは覚えていません。
でも、家に着くまで腕の存在感は残っていたように思います。

168 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:49:17.28 ID:AgCPeYID0
私を助けてくれた手の正体が判明したのは、その十一年後。祖母の葬儀が終わり、遺品を整理していた時です。
沢山の写真のなかに一枚だけ、入院中の祖父の姿を写したものがありました。
闘病生活に痩せ細り、顔も別人のようにやつれていましたが、優しい目は思い出と全く同じ。
そして袖口から伸びた腕は非常に細く骨ばっていたものの、拳はあの日見たように頼もしいものでした。


実はこの話には続きがありまして、今回百物語を投稿するにあたり地形を確認しに歩いてみたのですが……。
当時階段の少し先に用水路があり、子供が二人亡くなっているそうです。
一人目の事故が起きたあと、対策として厚い鉄板を被せたのですが、二人目はそれを外しての溺死と聞きました。
大人でも重くて容易には動かせない板を、小学生がどうやって取ったのかは、分からずじまいだったとか。
なお、周辺には古くから「乳飲み子を亡くして狂い死にした母親の幽霊が、健やかに育っている子供を妬んで悪さをする」という恐怖話がありましたが、用水路が埋められて以降不幸な出来事は起きていないので関連性は不明です。

【了】

169 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:52:46.11 ID:slHZZ5U50
45本目の蝋燭が消えました・・・


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スヴィトリアーク◆lBDllPVzBwさん、第46話をお願いします
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170 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:53:48.82 ID:ujnfAOrg0
『ウォータースライダー』


 唐突な話で面目ないけど、皆さんは『夏』と言えばまず何を思い浮かべますかな?
 まあ人それぞれとは思うけど、『海』『プール』とかの回答がやはり多いかも知れない。
 実は大学時代、夏休みに帰省した際に必ずお世話になるバイトがあった。いわゆる『プールの監視員』というやつである。市から管理委託されたファミリープールの運営団体のお偉いさんが
顔見知りで、毎年書き入れ時になると声をかけて貰っていたものだ。
 じりじりと肌を焦がす炎天下での2時間×3セット、端で見るよりもかなりハードな仕事なのだが、貧乏学生にとって時給900円の実入りは当時なかなか魅力的だった。
 そんな遠い夏の日のお話である。


 お盆の最中だったろうか。前日までの猛暑もどこへやら、その日は雲行きも怪しかったせいかシーズンの割にはお客が少なかった。いつもはけたたましいばかりに鼓膜を襲う子供たちの喧噪も、
この日はさほど苦にならない。俺はいつもの様にウォータースライダー(流水滑り台)の櫓の最上に陣取り、次から次へと登ってくる子供たちを2本あるレーンに誘導し、頃合いを見てスタートの
ホイッスルを鳴らすルーティンワークを続けていた。『あ〜、次のローテーション交代まであと何分だよ。冷たいスイカバーが食いたいな』

 気だるさの中でそんな事を考えていたところ、ふと何者かの気配が…いつの間に登って来たものか、右側のレーンにちょこんと座っている小さな姿が俺のすぐ足下にあった。
「う、ごめんね。ボケっとしてたよ。…じゃあ、準備はいいかな?」
 見たところ小学4〜5年と言ったところか、他の児童が皆こんがりと日焼けしているにも関わらず、その痩身の少年はなぜか透き通る様に真っ白な肌だったのが印象に残っている。 そして彼の
被るスイミングキャップには、もう十数年前も前に統合合併により廃校となって久しい、付近の小学校の校章が見て取れた。
『お兄さんか誰かのお下がりかな?しかし最近には珍しく物持ちのいい家の子だなあ』

171 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:54:51.18 ID:ujnfAOrg0
 不躾な俺の興味もどこ吹く風とばかりに、無言のままレーン上で脚を伸ばす少年。
 大抵の場合、今まさに滑ろうとしている子供はテンションが上がりまくりでウキウキソワソワせわしないものなのであるが、その子は無表情な顔貌を崩す事無くスロープ下の着水プールを、
切れ長ではあるが妙に虚ろな眼差しでぼんやりと見つめているばかり。
 確かに緊張して固くなる子も居るには居るが、その少年の醸し出す雰囲気はそれらともまた異なった、名状しがたい違和感と言ったらいいものか…紙ヤスリで擦られたかの様なザラついた
感覚が俺のうなじを不気味に撫でる。

「じ、じゃあ、行くよ」
 心中にじわりと広がる不可解な何かを振り払うかの如く、勢いよくホイッスルを鳴らす俺。それと同時に、少年は無表情のままで約12メートル下にあるひさご型の着水プール目がけて音も無く
滑り出していった。
 少年がスロープ半ばにさしかかるのを認めた直後に管理棟の大時計に目をやる。錆び付いたフレームに縁取られた年代物の時計の針は、14時45分を指していた。
「あと10分で最終ローテか、もうすぐだな」
 ここで本来であれば、プールに着水する際の豪快な水音と共に稚気を孕んだ歓声が沸き上がるはずであった。

 はずであったのであるが…「?」

 とっくに着水しているタイムであるにも関わらず、水音も何も聞こえないのである。慌てて目をやった着水プールでは、湿りつく風に煽られたさざ波だけが、まるで何事も無かったかの如く
かすかに水面を彩っているだけ…。
「ま、まさかスロープの途中でコースアウトして下に落ちたって事は無いだろうな!」
 勿論、スライダーには両脇に危険防止のための柵が張り巡らされている。しかし万が一のことを考え、慌ててスライダー下のプールサイドを確認する俺。幸いにも…と言って良いものか、
眼下のプールサイドには安物のビーチボールがただ一個、あても無くタータンエリア上を転がっているのみであった。

172 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:56:39.71 ID:ujnfAOrg0
『どういう事なの?俺が目を離した2秒ちょっとの間に一体、何があった?』
 訳が判らず、流水プールのほとりに配備された同じバイトの地元学生に向かい、インカムのマイク越しに俺は絶叫にも似た金切り声を叩きつけたものである。
「おい!今滑った男の子、どうした!」
 そんな俺の焦燥感を逆なでする様にイヤホンから聞こえてくる、同僚の呆けた声。
「何言ってんすか?さっきから誰も滑って来てませんよお。俺なんか、誰も居ないのにあなたが上でいきなりホイッスル鳴らすもんだから、どうしたんだろと思いましたもん」
「う…、ホントかよ」

 そうこうしているうちに小雨がぱらついて来た。早めに休憩せよとの本部からの指示を受け、俺は釈然としない思いを残したまま櫓を降り始める。ビーチサンダルと階段に
敷かれた鉄板とが織りなすパタパタと軽い足音までもが、何故か自分をせせら笑っているかの様に感じられたものであった。
『頭が暑さで沸いちまったかねえ…』
 半ば強引に自分を納得させつつ、翌日以降もスライダーの櫓上に俺は佇む。気の早い風が、刺す様な熱波にさんざん痛めつけられた赤銅色の肌をくすぐり始めてバイト
期間が終了するまでの数週間、あの少年に再び相まみえる事は無かった。

 北国の夏は短くバイトも既に最終日。お世話になった礼もそこそこに、俺は現場を仕切る齢60絡みの管理主任の爺さんに件の話を軽く振ってみた。爺さん曰く、
「ああ。そんなしょっちゅうじゃないけど、たまにあるよ。昔はここで心臓マヒになって可哀想な事になった子も居たもんさ。以前は夜中のプールで笑い声を聞いた人も居たし、
誰も居ない更衣室の防犯センサーがひっきりなしに反応したりなあ…。まあ、お盆時期なんだからそんな事もあるわな」

 屈託無く、笑みすら浮かべながら話すその爺さんの顔を見て、俺は別の意味で背筋が寒くなりましたよ、ええ。


【了】

173 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:57:20.79 ID:ujnfAOrg0
46本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMboさん、第47話をお願いします
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174 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:58:22.96 ID:AgCPeYID0
【47話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『押入れに住むモノ』

これは知り合いから聞いた話です
彼女の一番最初の記憶は住んでいた団地の押入れの暗闇だそうです
いつも襖に隙間が空いていて、閉じても閉じても気づけば2〜3センチの隙間があったそうです
その隙間から何かがみているようで怖くて仕方なかったそうです
夜、母親とその部屋で寝ていると毎晩うなされて、ひどいオネショで母親は病院によく連れてったそうです
保育所で赤鬼・青鬼という絵本を先生が読んでくれた時に、なぜか彼女だけ泣いてしまい途中で迎えがきたそうで
団地の自分の部屋に帰って、あの隙間が気になって仕方なかったそうです
普段なら近づかない見ないようにしていた幼い彼女も、その日は早退で日もまだ明るく母親も近くにいる
あの絵本の話がきになると、なぜか導かれるように押入れの襖の隙間に手を入れて開けようとした瞬間
幼い彼女の腕が突然、中から強い力で引っ張られたそうです
「いやぁぁあああ!!!」

175 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 00:59:15.48 ID:AgCPeYID0
大声でビックリと恐怖で泣きだした彼女に反応して母親がすぐに駆けつけました
見たのは押入れの襖の空いた数センチの隙間に片腕をつっこんで泣いている娘
腕がピーンと突っ張って娘はパニック状態で「腕を抜きなさい!!何してるの!!」
と言っても、その状態のまま泣きわめく娘
母親が襖に手を開けてガラッと勢いよく襖を開けて押入れの中を見たら
そこは何もない普通の荷物が入れられた押入れだったそうです
泣く娘を抱きしめて慰めて、娘が怖がるならと祖母の家に避難してその日は寝たそうです
寝ている最中にオネショが気になった母親は何度も夜中に娘の様子をみます
そして何度目かに娘を見ると、片腕だけ上にふりあげてグルグルとまわす動作をしていたそうで
寝ぼけているのかな?と思って娘に「何してるの?寝れないの?」と聞くと娘は
「鬼さん達とダンスを踊ってるの」と言って、スーッと腕をおろして静かになったそうです
母親の勘でしょうか、娘に何かあったのかな?と思った母親は娘を神社に連れて行き
押入れは襖を外して、かわりに薄い透けるカーテンにしたそうです
その日からオネショもマシになり娘も落ちついてきたので、一時的なものだったんだと皆が忘れたそうです
彼女が中学校にあがる頃に団地から一戸建てに引っ越す事になり荷物をまとめていたら
あの普通に戻った押入れの荷物を全て出した途端にヒラリとお札が舞い落ちてきたそうで
とても黄ばんだ古い札で赤文字で何か書いてあり黒で鬼の絵が描かれていたそうです
たぶん天井にあったんだろうとの事ですが、それで彼女は昔を思い出して怖くて急いで
部屋を飛び出したそうです
いまでも、その団地はあります、そしてあの部屋も誰かが入っています
もうお札もはずれた押入れがまだ使われていると思います

(終)

176 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:00:08.25 ID:slHZZ5U50
47本目の蝋燭が消えました・・・


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猫虫 ◆JmJaz0BtVcさん、第48話をお願いします
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雑談、感想は【雑談スレ:したらば】でお願いします。

177 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:06:13.24 ID:slHZZ5U50
【生霊】

俺の従兄は生霊をやたらと見てしまう体質だ。
死者の霊を見る事は稀だが、生霊はほぼ毎日見てしまうのだという。
従兄はたいてい、生霊と普通の人間の見分けがほとんどつかない。
呼び出されて一人で来た俺にも「おっ、彼女連れてきたの?」と言ってきた。
俺の斜め後ろに女性がいるのだという。
従兄が説明した風貌に俺は非常に心当たりがあったので、その時は心底肝を冷やした。
数日前、彼女と別れて自分と付き合え、ダメなら二股でもいいから付き合えと無茶を言ってきた女性だ。
勿論、従兄とは何の面識もない女性だし、彼女についての話を俺がした事もない。

そんな従兄と飲みに行った帰りの事だ。
住宅街の細い路地を並んで歩いていると、前から車が走ってきた。
歩道のない細い道だったので、俺と従兄は道路脇の塀にくっついて車が通り過ぎるのを待った。
スピードを落として横を通り過ぎる派手な赤のアルファロメオを横目で見遣ると、チャラそうなカップルが乗っていた。

無事に通り過ぎたので歩き出そうとした瞬間、前方にいた従兄が塀に手をついて座り込んだ。
「なんだよ、酔った?」
吐きそうになっているのかと思い、隣にしゃがんで従兄の顔を覗き込むと、従兄は真っ青な顔で口元を押さえていた。
「…ヤバイの見た」
「見たって、何を?」
「生霊」
もはや生霊を見る事が慣れっこになっているはずの従兄が震えている。
これは余程のものを見たのだろう。

178 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:11:27.67 ID:slHZZ5U50
「ちょっと待ってね」と言って従兄は二三回深呼吸をしてから立ち上がり、「よし」と言ってから何事もなかったかのように歩き始めた。
慌てて後を追いながら、何を見たのか問いただすと、従兄はあまり言いたくなさそうな様子ながらもぽつりぽつりと話してくれた。
「車の屋根にね、女が乗ってたんだよ。白っぽいヒラヒラした半袖着て、茶色いスカート穿いた若いコ。それが髪振り乱しながら、運転席の上を包丁でメッタ刺しにしてんの。ありゃマズイよ」

従兄曰く、生霊はたいてい手ぶらなのだそうだ。
それが包丁なんか持って車をメッタ刺しにしているというのは、ただの執着を超えて明確な殺意を抱いている証拠だという。
「お前も早く後ろのコなんとかした方がいいと思うよ。今はまだ手ぶらだけどさ」
そう言われ、俺は改めて肝を冷やした。

【了】

179 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:14:35.21 ID:slHZZ5U50
48本目の蝋燭が消えました・・・


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suu_o◆QfeyGUP37WSwさん、第49話をお願いします
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180 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:14:47.54 ID:AgCPeYID0
【49話】suu_o◆QfeyGUP37WSw 様
『ごく普通の家が心霊スポットになるまで』

私の母が、高校の途中まで過ごした家の話です。
祖母の趣味は庭いじり。自然の樹木を活かしつつ、四季折々に花が咲くよう工夫を凝らした庭は、とても美しく見応えがあったそうです。
門扉は通りすがりの人にも見えるよう開放し、ご近所さん達が気軽に寛げるようオープンな場所にしていたと聞きました。

ある日のこと、高齢の男性が長いあいだ庭の椅子に腰掛けていたそうです。
体調を心配した祖父が様子を見に行ったところ……男性は庭木を褒め、手入れに感心し、和やかに歓談したのち長居を詫びて帰っていきました。
しかしその方は駅へと向かう道の途中で倒れ、病院に搬送されましたが亡くなってしまったそうです。

──しばらくして、庭に不可解な現象が起こるようになりました。
植え込みの中に白いモヤのようなものが見える、何か呟いてると言う方が何人も出てきたのです。
祖父母と母には霊感がなく、モヤの気配すら察知出来なかったのですが、分かる方はハッキリと老人の影に見えるらしく……。
そのため霊の噂は先日亡くなられた男性の件と一緒になって、瞬く間に周囲に広まりました。

やがて、庭が面した通りは昼間でも閑散とする一方、夜になると車やバイクで肝試しに人々が訪れるように。
無断の写真撮影に始まり、霊が出た出ないで大騒ぎ。心ないイタズラや、庭木を踏み荒らされることに一家で悩まされました。
もちろん門を閉ざして貼り紙をし、不審な人物を見つけては注意したそうですが、無断で立ち入る人は絶えなかったとのこと。

181 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:16:30.86 ID:AgCPeYID0
そんな日々が、一ヶ月ほど続いたでしょうか。
昼間祖母が庭にいると、五十代くらいの上品で身なりの良い女性が「お庭を拝見してもいいですか?」と声を掛けてきました。
久々に、霊ではなく庭をと言われて嬉しくなった祖母は、丁寧に説明して回りました。
話を聞き終えた女性は、ここが幼い頃過ごした家に似ていること、植えてある木が同じなことを懐かしそうに語ったそうです。
そして「父が、最後の日をこの場所で過ごせて良かった」と、涙ながらにお礼を言われたと……。
女性が帰るとき入れ違いにに帰宅した母が、彼女と一緒にうっすら白いものがついていくのが見えたと話してくれました。

それ以来モヤの目撃もピタリと途絶え、ようやく心穏やかに暮らせる日が戻ってくるかと思いきや。
心霊現象は収まったにもかかわらず、恐怖体験を期待して集まる人の数はほとんど減りませんでした。
何も起きないと分かれば次第に飽きられるだろう、と一家で考えていたらしいのですが、数人の若者が予想もしなかった行動に出たのです。
今聞くとそれは、『曰く付きの場所で降霊術を行う』という試みでした。
しかし、オカルトとは縁の無い人生を歩んできた祖父に、降霊の儀式が理解出来るはずもなく。
集団で呪文を唱えているさなかに割って入り、中断させてしまったのです。
彼らは術を中途半端にしては霊を怒らせてしまう、きちんと除霊しなければ場に留まって悪影響を及ぼすと粘ったらしいのですが、無理やり追い返したとのこと。
「困ったことが起きるかもしれませんよ」という声に、母だけは強く不安を掻き立てられましたが、祖母の疲れのほうが気になり黙っていたそうです。

182 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:17:52.02 ID:AgCPeYID0
異変は、すぐに始まりました。
昼間でも日の光を入れていても家の空気は淀み、絶えず吐き気をもよおす臭いがするようになりました。
物は前触れもなく落ち、家電の誤作動が頻繁に起き、無言電話からはうめき声が。
戸棚や壁の内側からカリカリと爪の音がし、ドアの下方には子供の手形。
夜も、夢のなかで家族を刺したり自殺をしたり。悪夢に目を覚ますと、暗闇のどこかから貫くような視線を感じ、一家を震えあがらせました。
そのうえ肝試しの人たちが、遠慮なしに庭へ入っては恐怖を求めて歩き回るのです。
結局耐えきれなくなって引っ越した……と、当時を思い出したらしい母は、ひどく怯えた顔で私に話してくれました。

なお、誰も住めなくなった家は、今や傷んで半壊状態。
取り壊そうにも霊障がひどく、お祓いしても効果がないとかで、名の知れた心霊スポットになっているそうです。

【了】

183 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:19:20.76 ID:slHZZ5U50
49本目の蝋燭が消えました・・・


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スヴィトリアーク◆lBDllPVzBwさん、第50話をお願いします
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184 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:20:13.02 ID:ujnfAOrg0
『むかしばなし』


 俺が小学校中学年頃の話なんだけどね…。


 我が家もご他聞に漏れず、お盆の頃には数日間ほど先祖の墓参りをするのが常であった。 行き先は県境をふた跨ぎして車で約4時間ほどの場所にある長閑な穀倉地帯、地元がそこそこ栄えた県庁所在地である
自分には、毎年見る物全てが新鮮に感じられ、朝は山歩きに昼は湖沼巡りと大人の注意も上の空、滞留先の隣家にいる同い年の腕白たちに案内されながら日がな遊び呆けていたものだ。
 その隣家の奥さんってのが歳の頃は40半ばのいかにも農家の働き者って感じの恰幅のいいおばちゃんでね、いつもお昼時には俺を招いてアイスやらスイカやらを振る舞ってくれたっけなあ。

 何だったかの用事で腕白どもが不在であったその日も、俺は朝から独りで近隣探検としゃれ込んだ。さほど大きな集落でも無し、散策範囲もたかが知れているのであるが、それでも俺は畦道を巡り野原を駆け、
束の間の夏の日を満喫していた。
 2時間ほどはめを外してさすがに疲れた俺は、山道入口にある古い祠の脇でひと休みする事にしたものである。

 その祠は高さが2メートルくらいかな?虫食いだらけの太い角材に支えられた簡素な雨除けの中には、風化のために掠れつつある文字がびっしりと彫られている石碑が鎮座しており、申し訳程度の菓子類と花とが
供えられている。何を奉っているのだろうか?
 傍らの日陰に腰を下ろし、リュックから生温くなった缶ジュースとカレーパンを取り出してさっそくパクつく俺。ん−、バカウマ!いつもは五月蠅く感じられるアブラゼミの熱唱すらも何故だか耳に心地良い。
「あれ!こんたらとこまで来てだんだあ。この山がら上は藪だがら、入れば駄目だんだよお〜」

 聞き慣れた快活な訛り声。見上げると、野良着に身を包んだ隣のおばちゃんがひと仕事終えたものか、汗を拭きなら笑っている。
 「知らないうちにここまで来ちゃったんだよ。でさ、このでっかい石、何?」
 小柄な俺が弾き飛ばされそうな程大きな深呼吸をしながら真横にどっかと座り込んだおばちゃんに、何の気無しに問いかける俺。

 

185 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:22:13.72 ID:ujnfAOrg0
 「あ、これ?これさ、ケガジのイレーヒちゅーものだの」
 「ケガジ?イレーヒ?何それ、面白いもの?」
 俺ときたらいきなりパンを咥えてのキョトン顔。恥ずかしながら、歳幼くして頭の出来が残念な俺にしてみればしごく真っ当な反応だったと理解して戴こう。
 「ん〜ん。お天気悪くて米とか野菜も取れねくて、お百姓さんがお腹へって死んだりするのをこの辺じゃケガジって呼ぶのっす…」

 それまで闊達過ぎるほど明るかったおばちゃんが、何故か目を伏せつつ軽く肩を震わしている。焚き火の中で勢いよく爆ぜる竹の如く威勢のいいいつもの彼女の声も、だんだんとくぐもって来ている様に
思えて…、こんなおばちゃん、見た事無い。
 「どしたのさ?おばちゃん」
 「…この辺りも昔、そんただ感じだったのすや。食う物無くてはあ、みんなばたくらばたくら倒れでいってや。あんださまみてえぐ、そうした美味そうだものも食えねえではあ…」

 おばちゃんのいつもの口調は訛りは強いが聞き取れる。しかしそのイントネーションは徐々に、俺が聞き取るのが困難になるくらいにネイティブなそれに変化していった。こうしてテキスト化してる時点でも、
皆さんに理解しやすい様に極力翻訳しているつもりだ。「粗末でも食い物あったうぢだばまだ良がったよ。そしてるうぢに物無ぐなってや、ネズミっこだのヘビだのミミズだの、干上がりかげだ池で跳ねでるカエルば
生食いしたっきゃ、腹膨らんで死んだ若げえもん達も居たもんでさね…」

 曇天の下、いつの間にやらアブラゼミは鳴き止んでいる。その替わりに今度は背後の藪が、温めいた風に吹かれてシャワシャワと乾いた合いの手を入れ始めた。
「あんださまの今いるどごろ、一番酷がったんだ。年寄りがら子供まで腐ったまんまムシロみたぐ敷がさってあったもの。その人だぢ騒いでるのさ、『俺だぢさも、それ食わせでけろ、飲ませでけろ』ってやあ」
「………」
「…あんださま、判るべが?娘売ってわつかの銭ば貰っても、売ってる食い物何も無え。なんぼか栄えだ街さ買いに行っても途中で銭握ったままくたばったり、買えでも山の盗人さみんな盗られで殺されだりよお。
死んだ子にたかるカラスだの犬だの追っ払って、その子ば食わねば生ぎらんねがった俺ら…判らねえべなあ…」

186 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:23:16.37 ID:ujnfAOrg0
 そうした曰く付きの場所で、知らぬ事とは言え無神経にパンを食らってた自分を諌めるかの様な語調に我に返った俺は、顔を上げておばちゃんの顔に目をやる。その瞳に映ったものは、いつもの福々しい彼女の
それでは無く、げっそりと痩せこけた老婆の浅黒い皺面であった。一瞬だけの幻だったのかも知れないが、確かに俺にはそう見えた。

「俺らの子も、ケガジ過ぎで生ぎでれば、あんださまぐらいの歳だったべが…」
 先程とはうって変わり、穏やかな口調。空を覆う灰色の雲が多少は薄くなりかけたものか、少しづつではあるが真夏の陽光が途切れ途切れに降り注ぎ始める。と同時に、ゆっくりと腰を上げる彼女。
「どれ。暮れまでに今日生ぎる分の食い物探すがの…」
 覚束ない足取りのままによろよろと山道を登っていく彼女を、その場に固まって動けぬ俺は、その姿が深い藪に覆われ消えるまでぼんやりと目で追うしか無かったものである。

 翌日、帰り支度を急ぐ俺たちの見送りのために隣家から現れたおばちゃん。
 前日の出来事は何処かに置いてきたかの如く、いつも通りに満面の笑みをたたえた彼女の手には、大きめのダンボール箱が抱えられている。
 その箱から覗く、スイカやトウモロコシを初めとする豊穣なる大地の恵みの数々…。
「あっちさ戻ったら、腹破れるまで食ってやってけれ。まだ食いたぐなったらいつでも来なんせ。こっちにゃあコンビニも何も無えどもよ、食い物だけなら掃いて捨てる程あるんだがらの!」
『昨日と同じ口が、それを言うか…!』
 ドアミラーの中で腕白どもと手を振りながら徐々に小さくなってゆく彼女の姿を見つめつつ、前の日との言動のギャップに思わず頬が緩んだ俺であった。

 正直、初めは驚いたものの怖くはなかったね。と言うよりもむしろ、相手をしているうちに茅葺き屋根ん下の民家の囲炉裏端で古老の語る昔話に耳を傾けているかの様な、妙な郷愁めいたものを覚えたひとときであったと
すら感じられたものだ。
 時間にすれば約5分ほどではあったが、あの鳩尾から絞り出すかの様な嗄れた声は今でもまだ鮮明に俺の鼓膜にこびりついている。

187 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:25:37.66 ID:ujnfAOrg0
 皆さんも、全国各地の知らない土地を訪れる事も多いでしょう。全てがそうだとは勿論思わないけど、その土地土地にまつわる多種多様な因縁話もあるワケで、まあ無理にとは言わないものの、初めての地に降り立つ
際には予めその場所の簡単な予習ぐらいはしといた方がいいんじゃないかなあ。
 悪気も無しに及んだ行動が、俺みたいに妙なものを呼び込んだりする事もあるやも知れませんからねえ…。


【了】 

188 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:26:26.93 ID:ujnfAOrg0
50本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMboさん、第51話をお願いします
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189 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:27:26.50 ID:slHZZ5U50
【51話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『防空壕』

田舎で昔の話だから、わりと怖い話は多かったんですけど
これは私が直接見たのではないです
小学校の近くに踏み切りがあるんです
そこを超えると小高い山があって昔の防空壕があったそうです
話は聞いてましたが地元の誰もが近づくなというので私は行きませんでした
同級生の男の子たちが肝試しにそこに行くというのを聞いて誘われたけど断りました
やんちゃ坊主の4〜5人のうちA君がリーダーな感じで、そこに行ったそうです
次の日に女子たちに彼らが興奮した様子で教えてくれました
「最初はおもしろ半分でさ」「古い神社の奥に穴があったよ」「墓みたいだっけど人の手で掘られてた」
「入ろうってAが言ったけど俺たちは気持ち悪いって言ったらあいつ入ってった」
「でAが笑って、弱虫って出てきた時に俺らみたんだよ」「ああ見た」
そこで一旦何かに怯えるように話は止まりました
「なんか緑の人影がさ…ゆらゆらついてきてた」「目だけリアルにギョロギョロしてて」
「あ、やべーってAに言ったらさ怒るんだよ、脅すなとか」「でもいたよな」「ああ」
「だからAに後ろ振り向けって言ったんだ」「Aが振り返る直前に目玉が上からAを睨んでスッで全部消えた」
「だからAは見てない、見てないから俺らにめっちゃ怒ってきたけど」「もう無理だって俺たち帰ってきた」
何それ?と女子たちや他の子がざわついてる時に当人のAが教室に入ってくるなり一緒に行った仲間を見て
「やい!!弱虫野郎ども!!どうせ昨日のオバケみたみたいに話してんだろ」と彼らと言い争いになりました
それが朝のホームルーム前の時間で、そのうち時間がきて担任の先生が来ました

190 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:34:09.25 ID:slHZZ5U50
先生は男の先生でした
田舎では寺の息子が先生になる率が高くて、その先生もその一人でした
先生は最初は「何を騒いでるんだ」と言ってましたが、Aの顔をみるなり初めてみるような険しい顔でいきなり
「おい!!Aお前なにしたんだ!!何あったんだ!!」と怒鳴り始めました
私たちは先生の剣幕と突然の出来事に固まっていた、その時に
突然大きな「プォーン!!」というサイレンのような音とキキキーッという大きな物が止まる音がしました
皆が窓際に走っていくと、近くの踏切で電車が止まっているのが見えました
そんな光景は初めてで、他のクラスの子達も「わー」とか「すげぇー」と窓際に集まってパニック状態でした
先生たちも茫然としていたり、われに返って席に付けと怒っていたり、わりと長い時間に感じまし
私の担任はともかく座れと私たちを席に座らせ「ちょっと他の先生を呼んでくるまで、皆はここで待ってなさい」
と、なぜか不思議そうなAだけ連れて教室を出ようとした時に、教頭先生が私の教室に走ってきました
「Aは!〇山A君はいますか!はやくきなさい!」
と担任とAとで教室を出て行き、そして二人ともにその日は帰ってきませんでした
子供心に何かあったんだなと不安で嫌な気持ちになったのを覚えています
次の日の朝に母が新聞を見ながら「〇山A君って、あんたの同級生?」と聞かれました
言葉を濁す母に無理に聞いたところ、あの日に踏み切りに飛び込んだのはA君のお母さんだったそうです
大人たちは「せめて子の近くにいたかったから、あの場所」と言っていましたが
私たちは別の原因があったような気がして仕方ありませんでした
その日からA君は転校してしまい、担任の先生は厳しい顔で
「二度とあの場所には近づいてはいけない」と言い、実際に子供たちに危険との事で何か月かは
大人のバトロールがその付近を巡回していました

(終)

191 :ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:35:41.46 ID:Mp8aiubx0
51本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMbo さん、引き続き第52話をお願いします
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192 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:36:41.96 ID:AgCPeYID0
【52話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『キューピットさん』

中学生の頃に流行したコックリさんではなく、キューピットさん
コックリさんは怖いけど、キューピットさんは大丈夫とか言う事だった
鉛筆一本を皆でにぎって白い紙の中心の点を書いた場所に置く
そして呪文を唱える
「キューピットさんキューピットさん、なんたらかんたら」
するとゆっくりと鉛筆が時計周りにグルグルと回り出す
鉛筆の線が少しずつ、ゆっくりと大きくなると来た証拠
ここで聞きたい質問をする
「〇君は私が好きですか?」「今度のテストは良い…がとれますか?」
YESなら大きく丸を描くが、いいえなら中心の点に戻って動かない
そして、これだけはしてはいけない約束が二つある
一つは人の生死を聞かない、願わない事
一つはちゃんと帰って貰う事
教室の隅でキューピットさんをしていた友達が「キャー」と騒ぎ出した
なんでも、ある子が「私と一緒にいて守って下さい」と願ってしまったそうだ
あくまで質問しかしてはいけない、願いをかけてはいけないのにかけてしまった
鉛筆は大きく勢いよく丸を描いたあとに、今度は鉛筆から凄い振動がきたそうだ
ガクガクと震えはじめ、鉛筆を持っていたみんなは
「お帰り下さい」まで離してはいけないのに気持ち悪くて離してしまった
その日は何かあったら怖いね、と皆が口数少なくその場は解散になって自宅に帰った
夕方の綺麗な太陽が出ているのに、雨が降って虹が出た
狐の嫁入りだーと、なんとなく感動した
次の日に、願った女の子が言った
「うちの犬が死んだんだよ、昨日の雨にうたれたあとに泡ふいて死んだ」
皆が自然とその子をさけるようになってしまった
オカルト好きだけど大人しい性格だったその子は、性格が豹変して荒れた
ああいうのは自己催眠だと思ってるけど、いまだにひっかかる出来事です

(終)

193 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:38:58.37 ID:Mp8aiubx0
52本目の蝋燭が消えました・・・


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こげ ◆b9EIe80Jrg.5 さん、第53話をお願いします
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194 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:39:58.54 ID:AgCPeYID0
【53話】こげ ◆b9EIe80Jrg.5 様
『無題』

十年以上も昔の話になる。
会社の先輩と中学以来の友人と俺の三人で、盆休みに有給を足して十一日間の北海道旅行へ出掛けた。
車一台にバイク一台の、むさ苦しい野郎だけの貧乏旅行だったが、
それは素晴らしいものになるだろうと胸を弾ませていた。
しかし、出発当日から台風に見舞われ、フェリーは大時化の中を航行、
無事に苫小牧港へ到着はしたが、何の因果か、北の大地に足をつけてから連日、
怪異と遭遇する羽目になった。

艱難辛苦を乗り越え?旅は知床で折り返して六日目、道東の海岸沿いを一気に南下して根室へやってきた。
花咲港で名物のハナサキガニを食し、日本最東端の納沙布岬で北方領土の歯舞群島を間近に臨み、
双眼鏡で水晶島の監視塔で小銃を肩にかけて警戒にあたる兵士の姿を捉えた。
また、西の彼方へ沈み行く夕日を、男三人が肩を並べて見守ったりした。
チャシ跡群や、旧日本軍が建造したトーチカや掩体壕の遺跡群は時間も時間なので
明日、見に行くことにして本日の宿を探しに根室市内へ向かう。
根室駅前にある観光案内所へ着いたのは時間は午後6時を過ぎていた。
パンフを見比べながら、あーでもないこーでもないとやっている俺達。
そこへ軽トラに乗ったおっちゃんが現れ、宿を探しているのかと話しかけられた。
ホテルではなく安価な民宿で、魚介類とハナサキガニが手頃な価格で食えるような所へと条件を提示すれば、
それなら俺の所に決定だと、おっさんは親指を立てる。
どことなく、映画『プラトーン』に登場したバーンズ軍曹に似たおっさんだ。
おっさんは民宿を営みながら、漁師もやっているのだそうだ。
宿泊代に二千円を足せば、晩飯にハナサキガニ+αを付けると言った。
宜しくお願いしますと、俺達はおっさんに向けて、ホッチキスも斯くやの身体を折り曲げ頭を下げた。

195 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:41:07.18 ID:AgCPeYID0
美味い飯を食い、美味い酒を飲み、風呂に入って、久しぶりに屋根の下で布団へ入って眠った。
テントとは違って寝心地が段違いだ。それに熊等の襲撃を恐れる心配がないのは最高だ。
これで22:00(フタフタマルマル)就寝、02:00(ゼロフタマルマル)起床でなければ至福だったのだが…
なんでも、おっさんが操舵する船で、すごいところへ連れていってくれるのだそうだ。
午後11時まで食堂で俺達と飲んでいたのだが、午後2時きっかりにおっさんは起こしにやってきた。
船で摂る朝飯の支度も済んでいるとか…何時、寝てんだ。
厚着して眠い目を擦りながら外へ出ると、エンジンをかけた軽トラが待っていて、
有無を言わさず荷台へ乗せられ港へ向かい、おっさんが操舵する船で真っ暗な海原へ出る。
出港してしばらく無言だったおっさんが、ちょっとショートカットしていくからと俺達に断りを入れた。
深夜で島影どころか目の前の波すら見えない海の上だ。
何をショートカットするのかと思えば、現在は別の国家が占有している日本固有の領土がある海域だった。
北海道に来て熊と相対する覚悟はしていたが、流石に拿捕までは想定外…気構えとかなんか出来ていない。
極寒の牢獄に囚われ、餓死と貧困に怯えながら、空缶に用を足すことになるのは絶対に御免だ。
俺達は船長兼民宿の親父のおっさんに向かって本気で土下座したよ。
地図にしか見えない赤い一点鎖線の内側へお願いだから帰しておくれと…
それに対しておっさん…

「お前等、俺がどこでカニを捕ってくるか知っているか?
 道内では船影がちらりと見えただけでカニは岩陰に隠れてしまうが、
 こちらでは真上を船が通ろうと、のうのうと行列を作って歩いているくらい擦れていないから捕り放題だ。
 まあ、言ってみれば俺の庭みたいなものだ」

もし、露助の警備艇に臨検されそうになっても漁船には分不相応な高出力エンジンを積み、
操舵室うしろの壁には分厚い鉄板が仕込まれているから小銃の弾くらいなら耐えられると鼻で笑った。
強力な鼻薬も常時、搭載済みだと。
もうおっさんに全てを任せるしかないと、腹を括るしかない。
彼がトム?べレンジャー(軍曹)なら俺達はチャーリー・シーン(新兵)でしかないからな。
それって●漁?とか、おっさんに訊ねる余裕も無かった。

196 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:42:00.94 ID:AgCPeYID0
波を蹴立てて船は進み、おっさんが俺達に何を見せたかったのか…
空が白み始め、360度全てに島影すら見えない大海原…
しばらくすると水平線から顔を出す、黄金色に輝く朝日だった。
北海道へやって来て、二十歳をとうに過ぎた男三人が、
景色に目を奪われ、息を呑み、胸を詰まらせた事が幾度となくあったが、
この朝日の神々しさは格別だった。
今現在、俺達が地球上のどの辺りにいるかを忘れるくらいに…
地理的になかなか見れない御来光を拝んだ後、おっさんの用意してくれた朝飯を食った。
海苔と塩だけの握り飯にカニ味噌と身の入った味噌汁。
それらを頬張りながら、俺は艫で甲板に腰を下ろして海を見ていた。
二、三メートル先、波間に顔を出している白いのがいる。
ゴマフアザラシの幼獣…ゴマちゃんかと思ったが、天に向けてにょっきり伸びる一対の長い耳があった。
前脚を出し、水面へ置いたかと思うと、そこを支点によっこらしょと胴体を海中から引き抜く。
波の上に乗って後脚二本で立ち上がり、鼻をぴくぴくさせて周囲を警戒する一匹の白ウサギ…
俺の右手から握り飯がこぼれて海へ落ちた。
こちらを一対の赤い目が見て、それから小首を傾げる…その仕草が妙に人間臭い。
ウサギはくるりと俺に背中を向け、後脚二本で立ったまま波の上を走り去っていった。
まるで、『不思議の国のアリス』のワンシーン…何だったんだ今のは…と、呆気に取られる暇も無く、
また一匹、また一匹とウサギが浮き上がってくる。
海面へ這い出たウサギ達は後脚二本で立ち上がり、先程のウサギを追うように同じ方向へ走っていった。
気が付けば、船の周囲はウサギで埋まるほどになっている。
海域が沸き立ったかのように白く染まり、無数のウサギが海面へ這い出て列を作り、同じ方向へ去っていく。
白波が立ったみたいな有様だ。
数千羽、数万羽いるのだろうか、走るウサギが作る白い線は、水平線まで到達しそうな勢いだ。
船上にいる全員が、その光景に圧倒され、言葉を失った。

197 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:44:01.34 ID:AgCPeYID0
その中で最初に、我へ返ったのはおっさんだった。
慌てて船を動かし、海上に這い出たウサギ達を蹴散らして回頭、船を根室の港へ向けて走らせる。
その揺れで俺達も自我を取り戻したのだが、おっさんのとばし方が尋常ではなかった。
まるで何かから必死で逃れようとしているかのように、操舵輪を握る顔は青ざめ引き攣っている。

「ウサギが立った。大津波が来るぞ」
アイヌの伝承にあるそうだ。海で『ウサギ(イセポ)が立つ(テレケ)』と、大海嘯の前触れであると…
大海嘯とは大津波のことだ。
道内の古い漁師達は伝承を信じ、ウサギやアイヌ語の意である『イセポ』を海上で口にすることを禁じていたと言う。
アイヌ達が海上にいる時は『イセポ』の代わりに『カイクマ』という言葉を用いた。

「奴等は南…内地へ向けて走っていったな…今回はこっちに被害はないかれもしれない」

アイヌの昔話で、ある男がトンケシと言う場所を通りかかったとき、丘の上にウサギが立っていて
海の方へ手を突き出し、しきりに何かを招き寄せるような仕草をしているのを目撃する。
彼は丘の下にある集落で周辺六ヶ所の首領が集まり酒宴を開いているので、
津波が来るから早く逃げろと警告したが、首領達は酔っていて津波など怖くないと刀を振り回し相手にしなかった。
男は呆れ、内陸へ向けて去っていった。
その直後、トンケシの集落は津波に飲まれ、全滅してしまった。
トンケシの丘にいたのはウサギの大将=津波を呼ぶ神で、
海にいる無数の仲間を呼び寄せる儀式を行っていたのだと…

198 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:45:23.46 ID:AgCPeYID0
「ウサギが立つ(イセポ・テレケ)を白波が立つことだなどと今では言われているが…
 じゃあ、俺達が見たアレは一体なんなんだ!?」

おっさんが必死になる理由は分かる。
1994年に起きた北海道東方沖地震による津波の記憶が新しい。
道内での被害は少なかったが、北方領土では死者行方不明者を出し、一万人近い住民がロシア各地へ移住を余儀なくされた。
あのウサギの群れが津波の予兆現象であるとしたら…
道内に残る、ウサギと津波に纏わる伝承では予兆現象があった即日から十年程の間に津波が起こったとされる。
宿まで戻った俺達は早々に根室を後にした。
今日は釧路湿原の脇を抜け、阿寒国立公園を目指す。
観光化されたとはいえ、アイヌの伝承や文化が残っている場所だ。
それに内陸部だから津波に襲われる心配はまず、無いだろう。
結局、俺達が北海道にいる間、津波は起こらなかった。


(了)

199 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:45:49.45 ID:Mp8aiubx0
53本目の蝋燭が消えました・・・


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スヴィトリアーク◆lBDllPVzBw さん、第54話をお願いします
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200 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:48:20.96 ID:ujnfAOrg0
『春の掌編』


 俺がその夜、何故そんな行動に及んだものか、今考えても腑に落ちない。

 いや、温かな布団の中の俺を無遠慮な尿意が襲い、夜半の身を切る肌寒さの中を、トイレで用を足してから自室に戻ろうとした辺りまでは鮮やかに覚えているのだが、その直後の記憶がすっぽりと抜け落ちて
いたのだ。
 どうした経緯を経たものかは知らない。我に返るとあろう事か、俺は自室と逆方向の父母の寝室の扉を開けてボーッと突っ立っていたものである。

「あれ?俺、何でこんなトコに居るんだっけ…?」
 そんな俺の様子を、目覚めた両親は怪訝そうに見つめている。
 たとえ両親のものとは言え、仮にも寝室はそこを用いる主のプライベートスペースだ。そんな侵すべからざる聖域に、あろう事か深夜にノックも無しにいきなり闖入するなんて行為は、肉親云々抜きにして無神経
だとの誹りを受けても弁明できぬ事案であった。

「ん、どうした。何か用か」
 欠伸を噛み殺しながら俺にそう問いかける父。母も、
「こんな夜中にどっか行くの?扉が開かる音で目が覚めたらいきなり滅多にここ来ないあんたが立っててさ、『もう行くよ』とか言ってるんだもの、ビックリだわ」
 などと、意味不明な事を口走っている。

「もう行くよって?…俺、そんな事言った?」
「たった今言ったろ。人騒がせな奴だなあ、寝ぼけてんじゃ無いのか?」
 事態をよく飲み込めぬまま、照れ隠しに後頭部をボリボリと掻いて苦笑いの俺。
「いやあ、そうかも知れないな。取りあえずはご無礼をした…さあ、どうか引き続き惰眠をむさぼって下さい」

 自室へと続く狭い廊下で、俺は納得ゆかずに何度も首を捻り続ける。
「おっかしいなあ。こんな事今まで全く無かったのになあ」
 それだけで済めばこの一件は、『寝ぼけたせがれの愚行』としてあっさりと片付けられる筈であった。

201 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:49:54.21 ID:ujnfAOrg0
 翌朝、階下の茶の間から聞こえてくる据え置き電話の着信音。どうやらそれに長々と応対していたらしい母親が、ドタドタと階段を登ってくる気配がする。
「あ、あんた起きてる?あのさ、茨城に居るあたしの兄さん、さっき夜中に死んだって」
「え?」

 母の兄。つまり俺にとっては叔父に当たるわけだが、彼が体調を崩して入院していたのは知っていた。しかしそこまで深刻な状態だったとは、それこそ寝耳に水である。
「あんたの喪服、汚れて無いでしょうね。明日朝一で行くんだから用意しときなさい」
 取るものも取りあえず、俺は会社にその意を伝え、3日間の忌引き休暇を許された。


 何とか翌日午前中には上野に到着、JRに乗り換えて…というJ字運行の末、俺たち家族は寄り道も許されずに茨城県某市中心部にある葬儀会場へと向かう。久方ぶりに再会した叔母や従妹はある程度の覚悟は
出来ていたのであろう、その表情からは不思議と悲壮感は感じられない。

 細々とした手伝い事で何かと忙しなく進行する一連の葬儀行程も滞りなく終わり、肩の荷を下ろした俺たちは会場であるセレモニーホールの一室を借りて故人の生前話に花を咲かせていた。
 亡くなった人を賑やかな笑顔で見送ろうという趣向か、この会場ではお酒も振る舞われる。その勢いで舌も滑らかになった俺は、隣に座る女子大生の従妹に先日の話を何の気無しに振ってみた。

「あ、それね。多分お兄ちゃん、まんまとうちのパパのチャンネルにされたよ」
 昔からオカルティックな話題に目がないこのお転婆は、普段のしおらしい仮面を脱ぎ捨てて決壊したダムの奔流の如くここぞとばかりに語り出す。
「チャンネル…、テレビに付いててカチャカチャ回すアレか?」
「『チャンネル回す』って、お兄ちゃんいつの時代の…じゃ無くてねえ、チャンネルってのは一般的な日本語に訳すと『憑依』ってのかな?パパ結構シャイだったもの、顔見せるのが恥ずかしいからお兄ちゃんの体を
借りて叔父さんたちへお別れしに行った可能性も否定し難いと私的には思うワケ」
「なるほどなあ。してみりゃあの時の『もう行くよ』ってのはそっちの意味か」
 自分の体をたとえ短時間でも乗っ取られた腹立たしさよりも、俺の心中にはどこか気弱気な表情を浮かべた叔父の顔が懐かしく思い出される。

202 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:51:34.65 ID:ujnfAOrg0
「でもねえお兄ちゃん。死んじゃった人間はまだいいよ」
 急に声を潜めて、俺の耳元で囁く従妹。
「どういう事?」
「だってさ、これ系の話じゃ定番の締めだけど、やっぱ『生きてる人間の方がよっぽど…』ね。生身でも厄介な性悪女に取り憑かれでもしたら最後、お兄ちゃんお先真っ暗だよ。
…あのさあ、何ならあたしが虫除け役としてお兄ちゃんに貰われてあげよっか?」
「い、要らねえよ!たた、確かに民法上では親族同士での四親等以上の婚姻は認められてはいるもののだなあ…」
「…あはは。ウソウソ!本気にした?」
 俺の顔が少々火照りを増したかに思えたのは、おそらく酒のせいばかりでもあるまい。
 そんな俺の表情を値踏みするかの様に見つめていた彼女は、初めて闊達に笑ったものだった。
 

 未だ雪も解けやらぬ地より訪れた者にとっては、麗らかな陽気の中で咲き誇る梅の花が妙に眩しく感じられた、そんな春の日のひと幕でしたとさ。


【了】

203 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:52:53.19 ID:ujnfAOrg0
54本目の蝋燭が消えました・・・


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ぺそ ◆qyVZC3tLJoさん、第55話をお願いします
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204 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:53:57.38 ID:slHZZ5U50
【55話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『捨て台詞』

中学生の頃の話です。
その日私は友達だったのか見知らぬ人とだったのか今となっては思い出せませんが大喧嘩したゆめをみました。
こんな喧嘩今までしたことないってくらいの喧嘩だったと思います。
そして最後に相手がいった捨て台詞は
「お前の家、思いっきり揺らしたるからな!!!!」でした。

その瞬間目が覚めました。
本当に家が大きく揺れていたのです。
びっくりして「あれ?ゆめだったんじゃないの??」と思いましたが自他から突き上げるような揺れは数秒続きました。
ゆめか本当かわからないけど確実に揺れて、部屋のものがバッタンバッタン倒れキッチンでは食器の割れる音もしました。
父が慌てて部屋に「大丈夫か!?」と聞きにきました。

・・・・それが阪神淡路大震災、直前にみた夢です。
何かを予知したのかさっぱりわかりませんが本当の話です。

おわり

205 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:54:59.88 ID:Mp8aiubx0
55本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMbo さん、第56話をお願いします
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206 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:56:00.36 ID:AgCPeYID0
【56話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『お化けトンネル』

地元に有名なお化けトンネルがあります
峠の急なカーブで事故が多発するそうです
私は以前はバスガイドをしていました
よく運転手さんから、そこのお化け話を聞きました
テレビも取材に来たことがあります
貸切の観光の仕事でした
日帰りで帰りは夜中です
二台での仕事で先輩が2号車、新人の私は1号車です
それぞれのお客様を所定場所まで送り届けます
予定では2号車のが早く本社に帰路するはずでした
バスの規定でお客様を降ろしたバスは車内の電気を消すという
決まりがありました
例のお化けトンネル内で2号車とすれ違ったのです
2号車は車内灯を消しており先輩はガイド補助席に座っていました
私「あ、先輩だ。あれ?電気消えてるのに後ろに誰かいますよね?}
運転手「だな?冷蔵庫前の席に女の人が座ってる」

207 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:57:23.39 ID:AgCPeYID0
老人ばかりのお客様だったはずですが、確かに私と運転手さんは
客席の入口側の前の一番前のバス冷蔵庫の席に若い女性が乗っていたのを見ました
運転手「本社に家族が迎えに来る客は本社まで乗せていくから、それだろうな」
私「ですね、予定表にはなかったけど、たまに飛び入り変更ありますし」
とバス同士がすれ違いにクラクションを鳴らしてすれ違いました
こちらの仕事を終えて本社に帰り、バス車内の清掃や報告書・明日の予定確認と
色々していると先輩が明るい声で「おつかれー」と声を掛けてくれました
私「ああ、先輩、あの女性はどうしたんです?車こっちに迎えにきたんですか?」
先輩「あんた何言ってるの?」
話が噛みあいません
そうです、先輩は誰も乗ってなかったと…2号車先輩の運転手もいなかったとの事
なので私と私の運転手さんの見た・いた・いなかったで少し揉めてしまいました
でも気になったんでしょうね、次の日に2号車担当の運転手さんが塩を持ち込んでいました
それを見た私に
「まー仕事柄よくある事だしなぁ、いちいち気にしてたら仕方ないけど粗末にできんわな」
と苦笑いしていました
仕事関係でよく仏閣や訳あり旅館にも行くので、ちょっと怖い話は割と体感できる職場だったかも知れません

(終)

208 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 01:58:20.94 ID:Mp8aiubx0
56本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMbo さん、引き続き第57話をお願いします
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語り部希望は【準備スレ:2ch.net】へ
雑談、感想は【雑談スレ:したらば】でお願いします。

209 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:05:37.06 ID:Mp8aiubx0
失礼しました
予定を変更しまして、逝く雄 ◆wu7WOib83U さん 第57話をお願いします。

210 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:15:13.56 ID:Mp8aiubx0
え〜予定を再度変更しまして
チッチママ ◆pLru64DMbo さん 第57話をお願いします。

211 :逝く雄 ◆wu7WOib83U @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:16:59.78 ID:PUKTKYfW0
57話
【泥】

40をとうに過ぎた従兄弟に聞いた話

従兄弟は水に入るのを嫌がった、ただし泳ぎは達者だった
プールは平気なのだそうだ、彼が嫌うのはスネから下くらいの浅い水、そして中が見えない濁った水や波立った水、要するに川の浅瀬や海の波打ち際に足を付けるのを異様に嫌がっていた
さすがにいいおっさんとなった今では大騒ぎすることはないだろうが、子供の頃の水遊びを嫌がる様は今でも親戚中の語り草だ

去年法事で顔を合わせて飲んでた時のこと、話の流れがたまたまそっちの方に向かった

「俺は水が怖かったわけじゃない、現に今でも泳ぎは得意だしな」
「俺が本当に嫌なのは泥だ…」

小学生の頃だそうだ
近所の悪童達とともに裸足のまま田んぼで泥遊びをした彼は田んぼの真ん中で足が抜けなくなったのだそうだ
それ自体は良くある話で、笑ったり笑われたりで済むはずだったが、その時は違った

「泥の中に何かいたんだよ」

脛までもぐった足を、何かがつかんだり突ついたりなで回したりしていたのだそうだ
それこそ半狂乱になった彼を弄ぶかのように泥の中の手のようなものはぬらぬらぬらぬら足指の間や土踏まずを撫で回し、足首を掴み、引きづったという


それ以来泥には一切、本当にただの一度も足を踏み入れておらず
あらたまって話すのは今回が初めてだという

「どうして今まで…」という問いには何故か言葉を濁して語ろうとはしなかった



212 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:18:54.00 ID:Mp8aiubx0
ちょっ、逝く雄 ◆wu7WOib83Uさんこられたようですね

57本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMbo さん、第58話をお願いします
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213 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:20:46.77 ID:AgCPeYID0
【58話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『赤い地蔵』

小学校の通学路に気持ちの悪い地蔵を祀った所がありました
子供は皆知る限り「なんか気持ち悪いと」
そこを参っているのは歳よりと女性ばかりで女性もなんというか
暗い感じの人ばかりでした
たまにその場所で泣いている人がいたり
あと不思議だったのは、よく動物の死骸がありました
あと深い溝があるのですが、よく子供がはまりました
中のお地蔵さんは道から見えるのですが、いつも真っ赤な服を着せられ
ヨダレかけ?みたいなのも真っ赤で、ともかく赤いし顔が怖いんです
石なのに、たまに睨まれている気がしたり友達も目が赤かったと言ってました
なんとなく皆がその道を避け別の道で通学するようになりました
母にきくと、そこは子が亡くなった人が参る所で水子供養をしているそうです
地蔵を入れる祠や周囲の柵は新しく綺麗なんですが、地蔵だけはなんというか
黒いススみたいな感じを受けたのですが、いじると祟りがあるとかで
地元では怖がられているそうです
大人になってから、その前を通過した時は何も感じませんでしたが
娘が「なんかここ嫌」と拒否していたので何かあるかもしれないですね

(終)

214 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:21:30.60 ID:Mp8aiubx0
58本目の蝋燭が消えました・・・


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雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM さん、第59話をお願いします
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215 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:24:04.90 ID:slHZZ5U50
【59話】雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 様
「渓流釣りの注意」


友人の話。

仲間と一緒に、山奥の渓流に釣りに出掛けた時のこと。
車で現地まで行って車中泊し、暗い内から釣りにかかるという行程だった。
普段と同じような内容だが、ただ、そこの常連からしつこく注意を受けた。
「ここで休む時は、絶対ドアロックしてなきゃダメだぞ。
 それと、何かあっても車からは出るな。放っとけ」
変わった注意だと思ったが、素直に聞き入れることにしたそうだ。

その夜、車の中で毛布を被って寝ていると、突然ドアがガチャガチャと音を立てた。
慌てて寝惚け眼を擦りながら起き上がり、「誰?」と尋ねてみる。
返事は無い。ハンドライトを点け、外を照らすが何もいない。
「気のせいかな」と再び寝ようとすると、またドアがガチャガチャときた。
……何かが車の中に入ろうとしている? やはり外には誰も見えない。

「それで、どうしたの?」ドキドキしながらそう聞く私に、
「どうしたもこうしたも、毛布引っ被って強引に寝たよ。
 次の日は早いんだ、釣りの邪魔されちゃ適わんからな」
しれっとした顔で答えた彼だった。

(終)

216 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:24:16.34 ID:Mp8aiubx0
59本目の蝋燭が消えました・・・


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きみこ ◆JAZt4WtNrE さん、第60話をお願いします
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217 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:25:48.86 ID:AgCPeYID0
【60話】きみこ ◆JAZt4WtNrE 様
『無題』

実話です

私が中学1年生のときの話です。父は商社のサラリーマンで、出張が多く、
半年ほど東南アジアを回っているときもありました。
母は、自宅の和室を使って茶道教室を開いていましたが、
謝礼は実費程度のもので、十数人、生徒さんがおりました。
そのときはまだ妹がいなかったので、一人っ子で甘えてばかりいた記憶があります。
10月のある日曜日のことです。そのときは珍しく、
父は会社関係の人たちと釣りに出かけていました。
私は部屋でのんびり過ごしていたんですが、10時過ぎになって、
母が部屋にきて「ちょっと出かけるから、一緒に来なさい」と言いました。
そのとき、びしっと和服を着ていましたので、
これはきっと外で食事をするんだろうと思って、ウキウキしてついていきました。
ところが母の車は、駅前通りを過ぎて、高速に入っちゃったんです。

「ねえ、どこへ行くの」そう聞いたら、「〇〇市のお寺」って言われて驚きました。
それは同郷の両親の実家がある市で、9月のお彼岸のときに行ったばかりだったんです。
「またお墓参り?」と聞いたんですが、母は答えてくれませんでした。
それで私はずっと、車のモニターでアニメのDVDを見てたんです。
〇〇市までは2時間ほどかかりました。高速を降りてすぐのファミレスに入って、
昼ごはんを食べました。もっと高級なところに行くのかと思ってたので、
ちょっとがっかりでしたが、その後向かった先が、お寺はお寺でも、
いつも行っているお墓のあるところとは別で、初めて行くところでした。
「えー、ここ何?」って聞いたんですが、それには母は答えず、
「ご住職にきちんとあいさつしなさい」そう言って、玄関口の呼び鈴を押しました。
出てきたのは、たぶん60歳ぐらいの作務衣姿のお坊さんで、母と私がおじぎをして、
かなり広い和室に通されました。おそらくお葬式のときの控え室になるようなところです。

218 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:26:50.54 ID:AgCPeYID0
座卓が4つ縦に並べられていまして、その床の間に近いほうに座りました。
そこで、お茶とお菓子をいただいたんですが、母とお坊さんが長話を始めると、
私は正座してた脚がしびれてつらくなりました。
しばらくしてお坊さんが「じゃあ、持ってきますので」と言って出ていき、
すぐに木の箱を持って戻ってきました。
それで、母とお坊さんが向かい合う形で座って箱を開けました。
私ものぞき込んだんですが、中には古くなって黄ばんだ写真が、
そうですね、200枚以上乱雑に入っていました。
ほとんどがモノクロの写真で、見たことがない家族を写したものでした。
ええ、出てくる人が同じだったんです。品のよさそうな和服のおばあさん。
その人が祖母だと思いました。それと今どき見ない丸い黒縁のメガネをかけたお父さん、
お母さんはきれいな人で、お父さんよりかなり若く見えました。

それと、ちょうどそのときの私と同じくらいの女の子。
いえ、私とは顔が似ているということはなかたっと思います。
髪型も、その子はテレビのサザエさんのワカメちゃんみたいなおかっぱでしたし。
そうですね、今になって考えると、戦前、昭和一桁くらいのものだったと思います。
その写真の中で、女の子が写っている写真を一枚一枚、テーブルに敷いた和紙の上に取り出し、
母がその写真の上に右手の人差指をのせたんです。
ほとんどの写真に対して、母は「これは大丈夫です」と言いましたが、
「これはちょっと」とか「障りが残ってます」こう答えた写真は脇に寄せられました。
そういうのは10枚に一枚くらいでした。
私は、足がしびれたのと飽きてきたのとで、母の袖を引いて、
「お母さん、お庭見てきてもいい」と小声で聞いたんです。
それが聞こえたのか、お坊さんが「いいですよ。いってらっしゃい」そう言ってくださったので、
なかば這うようにして部屋を出て、廊下に座り込んで親指を引っ張ったりしました。
それから玄関を出て、本堂のまわりをぐるっと回ってみました。
いつも父母と行くお寺とは違って、どこにもお墓がなかったんです。
それと、本堂の入り口の上のほうに、大きな亀や龍の彫刻がついてて、
そういうのを見たりして時間をつぶしました。
いえ、怖いという気持ちはなかったです。さんさんと陽光が降り注いでいましたし。

219 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:28:56.08 ID:AgCPeYID0
30分くらい外にいて戻ってみると、あらかた写真は仕分けされていました。
二つになっていた写真の山の、少ないほうをお坊さんが和紙に包み、
「ではよろしいですね。こちらはご供養に回しますよ」
懐に入れて立ち上がり、部屋を出て行きました。母は一仕事終えたみたいに肩で息をついていて、
「今の写真は何?」って聞きたかったんですが、そうできませんでした。
これについては、今になっても何であんなことをしたのかわかりません。

私を連れていった意味も。外で日が陰ったのか、急に障子が暗くなりました。
そのとき気配を感じたんです。横を見ると、座卓が縦に4つ並んだうちの、
私から近いほう2つ目の座布団の横に、海藻のようなものが落ちていました。
もじゃもじゃで、黒っぽい緑色の。「何かな」と思って見つめていると、
それがだんだん上に浮き上がってきました。「え?」海藻の下には、
白いぶよぶよしたやわらかいもの。
あの、傷口にずっと絆創膏を貼っておくと、下の皮膚がふやけますよね。
ちょうどあんな色で、かぼちゃみたいな形の。だんだん上に出てくるにつれて、
二つ黒い眼窩があるのがわかりました。「人の頭? それが畳から生えてる?」
私は固まってしまったんですが、放心したような状態の母の袖をなんとか引っ張りました。
「あ、あれ!」母がそちらを見て、ビクンと体が震えました。
私の体をつかんで後ろに下げるようにし、自分は正座の姿勢のまま、
それのほうに出たんです。それはもう口のあたりまで浮き上がっていて、
やはり真っ黒く開いた鼻の穴、それと厚く腫れた唇。
唇はかっと開いて、やはり黒い口と、ぼろぼろになった歯が見えました。
「いやー、何あれ!!」私は叫び声を上げてしまいましたが、母が私を手で制して、
ゆっくりした動作で数寄屋袋を引き寄せ、中から茶道の扇子を取り出しました。
それはもう肩まで畳から出て、こちらに向かって腕を伸ばしていましたが、
母は自分の前の畳に扇子を横一文字に置いたんです。
それが「おああああああ」というような声をあげると、
母は静かに、しかし強く首を振りました。
そのとき、血相を変えたお坊さんが部屋に走りこんできました。

220 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:32:19.08 ID:AgCPeYID0
するとそれは、上半身だけで畳にうつ伏せになり、そのまますっと消えたんです。
母が、数珠を持った手を前に伸ばしたお坊さんに向かって「まだ許されていないようです」

こんなことを言いましたが、なんとなく恥ずかしそうな響きを感じました。
怖いことはこれだけでした。その後は寺を後にして車で家に戻っただけ。
帰りの車中で、よほどさっき畳から出てきたもののことを聞こうと思ったんですが、
できませんでした。母の背中から、全身で質問を拒否してることがわかりましたから。
車を降りるときに、「今日のことはお父さんには内緒」母が言いました。
その後も、何度もこの日のことを思い出して、その度に母に質問しようと考え、
いざとなって言い出せなくなってやめる。そのくり返しでした。
あのことを聞いたら、せっかく幸せにやっている家族の関係が、
崩れてしまいそうに思えたんですよ。畳から出てきたものは、
写真の家族の誰とも似ているとは思いませんでした。というかあまりにも白くふやけて
ふくらんでいたので、もし写真の誰かだとしても見分けられるとは思えないです。
・・・その後、震災があって、私も長く水に漬かっていたご遺体を、

いくどか目撃したんですが、それと同じ状態だと思いました。
これでほとんど話は終わりなんですが・・・今年になって、私に妹ができることになりました。
生まれてくるわけではなくて、出張中の父が、インドネシアの孤児の女の子を、
養子に迎えることに決めたんです。2012年のスマトラ沖地震で両親を失った子どもです。
私たちも東日本大震災を経験して、幸い家族に被害はありませんでしたが、
人事とは思えなかったということです。母も手放しで賛成しています。
父の同僚のアメリカ人たちにも、現地の子を養子として育てている人は多いんだそうです。
その子は人身売買の組織から取り戻されたばかりということでした。
今、そのための手続きを、NPOにお願いして進めているところなんです。
それで、父からはその子の写真を見せてもらったんですが、
あのお寺で見た写真の女の子によく似てるんです。でも、時代も違うし、
日本人とインドネシア人だし・・・ どういうことなのか不思議でなりません。

おわり

221 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:33:02.68 ID:Mp8aiubx0
60本目の蝋燭が消えました・・・


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ここで一旦休憩に入ります。

∧_∧
( ´・ω・) みなさん、お茶が入りましたよ・・・・。
( つ旦O
と_)_) 旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦
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222 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:35:15.14 ID:AgCPeYID0
再開は【2:50】を予定しております

223 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:54:41.62 ID:AgCPeYID0
……時間となりました。

それでは雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOMさん、第61話をよろしくお願いいたします。

224 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:56:03.90 ID:slHZZ5U50
【61話】雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 様
『入ってはいけない小路』

知り合いの話。

彼の実家の山村に「入ってはいけない」と言われていた袋小路があったという。
駄目と禁止されると行きたくなるのが子供心。
という訳で、ある時、従兄弟と二人で足を踏み入れたのだそうだ。

小路の終わりには赤く錆びた鎖が掛けられていて、その先に獣道のような細い道が続いていた。
鎖を跨いで猶も進んでいくと、割りと広い川に突き当たる。
川にはボロボロに朽ちた橋が架けられていて、それを渡った向こう側に廃屋が二軒並んでいた。


気持ち悪くなって引き返したのだが、このことを祖父に話すと酷く怒られた。
「橋は渡ってないだろうな!?」
聞けば、随分と前の大雨で、その橋は流されているのだそうだ。
「お前等、誘われてたんだよ。渡ってたら多分帰ってこれなかったぞ」

そんな馬鹿な、と次の日もこっそり二人で確認しに向かったのだが。
昨日有ったはずの橋はどこにも見当たらず、川が轟々と流れているだけだった。

(終)

225 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 02:56:26.23 ID:Mp8aiubx0
61本目の蝋燭が消えました・・・


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雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM さん、引き続き 第62話をお願いします
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226 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:00:01.32 ID:AgCPeYID0
【62話】雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 様
『違法駐車』

知り合いの話。

まだ学生だった頃のことだ。
彼が違法駐車をして車を離れ、しばらくしてから戻ってくると、
自分の車の下から人間の足が飛び出していた。
周りのアスファルトが赤黒く汚れている。
吃驚して覗き込むと、それは人ではなく、精巧に造られたマネキンだった。
何か重い物に踏まれたのか、頭が半分潰れている。
赤黒い液体も、血ではなくて何かの塗料のようだ。シンナー臭い。

「誰の悪戯だよ、タチが悪いな!?」
そう怒ったものの、違法駐車をしていた自分も決して褒められたものではない。
マネキンを車の下から引っ張り出し、邪魔にならない場所に退けると、
そこを後にした。

おかしなことになったのはそれからだった。
彼が路上駐車をする度、必ずマネキンが車の下に放置されるようになったのだ。
頭が潰れていたり、胴が抉れていたり、腕や脚が千切れていたりと違いはあったが、
毎回同じように事故を模していた。

幾度も隠れて見張ってみたが、その時には悪戯はされない。
油断して車から離れた時に限って、マネキンが出現したという。

すっかり根負けしてしまい、彼は違法な駐車をしないようになった。
以来、不気味なマネキンも現れなくなったという。

(終)

227 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:00:26.36 ID:AgCPeYID0
そしてつい最近の話。
久し振りに、彼と再会する機会があった。
話が弾んでいると、途中でこんなことを言ってくる。
「そういや、あのマネキンストーカーの話を憶えてるか?
 俺の車の下で、事故者の格好させてたって奴」

「憶えているよ」と返すと、続けてこんなことを言う。

「アレがまた出やがった。この前、女房の実家へ里帰りした時だよ。
 一寸の間だけ路上駐車したんだけど、車を実家へ移動させようと戻ってみたら、
 昔のようにマネキンの足が突き出していやがった。
 だあぁー! しつこいよ、一体誰なんだよ、何がしたいんだよ!?」

彼はそう言って頭を掻き毟っていた。

「……まぁ、路上駐車は出来るだけ止めた方が良いね」
私にはそう言うことしか出来なかった。

(終)

228 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:00:27.40 ID:Mp8aiubx0
62本目の蝋燭が消えました・・・


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雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM さん、引き続き 第63話をお願いします
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229 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:02:59.81 ID:slHZZ5U50
【63話】雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 様
『髪の毛』


友人の話。

彼は偶に、口の中から長い髪の毛が出てくるのだという。
特に口を開けたりしていないのに、ふと口内に違和感を感じることがある。
そういう時は決まって、口の中に髪の毛が出現しているのだと。

以前、私と一緒にゼミのレポートをまとめていた夜に、いきなり彼が口をモゴモゴし始め、
次いで口から長い髪の毛を引っ張り出した際にはかなり驚いた。
二人とも短髪で、とてもその髪の持ち主には成り得ない。

その時初めて、彼のその特異な体質を聞かされたのだった。
理由は不明で、もう気にしないことにしているのだと、平然と彼は言った。

レポートが完成するまでに、彼は都合十五本の髪の毛を吐き出していた。
「今度から、俺の部屋でレポートはまとめないからね」
そう宣った私に、彼は苦笑を返してきた。

(終)

230 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:04:21.85 ID:Mp8aiubx0
63本目の蝋燭が消えました・・・


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キツネ ◆8yYI5eodys さん、第64話をお願いします
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231 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:07:47.17 ID:AgCPeYID0
【64話】キツネ ◆8yYI5eodys
『ナナツカ様』

(1/4)
昔、親戚の爺さんの家にひと夏の間預けられた時の話。

親戚の爺さん、というのは私の大叔父に当たる人だと後に知りました。
大叔父が住んでいたのは山に囲まれた農村。
山一つ越えると駅や新興住宅地の造成が進んでいましたが、叔父の住むのは寂れた農地。
家が十数件そこらあるか無いかのド田舎でした。

その農村には7人ほどの子供たちがいて、最初はおっかなビックリではありましたがすぐに馴染むことができました。
中でも小学6年の1番年上のお姉ちゃんは面倒見が良く、
よそ者の私と妹に色んな山遊びや川遊びを教えてくれたものです。

その日はちょうど8月の終わりに差し掛かった頃。
ちょうど今日のように朝晩が涼しく感じる時期でございました。

いつものように田んぼ沿いの沢でカニ捕りや水遊びに興じていた時でした。
1人の地元の子が、橋げたに何か引っかかっているのに気付きました。
拾い上げてみると、それは布のようなもの。
小さな子供用の服でございました。

232 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:09:17.18 ID:AgCPeYID0
(2/4)
その服を投げたりしていると、いつの間にでしょうか。
1番年上のお姉ちゃんが集落のお年寄りを連れてきて、その服を指差していました。
しばらくすると集落の大人たちが集まって参ります。

そして口々に、
「流れてきてしまったか」「今年もナナツカ様が気に入らんかった」
「今年は何年目ね?」「…7年目だ」
「どう思う?」「来るやろうな」
そんな事を言っていたのを記憶しています。

私たち子供はすぐに川から上がり、すぐに家に帰るよう言われました。

後に知った話をまとめると、
集落の傍の山には『ナナツカ様』という7基の石の塚が並んでいて、
その塚に毎年、夏の初めに子供用の服を1着お供えする風習があるのだそうで。
『ナナツカ様』が気に入らないと、その服が山から集落の沢へ流れて来る。
その年は7年続けて沢に流れてきた、ということらしいのです。

そしてその日の夕刻。
私たち兄妹は大叔父に連れられて集落の公民館へ。
そこには集落の子供全員、それどころか集落の大人たちも集まっておりました。
大人たちは公民館の庭で火を焚き、子供たちは公民館の中へ追い遣られます。
「朝まで出ちゃいかんぞ」
普段優しい大叔父が怖い声で言ったのが印象的でした。

子供たちはと言うと、強張った顔の大人たちとは対照的でした。
普段は夕方には別れる友達と夜も遊べる―――
そう思ったのか、大人が公民館の外にいるのをいいことに、テンションMAXではしゃいでおりました。

233 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:11:05.08 ID:AgCPeYID0
(3/4)
夕飯を終える頃には幾分か落ち着いたのか、小さい子たちを中心に眠そうな目。
そんな子たちを年長者のお姉ちゃんと一緒に布団へ運んでいると、
妹がガラス戸の方を見るなり、ギャーっと火のついたように泣き始めました。
瞬く間に鳴き声が小さい子たちに伝染。
そんな子たちを宥めて寝かし付けるうちに、私も眠ってしまっておりました。

翌朝。

公民館の中に年長者のお姉ちゃんが居ません。
周囲を見回すと、ほかの子は静かに眠っておりましたが、お姉ちゃんだけが見当たらない。
外に出ると、大人たちが沢の橋の方に集まっているのが見えました。
慌てて駆けて行くと、すぐに気付いた大人に頭を抱きすくめられ、
「見ちゃいかん!」
と怒鳴られました。

聞こえたのはすすり泣く声。
雰囲気は重く、蝉の声と沢の水音がやけに大きく聞こえたと記憶しております。

そしてポツポツと、
「流されてきたのは○○ん家の長女か」
「服は着ちょらん」
「うわっ!皮まで持っていかれとる」

確か、そんな事を言っておりました。

その後すぐに私は公民館へ連れて行かれました。
沢で亡くなっていたのはやっぱり年長者のお姉ちゃんで、翌々日にはお葬式に参加。
最後のお別れにと、お棺を覗こうとした子が親にビンタされて吹っ飛んだのを見て、
―――ああ、あのお姉ちゃん大変な目に遭ったんだな、と怖さと寂しさで泣いたのを覚えております。

234 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:12:59.69 ID:AgCPeYID0
(4/4)
後に妹から聞いたのですが、あの公民館での晩のこと。
妹はガラス戸の向こうに見たのだそうでございます。
ガラス戸の向こうには子供が数人、あの年長者のお姉ちゃんを指差していたとか。
その子供たちは一様に真っ赤な目でニイっと笑っていたそうです。

また別の子は、夜中に目を覚ました時。
たくさんの真っ赤な目をした子供達にお姉ちゃんが囲まれ、
じたばたもがきながら引きずられていくのを見てしまったそうでございます。
その後、親戚の集まりで大叔父に会った時に聞いた話なのですが、
酔った大叔父が言うには、昔、戦時中に1度だけ子供の服が流されてきたことがあるそうです。
その時は学童疎開してきた子供の1人が、同じように身ぐるみを剥がれて沢を流れてきたのだそうで。

それから大叔父と疎遠になり十数年。
集落からはどんどん人がいなくなり、とうとう大叔父だけになったと聞いていました。
先日、久々に実家へ大叔父から電話がかかってきて、こう言っていたそうです。

「今年も流れてきた。7年目だ、今後は盆も一切、夏には誰もあそこに近づくな」

そのまま大叔父はすぐに高齢者施設に入所し、集落からは誰もいなってしまったのです。
そうです、ナナツカ様に服を納める人は、誰も。

今年は例の七年目。
ナナツカ様は集落に下りて来るのでしょうか。
それとも誰も居ないのに気付いて、山向こうの住宅地に下りるのでしょうか?
夏も終わりに差し掛かりました。
山沿いの住宅地にお住いの皆様。
どうぞ窓の外には目を向けない方がよろしいかと。

真っ赤な目をした子供達が、笑いながらあなたを指差しているのかもしれませんから。

【完】

235 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:15:37.62 ID:Mp8aiubx0
64本目の蝋燭が消えました・・・


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Big ◆iq3nGde8rU さん、第65話をお願いします
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236 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:16:31.87 ID:slHZZ5U50
【65話】Big ◆iq3nGde8rU 様
『フィールドアスレチック』

これから話すのは、全部わたし自身が目撃したものです。
最初は、あそこで働き始めて1ケ月目のことです。
ある小学校の5年生が一泊で来てて、
子どもらは東の広場のフィールドアスレチックで遊んでたんですよ。
木とタイヤとロープでできた遊具が10以上あるところで、
遊んでも面白いし、障害物競走にも利用できる。
しかも体力もつきますしね。
わたしは、事故がないように近くで見張ってました。
小さい子どもさんは、ロープがからまってしまうことがときおりあるんです。
でね、見ていたら一人の男の子が、「ヘビ」と呼ばれてる遊具に入ってったんです。
タイヤ15本くらいを並べて、ロープで中空に吊ってあるんです。

そのぐらぐら揺れる中をくぐっていくやつです。
でも、アスレチック遊具の中では、そんなに難易度は高くないんです。
見ていたら、その子は足場にのって上半身をタイヤにくぐらせ、
その格好で止まってしまったんです。揺れるのが怖くて動けないんだと思いました。
で、30秒以上その姿勢のままだったんで、助けに行こうかとしたとき、
もう一方のはしからひょっと男子の子が顔を出したんです。
「え!」と思いました。だってね、中にいるのはその子だけなんですから。
タイヤの列は4mほどの長さがあるんですよ。
顔を出した男の子もね、わたしと同じように「あれ?」という顔をして、
そのまま頭から下に落っこちていったんですが、
胴体がびょーんと長く伸びたように見えたんです。

237 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:19:47.03 ID:slHZZ5U50
で、男の子の頭が地面に着くあたりで、入り口のほうに見えていた
その子の足と腰が、すっとタイヤの中に飲み込まれた・・・
わたしは話が下手なんで、状況を想像できますかね。
男の子が落ちるとき、長く伸びていた胴体がしゅっと縮んだように見えたんです。
そうですね、蛇笛ってありますでしょう。
ピーと鳴らすと伸びるやつ。あれが縮んでいくときのような感じでした。
地面に横たわっている男の子の体は普通に戻ってたんです。
その子は医務室に運んでしばらくしたら目をさましました。
脳震盪が疑われるので、両親を呼んで病院に連れていってもらいましたが、
その子は、アスレチックのタイヤに入ったとたん、大蛇に飲み込まれたような
気がしたって言ってました。蛇みたく伸びてたのはその子のほうなんですけどねえ。

(終)

238 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:21:39.45 ID:Mp8aiubx0
65本目の蝋燭が消えました・・・


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239 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:23:38.55 ID:AgCPeYID0
【66話】Big ◆iq3nGde8rU 様
『電撃柵』

宿舎のほうと、野外炊飯場は電撃柵に囲まれてるんです。
これは熊用のもので、まだ大きな事故は起きていませんが、
その施設から続く山には熊は普通にいるんです。
私らが山に入って作業するときには、熊よけの鈴をつけますし、
宿舎の建物のすぐ近くで、熊が木につけた縄張りのしるしを見たこともあるんです。
それで、宿舎と炊飯場は食べ物をあつかうでしょう。
ですからね、臭いにつられてこないよう柵で囲ったわけです。
電撃は三千ボルトで、これで熊が死ぬということはありません。
やつらも学習しますしね。だんだん自分から近づかないようになりますから、
今ではね、バチッとなるのは年に数回のもんです。
で、その夜はわたしが宿直だったんです。

郊外にあるので、警備保障が来るまで時間がかかる。
それで宿直制度が残ってるんですが、翌日は休みです。
その日はどこの学校も来てなくて、飲酒等はもちろんできませんが、
気楽なもんでした。でね、夜10時の見回りのときでした。
懐中電灯をつけて宿舎の外を歩いていると、バチバチ音がしたんです。
そっちに回っていくと緑色の光が明滅してるのが見えたんで、
何か動物が柵にひかっかって動けなくなり、
電撃を浴び続けてるんだろうと思ったんです。
建物の東側でしたね。光ってる柵の正面にいくと、
外側で何が起きてるのかはっきり見えました。熊・・・でしたけど、
立ち上がって両腕で何かを抱えてたんです。

240 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:24:13.81 ID:AgCPeYID0
で、それを電撃柵に押しつけている。熊自身も感電してるんだろうけど、
その抱えてるものを通してだから、たいしたことはないんです。
最初、抱えているものは狸だと思いました。それくらいの大きさでしたから。
ところが、バチッと光るたびに、柵に押しつけられたそいつの顔が見えて・・・
体つきは猿に見えましたが、顔に木の面を被っていたんですよ。
つるつるした材質の無表情なお面です。面の目の穴から、
本来の猿の目がのぞいてて、それは白目になってました。
もう電撃で気絶してたんでしょう。熊のほうはわたしが来たのに気がついたようで、
その生き物を抱えたまま後じさりするようにし、生き物を口に咥え直して、
四つんばいに戻って駆け去っていきました。ねえ、変な話でしょう。
あの生き物が猿だとして、誰が何のために面をかぶせたんでしょうか?

(終)

241 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:26:27.26 ID:Mp8aiubx0
66本目の蝋燭が消えました・・・


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242 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:26:43.97 ID:slHZZ5U50
【67話】Big ◆iq3nGde8rU 様
『玄関の絵』

これが今回最後の話です。宿舎の正面昇降口には、ずっと靴棚が並んでいて、
その上に大きな絵が飾られてあるんです。
わたしは美術はあまり詳しくないんで、何号とかはわかりませんが、
2m×2mもあるようなものです。油絵でして、寄贈品なんです。
これを描いたのが、この○○の家の初代の所長さんです。
元は中学校の美術の先生で、校長で退職してからここの所長になったんです。
山が好きな人で、施設まわりをよく歩き回っていたそうですよ。
で、この絵の題材が、山の中にあるダム湖なんですが、
実際にスケッチしたものを元に油絵に仕上げたんです。
施設の東の方面、数km離れたところにあるダム湖ですね。
その下には、数十件の世帯でしたが、小集落が沈んでいるんです。

いえ、すべてダム造成のときに立ち退いていただいて、
たいそうなお金をもらっ街中に移ってったはずです。
その工事のときに死者が出たって話もありませんでした。
だからね、この絵が祟る理由なんて一つもないんです。

243 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:36:32.85 ID:AgCPeYID0
なのにねえ、これも年に数回のことなんですが、
朝になると絵の前のコンクリの床が濡れていることがあるんです。
そこは昇降口だし、生徒が来ているときには泥足で踏むところですから、
濡れても別にかまわないんですが、施設に宿泊者がないときでも
それが起きるんです。ねえ、考えられないですよね。
まさか絵の中のダム湖の水がこぼれてくるわけはなし。
ある晩、これも宿直のときでした。

照明をつけては消ししながら、宿舎内を回っていたんです。
でね、ここの昇降口は最後のほうになるんです。
異常なし、と思って照明を消そうとしたとき、ボコッボコッという、
泡が弾けるような音が聞こえたんです。壁の絵のほうからでした。
そっちに懐中電灯を向けると、絵の中央の表面が盛り上がってました。
あのほら、2つ目の話で出てきたお面ですよ。
あれが絵の中から浮き上がるようにして出てきていたんです。
同じものだと思いましたね。ただ、目の穴の中は空洞で黒々としていました。
そのときは動けなかったです。呆然と見ていると、面はあるとこまで出てきて止まり、
横長の口の穴から大量の水を吐いて、そして引っ込んでいったんです。
絵の表面は元のダム湖の油絵のままで、何の痕もなかったですよ。

(終)

244 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:38:31.60 ID:Mp8aiubx0
67本目の蝋燭が消えました・・・


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ぺそ ◆qyVZC3tLJo さん、第68話をお願いします
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245 :ぺそ ◆qyVZC3tLJo @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:39:23.94 ID:5Ask03Be0
[68話]
『今の出来事』

今現在起こっている出来事。

21話で我が家にいるであろう誰かの話をしました。
それからです。
2階を走り回る音、今までなかった電気をつけたり消したりする音(これは見に行きましたが本当についたり消えたり)
階段の上り下り、私がいるのに換気扇が回る、エアコンついてないのに寒い・・・・
おまけに胃痛がすごいです。
見世物みたいに扱われて怒っているのか、ヒャッホー状態なのか・・・・

でも私はいいたい。邪険になど扱ってないことを。
共存を認めていることを。
なので深夜は静かにしてください。
そして胃痛を治めてください、お願いします。

おわり

246 :ぺそ ◆qyVZC3tLJo @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:40:52.97 ID:5Ask03Be0
68本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMboさん、第69話をお願いします
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247 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:41:47.26 ID:AgCPeYID0
【69話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『隠れ里』

結婚時代の話です
夫の実家は私の田舎よりさらに田舎(高速道路もまだでした)
けれど古い歴史だけはある山奥でした
そんな夫の実家で初めての正月を迎えた時の話です
夫の家は先祖が武士だったらしく、姫をかばって山奥に隠れ住んだとの事
その末裔だとかいう話を上の空で聞いていました
夫の祖母が「生まれた村に私の親神様がある、あんたを新しい嫁として紹介したい」
との事で夫も初めての廃村である祖母の生まれ故郷に行くことになりました
確か午前中に出発しました
地図のうえでは隣の村で、地図明記はただの山地で祖母の記憶だけを頼りに
車も通れるのか?という獣道(舗装されていない)を一時間もかけてグルグルと向かいました
途中で霧のようなのも出てきて視界も悪くなり崖も多くて危険でした
印象的だったのは、奥の山のところどころに赤い布きれが巻かれていました
人気もなく生き物の気配がしない場所に突然と崩れかけた木造の建物が見えました
数はそんなに多くなかったと思います、ボロボロの家
見た時に「えっ?ここに降りるの?」と怖くなってしまいました

248 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:42:33.02 ID:AgCPeYID0
昼過ぎ暗いなのに霧と青い光で気味悪く、まるでホラー映画みたいだと思いました
人はいないのに人が住んでいた感じで、昭和より古いというか、家具とかも割れた窓から見えました
戸口も横開きの木の板で土間とかまども見えたのですが、かまどに木がつっこまれたまんまでした
祖母いわく国の命令で手荷物だけしか持って行けなかったそうです
私が「ここに降りるの?」とこわごわと聞くと祖母は「降りちゃなんねえ降りなくていい」
と静かに言い、ゆっくりとそこは通り過ぎました
なんというか落ち着かない雰囲気で帰れるのか?と冷や汗が出ましたが
祖母の故郷だし失礼な事を言ったら可哀想と思って黙っていました
少し一本道をそのまま奥に進むと、ボロボロの白い神社でよくみる白い紙が沢山ついた
縄が見えてきました
でも白い紙もボロボロで黄色がかかっており、奥に大きな木が見えました
とても大きな木で手前に小さな赤い鳥居と賽銭箱が見えましたが
「これ行っちゃダメだ」と瞬間的に口から出てしまいました
車がそこで突然エンジンが切れてしまい、私は祖母の親神様はアレだ
祖母は車から降りて行くのだろうか?と恐る恐る祖母を見ましたが
なぜか祖母は悲しげに「もういい」と言いました
霧となぜか道が雨水を含んだようにドロドロで見えにくかったのですが
白い縄の奥に木の橋がかかっており、その橋は潰れていました
とりあえず帰ろうと、何回かエンジンをかけてやっとかかり、Uターンをするために
バックでそのまま廃村集落の辺りまで戻りました
その間は私は助手席ですが前方の親神様の木の方向を見るのが嫌で夫と共に後ろを見ていました
廃村は少しくぼんだ土地にあったので、その入り口の下り坂に少し車を入れて、やっと方向転換ができました
さぁ帰るぞと私は後ろを振り返ると、誰もいないはずなのに壊れた家の一軒から
色鮮やかな着物の帯のようなのがヒラヒラと舞っていました
「え?何あれ?」と思いましたが夫に「気のせい」と言われてしまい、そのまま舗装された道路に出た時に
やっと安堵し、自分が汗ビッショリなのに気づきました
あれからあの場所には行っていません、そして行った話を誰もしません
地元の地図や歴史も調べましたが、過疎村の移動は書いてあっても、あの場所の詳しい事はわかりませんでした

(終)

249 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:43:35.94 ID:Mp8aiubx0
69本目の蝋燭が消えました・・・


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もうやだ ◆GC4X4Nuhmkさん、第70話をお願いします
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250 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:44:12.72 ID:AgCPeYID0
【70話】もうやだ ◆GC4X4Nuhmk 様
『山に居たおじさん』
中学2年生の頃の話
当時俺は思春期っで母親や父親にゴミ箱の中身を見られたくなかった訳だ
んでバレずにどう処理するか考えててそこで外に捨てようって考えに至ったんだよね
んでどこに捨てようかとか考えながら親が寝てる深夜にゴミ袋をデカイ鞄に入れて静かに外出たわけよ


んで適当に歩いてたら公園があって隣に山がある場所があったわけさ
おここで適当に捨てればいいんじゃねって思ってよさげな場所探してたら
ビニールの??????て音とビニールに水を入れて振ったら出るような??????????って言う水の音がしたんだ


んで何かと思うとおじさん?お兄さん?まあ男がデカくて黒い袋担いでて そこで俺に気づいたらしく近づいてきて
「君もゴミ捨てるの?」って質問してきたんだよね
まあ見つかったし仕方ないかって思ってそうですよ〜って答えたんだがおじさんが自分のゴミと一緒に捨ててくれるって言ってくれたのね
まあ勿論そこでお願いしておじさんはまあ埋める作業に入ってたんだが俺は勿論手伝いますとも言えなくてすぐ帰ったんだよね
んで5日くらい経ってからかな?隣町の小学生?中学生?かどっちか、女子学生が深夜出歩いて誘拐されたってニュースになってたんだ


んでニュースで誘拐されたと思われる映像って言って監視カメラっぽい映像映されたんだが…
監視カメラの映像はまあ犯人は勿論真っ黒い服で誰かわかんないんだが
まあ映像の内容は殴って蹴って動かなくなって黒い袋に詰め込んで1台車が来て車が逃げていくって映像だった
ニュース見た後俺は怖かったね、あの映像で詰め込むのに使ってたのは黒くてデカい袋 あのおじさんは殺して袋に詰め込んだ女子学生をあの山のどこかに埋めたんだって

[終]

251 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:45:22.56 ID:Mp8aiubx0
70本目の蝋燭が消えました・・・


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デッドエンド ◆JY70SElFKIさん、第71話をお願いします
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252 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:45:37.13 ID:AgCPeYID0
【71話】デッドエンド ◆JY70SElFKI 様
『六甲山』

神戸で有名な山、六甲山。友人3人と私を含め四人で夜のドライブをしていた時、老人が1人歩道を歩いていました。
こんな時間にこんな場所を歩いてるのおかしくない?と友人達と話しながらゆっくり横を通り過ぎました。
そしたら、友人のうち1人が「老人1人で道に迷ったんかも?乗せてあげた方がいいんちゃう?」と言い出しました。
私たちはどう考えてもおかしいし軍服みたいなの着てるし正直気持ち悪かったので全力で拒否しました。
翌日、職場で昨日こんなことあったと話してたら、1人の先輩がその話なんか知ってるぞ!と言い、どっかに走って行きまた走って戻ってきました。
「これ!この本のここ読んでみ!自分と同んなじ話が載ってるわ」そこには私たちと同じ体験をした人たちの話が載っていましたが、、その人たちは車に老人を乗せたみたいでそのうちの1人が行方不明になったとかなんとか書いてありました。
あの時、乗せてたらヤバイことになってたかもとゾッとした話でした。



253 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:46:28.45 ID:Mp8aiubx0
71本目の蝋燭が消えました・・・


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コソコソ ◆.PiLQRq.0Aさん、第72話をお願いします
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254 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:47:26.52 ID:AgCPeYID0
【72話】コソコソ ◆.PiLQRq.0A 様
『雑木林に潜む』

あるバーで、毎年夏になると怪談会が行われている。
マスターが怖い話好きで、もう何年も続いている恒例行事だ。
毎年参加させてもらっているが、選ばれた何人かの語り部が順番に話していき、
最後の方は飛び入りで参加者から語り部を募るという形式は変わらない。

今年も用意された語り部たちの話が終わり、会場は良い感じに冷え切っていた。
飛び入りの参加者を募るが、当然ながら手を挙げる人は少ない。
いつもはしばらく時間がかかるのだが、今年はすっ、と手が上がった。
五十路を少し過ぎた、がっしりとした体格の男性だった。仮にAさんとしておく。
「上手く喋れるかどうか……」と一人ごちながら、Aさんは席に着く。

もう四十年近く前の話である。
当時小学生だったAさんは、虫を捕まえるために朝早く家の近くの雑木林に出掛けたらしい。
一人じゃ危ないということで、Aさんの父親が着いてきたが、
父親的には早く帰りたい気持ちでいっぱいだっただろう。

「今となっては親父の気持ちが分かるんですよ。仕事で疲れて、朝早くから虫探しなんて……」
正気の沙汰じゃない、とAさんは苦笑いした。

「それでもその時は、そんな親父の態度が気に食わなかった。だから悪戯して困らせてやろうと思って」
Aさんは父親が見ていない隙に藪の中に隠れたそうだ。
しばらくしてAさんがいないことに気が付いた父親が声を上げ始めた。

255 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:48:28.12 ID:AgCPeYID0
――お父さん、困ってる困ってる
Aさんは父親の狼狽する姿を想像してほくそ笑んでいたらしい。
「最初は『しめしめ』と思っていたんですけどね、だんだん父親の声の調子が変わってきて…」

――お父さん怒ってる……
父親は突然居なくなった我が子を必死になって探しているのだろうが、
子供のAさんからすると「怒っている」と感じられて無理はない。
Aさんは藪の中から出るに出られなくなってしまった。

――出たら怒られる。
そう思いながらじっと身を縮めていると、徐々に父親の声が遠ざかっていった。
途端に辺りの音が大きくなる。遠くの方でかすかに父親が自分を探す声がする。
――このまま置いて行かれたらどうしよう……
段々と心細くなってきた。
怒られるのを覚悟で声を上げようとした時、

「Aー Aー」
自分のすぐ横から声がした。
自分の名前を呼ぶ声。父親の声。
でも、それは抑揚がない。合成音のような平坦な調子で
「Aー Aー」
と繰り返す。

「……誰?」
泣きそうになりながら、Aさんが声をかけた。

256 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:49:20.35 ID:AgCPeYID0
「だれー だれー」
声が変わる。自分の声になった。
Aさんは声の正体を探して藪の中を見渡しても誰もいない。
でも自分のすぐ隣で
「だれー だれー」
と声は繰り返している。

「お父さーーん!」
耐えられなくなったAさんは藪から飛び出して、父親の声のする方に泣きながら走っていった。
大泣きしながら現れたAさんを父親が抱きかかえて宥めてくれた。
背中をさすられながら、雑木林を父親と連れ立って抜け出した。

「――そして、親父の車に戻りました。ずっと怖くて泣いていたんで、親父はなんとかご機嫌取ろうとしたんでしょうね。
 『大丈夫大丈夫』って頭を撫でて『また来ような』って言ってくれました。
 『もう来たくない』って断ろうとしたんですけどね……」

Aさんはここまで話して、難しい顔をして黙り込んだ。
「気のせいかもしれないし、もう記憶も定かじゃないんですけど……」

Aさんの父親が『また来ような』とAさんに声をかけた直後、
車の後部座席から
「またいくからー」
と、声がしたそうだ。



257 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:49:46.71 ID:Mp8aiubx0
72本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMboさん、第73話をお願いします
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258 :猫虫(代理投稿) ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:50:37.70 ID:slHZZ5U50
【73話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
「老人施設」

私の母は介護福祉士で施設で働いています
病院と一緒で人が亡くなる場所であり母も何度かみたそうです
夜勤をしていると4階のエレベータ前でよく影が出るそうです
不思議なのは黒い影ではなく白いそうで、担当者だった人には
「あ、亡くなった〇さんだ」とわかるそうです
何度か内緒でお坊さんにも来てもらい供養はして貰ったそうですが
なぜか4階だけに出るそうで、ここの職員は長持ちしないそうです
母は幼い時に色々と霊体験はしていますが本人は恐怖漫画を笑ってみるタイプ
そんな母ですので皆が4階の夜勤を嫌がる中で母だけが移動もせず働いていたそうです
そんな母ですがお盆が終わって、その当時一番懇意にしていた担当の方が亡くなられました
なんでも正月と盆を過ぎると亡くなる率が高くなるそうです
母はいつもの通り夜勤をしていると、なんとなくゾワッとした感覚になったそうで
「ああ、こりゃいるな」と思ったそうです
ですが、気にしたらダメと無視しようとすると、いつもはエレベータ前から動かない気配が
スッと母の前に出たそうです
母の体を白い影がつきぬけて母は「あっ」と思ったそうです
白い影は母が担当していた、あの患者さんだと直感でわかったそうで
その影は母の前にたち母においでおいでをしたそうです
母は「ダメ!!ちゃんと家族さんの所に行きなさい!!私は私の家族があるの〇さんダメ!!」
と必死で咄嗟に言うと、影は少し停止したあとに、小さく頭を下げて消えたそうです
流石に母もその次の週から2階に移動して貰いました

(終)

259 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:52:58.57 ID:Mp8aiubx0
73本目の蝋燭が消えました・・・


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雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOMさん、第74話をお願いします
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260 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:53:07.69 ID:AgCPeYID0
【74話】雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 様
『土蔵の狸』

知り合いの話。

彼の実家には古くて立派な蔵があるそうだ。
これは、彼がまだ幼い頃のこと。

夜中、祖母が蔵の横を通り過ぎると、中から人の気配がした。
「誰か中にいる?」と問うたところ、「すいませんっ」と慌てた声が返ってきた。
同時にバタバタッと、何か暴れるような大きな音がする。
取りあえず中を確認しようと扉を見ると、閂も鍵も掛かったままだった。

「泥棒だ!」と動転した祖母は、急いで他の家人を呼び集めた。
数を頼みに中を確認してみたが、蔵の中には誰もいなかった。
ただ、綺麗に積んであった筈の荷物が、至る所で崩れていたという。
人が隠れられるような場所もなく、出て行けるような箇所もない。
家人たちは口々に不思議だと言い合った。

ただ祖父だけは笑ってこう言った。
「大方、裏山の狸の類いが悪さしに来てたんだろう。
 昔はウチまで下りてきちゃあ、騒いでたモンだ」

まだ幼かった知り合いは、
「え? あの蔵の中にドラえもんがいたの!?」と叫んだ。
彼にとって狸から連想できるものは、ドラえもんしかなかったらしい。
家族皆に大笑いされたそうだ。

「アンタのおかげで、怖くなくなったよ」
祖母がそう言って頭を撫でてくれたのが、子供心に嬉しかったそうだ。

(終)

261 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:54:25.26 ID:Mp8aiubx0
74本目の蝋燭が消えました・・・


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雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOMさん、引き続き 第75話をお願いします
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262 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 03:59:05.01 ID:AgCPeYID0
【75話】雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 様
『義実家の人々』


元同僚の話。

彼の奥さんの実家は、人の死が見える家族なのだという。
義両親は共にはっきりと、義妹はボンヤリと見えるのだそうだが、
なぜか奥さんだけはまったく見えない質らしい。

夫婦で実家に遊びに行くと、
「あぁ、君は○○で死ぬだろうから、準備をしておいてくれ」
「娘を必要以上に苦労させたくないから、保険とかもきちんとしておいてね」
などと反応に困るようなことを言われたそうだ。

奥さんが泣きながら「あの人たちには、本当に人の死に目が見えるの」と訴えた。
「ま、用心しておくさ」と彼は返し、自分が可能な対応をすることにした。
○○から連想される場所に、絶対に近寄らないよう暮らし振りを変えてみる。

その少し後、再び訪れた実家で、今度はこんなことを言われた。
「おや、○○で死ななくなったみたいだねぇ」
「でもまだ△△かもしれないし」

「だから今は△△を避けて生活しているんだ。
 かなり天然入っているけど、義実家の人たちって悪い人じゃないんだよ。
 見方を変えれば、危険を未然に注意してくれているとも言える訳だし」
ニコニコとそう述べる彼の横で、乾いた笑いを浮かべる奥さんが印象的だった。
彼自身も強烈な天然であるのだが、当の本人はそれに気がついていない様子である。

(終)

263 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:00:23.34 ID:Mp8aiubx0
75本目の蝋燭が消えました・・・


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雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOMさん、引き続き 第76話をお願いします
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264 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:00:49.18 ID:AgCPeYID0
【76話】雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 様
『旧校舎の肝試し』


友人の話。

学生時代の夏休み、取り壊される予定の旧校舎で肝試しをしたのだという。
学校からかなりうるさく言われたので、かっちりとした計画を立て、
使用許可もちゃんと出して、スケジュール通り執り行った。
イベント自体は何も起こらず無事に終了したのだが、校舎から出た途端、
先生方が怒りながら飛んできた。

「こんな時間までどこで何やってた!?」

時計を見ると、もう少しで日が変わる刻限になっていた。
おかしい。
計画ではどんなに遅くとも、21時までには終了する予定だったのだが。

265 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:01:38.32 ID:AgCPeYID0
先生方が言うには、帰りが遅いので心配し、旧校舎内を確認したのだが、
誰一人として姿が見つからなかったと。
さては連絡もせずに帰ったかと家に電話をすると、まだ誰も帰っていない
と言われたので、手分けをして探していたのだという。
しかし彼らは旧校舎からは出ていない。

彼ら生徒たちの腕時計は、皆揃ったように五時間以上遅れた時刻を指していた。

「結局、俺たちが時間を忘れて遅くなったという仕舞をつけられてさ。
 親にも学校にもえらく怒られたよ。
 でも、警察の人にまで怒られたのは困ったなぁ。
 あの人たち、マジに怖いんだもん」

彼はそう言うと肩を竦めた。

(終)

266 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:02:18.19 ID:Mp8aiubx0
76本目の蝋燭が消えました・・・


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Big ◆iq3nGde8rUさん、第77話をお願いします
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267 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:03:11.50 ID:AgCPeYID0
【77話】Big ◆iq3nGde8rU 様

山の中の濃霧は、登山界ではガスと言うことも多いですね。
ひどいときには、まったく視界を失って遭難の原因となることもあります。
実際、すぐ目の前を行く人の後頭部や、
自分のはいている登山靴さえ見えなくなることもあるのです。
登山をしない人でも、飛行機が雲海に突っ込み窓の外が一面に白くなるのを、
見た経験がある方もいるのではないでしょうか。霧と雲は基本的には同じものです。
「五里霧中」という故事成語があります。
国語の試験問題に出て、「夢中」という誤答例が紹介されることがありますが、
「五里霧」は五里四方に立ち込める深い霧という意味で、
中国の正史の一つである『後漢書』に初出します。
今夜させていただく話は、こうした山中での濃霧に関するものです。

『体をつかめ』

山行、この場合は近代的な登山ではなく、山菜採りや渓流釣り、
猟などで山に入った場合の山人の心得ですが、一寸先も見えないような濃霧の中では、
行動をせずに晴れ間を待つのがベストです。
しかしなかなかそうも言ってはいられません。時間的な制約もあり、
どうしても先へ進まなければならない場合、
例えば4人同行であれば、リーダーが先頭に立ち、
後ろの3人は両手を空けて前の人の腰をつかんで、そろそろと行動をします。
このとき、ザイルを伸ばしたものをつかんだり、
前を行く人のザックをつかんだりするのはあまりよくないことのようです。
こういう話があります。あるとき4人の一行が、冬に集団で巻き猟をした帰り、
ひどい濃霧に出くわしました。そこらの山塊一体がつつまれてしまったのです。

268 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:04:27.17 ID:AgCPeYID0
リーダーの指示で、先にお話したように一列縦隊になり、前の者の腰をつかんで、
そろそろと下っていったのですが、3番目の男は手に獲物のウサギを下げておったため、
前の者の腰から手を離してザックの一部をつかんでしまいました。
そのまま20分ほど下ったところで、前の者がまったく動かなくなったのです。
視界はきかなくとも、ザックをつかんだ感触は間違いないので、
「おおい、どした。なんで止まっとる」と声かけをしても返事はなし。
今度は最後尾の者が声をかけましたが、やはり同じでウンともスンとも言わない。
そこで手探りでザックの前を探ってみると、驚いたことにザラザラとした木の感触。
立木がザックを背負っているとしか思えませんでした。
しかし、そんなことがあるはずはない。それはそうでしょう。
そこまで前の者をつかんで、立ち止まりもせずに歩いてきたんですから。

これは何かに化かされていると感じた男は、後ろの男に、
その場に腰掛けるように言い、2人でブカブカと煙草をふかし始めました。
物の怪や獣の化かしには、煙草の煙がよいとされていたのですよ。
そうして、霧が晴れるのをじっくりと待ちました。
視界が回復してびっくり仰天、やはりさきほど手さぐりしたとおりに、
大きなブナの木がザックを背負った形になっていたのです。
そして、そのザックは2人目の男のものに間違いはありませんでした。
ためすがめつ調べても仲間のザックなので、少々気味悪くとも持って山を降りました。
幸いなことに、前にいた2人もすでに山を下りて里に入っていましたが、
2人目の男のザックは当然ながら、なし。両腕を通して背負っているものが、
本人が気づかないうちにするりと脱げてなくなってしまっていたのです。

(終)

269 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:05:27.56 ID:Mp8aiubx0
77本目の蝋燭が消えました・・・


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Big ◆iq3nGde8rUさん、引き続き 第78話をお願いします
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270 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:06:40.87 ID:AgCPeYID0
【78話】Big ◆iq3nGde8rU 様
『反魂』

このような濃霧の中では、何かがくるとも言われます。
何か・・・とは、前の話のようにキツネやタヌキなのかもしれませんし、
あるいは人や獣どころか、この世のものではないかもしれません。
やはり猟をしていた5人組が、山中で濃霧に遭遇し、
前の者の腰をつかんで、そろそろとムカデ歩きをしていたときのことです。
最後尾の男が、「おやあ、何か来た」と声を出しました。
こういう場合、前に立つリーダーは、「何も来ねえ、気をしっかり持て」
と声をかけます。仮に他の登山者が後ろにいるのだとしても、
何もしてやることはできませんし。お話したように、
来たのがこの世のものとはかぎらないからです。
「うんだな」最後の男はつぶやきましたが、またしばらくして、

「何か来た、何か来た」と叫びました。「何かが俺の腰に取りついとる!」と。
リーダーが「何も来てねえ」とまた言い、残りの者も「んだ。何も来てねえぞ」
と復唱します。最後尾の男は黙りましたが、またしばらくして、
「来たぞ、来てるぞ。女の手だあ。こらあ俺の女房の手だろう」
これを聞いて皆はぞっと背筋が寒くなりました。
男の女房は去年の冬に肺炎で死んだのを知っていたからです。
それもちょうど今頃の時期に。「〇〇さぁ」最後尾の男はリーダーの名前を呼びました。

271 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:07:24.61 ID:AgCPeYID0
「俺、ここに残ってもいいかあ。女房が来てるようだども」
「ダメだあ!」リーダーが叫び、残りの者も復唱します。
「おめえの女房はもう鬼籍に入っとるだろうに。そら、おおかたメス狐だろうて」
リーダーはそう言うと4人目の男の名を呼び、
「□□が離れねえようにおめえ、手首を引いてやれ」こう指示したのです。
しばらく進むとまた、最後尾の男の声が聞こえて、
「今よう、俺の女房が隣について歩いておる」こんな内容です。
リーダーは「この霧じゃあ見えるわけがなかろう。そら、この世のもんではねえから」
そしてひときわ声を張り上げて、「オン アビラウンケンソワカ」と唱えました。
そのあたりの山はいわゆる霊山でもあり、修験者の姿を見かけることも多く、
猟師連中も真言(マントラ)を知っていたのです。一行はそのまま、
「阿 毘 羅 吽 欠 蘇 婆 訶」と地水火風空の真言を唱和しながら、
ムカデ姿のまま、ゆっくりとゆっくりと山を下ったのです。
もしもはたから見ることができれば、さぞや異様な光景だったことでしょう。
ともかく、そうしているうちに霧は晴れ、一人の脱落者も出さず戻ることができたそうです。

(終)

272 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:09:48.10 ID:Mp8aiubx0
78本目の蝋燭が消えました・・・


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Big ◆iq3nGde8rUさん、引き続き 第79話をお願いします
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273 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:10:17.35 ID:AgCPeYID0
【79話】Big ◆iq3nGde8rU 様
『遊郭』

前の話で、最後尾の男に働きかけてきたものは何だったのでしょう。
キツネやタヌキなど山の獣がちょっかいを仕掛けてきたのでしょうか。
そうかもしれませんし、本当に、男の死んだ女房が姿を見せたのかもしれません。
そうです。このような濃霧のときには、この世とあの世の道がつながるということも、
けしてないとは言えないでしょう。
さて、前の話ではリーダーがしっかりした山の男だったので、
無事に戻ることができたのですが、そういうケースばかりではありません。
リーダーには歳はあまり関係がなく、仲間に信頼のあるものがなるのです。
せまい集落で生まれ育ったものどうし、気性は子どもの頃から知っているわけですから。
ただし毎回そううまくいくとも限りません。
そのリーダーねらわれてしまうこともあるのです。

やはり霧の中で、4人がそろそろとムカデ歩きをしておりますと、
まったく視界がない中ながら、どうも道が違うような気がしてきました。
そこで2番めの男がリーダーに、「これはどうも道がおかしくねえか」と聞くと、
「これでええんじゃ」という答え。まあ、一本道のはずですから気のせいかと思ったものの、
やはりおかしい感がある。そのうちに下ってるはずの道が登り始め、
これは絶対におかしいと後ろの3人は確信しました。
「〇〇さあ、これで本当にええんか」とリーダーに呼びかけると、
「ええんじゃよ。もうすぐ着くし、着いたらまずはゆっくり風呂につかろう」
これを聞いて仰天「風呂って何のことだ? 温泉は山の向こうだろうが」
そう言うと、「うんにゃ温泉でねえ。△△閣だって」 「△△閣!?」
皆が絶句したのも無理はありません。

274 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:11:55.54 ID:AgCPeYID0
それは大正時代、そのあたりが木材の集積地だった頃にできた遊郭の名前ですが、
なくなってからもう数十年がたっていたのですから。
リーダーにしても子ども時分の話で、△△閣に入ったことがあるとは思えませんでした。
「おめえ、こら、気をしっかり持て。△△閣など、そんなものはもうどこにもねえ」
一行は止まって、リーダーを無理矢理に交代させ、
いっそうぴったりとくっつくようにして山を下ったのです。
後になってから、途中までリーダーを務めていた男に、
「おめえ、何であんなことを言った?」と聞いてみましたら、
発言そのものは覚えてましたが、そこからは自分でもわけがわからない様子で、
「△△閣はなあ、確かに子ども時分に何度か前を通ったことはあるがなあ。
 夜でもたくさん明かりがついて、きれいだったなあ」こんな述懐をしました。

(終)

275 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:13:05.27 ID:Mp8aiubx0
79本目の蝋燭が消えました・・・


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クラリス ◆LdeleVChTEさん、第80話をお願いします
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276 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:14:39.37 ID:AgCPeYID0
【80話】クラリス ◆LdeleVChTE 様
『音』

夜中過ぎ、布団に入ってもなかなか寝付けずにいる時に決まって聞こえてくる音がある。
枕元の窓の外、ベランダに敷いてあるパネルを踏みしめるようなグググッという音。
不思議に思ってベランダをライトで照らしてみても何も無い。
気のせいかと思って横になるとまた音がする。

出処を探ろうと聞き耳を立ててみるが、少し左右に動くことはあるものの、やはり頭の上、ベランダから聞こえてくるような気がする。
音が聞こえる間隔は不規則で、音自体もククッと軽くて短い音もあれば、ググググと重く少し長い音もある。

ベランダや部屋の中で音源を探してみてもそれらしきものは見当たらない。
起きている時や布団に入っていても日付が変わる前に眠ってしまう時には聞こえない。
夜中過ぎ、布団の中で睡魔を待っているときに限って耳にするのだ。


今夜、音は聞こえるだろうか?

(終)

277 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:16:41.74 ID:Mp8aiubx0
80本目の蝋燭が消えました・・・


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雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOMさん、第81話をお願いします
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278 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:18:31.35 ID:AgCPeYID0
【81話】雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 様
『夏祭り』


知り合いの話。

彼女が夏祭りに出かけたある夜のこと。
屋台を冷やかしていると「ママ」と呼ぶ声が耳に届いた。
娘の声だ。彼女を呼んでいる。

慌てて姿を探すも、人混みのどこにも見つからない。
人がいない寂しい方へ進む内に、友人たちと出会う。
「娘を探しているの! 探すの手伝って!」
とパニックになりながら伝えると、不思議そうな顔で聞き返された。

「誰の娘のこと? あなた、まだ結婚していなかったよね?」

そこで我に返る。
自分には彼氏も旦那もいない。未婚だし、子供など当然産んだこともない。
そもそも、誰と一緒に祭りへ来たのか、それさえも思い出せない。

279 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:19:45.16 ID:AgCPeYID0
別のパニックに襲われた彼女を見て、友人たちは只事ではないと感じたらしい。
彼女を落ち着かせようとする者、彼女の家へ連絡する者に別れ、場は騒然とした。
皆に送られて家へ帰ったのだが、そこで母親から奇妙なことを聞かされた。

「あれ貴女、一緒に出かけた男性と女の子はどうしたの?
 え、誰のことかって? 家の前を三人で並んで歩いていたじゃない。
 ”知り合いなの?”って声を掛けても振り返らないから、そっとしといたんだけど」

すると父親がこれまたおかしなことを言う。
「わしが車で帰ってきた時、お前と擦れ違ったんだが、気がつかなかったみたいだな。
 でもお前、どう見ても一人だったんだが」

家族間で言い争いになりかけたが、友人たちが取りなしてくれてその場は治まった。
その後は、特におかしなことも起こっていないそうだ。

しかし、今でも気になって仕方がないのだという。
あれは一体、誰の声だったのか。
彼女はあれ以来、夏祭りがどうにも恐ろしく感じられるのだといっていた。

(終)

280 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:21:24.00 ID:Mp8aiubx0
81本目の蝋燭が消えました・・・


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雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOMさん、引き続き 第82話をお願いします
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281 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:22:39.38 ID:AgCPeYID0
【82話】雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 様
『消された刺青』


知り合いの話。

彼は結婚する以前、風俗に嵌まっていたのだという。
よく利用したのがデリバリー・ヘルスというやつで、彼が言うには
「今思うと、素人っぽい女の子が来るのが良かったんだろうな。
 性的にスレていないっていうか、ちと初心っぽく恥ずかしがるのが」
ということだった。
実際にそうなのかは私は知らない。残念ながら知らない。

ある晩に呼んだ女の子が、正にそんな女の子だったらしい。
行為自体に抵抗感はないけれど、マジマジと見られるのは恥ずかしい。
そんな反応に興奮しながらシャワーを浴び、ベッドインした。

イチャイチャしている内、彼女の手首に古傷があることに気がついた。
一瞬、手首を切った痕かとも思ったが、それにしては範囲が広い。
切ったと言うより、手首野辺り一面を引っ掻いて毟ったような傷。

傷痕を凝視していると、彼女の方も見られていることに気がついた様子で、
こんなことを説明してきた。

「あぁこの傷、別に自殺しようとしたとか、そんなのではないですよ。
 前に若気の至りで、当時付き合ってた彼氏の名前を彫り込んでいたんです。
 彫るっていっても本格的な刺青でなく、自分たちでやったんですけどね。
 彼氏もあたしの名前を自分の腕に刻んでました」

「”若気の至り”って、きみ、まだまだ全然若いんだけど……」
数年前に不惑を越えてしまっている彼は、聞いて少し複雑だったらしい。

282 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:24:33.30 ID:AgCPeYID0
彼の心中には気がつかず、彼女は喋り続けた。
「この元彼ってヤツが本当に浮気者で。
 何度も何度も泣かされて、結局喧嘩別れしちゃったんですよ。
 もう哀しいやら情けないやらで、別れた夜に思わず、手首の名前を
 バリバリ毟り上げたんです。
 もう血塗れになっちゃって、やってる時は夢中で感じなかったけど、
 落ち着いてきたら痛くて痛くて……泣いちゃいました」

「皮を毟れば、そりゃ痛いだろうさ」
想像してどうしようもなく顔を顰める彼を気にせず、彼女は更に続ける。
「で、夜中に病院行ったりバタバタしてたら、ヤツのことで悩んでるのが
 何か急に馬鹿らしくなって。一気に冷めたんです。
 あー、もうこれで気にせずに済むわ、なんて考えたんですが……」

「私が刺青を毟ったその翌日にですね。
 元彼、死んでたんですよ。ポックリと。
 詳しくは聞いてないんけど、心臓発作か何かだったらしくて。
 思わず、自分の手首を見つめちゃいました。
 ……私が彼の名前を消しちゃったから、彼が死んじゃった……?
 落ち着いて考えると、すごく馬鹿馬鹿しい考えだと思うんですけど、
 どうしても連想しちゃうんですよね」

283 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:25:46.92 ID:AgCPeYID0
話の意外な展開に、彼が口をパクパクしていると、これまた気にせず
彼女はアッケラカンと宣った。
「だから、ちゃんとした整形外科で、この傷消すことに決めたんです。
 死んでからもあたしに気に掛けさせるなんて、本当むかつきますよね!
 もう綺麗さっぱりと消してしまいます」

「……えっと、ひょっとしてこの仕事を始めたのは……」
「勿論、手術代を稼ぐためです!」

頑張ります、と手を握り混む彼女の姿は、それはそれで可愛かったという。
この後、彼は風俗遊びを控えるようになり、そのまま知己に紹介された女性と
結婚をしたそうだ。

(終)

284 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:26:34.35 ID:Mp8aiubx0
82本目の蝋燭が消えました・・・


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雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOMさん、引き続き 第83話をお願いします
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285 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:28:07.71 ID:AgCPeYID0
【83話】雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM 様
『豪邸の犬小屋』

顔馴染みから聞いた話。

彼の家の前には、ものすごい豪邸があるらしい。
そこの庭の一角に、これまた豪華な犬小屋が置かれている。
ちょっと前まで立派な犬がいたのだが、今は死んでしまったのか、何もいない。

ある寝苦しい夜、ボンヤリとそこの庭を眺めていると、何やら動く影が見えた。
芝生の上を大きな物がうろうろしている。

どう見ても、四つん這いになった人の影だった。

息を殺してみていると、やがて影は犬小屋の中へ入っていった。
それからすぐに、母屋から人が出てきた。顔見知りの住人だ。
懐中電灯で足元を照らしながら、犬小屋の方へ向かっている。
小屋の前まで辿り着くと、電灯の光をその中へ向けた。

犬小屋の中には、何の姿も見えなかった。
彼の目線からでも、空っぽの小屋内が見えたのだという。

彼が見ていた間に、犬小屋から出ていったものは無い。
さっき入っていった影は、宙に溶けるように消えていた。

住人は首を傾げながら、母屋へ帰っていく。
彼はそこでカーテンを閉め、それ以上庭が見えないようにしたのだという。

その後、何度かその住人と顔を合わし会話をしたが、あの夜の影については、
結局聞けていないままなのだそうだ。

(終)

286 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:29:42.56 ID:Mp8aiubx0
83本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMboさん、第84話をお願いします
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287 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:30:24.52 ID:AgCPeYID0
【84話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『たった今きいた事』

さっきまで友人に会ってたんですよ
友人は女ですが、あまり家庭環境が良くなくて私も母子家庭だったので気が合いました
友人の家は父親が酒飲みで、でもお店しててお金はありました
母親が出て行って彼女と幼い弟と父親の三人家族でした
父親は人の良いおじさんだったけど、たまに化粧の濃い女性を怒鳴りつけてるのとか見て
ちょっと怖いなーって感じでした
友人はあまり家庭の事は話してくれませんでした
私も話しなかったし、まあ互いに気遣うタブーみたいな感じです
父親は何度も女性を母親代わりに家に入れていました
私も友人を誘いに行くたびに女性がコロコロ違う人なのを知ってます
さっき会った友人と他愛もない話をしながら、友人はふと笑いつつ
「私ってさ、なんか嫌いな奴に消えろ!!って思うと本当に消えるのよ」
と仕事の愚痴を言いつつ教えてくれました
それで思い出したんですけど、彼女と幼い頃に七夕の祭りに行ったことがあります
当時の私たちはおまじないが流行していて、今でもあるかな?
赤い文字で書くと呪いになって寿命が縮むってやつ
彼女の持ってきた七夕の笹は綺麗に沢山飾られていて、まとめて燃やして貰うんだけど
赤い短冊にいっぱい名前が書かれてた
なんとか子とか漢字が難しくてわかんなかったけど、赤い字で赤い短冊にビッシリだった
なんか怖くて、その時は見ないフリした
それを思い出した
「あんた、あんま人を恨んだらダメだよ」と言うと友人は笑って「だね」って言ってた
「ところでこれネットで書いていい?」に「いいよ」って言うから今書いてます
でね、たって今外で突然に雨降ってきました

(終)

288 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:31:50.13 ID:Mp8aiubx0
84本目の蝋燭が消えました・・・


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安納芋 ◆hJ/HYR69s6さん、第85話をお願いします
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289 :安納芋 ◆hJ/HYR69s6 @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:33:37.15 ID:M0q+yl87O
第85話『ホトトギス』

数年前郊外に引っ越してから、様々な鳥のさえずりを耳にする様になった。山鳩やカッコウもいいけれど、特に気に入ったのが初夏の日没後から夜明けまで、水笛に似た声で鳴く鳥だ。
裏の土手にある緑地や、川向こうの山から聞こえて来る。
ピョキョキョ、ピキョキョキョキョ……調べたところホトトギスの声が一番近い。良い声で鳴くものだ。
鳴き声が聞こえる晩はたびたび窓を開け、ホトトギスのさえずりを楽しんでいた。

今年の6月の事。夜1時過ぎに帰宅し車から降りると、ホトトギスの鳴き声がする。かなり近くからだ。
何処にいるんだろう?見える訳もないのに音のする方向…真っ暗な土手に目を凝らした。すると、小さな明かりが土手の上を移動している。高さや大きさ、スピードからして自転車のライトらしい。
夜中にサイクリングをする人もいるだろうが…おかしな事に、どうもライトが近づくにつれホトトギスの声が大きくなっている様なのだ。
耳を澄まし土手を見上げる私の前を、鳴き声と共にライトが通り過ぎる。自転車から鳴き声が聞こえているのに違いなかった。

深夜、真っ暗な土手を自転車で走りながら、水笛を吹いてる人がいる…

正直ゾッとした。今まで聞いてきたホトトギスの声の内、幾つかはコレだったのではないか?
そう考えると恐ろしくなり、慌てて家に入ろうとした。そんな私の目に再び明かりが飛び込んで来る。あの自転車がUターンして戻って来た。
いや、自転車にしてはありえない動きの明かりがこちらに向かって来たのだ。
それはまるで蛇の様に上下にくねり、大きさも先程の三倍はある。鳴き声はキャキャキャア!ギャギャギャア!と原型を留めていなかった。
今度こそ家に駆け込んだ。それでも鳴き声が聞こえそうで、布団を頭から被り耳を塞いで朝を待った。

幸い、この夜以降コレには遭遇していない。が、今ではホトトギスの声が聞こえると、窓を閉め鍵をかけている。

【了】

290 :安納芋 ◆hJ/HYR69s6 @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:36:15.30 ID:M0q+yl87O
85本目の蝋燭が消えました・・・


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柚子 ◆jQbx36WU5o1jさん、第86話をお願いします
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291 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:37:01.92 ID:AgCPeYID0
【86話】柚子 ◆jQbx36WU5o1j 様
『無題』

姉が小学生の時に体験した話です
小5の頃、姉のクラスメイトにYちゃんという子がいました
しかしYちゃんは事故で亡くなってしまったんです
小6になった
ある時、仲良しグループのMちゃんがこんな事を提案しました
?かごめかごめってあるでしょ?あれでね鬼がいないままやると霊が出るんだって。その時に亡くなった人が鬼としていることにしてやると、その亡くなった人が現れるんだって?
?もしYちゃんがいるとしてやったらYちゃんが来るのかな?
姉が何気なくそんな事を呟くと
?Yちゃんに会えるのかな??やってみる??
姉たちはそのかごめかごめをやることになりました

その日の昼休み、姉たちは音楽室に行きました
ここなら昼休み中でもあまり人が来ないいため選んだようです
集まった5人は手を繋いで輪になりかごめかごめを始めました
?最初の鬼はYちゃんね?
?誰が後ろにいるかちゃんと当ててね?
5人はあたかもそこにYちゃんがいるかのように声を掛けました
?かーごめかーごめ、かごのなーかのとーりーはーいーついーつでーやーる、よーあけのばーんに、つるとかめとすべったーうしろのしょうめんだぁれ?

?ア…ア…ア…?

聞こえてきたうめき声に5人はとっさにそこから駆け出しました
?今の何!?今の何!??
?さっきのMちゃんでしょ!?
?違う違う?
?ねぇもしさっきの声がYちゃんだったら逃げたのはまずくない。怖がったりしたらYちゃんが可哀想だよ!?
姉も確かにYちゃんなら逃げるのは酷い行為なのではないかと思ったそうです
音楽室に戻ることになりましたがそこで昼休み終了のチャイムが鳴ってしまい放課後また来ることにしました

292 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:38:06.24 ID:AgCPeYID0
放課後姉たちはまたかごめかごめをしました
しかし今度は何も声はしません
?Yちゃんさっきは逃げてごめんね?
?もしYちゃんなら出て来て。もうYちゃんのこと怖がったりしないよ?
みんな謝りましたが何も起こりませんでした

昼休みに聞こえた声はYちゃんだったのか
もしかしたら気づかなかっただけで音楽室に誰かいたのかもしれません
姉たちは帰ることにしました
校門を出て少し離れたところでふと姉は立ち止まり音楽室を見ました
三階の一番端の窓
そこに誰が立っていました
距離があるので顔までは分かりません
なんとなくYちゃんに似てる気がする
姉は?ねぇあそこ見て?
他のみんなも姉が指す音楽室を見ました
Yちゃんに似てる女の子はこちらに向かって手を振っている
?もしかしたらYちゃんじゃない??
?本当に会いに来てくれたのかも?
『Yちゃーん』
5人は音楽室に向かって手を振り返しました
すると突然女の子は真っ黒な影になったかと思うとドロリと溶けるように形をなくし
黒い塊はべちゃりと窓に貼り付いて煙のように消え失せました
姉たちは悲鳴をあげそこから急いで逃げ去りました

果たしてあの黒い影はYちゃんだったのか
それとも別の何かだったのか
姉たちは後日Yちゃんのお墓参りに行き謝ったそうです

(終)

293 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:38:49.91 ID:Mp8aiubx0
86本目の蝋燭が消えました・・・


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デッドエンド ◆JY70SElFKIさん、第87話をお願いします
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294 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:40:28.45 ID:AgCPeYID0
【87話】デッドエンド ◆JY70SElFKI 様
『おんぶ』

まだ携帯電話がなかった時代の話です。
晩に電話ボックスで友人と電話をしていた時、空の月の話になって外をみようとしたら、なぜか四方をガラス面で囲んだ電話ボックスの1面だけ見えない。
近ずくと見えなくなるわけです。ん?どうゆうこと?そのことを電話相手に話すと「霊が張り付いてんねん(笑)」と私を怖がらさるためなのか笑えないことを言ってきました。
そして「なんか音聞こえるけどなに?」と聞かれ私もその音に気づきました。
それは水が落ちてきて竹がスコーンって鳴るやつ。
あれに似た音でした。これってラップ音てやつ?そうこうするうちに友人がちょと待っててと言うので受話器を耳に当てたままボックスの中でしゃがみこんで待っていたら、なんか誰かと目が合ってる。
膝ぐらいの高さの草むらから顔だけ出してる男の人の目と合ってるんです。
友人の呼びかけにもしばらく気づかずただ頭が真っ白で目が釘ずけになっていました。
やっと友人のもしもしに気づき、目が合ってたと言うと、はぁ?と返され今起こってたことを話すと、もうそこ離れた方かいいよと言われ電話を切って家に帰ることにしました。
ふと横を向くと、ボックスのガラス面って夜に見ると鏡のように自分の姿が映るですが白いシャツを着た男の人が映ってるです。
その前に私の姿、よく見ると私におぶさっている。
首から上が無い男の人が、、その途端急に体調が悪くなり汗、冷汗?が流れだし体が重い重い。
重い足どりでヨチヨチと家まで辿りついて、友人に無事に帰ったことを報告するために受話器を取りプッシュホンを押す。
ピッピッ、、ピッ、ん?なんか口もとが濡れてる。血吐いてる!?慌てて洗面所に行き電気を付けて自分の顔を見る。
なにも出ていない。いったい何が何だかわからない怖い体験をしました。



295 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:40:43.52 ID:Mp8aiubx0
87本目の蝋燭が消えました・・・


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こげ ◆b9EIe80Jrg.5さん、第88話をお願いします
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296 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:42:05.08 ID:AgCPeYID0
【88話】こげ ◆b9EIe80Jrg.5 様
『無題』

私はサバイバルゲームのチームに所属しています。
サバイバルゲーム中、変なモノを見てしまうことが良くあります。
昼間も見ますが…数はやっぱり夜の方が圧倒的です。
管理されていない雑草や樹木が伸び放題の公園で春先に夜戦をやったとき、
元は芝生だったと思われる草むらを挟んで決戦の場となったところを、ふらふらと歩く人影が横切っていきました。
人がいると分かった時点で即座にゲームを中断して、その人影の動向を見守っていたのですが…
背を弓のように反らせてケタケタと笑い始めたんです。
もう、狂ったように大声をあげて…もしかしたら気の毒な人かもしれないと、
チームリーダーが立ち上がって草むらに一歩踏み入れた途端、
その場へ仰向けで倒れこむようにして…
そして、消えてしまいました。
BB弾がヒットして安全地帯で待機している人以外が見守っている中で…


夏の夜に同じ公園でのことです。
ゲームを始めてから30分足らずで雷雨になってしまい、
駐車場前の東屋に避難して雨が止むのを待っていました。
叩きつけてくるような雨に、雷鳴と雷光がひっきりなしで…
そこでメンバーの1人が雨の中、誰かいるぞと、元は芝生だったと思われる草むらを指をさしました。
私には全然、見えません。
誰かが警察や軍の特殊部隊が使っている強力な懐中電灯で草むらを照らしてみましたが見つかりません。
雷が光った時だけ見えると、指をさした人は言いました。
十数秒後、目に焼き付き現象が起こるほどの眩い白光で周囲が塗りつぶされ、
草むらの中ほどで、ネガとポジが反転したような真っ黒い人が立っているのが本当に見えました。
全部で9人いましす。
さっきはもっと遠くにいたと、最初に見た人が雷鳴に声がかき消されない為か、大声で叫びます。
それからまた、辺りが白く染まるほどの雷光…
草むらを四分の三ほど進んだところに黒い9人がいます。
確かに、稲光を放つ度に近づいてきています。

297 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:43:14.64 ID:AgCPeYID0
次でたぶん、私達がいる東屋へかなり近づいてきている筈です。
そして、雷光が周囲を覆い尽くして、草むらの端にずぶ濡れで立つ9人の女性を浮かび上がらせました。
この世のものとは思えない程の酷い表情をしてます。
彼女等が草むらの端まで到達した姿を浮かび上がらせた後、
雷雨はぴたりと止みました。


彼岸を過ぎた秋の夜、河川敷でゲームを行っていたときのことです。
川辺に近い枯れ草の後ろでVSR−10を構えてアンブッシュしている時、
子供のはしゃぎ声を聞いた気がしました。
気のせいだと思うことにして30mmチューブのスコープへ目を戻します。
すると、また声が…1人とかじゃなくて複数で…楽しく遊んでいるような声…確かに聞きました。
私の背後から…
射撃体勢を一時中断して振り返ってみました。
おかしなところは別に…いえ、なんだか後の方の川面が明るくなって…枯れた水草もほんのり明るく…
それを見た途端に悪寒が…ゾクゾクと背筋が…
思わずライフルを抱いて場所移動を行おうとしたところでチームリーダーが突然、現れ…
今夜はこれでゲームは中止だと宣言しました。
あれが出たからだと川面を指さします。
明かりが川を下ってきます。
まるで月が水面に映っているみたいに…
そこでまた、子供達のはしゃく声が聞こえてきました。
今度はかなり大きくはっきりと…
丸い明かりが私とリーダーの目の前を通り過ぎていきます。
黄色く光る輪の中で小さな髑髏が幾つも浮き沈みを繰り返してました。
溺れて助けを求めているみたいに見えます。
はしゃぎ声じゃなくて、悲鳴でした。
遥か昔に川で死んだ子供が子供を呼び…同じように溺死させる…それがまた、子供を呼んで溺死させる…
連綿と続く死の鎖がアレなのだと…
アレを見てもゲームを続けると、お持ち帰りの確率が高くなるんだとか

298 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:44:19.66 ID:AgCPeYID0
廃校となった小学校で凍えるような寒い冬の晩にゲームをしたとき、
何故かゲーム開始早々に激しい射撃音が聞こえてきました。
2チームに分かれて旗の取り合いをする…俗に言うフラッグ戦なので…
私達の方はスタート地点からほとんど動いていないというのに…
相手が何か策を弄しているのかも…でも、自分達がいる場所を教えているようなものだし…
何人かが突出し、釣られてホイホイ寄ってきた私達を待ち伏せする作戦でしょうか?
でも、射撃音なんですが…あちらの全員で行っているみたいで…
只事じゃないと、それで全員で向かったんです。
一応、警戒はしながら…
相手チームは全員、スタート地点の部屋から一歩も出ずに…
運動場に面した窓に向かって狂ったように射撃してました。
話しかけられる雰囲気じゃありませんでした。
結局、彼等は弾切れになっても引金から指を離さず撃ち続けてて…
私達のチームのリーダーが大きな拍手を打ったんです。
それで、相手チームの人達は我に返り…
窓の外に、鈴なりとなった子供がいて、部屋の中を覗き込んでたそうです。
というか、窓を抜けて中へ侵入しようとしていたみたいだったと…


あるチームのお話なのですが、河川敷で夜戦をしていた時…
最終ゲームを終えたらメンバーの一人がフィールド中央にある木へパラコードを巻き付け…
首を吊って亡くなられていたそうです。
昔からその木でかなりの数の方が自殺されているそうで、首吊りの木と呼ばれているのだとか…
ゲーム中にいつ、その方がいなくなったか覚えている人は誰もいなかったそうです。
私は心霊スポット探検を趣味としていまして、その話を知って見に行ってみたいと言ったら…
その木を見に行く為にはサバイバルゲームフィールドの中にあるのだから、
サバイバルゲームをやらない人間には絶対に見せてやらないという掟があるという、
考えてみればすぐ分かる嘘に引っ掛かってサバイバルゲームを始めました。


(了)

299 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:47:29.80 ID:Mp8aiubx0
88本目の蝋燭が消えました・・・


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猫虫 ◆5G/PPtnDVUさん、第89話をお願いします
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300 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:48:01.58 ID:slHZZ5U50
【鏡の向こう】

これは高校時代に俺が体験した話だ。

俺の通っていた学校には、1階と2階をつなぐ階段の踊り場に巨大な鏡が設置されていた。
端っこに『昭和○○年度卒業生寄贈』みたいな事が書かれている物だ。
中央昇降口の手前なので、その鏡で身づくろいをしてから下校する生徒が多かった。
かく言う俺も日々利用していたのだが、まさかあんな目に遭うとは思ってもみなかった。

その日、俺は文化祭の仕事で遅くなった上、「雨ひどくなりそうだし、後は俺がやっとくから帰っていいよ」なんてかっこつけたもんだから、帰る頃には辺りはもう真っ暗になっていた。
荷物をまとめて階段を下り、いつものように鏡の前で髪を整えていた時の事。
突然、轟音と共に昇降口の方から青白い光が放たれた。
落雷だ、と思った瞬間、頼りなげに踊り場を照らしていた蛍光灯の明かりが消え、辺りは一瞬で暗闇に包まれた。

突然の停電で暗闇に目がついていけず、夜目がきくようになるまでの間、右も左も上も下も分からないような真の『真っ暗』を体験した。
目が見えない時は不安になるもので、とにかく何か固定されたものに触れたくなり、俺は鏡に手をついた。
その瞬間、急にめまいを覚えた。
あ、なんかやばい、と思って咄嗟にしゃがみこんだのだが、まるでそのまま前転するかのようなめまいの感覚に、俺は吐きそうになった。
両手と頭を鏡に押しつけてしばらく吐き気をこらえていると、急にチカチカッと蛍光灯が瞬いて明かりが戻った。
安堵したのと同時にめまいも治まり、吐き気も急激に退いていった。

301 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:48:52.63 ID:rrgQ+nhr0
昇降口を振り返ると、外ではまだ雷が激しく光っており、俺は帰るべきか留まるべきか迷った。
とりあえず親に電話して、あわよくば迎えに来てもらえないかと考え、俺は公衆電話のある職員用の玄関へ向かう事にした。
が、鏡に背を向けて階段を降りようとした瞬間、妙な違和感を覚えた。
(あれ…下りの階段って、こっち側だったっけ…?)
上の階から降りてくる時、自分の感覚としては半時計回りに螺旋を描くように降りてくるはずだった。
だが階段を見ると、下りは時計回りだ。

奇妙な感覚のズレ。
だが目の前の階段が紛れもなく時計回りなのだから、違和感は気のせいなのだろう。
俺は深く考えない事に決め、階段を降りようと手すりに手を伸ばした…のだが。
俺は何故か利き手ではない左手で無意識に手すりを掴んだ。
(え、なんで左手?)
慌てて手すりから手を離し、自分の左手をまじまじと見つめる。

その時、いつも嵌めているはずの腕時計がない事に気が付いた。
(あっ、やべ!時計なくした!)
思わず右手で左手首を掴んだ、その時。
明らかな異変がそこにあった。
時計が、右手の手首に付いている。
混乱する頭が、さらに混乱を招くものに気付く。
文字盤のデジタル表示が、反対向きの鏡文字になっているではないか!

302 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:49:47.42 ID:rrgQ+nhr0
ありえない、と思いながら鏡を振り返ると、左手首に時計を付けた自分と目が合った。
鏡に駆け寄り、バンッと音を立てて両手を叩きつけると、鏡の向こうの自分も全く同じ動きを返した。
ガラス一枚隔てて、正しいはずの俺の姿と真反対になった俺の姿が向かい合う。
「何だよ、これ…戻れ、戻れ戻れ戻れ戻れ、戻ってくれって!!!」
鏡面に頭をこすりつけるようにしながら、俺は叫んだ。

「んぁー?そこにいんの、Iかぁー?」
突如、能天気な声が背後から掛けられ、俺は慌てて振り返った。
階段の下から、去年担任だった先生が訝しげにこちらを見上げていた。
「お前、何やってんだ?もう校舎閉めるぞー?」
「あああ、先生!あの、俺、その、ちょっともうなんかアレなんスよおぉー!」と、俺は意味不明な事を喚きながら半泣きで先生のもとへと駆け下りた。
「おうおう、どーした、何だ、なんかあったか?フラれたか?」
先生は勢い余ってぶつかってきた俺を受け止めると、幼児にするように背中をぽんぽんと叩いた。
混乱と安堵と訳の分からない苛立ちがごちゃまぜになり、俺はただ号泣するしかなかった。

泣きじゃくる俺を職員室の応接スペースに連れていくと、先生は校舎を閉めるために校内の見回りへと出かけた。
ひっくひっくとしゃくりあげながらも、俺の頭は少しずつ冷静さを取り戻していった。
先生は後で話を聞いてやると言ってくれたが、こんな事を話しても気がふれたとしか思われないだろう。
鏡の世界にいる事など証明のしようもないし、もしかしたら本当に俺の頭がおかしいのかもしれないと自分で思い始めてもいた。

303 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 04:51:22.53 ID:rrgQ+nhr0
全部気のせいなんじゃないかと辺りを見回すが、壁に貼られたプリントもマグカップの英文も全て違和感だらけの鏡文字。
だが、何故か視線は自然に文頭から文末へと動き、普通に内容は読めた。
その上、ノートとペンを出して試しに自分でも字を書いてみると、利き手ではない左手でスラスラと自然に鏡文字が書けた。
逆に、もともとの正しい文字を書こうとすると、脳内で形や向きをひとつひとつ意識しないと書けず、書き上がった文字を見ると「この字ほんとにこれで合ってるのか?」とゲシュタルト崩壊に近い感覚を覚えた。
左右の手で書き比べたりもしたのだが、今の利き手はどうやら左手のようだった。

見回りから戻ってきた先生はノートにひらがなを必死で並べている俺の姿を憐みの目で見つめると、左ハンドルの日本車で自宅まで送ってくれた。
泣いた理由を車内で尋ねられたが、今は話したくないですと言うと「まぁ若い頃にはいろいろあるもんだしな」と言って話を終わらせてくれた。

それからしばらくの間、俺は左右反対の世界で過ごした。
初めのうちは違和感に苛まれ続けたし、なんとか戻れないかと試行錯誤していたのだが、恐ろしい事にだんだんとこちらの方が正しい世界なんじゃないかと思い始めた。
厳密に言えば、俺がおかしくなっただけで世界は何も変わってはいないんじゃないかという感覚だ。
左右反対に道を辿って学校へ行き、左手を使って鏡文字でノートを取る。
そんな生活に慣れ始めたあたりで、「いやいや、やっぱヤバイだろ」と思い直した。

304 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:01:40.49 ID:slHZZ5U50
再び試行錯誤の日々が始まった。
例の鏡と暗闇で向かい合って何かする、といったオーソドックスな事は初期の頃すでに試していたので、今度は別の方法を考える事にした。
街中で鏡を見かけたら、ひとまず触れてみるのが俺の癖になった。
理由を知らない友達から嘲笑の目を向けられる事も度々だったが、俺は必死だった。

鏡に映る自分を見て「ああ、向こうの俺も戻ろうと必死だな…」とか妙な事を思ったり、「ここにいる俺と鏡に映る俺は今同じ事を考えているのだろうか」などと哲学的な事を考えたりもした。
なんだか本当に頭がおかしくなりそうな日々だった。

そんなある日、俺は風呂の中であれこれ考え事をしているうちにうっかり眠ってしまった。
鼻から水を吸い込んで盛大にむせながら目を覚ますと、頭痛と吐き気に襲われた。
長風呂のせいでのぼせてしまったのだ。
とにかく体を冷まそうと冷水のシャワーを浴び始めたのだが、立ちくらみが襲ってきて立っていられなくなった。
倒れる!と思って咄嗟に手をついた先は、運悪く鏡だった。
ビシメキバリッと嫌な音がして、左手の手のひらに激痛が走る。
続いてガチャンパリーンと床でガラスが砕け散る音が続いた。
あ、割っちまった…と焦ったが、今は立ちくらみの方が問題だ。
ずるずる座り込むと壁にもたれてぎゅっと目を瞑り、立ちくらみが治まるのを待った。

305 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:03:09.37 ID:rrgQ+nhr0
そうこうしているうちに浴室のドアが乱暴に開けられ、「あんた何やってんの!今なんか割ったでしょ!」と母親が押し入ってきた。
年頃の息子の風呂場に入ってくんな!と言いたくて、声のする方へ顔を向けた瞬間、あれっと思った。
さっきまで左側にあったドアが、右側になっている。
手を見ると、血まみれになっているのは右手。
「やだ、怪我したの?ちょっとほら、見せて!」と乱暴に俺の手を掴んだ母親が、俺の手のひらに刺さったままのガラス片を、母親の本来の正しい利き手である右手でつまみ取っていく。
それを見た瞬間、俺は「かあちゃーん!」と情けない雄叫びを上げて泣き崩れた。
なんだかよく分からないが、とにかく戻ってこれたのだ。

帰還の代償として、俺は右手を4針と右ヒザを2針縫った上、浴室の鏡の交換費用を小遣いから天引きされる羽目になった。
いろんな意味で痛い代償だったが、違和感のない生活を取り戻せた事は素直に嬉しかった。
結局、体調が悪い状態で鏡に触れたのが良かったのか、はたまた割った事が良かったのか、あるいは何か別の条件が揃っていたのか、戻れた理由は分からない。
向こうに行ってしまった理由もまた然りだ。
以来、俺は鏡には不用意に手をつかないよう気を付けている。

【了】

306 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:04:53.73 ID:Mp8aiubx0
89本目の蝋燭が消えました・・・


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わらび餅 ◆jlKPI7rooQさん、第90話をお願いします
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307 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:05:22.61 ID:AgCPeYID0
『汽笛の音』

これは私が父親から聞いた話です。

父親は幽霊などは信じないオカルト否定派の人間なのですが、昔体験した今でも不思議でならない話がひとつあり、怪談の話などになるとそれをよく話してくれます。
それは大阪に住んでいる父親が子供の頃に、踏み切り待ちをしていた頃の話だったそうです。

カンカンカンと鳴り響いていた遮断機の音が止み、ボォ〜と低くよく響くような音が聞こえたそうです。
不思議に思い周りを見回してみても、そのような音を出すものは見えない。
近くなってくるその音を聞いていた父は、一つだけこの音の正体に思い至ったものがあったそうです。

そう、蒸気機関車が発する汽笛の音にそっくりだったのです。

父親が子供の頃と言えば昭和40年代、その頃に大阪で蒸気機関車が走っていたと言う話は聞きません。
そして、音が近づくにつれて踏み切りの周りでざわざわと人の話し声のようなものが聞こえ始めたようです。

この時点で相当ビビッていたらしいのですが、更に不思議なことが起こったそうです。
父の視界の端に、ごった返す人ごみが見えたと言うのだ。
しかしそちらに視界を向けても、辺りに人の姿は全く見えない。
ざわざわと雑然とした話し声だけは耳に聞こえており、それに追加して何か喧嘩するような怒鳴り声も聞こえてきたそうです。
そうこうしているうちにも汽笛の音はどんどんと近づいてくる。

踏み切りは開いており、線路を渡っていくのには問題がない。
しかし、気味が悪いその状況で踏み切りを渡る気にはならなかったそうです。
急いで音の鳴っている方向から逃げ出し、それ以上のことは何もなかったとのこと。

結局あれは何だったんだろうなぁ、と今でもたまに語ってくれます。
それでもやはり幽霊などは信じていないそうですが……。




308 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:07:56.95 ID:AgCPeYID0
90本目の蝋燭が消えました・・・


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広島生まれのTさん ◆kJ41.80SMgさん、第91話をお願いします
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309 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:09:03.96 ID:AgCPeYID0
【91話】広島生まれのTさん ◆kJ41.80SMg 様
『深夜ドライブの記録』

今年春の話。
大学が春休みに入り、友人たちとドライブをすることになった。
ルートは四国をぐるりと回ってかずら橋や道後温泉、桂浜などを見て回るものだ。
旅は1泊3日で初日にホテルに泊まり以降は交代しながらノンストップで回っていく。
仲のよい友達同士の旅でとても楽しみであった。
http://i.imgur.com/uH51Q1A.jpg
旅行が始まり一日中いろんな名所を見て回る。
どれも思い出深いものとなりとても充実した旅であった。
道後温泉で湯に浸かったあとその近辺にある初日の宿に到着した。
夕食をとり荷物を置いて一息ついたところでさてこれからどうしようという話になる。
そこで私は深夜ドライブに行こうと提案した。
私には行きたいところがあった。
http://i.imgur.com/lL5xSeM.jpg
一行とともにまた車に乗り込み車で30分ほど移動する。
深夜ということもあり浮き足立っていたと思う。
都市部を離れビルが見えなくなり民家も減っていき周りは山間部となった。
騒がしい車内とは対照的に辺りは静けさに包まれていた。
http://i.imgur.com/zxPF6fX.jpg
http://i.imgur.com/ruwbhc6.jpg
目的地に到着した。
そこは近くにキャンプ場もある池である。
車から降りるとひんやりとした空気を感じる。
友人と辺りを散歩してみることにした。
私はカメラを持ってきていたため記念にと写真を撮った。
時折シャッターが下りなかったが暗すぎるせいだと考え気にとめなかった。
5分ほど歩いたがもう夜中で景色も良くないため早々に引き返すこととなった。
車まで戻ったところで近くにあった建造物なども数枚写真に収め宿に帰りはじめる。
http://i.imgur.com/WVtTZYs.jpg
人明かりが戻ってきたところで私は撮った写真を眺めていた。

310 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:10:25.72 ID:AgCPeYID0
ん?
暗いためぼやけたりぶれたりしてしまった写真が多い中私はある写真に違和感をもった。
友人の背後???何だ?
フラッシュを焚いていたためしっかり友人の姿は捉えられている。
さらに後方からライトで照らされているため他のものが移りこんでいればしっかり輪郭を捕らえられるはずである。
ぞっとした。
初めて人ならざるものが近くにいたことを実感する。
友人をにらみつけるような目に敵意をひしひしと感じた。
それを友人にもみてもらい後方に人がいたか確認してもらう。
結果そんな人物はいなかった。
行きの騒がしさとは真反対の静けさに車内は包まれた。
帰りの車中にて私はこう思った。
遊び半分で行くべきじゃないのかもしれないな。
その場所こそ過去水害や工事中の事故で多数の人命が失われた大谷池であった。
http://i.imgur.com/MrQyTLq.jpg

そしてその写真がこちらである
http://i.imgur.com/krk3AK7.jpg
明度上げ
http://i.imgur.com/vQB3PHF.jpg




311 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:11:19.13 ID:Mp8aiubx0
91本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMboさん、第92話をお願いします
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312 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:11:55.22 ID:AgCPeYID0
【92話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『海の掟』

何か怖い体験なーい?と友人に連絡してみたところ田舎だから
くるわくるわで夏だなって感じです
その中の一つを紹介
親が漁師のその子の家は今でも近場の他府県がこっそり禁止されてるのに泳ぎに来ます
でも地元民は近づきません、だってそこは遺体があがる場所だからです
潮の加減か、海で不明者が出た時はよくそこにあがるんです
近くに極楽とついた供養の寺まである始末(あ、地元バレたかな?)
友人の実家は漁師の集落で子の名前は霊感のある婆さんにつけて貰います
なんでも守ってもらう為と見逃して貰う為だそうです(何に?)
幼い時から言われていたのは、浜で石を拾うなと、人が亡くなった一週間は魚を食べてはいけない
目の前が浜辺だからよく遊んでいたそうで、友人の幼い弟はうっかり石を持って帰宅してしまったそうです
両親がそれを見つけ大騒ぎ、同居していた祖母さんが友人と弟を連れて
暗いのに浜辺に戻り、石を返しに行ったそうです
祖母さんがお経をとなえて最後に「見逃して下さい見逃して下さい」と友人と弟に土下座させて
そして帰宅するなり玄関前で塩を山ほどかけられたあげくに次の日に近くの寺にお祓いに行ったそうです
友人いわく石を返す時に、石の模様が人の顔に見えたと、そして石の顔の目がずっと弟を見ていたそうです
兄弟二人は漁師になるのを拒絶して今は他府県で会社員をやっています
いまだに、その水泳禁止で何も知らない人が亡くなるのが多いです

(終)

313 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:13:38.26 ID:Mp8aiubx0
92本目の蝋燭が消えました・・・


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かぐら ◆Ccp.OZqu04w2さん、第93話をお願いします
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314 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:14:35.53 ID:AgCPeYID0
【93話】かぐら ◆Ccp.OZqu04w2 様
『ターゲット』

10年ぐらい前に私が聞かせてもらった話なんですけどね。

このかた、某市で看護師をされてる女性だったんですが、霊感があるっていうんです。
病院なんかに勤めていると、実に様々なものがみえるらしいですね。
で、あまりにみえすぎるものだから、もう慣れっこだった。

話というのは何かというと、この女性の住んでる街から私の街の方へ向かうのに幾つかルートがある。
有料区間を使わない、A峠という場所を通る狭くて暗い峠道のことなんですがね。
私の界隈でも、結構ここは怖い話があるよなんて教えてくれる人がいるんですが。
この女性も過去に何度か通っていて、おかしなことが幾つかあったっていうんです。
ところが、彼女にとってはどれも日常で起こる些細な出来事の延長ぐらいのもんだった。

「ただねえ、あれだけは怖かったよ」

妙に楽しそうに私に話してくれたのは、あるとき例によってその峠を車で通ったときのことなんですね。
まあ、慣れているとはいえあんまり気持ちのいい場所じゃないんで、本当は通りたくないんだけど、
何かの事情でどうしても通らなきゃいけなくて、夜のA峠をたった一人で車で飛ばしたっていうんです。
そしたら、もう頂上かその付近へ着くかぐらいのところで、
誰も乗っていないはずの後部座席から人の息遣いを感じる。
明らかに何者かがそこにいる気配がする。
誰も乗せてきていないし、出発してから車も停めてない。

この世の者ではない。
すぐにそう感じました。
だけど彼女、慣れてるもんだから、

――ああ、今度は何か乗ってきちゃったか。

315 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:15:29.93 ID:AgCPeYID0
そのぐらいのもんです。
でも後部座席の“なにか”が、ゆ っ く り と運転席の自分のほうへ顔を近づけてくるのがわかった。
どんな奴なんだろう。
彼女、不意にそう思ったそうです。よし、正体みてやろうと思って、スピードを若干緩めた。
緩めながら、ルームミラー越しに、その何かに目をやった。

途端、

う゛う゛う゛っ!!!

全身がぞくっとして、体が固まってしまったそうです。


後部座席に乗ってたそれ。
人だったそうです。
ただそれ、正確には、この世に存在してはいけないヒトだった。
それ、自分とまったく同じ顔・姿・格好をした、ナニカなんです。
もう一人の自分が、後部座席に座って、ミラー越しに自分のほうをじぃ〜っと睨んでる。
その顔がなおも、ぐぐっと自分のほうへ寄ってくるのがわかる。

――やばいやばいやばいやばいどうしようどうなっちゃうんだろう。

色々みてきたけれども、とうとう“自分自身”が出てきてしまった。
これはまずい。初めてそう感じたそうです。
ハンドルを握る手をガタガタ震わせていると、その顔がもう自分の斜め後方すぐ傍にある。
その口が、彼女の耳元までぐっと近づいてきて。

「お ま え だ れ だ。わ た し は ふ た り も い ら な い ん だ よ」

あまりの恐怖に目の前が真っ暗になって、そこから目的地の駐車場までの道程の記憶があまり無いそうです。
しかし、ともかく事故にも遭わず無事に辿り着いた。

316 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:16:57.67 ID:AgCPeYID0
「あれだけは怖かったね」

彼女、私にそんな具合に話してくれました。

でもこの話、続きがあったんです。
正確には、後になって、私の頭の中で何かが弾けて引き出されたというかな。
仕事中だったんですけどね、何かの拍子に、女性に聞かせてもらったその話がふっと頭をよぎったんです。
妙に楽しそうに私に語ってくれたその彼女。
そう、その顔を目の奥で思い浮かべたとき、あることに気が付いたんです。
瞬間、ぞくっとしました。

私に向かって実際にその話をしてくれた、看護師の彼女。
それ、
後部座席に座っていたほうの彼女だったんじゃないかな。
そう思ったんですよね。

これ、理屈とかそういうの抜きにですよ。
いわゆる第六感的な何かとでもいうんでしょうかね、それが核心だよと訴えてくるんです。
だけど、もしそれが、私の感覚が正しくてその通りだったとしてですよ。
元の彼女、
一体どこへ行ってしまったんですかね?

【了】

317 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:18:52.59 ID:Mp8aiubx0
93本目の蝋燭が消えました・・・


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つくし ◆81X5rEXMGcさん、第94話をお願いします
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318 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:19:38.87 ID:AgCPeYID0
【94話】つくし ◆81X5rEXMGc
『無題』

私が幼い時の話です
ちょうど幼稚園の夏休みが終わる十数年前の今頃の話ですが怖い話と言うよりは不思議な話です
その日は日中とても天気がよく夕焼けがとても綺麗でした
私が住んでた家は歩道に面して戸建が4軒並んで建っていて私の住んでる家は歩道から見て左から2軒目でした
1軒目と4軒目の横にそれぞれ路地がありその路地の途中から家の裏にもある小さな路地に入れる様になっていました
その日夕方母が夕食の準備をしている間少し外に出ていようと思い路地に行くことにしました
普段遊んでいたのは1軒目の横にある路地でしたがその日は何故か4軒目の路地に足が向きました
路地に入り家の裏にある路地に入ろうとした時何気なく自分の長く伸びてる影に目をやりました
するとその影がスーッと起き上がったんです
とても背の高い影で私はかなり顔を上げて見上げたのを覚えています
その時得体の知れない物を見て叫びたかったのですが本当に怖い時って声が出ないんですね
とにかく逃げなきゃいけないと思いそのまま家の裏の路地に逃げ込み家の裏なので物置みたいになっておりそれを避けながら一生懸命走りました
走っている最中一度だけ顔を少し後ろに向けたのですがその時目の端にその影が追って来ているのが見えました
1軒目の横の路地に出てぐるっと回って家に逃げ込みました
様子がおかしいと思った母が駆け寄ってきましたが私はその時「影が…影が…」しか言えませんでした
落ち着いてから状況を母に説明しました
母は黙って聞いてくれていました
結局正体は分からないままですがこれには後日談があり私が中学生の頃たまたまその時の話を母としていて母がふと実はあの時私が影が…影が…と言うので何気なく私の影があるべき所を見たら灯に照らされて有るはずの影がなかったそうです
数秒間確認するため見つめていたら突然影がスッと出現したらしく母は私が怖がると思ったのと母は霊などは全く信じない人なので気のせいだろうと言う気持ちから私には黙っていたそうです
今でもふと思い出すことがあり不思議な体験だったなと懐かしく思います

終わり

319 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:21:54.81 ID:Mp8aiubx0
94本目の蝋燭が消えました・・・


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むよ ◆XNr1qS4ucさん、第95話をお願いします
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320 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:22:32.06 ID:AgCPeYID0
【九十五話】むよ ◆XNr1qS4uc 様


私は、あまり大きくない病院に事務として勤務しています。ベッド数は100床程度ですが療養型もあるため、入院している患者さんの8割は高齢者です。また、介護付き有料老人ホームやグループホームとも提携しているので、外来に来る患者さんも6割が後期高齢者です。
ほぼ毎日、入院患者の1人か2人は亡くなっています。また、提携施設より急患として搬送されますが、実際は医師が死亡確認のみ行う場合もあります。
あれは、私が遅番担当の日でした。遅番は他の事務の者が定時で上がった後、1時間ほど残って、夜間の事務当直に引き継ぎを行わななければなりません。
その日は他の職員は残業せず、皆が早々に定時上がっており、事務室内にいるのは私だけでした。それまで特に電話や来院者もおらず、外来廊下や事務室内はとても静かでした。
あと30分程で事務当直が来るので、それまで自分の仕事をしようとPCの前に座っていると、急に電話が鳴りました。
電話に出てみると、近くの救急隊からの収容依頼でした。患者は提携施設に入居している男性の高齢者で、呼吸も弱くサチュレーションもかなり低下しているとのことでした。
時間外の対応マニュアル通り、この時間帯だと技師が不在のためレントゲンやMRIは取れないこと、特別な検査等も出来ないことを救急隊に伝え、それでも来院希望なのか確認しました。
救急隊は、とにかく医師に診察してもらいたいとの希望でしたので、当直の医師にその旨を伝え、当院にて収容となりました。
あと10分程度で到着するとのことだったので、急いでカルテを探し遅番担当の看護師に連絡して、救急処置室の鍵を開けに行きました。
救急処置室は外来診察室の裏手になり、入院患者も通院患者も殆ど通らない場所にあります。
しばらくすると救急車のサイレンが玄関前で止まり、救急隊が到着したのがわかりました。
救急隊から患者搬送票を受けとり、救急治療室に案内しました。
救急隊員の1人は患者に心臓マッサージを行っており、患者の顔色的にもう駄目っぽいことがわかりました。
しかし来院していることはしているので、医師が診察しなければなりません。
救急処置室にいた看護師と医師に引き継ぎ、自分は事務処理の為事務室へと戻りました。

321 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:24:28.47 ID:AgCPeYID0
戻る途中、救急隊員に付き添いはいないのか確認しました。施設に入居している人が搬送された場合、その施設のスタッフが付き添いで来ることが殆どです。
しかし、救急隊員が言うには、施設のスタッフは後から別の車で来ること、患者に身寄りはなく近くに知り合い等もいないとのことでした。
よろしくお願いします、の言葉とストレッチャーと共に、救急隊員は帰っていきました。
蘇生するにしてもしないにしても、会計は発生します。遅番の自分はその処理をしなければなりません。事務室に戻り十数分が過ぎたころ、内線が鳴りました。
出てみると、処置室の医師からでした。駄目だったので死亡診断書を作成する、用紙を持ってきて欲しいとのことです。
ブランクの診断書を用意して、処置室に向かいます。外来廊下に、自分の足音が響きます。
処置室の扉を開けると部屋の奥にストレッチャー、その上に患者さんだった方がいます。
更に、その横たわった体の頭のすぐそばに、1人のお婆さんがいました。こちらに背を向け腰を曲げ、患者さんだった方の顔と触れあわんばかりに、自分の顔を寄せていました。
白髪の髪をお団子に結っており、それが乱れて後れ毛が飛び出ていました。
黄色い地に大きな花柄のワンピースとその白髪頭が不似合いで、思わずじっと見てしまいました。
肝心の医師も看護師も処置室にはおらず、早々に書類処理がしたい自分としては、少しイラッとしてしまいました。そのまま処置室のドアを閉め、医師のPHSにコールしてみました。
医師は外来診察室の一室にいるとのこと、私は足早にその診察室に向かいました。医師に用紙を渡して、医師が処置内容を記載したカルテを受けとり、事務室に戻りました。
PC にて会計処理をしながら、先ほど処置室で見かけたことを思いだしました。
外来廊下は救急隊員と自分しか通ってないはずだし、救急車に同乗していた付き添いもいなかったはずです。入院患者さんは大抵お仕着せの寝間着を着ているはずだし…
この世のものではなかったのか?
もしも生きている人にだったとしても、なぜそんなに顔を寄せる必要があるのか?
疑問に思いながらも、患者さんだった方が生保だったことを確認し、ホッとしました。生保なら、診療費を取りっぱぐれることはありませんから。

(終)

322 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:25:26.99 ID:Mp8aiubx0
95本目の蝋燭が消えました・・・


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ぺそ ◆qyVZC3tLJoさん、第96話をお願いします
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323 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:25:59.23 ID:AgCPeYID0
【九十六話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『玄関先』

職場の人(Aさん)に聞いた話です。
実際体験したのはその方のお母様なのですが。

Aさんのお母さんは毎朝犬の散歩を早い時間にするそうです。
いつも決まっているコースを歩いていると、以前は仲良くしていたけれど最近息子さんだかのお家で一緒に住んでいて最近はほとんど家に以内というご近所さんの家の前を通りがかったときです。
散歩をしていた犬がそのお宅の玄関先でワンワン!と吠えたそうです。
猫でもいたのかな?とAさんのお母さんがお宅のほうを見てみると玄関が開いていてそこのおばあさんが座ってらっしゃったそうです。
久しぶりだったので「お久しぶりやねぇ〜今はこっちに帰ってきてるねんね〜」と声をかけましたが無表情で座っておられたそうで
(あー耳も遠いし聞こえてないし見えてないんかな)と思い「じゃあまたねー」とその場を去ったそうです。

その日の夕方、また同じように犬の散歩をしていると、朝通りがかった家がざわざわしていたそうです。
近くまでいくと弔辞の札が。話を聞くと今朝方おばあさんが亡くなられたということでした。
じゃあ朝出会ったのは・・・長年過ごした家に帰ってきたかったのかなぁ、と納得されたそうです。
ただ無表情だったのがとても怖かったらしく、なにかあるのかと思って過ごしたそうですがとくに後日談もないということでした。

おわり

324 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:29:33.57 ID:Mp8aiubx0
96本目の蝋燭が消えました・・・


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チッチママ ◆pLru64DMboさん、第97話をお願いします
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325 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:30:35.89 ID:AgCPeYID0
【97話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『危機一髪』

怖いかどうかはわかりませんが…不思議な体験の話
私が小学生の頃に大阪で花の博覧会というのをしていました
確か開園して2日目だったと思います
あの日、私は家族でそこにいました
まず一番人気だったウォーターライドという高い場所に水路を作って
そこを船で進むという乗り物に真っ先に並んでいました
とても人が多くて、家族連れが目立っていました
老夫婦やベビーカーの親子までいたのを覚えています
並んで待って、やっと入り口が見えてきたかな?って時に妹が
「トイレー」と言い出してしまい、母が付き添い私一人だけ並んで待つことになりました
列はどんどんと進んで、はやく帰ってこないと私だけ乗っちゃうと焦っていました
すると妹と母の声で「私ちゃーん、こっちよーここよー」って声が聞こえたんです
え?なんで後ろから声がするの?後ろに並びなおしたの?と私は列を離れました
けれど周囲を探し回っても姿が見えないのです
はぐれた?と泣きべそをかきそうになっていると、やっと母と妹の姿
けれど後ろに並びなおした私に「あんた何やってんの!!」と怒られてしまいました
「だってさっき私を呼んだじゃない」「呼んでないよ!!今きた所なのに!!」
仕方なく後ろから並びなおしましたが、母はプンプンと怒っていました
私は申し訳なくて、やっと順番がきてもあまり楽しめなかったのです
ゆっくりと船が進んでナビゲータのお姉さんが案内してくれていました
平坦だった水路でしたが前に山みたいな急な登りが見えました
私はジェットコースーターが嫌いで、うわぁと思っていたら
突然に「きゃー」という人の叫び声ドゴン・ガゴンという音がしました

326 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:31:30.68 ID:AgCPeYID0
水路の下の通路の人たちは走り回り、案内のお姉さんは
「ちょっと落ち着いてください、大丈夫!!大丈夫ですから!!」
と本人も若い女性なのに泣きそうになっていました
前の登りかけの船も似た感じで案内の人が必死に
「立たないで下さい!!座って落ち着いて!!」と叫んでいました
大人たちも子供もどうしようもなく、とりあえずは冷静にそのまま座っていました
まず警備員の制服を着た人たちが複数下の通路に走って集まってきました
すぐにヘリコプターの音が空にバリバリと鳴り響いて、今度は警察官の人たちが来ました
救急車の音がしてオレンジの服を着たヘルメットをかぶった人たちが
女性を横にして上にまたがって何かしていました
前の登りかけに乗っていた案内の女性が水路横の非常通路から降りてきて
こちらの女性と相談していました
「マネージャーに連絡」「ここ動けない」「こんなの訓練で聞いてない」こんな会話でした
ともかく非常事態なんだなと思っていると、乗っていた大人の男性が
「何がおこっているんだ!!いい加減にしろ!!」と怒鳴り始めました
別の女性が「子供もいるのに、ともかく安全な場所へ!!」
すると黒いスーツを着たメガネをかけた男性が非常通路のどこかから来ました
まず案内の女性に指示を出した後に私たちに
「今から非常出口から安全に退避して頂きます。大丈夫です、まず混乱すると危険ですので
まず子供さん連れの前の席からゆっくりと歩いて行って下さい」

327 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:32:12.84 ID:AgCPeYID0
船を降りるときに少し揺れました。私たちには前で何が起こっているのか不明でした
通路途中でもう二人ほどのスーツを着た男性の人たちが誘導してくれました
階段は鉄の階段で下は草ムラで薄暗くて、本当に非常用なんだなと思いました
母は「これ返金してくれるのかしら」と怒っていましたが、私は怖がる妹の手を繋ぐのに必死でした
降りた先でまず男性が「ケガのある人はこちらへ」と叫んでいました
他の人は頭をずっと下げている別の男性の前を通って、やっと一般の道に出れました
その道には人だかりが凄くて、なんでもチケット返金を求める人や怒号が凄かったです
「これじゃあ返金も無理そうだわ」と興奮してる母に妹が
「お姉ちゃん、あのまま最初に並んでたらどうなった?」と聞かれました
まだ何が起こったのかわからなくて私は「わかんない」としか言えませんでした
あとは普通に他のアトラクションや展示を楽しみました
目玉のジェットコースターの風神・雷神は母が乗りたがりましたが
「なんか気持ち悪いしアレ、人いっぱいだからバスの時間遅れるよ?」
で母は不満そうでしたが帰路につきました
家についてテレビをつけて、やっと何がおこったか理解しました
家族で唖然と魅入ってしまいました
映像で落ちた人たちの物が散乱していましたが、私の身近にいた方の持ち物を見つけてしまい
確実にあのまま並んでいたら、私たちはアレに乗っていたと思います
船の落下事故でしたが亡くなった方がいなかったのが幸いでした

(終)

328 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:35:07.85 ID:Mp8aiubx0
97本目の蝋燭が消えました・・・


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わらび餅 ◆jlKPI7rooQさん、第98話をお願いします
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329 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:36:18.96 ID:AgCPeYID0
『7人の小人』

私が小学生のときに体験した、不思議で怖い話です。

あれは友人数人と学校から下校していたときのことです。
通学路の途中に、灰色の鳩が死んでいるのを見つけたのです。
最近死んだばかりなのか、死体は特に酷い状態というわけではなかったのですが、友達の何人かは気持ち悪さ半分好奇心半分といったところでした。

そこで、誰が言い出したかはハッキリとしないのですが道端に置いておくのもかわいそうだし、皆で埋めてやろうという話になったのです。
小学生のやることだったので、周りへの迷惑などはまったく考えず、適当に土がむき出しになっている街路樹のした辺りに鳩を埋葬し、形のよい石をその上に置いて供養しました。
さらに、どこから持ってきたのか友人の一人が7人の小人を模した陶器の人形を持ってきたのです。

「そこに落ちてた、こいつらに墓守させようぜ」

といって、お墓の周りにその小人たちを並べたのです。
私は、こう言っては何なのですがその小人たちがあまり可愛くなく、しかも7体もずらっと並んでいるのをみて少し不気味だなぁと思った記憶があります。

それから数日、私たちは学校から帰る途中は必ずその墓の前で手を合わせて帰っていました。
しかしある時、鳩を一緒に埋めた友人ではない友人と一緒に下校することがあったのです。
その友人……Aとしますが、彼は学校でもある意味で有名であり、体格がいいこともあってあまり考えなしに腕力にうったえる様な少し困った奴でした。
そして、鳩の墓の前まで来て私たちは気づきました。

(このジャ○アンがこんな面白そうなことを知って何もしないはずがない)

と、おそらく全員がそう思ったと思います。
ジャ○アンというのは、私たちが彼の陰口を叩くときに使っていた呼称です、勿論本人の前でそんなことを言えばどうなるかわかったものではなかったので……。

墓の前を通り過ぎる際、何か適当な話題で注意を逸らそうと私は画策していたのですが、それよりも早く彼は行動を起こしました。

330 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:37:53.59 ID:AgCPeYID0
「お、何か並んどる! 何やこれきもちわる!」

と言って、静止するまもなく墓守達(7人の小人)に駆け寄っていき、墓ごと小人を2〜3体まとめて蹴り飛ばしたのです。
流石のこの行動には私たちもびっくりしました。
その後、誰か人の物で、ここに置いてあるかもしれないから壊したらまずいよ、といったようなことを言って何とかその場を収めた覚えがあります。
壊したらまずいも何も、彼の豪快な蹴りで陶器製だった小人のうち3体はコンクリートにぶつかって壊れてしまい、墓石もどこかへなくなってしまっていました。

そして私は、その日の夜に不思議な光景を見たのです。
始めはそれは不思議な声でした。

私は子供部屋で一人で寝ていたのですが、窓の外から複数の人間が歌うような声が聞こえたのです。
それは日本語のような感じがしたのですが、内容としては何を言っているのか全く意味のわからない言葉でした。
窓の外を見てみると、家の近くにあった大きな木の下を、何か小さな人のようなものが踊りながらぐるぐる回っているのです。

よく目を凝らすと、それは例の7人の小人でした。
7人とはいっても、踊っているのは4体だけで壊れてしまった3体は大きな木の下に並べられていました。
どうやらその3体を囲むようにして、木の下をぐるぐる回りながら踊っているようです。

何だあれ、何だあれ? 壊したのは自分じゃないんだから、Aのところに行けよ!

と私はとにかく怖くなり、窓のカーテンをしっかり閉めて布団にもぐりこみました。
しばらく歌うような不思議な声が聞こえていたのですが、気がつけばその声も遠くなり、私はいつの間にか眠ってしまっていました。

次の日、例の墓があった場所を見てみると、壊れた小人も残った4人の小人もきれいさっぱりなくなっていました。
誰かが片付けてしまったのか、それとも自分たちの意思でどこかへ行ったのか……。
今では詳しいことはわかりませんが、夢だったのではないかと思うような不思議な出来事でした。




331 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:44:06.22 ID:Mp8aiubx0
98本目の蝋燭が消えました・・・


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332 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:44:10.60 ID:AgCPeYID0
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333 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:44:37.49 ID:AgCPeYID0
【99話】りほ ◆aZ4fR7hJwM 様
『蜘蛛の糸』

まだ小学生前半だった頃、当時は年に数回程家族ぐるみで付き合いのあった幼馴染達とよくキャンプをしに行ったものだった。
いつの時かどこの場所だったかは忘れてしまったが、とある山中でキャンプをした時の事だ。
大人達が夜へ向けバーベキューの準備をしている間、子供達だけで近くの山へ探検をしに行った。
薄暗くも手入れの行き届いた雑木林を進んでいると、ふと藪の中に矢印のついた看板があるのに気がついた。
そこに書いてあった内容までは覚えていないのだが、一見目につかない様な場所にあったそれを見つけた時はまるで隠しダンジョンを見つけたかのごとく皆が興奮し、さっそく探検しようということになった。
矢印の先にあったその道は今までの手入れされた林道とは違い、藪だらけで子供の背丈ギリギリの獣道のようなものであった。
多少不気味ではあるものの、それがまた冒険心を刺激するのと同時に、周りから弱虫と思われたくないという見栄か、誰も異を唱える事無くその獣道へと突き進んだ。
やはり手入れがされてないからか、その獣道を進みはじめるといっそう辺りが暗くなった覚えがある。
しばらく進んでいると、突然先頭の奴が悲鳴を上げうずくまった。
いったいどうしたのか、ケガでもしたのか、獣でもいたのか?
慌ててそいつの元へと駆け寄ると何やら手で顔を必死に拭っている。どうしたの?と尋ねると
「蜘蛛の巣。顔に引っかかっちゃた」と恥ずかしそうに答えた。
なるほど、どうやら道を挟んで藪の端から端にかかっていた蜘蛛の巣に顔から突っ込んでしまい、雰囲気も合わさって驚き叫んでしまったらしい。
なんだ驚かすなよと、皆安堵し、そいつもバツが悪そうにごめんと謝りつつもやはり気持ちが悪かったのか、隊の先頭から後ろの方へと移動していった。
気を取り直して進むも、想像以上に蜘蛛の巣は多く、たびたび「うわっ!」という声が先頭から聞こえてきた。

334 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:45:38.16 ID:AgCPeYID0
あまりの多さと皆の叫び声を聞くうちに、逆に気持ち悪そうという考えから楽しそうだという気持ちに変わってくる。メンバーの中でもお調子者な自分はさっそく先頭を代わり、蜘蛛の巣がかかるのを今か今かと待ちながら進んでいった。
するとさっそく顔から突っ込んでしまったのだが、肌に纏わりつく粘着性、細くも抵抗力のある強靭性、加えて薄暗くまったく見えない中でいきなりぶつかる唐突性と不快感。
思わず驚き声を上げてしまったのだが、その様を見て笑う皆を見てるとこちらも楽しくなってしまい、それから先も先頭で進んでは蜘蛛の巣をかぶり、さらに見えてるものには自分から突っ込だりと巫山戯ながら進んでいった。
しかし、最初は皆面白がっていたものの、飽きてしまったのかだんだんと口数も盛り上がりも極端に減ってきた。さすがに悪巫山戯に嫌気がさしたのか、はたまた蜘蛛の巣まみれの自分が気持ち悪がられているのか、だんだんと距離もあけられてるような気さえした。
すると一人の女の子が
「もうこわい。帰ろうよ」と言い始める。
確かに巫山戯てて気づかなかったが、辺りは相当暗くなっており、だいぶ進んだにもかかわらず目的地には未だ着く気配すらない。
遅くなって大人達に怒られる、もしかしたら迷っているのではないか?という不安から探検は諦めて帰ろうということになった。
そこでまた自分が先頭に立とうとしたのだが、
「◯◯はもうこれ以上蜘蛛の巣にさわっちゃダメ!」と先の女の子に止められる。
皆が不安がっている中、また巫山戯ると思われたのだろうか?
さすがにそんなことはしないと思いつつも、ヒステリックに叫ぶその子に圧倒され、大人しく皆の後ろからついていくことにした。
帰りは皆無言でただひたすらに歩き続けた。
辺りはほぼ真っ暗で、さすがの自分も怒られるのではないかと不安になっていた。
長い道のりではあったが、特に迷ったりせずに最初の雑木林に辿り着くことができた。
驚くことに雑木林へ出ると先の暗さが嘘のように明るく、これなら怒られまいと安堵したのを覚えている。

335 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:46:20.23 ID:AgCPeYID0
だが、そんな自分とは違い皆は比較的明るい雑木林に出てからも終始無言のままであった。
その時はきっと皆歩き疲れているんだろうと、特に考える事なく元のキャンプ場へと戻ったのだが、大人達に会うといきなり何人かが泣き始め、一人がしきりに自分の方へと指をさしてくる。
そんな状況に思わず呆然と立ち尽くしていると、自分が何か皆を怖がらせるような悪さをしたのではないかと思った親がこちらへと向かって来る。
が、近くに来たとたん
「おまえ、その顔どうした!?」と言うやいなや洗面場へと連れて行かれた。
鏡に写った自分の顔には…
まるで細い針金で引っ掻かれたかのような傷が無数についていた。

大人達の中では自分が巫山戯て藪の中で転び、ケガをしたのを見て皆心配したのだろうという解釈になったようだ。

だが、一緒にいた子に話を聞いたところ、
最初は面白かった。でもだんだんと蜘蛛の巣に突っ込んでいくたびに顔に傷ができていくのがわかって、もしかしたら巫山戯て蜘蛛の巣を壊したから蜘蛛が怒ったんじゃないかと思って怖かった。
だから帰りは壊させないように後ろに歩いてもらった。と教えてもらった。
あの当時はその話を聞かされ怖くなったものだが、後々からは肌の弱い子供時代、おそらくは蜘蛛の巣に付着していた花粉、樹液、アレルギー物質に反応して偶然あのようなことになったのではないだろうかと解釈した。

ただ、成長し丈夫になったからかはわからないが、結局あれ以来肌が炎症を起こすなんて体験をすることはない。
そして、成人した今でも雑木林や林道を歩く際には先ず手頃な枝を拾い、顔の前で振りながら歩くようにしている
なぜなら、やはり顔に着くと気持ち悪いというのもあるし、、、

腕や服に絡まる蜘蛛の糸が年々と太く強靭になっていくような気がするからである。



336 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:47:44.04 ID:Mp8aiubx0
99本目の蝋燭が消えました・・・


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わらび餅 ◆jlKPI7rooQさん、第100話をお願いします
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337 :わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:48:17.96 ID:AgCPeYID0
『馬好きの祖父』

これは私の祖父が亡くなって二年程経った頃の話です。

東京へ働きに出てきてた私の元に、両親と妹、そして祖父が死んでから一人で暮らしていた祖母が観光へきたのだ。
それもかなり急なことだった。
何故かというと、よくないことというのは続くもので、祖母に癌が見つかったのだ。
そのため元気なうちに私の顔を見るのも兼ねて観光へ来たというものだった。

二泊三日ほど観光をしていたのだが、その最中にひとつだけ不思議なことが起きた。
あれは確か千葉をレンタカーで走っていたときのことだ。
夕方になってきたこともあり、しきりに窓の外を眺めていた祖母も「暗くてよく見えへんようなってきたね」なんてことを言っていた。

そこでひとつ目を引いたモノがあったようで、横に座っていた私にあれは何だろうと聞いてきた。
私は祖母と同じように窓の外に目をやったのだが、なにやら白い壁が見えるだけで一体何の建物かよくわからなかった。
かなりの大きさのようで、一見するとドームか競技場のようであった。

「なんだろ、ちょっと調べるわ」

と言って私はスマホを取り出し位置検索を始めた。

338 :わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:49:17.41 ID:AgCPeYID0
祖母は常に持ち歩いている祖父の写真を取り出し、「あれは何やろねぇ」なんて言ったりしていた。
イマイチGPSが反応しないイライラしていると、祖母が「あ、なんか書いてる」と窓の外を指差した。

私はその声で再び窓の外に目を向けた。
そこにはこの建物が『競馬場』であることを示していた。

「競馬場? 競馬場やて、おじいちゃん……お馬さん好きやったもんね」

と、写真を窓の外に向けて祖母が喜んでいた。
父親も私たちのその話を運転しながら聞いていたようで、

「そうやな、親父は競馬好きやったからなぁ……きっと競馬場が近くにあるからおふくろに見せろってせがんだんやろうな」

そういって笑っていた。
祖母も「不思議なこともあるもんやねぇ」と懐かしそうに笑っていた。


祖母はその後、半年ほどで亡くなった。
観光を終えて実家へ戻った後は、手術後の経過がよくなくあっさりと逝ってしまったのだ。

普段は鞄の中にしっかりと仕舞い込んである祖父の写真をたまたま取り出した、それだけですが何か不思議なものを感じる出来事でした。




339 :わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:51:12.55 ID:AgCPeYID0
百本目の蝋燭が消えました・・・

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これにて今年のお話は全て語られました……

今宵の宴に、幕が降ろされようとしています。

340 :統括者 ◆7vU/OMinzs @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:52:17.59 ID:Mp8aiubx0
とうとう・・・100本目の蝋燭が消えました・・・


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これからいかなる怪異が起こるかは
ご自分で確かめていただくしかありません。

341 :わらび餅 ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止:2015/08/30(日) 05:52:42.86 ID:AgCPeYID0
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:::::::::  夜は薄れて朝の色 . . . . . . . . .
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:;.:. .: .: . . .  費えた百の蝋燭と
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               語り疲れた人の影  
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                       人も怪しももう戻れ
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                      . .━━━━━━━━━━━ .:.:.:.::::::
                 . . . . . .迷わず己の住む世へと   .:.:.:.:.:::::::::
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342 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/08/30(日) 14:25:08.72 ID:NJG2w0fc0
        / ̄ ̄ ̄\ 
       /   ⌒  ⌒ ヽ 
       /   ( ●)(●) | 
       |    (__人__) }   うーっす 
     ┌‐\    `ー' /ーr 
      |  /       .\ i 
    / (          ) ヽ 
  (⌒)  |         |  (⌒) 
   `T   |         |  T´ 
    }   |      ・   |   { 
   j___|   ■□■□ |__,ゝ 
       |   □■□■  | 
       |    |  |    |  
       ゛ー―"   ゛ー―

343 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/08/30(日) 18:43:40.86 ID:nT6XOVrB0
あげ

344 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/08/31(月) 00:13:12.42 ID:omQAPD1K0
電砂って長くやってるわりに全然上手くならないのな

345 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/08/31(月) 07:24:13.64 ID:egFdjz9F0
http://hello.2ch.net/test/read.cgi/expo/1341638081/614
  ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 

346 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/01(火) 21:05:02.61 ID:q2g8AU3a0
埋めたほうがいいのかね

347 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/01(火) 21:09:12.36 ID:fS1I6qbb0
憑き物落としをしてやろう

348 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/01(火) 21:13:39.62 ID:fS1I6qbb0
百物語に参加したはいいけど
なんかおかしい、肩が凝ったような筋肉痛を感じる、とか
何者かの力を意識してしまうとかいう人は・・・

349 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/01(火) 21:24:28.29 ID:fS1I6qbb0
まず、部屋の窓を開け、風が通るというか、空気を入れ替えるように「気」が通る空間を作る。

目を閉じて力を抜いて黄色や白色など明るいイメージカラーを思い浮かべる。

吸うより、フーッと吐くほうに力を入れ深呼吸をして
パンパンパン、と三回、柏手をうつ。

風呂に入る。シャワーではなくて水というか、全身を湯に浸かるのが大事。
湯船で汗をかいて、ここでも吸うよりフーッと吐くほうに力を入れ深呼吸。

信仰している神や仏がいれば唱える。なければなくていい。
フーッと吐くほうに力を入れ深呼吸して力を抜くのが大事。

これでまあ、個人でできる憑き物落としになりますので試してみてください。

それでも重い場合はググってそれなりのことをしてもらえる神社等に相談すべし。

350 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/01(火) 21:47:36.66 ID:kdkjka+/0
>>342
wwwwwww
百話やり切って来たのがこれww

351 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/01(火) 22:09:51.12 ID:PKwse1J50
昔は最初の注意書きで守り刀の作り方とか九字切りとかも案内してたよなー

352 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/01(火) 22:54:22.85 ID:J5m6r6c30
こわいたいけんしたいよー
おはけみたいよー

353 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/01(火) 23:11:16.23 ID:58Qr9BAU0
今回が初ROM組だったけど、読み応えあった
これじゃテレビの心霊番組も視聴率下がって当然だな
ネットのほうが何倍も面白いもんな

354 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/02(水) 09:18:45.67 ID:pV0YzpB5O
>>353
今回はクオリティ低かったのに
2ch全盛期の頃の百物語のログ見てみなよ

355 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/02(水) 10:54:08.81 ID:r2Javey70
別にいいじゃん353が満足してんだから

356 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/02(水) 11:37:23.57 ID:eMIr6Tto0
>>354
今年初めて2で百物語やってるの知ったのでログ見れるとこ誘導してほしい
数年分あるなら当たり年も教えてください

357 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/02(水) 20:22:49.42 ID:8l33dRNe0
>>26
自分勝手過ぎて胸糞悪いだけの話
>>68
個人情報晒し上げての誹謗中傷
デマの流布
>>213
お地蔵さんや水子供養を調べもしないで気持ち悪いだの怖いだの誹謗中傷
オチが何かあるかも知れないとか怖い話でもなんでもない

言いたくないけど流石におかしい

358 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/02(水) 22:44:40.16 ID:XjBfIJtt0
>>357はその3話が面白かったんやな、はいはい

359 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/02(水) 23:27:32.56 ID:xMEa3DLN0
>>358
コテならコテつけろよ害児

360 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/03(木) 00:27:49.68 ID:0X0f7PPT0
>>357
2つ目と3つ目は同意、特に3つ目は酷いな

361 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/03(木) 00:37:53.53 ID:1V8GeGCI0
感想は準備スレの方が良くない?

362 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/09/03(木) 01:21:27.96 ID:q1wmvLFo0
いや、>>68はあきらかにネタだろうがwだけどそうした話がたまたまインサートされる展開は嫌いじゃねえな
怖くても笑えても、いずれにしても読者を楽しませてくれるのが「2ch百物語」のキモだと思うしね

363 :スヴィトリアーク ◆CQ0ZL4vfUw @転載は禁止:2015/09/03(木) 01:25:14.53 ID:q1wmvLFo0
ちょっとした弾みでこのスレに携わったから、あえてこのHMで発言しました。気を悪くされた方、ごめんね

364 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/03(木) 03:19:02.26 ID:xfCYKGCf0
書き方によっちゃ要望にもアドバイスにも疑問にも中傷にもなるだろうに。

Θ、【-_-;】〜
顔文字小僧が通ります〜。

365 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/03(木) 16:57:19.80 ID:dkr2nInZ0
>>363
あなたの文体キライ

366 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/03(木) 17:46:35.08 ID:z9Jcjur20
みんな落ち着いて!
投下されたお話を叩くのはタブーの中のタブーだよ
参加者あってこその百物語
全部均一じゃなくたっていいじゃないか

367 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/03(木) 20:05:29.10 ID:Z8lxXVX+0
参加者だけど、まぁ叩きは2ちゃん名物だし
相手して欲しいだけのかまっては湧くものだよ
文句言う人はそれこそ何一つ投稿もしなで文句言い垂れてるだけなんだしw
キニシナーイ

368 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/03(木) 21:21:46.56 ID:BTQX3VyA0
だからいつまで経っても成長しないんだな

369 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/03(木) 23:50:29.95 ID:u7rszDFG0
プロ小説家養成所じゃないんだからさ
楽しむことが目的なんだからさ

370 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/04(金) 18:20:35.85 ID:g1F8rRA60
それに読んで損はない

371 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/04(金) 20:24:11.28 ID:9ljKr8k50
ついに「怖い話まとめブログ」による
百物語2015のscからの転載が始まったぞ

372 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/05(土) 01:19:19.20 ID:4SxiG1jF0
なんとか無断転載を阻止できないの?

373 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/05(土) 01:38:20.09 ID:FmUExnMQO
無断はともかく、問題はアフィ付きサイトへの転載やな
2ch(.net)の企画潰してでも目の前の小銭得たいような乞食でなければ、説明すれば
理解して記事削除してくれるんじゃないか

去年は1つは「netの企画だと知らなかった」との返答と共に削除
もう1つは黙って削除という反応だったが、対応してもらった

374 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/05(土) 01:55:53.86 ID:XIwDdWFe0
ひどい話だな

375 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/05(土) 02:41:41.11 ID:mEQAEg1E0
憑物はすべて無断転載したアフィに行く

376 :広島生まれのTさん ◆kJ41.80SMg @転載は禁止:2015/09/05(土) 19:24:52.02 ID:i0DQ9Yet0
91話作者ですが自分の投稿した写真についてはこれから有志の方が作成されると思われる公式WIKIのみにおいて転載に言及しないことを名言しておきます
一応までに

377 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/07(月) 13:38:18.44 ID:y3ZwNUC00
>>363
君はもう少し文の勉強したほうがいい
今回読んでて君の文が本当に深いだった
子供みたいな文章だよ

378 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/07(月) 13:54:56.72 ID:dtJQWfL80
377は落ち着いて見返してから投稿ボタン押そうな

379 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/07(月) 14:04:40.97 ID:oM1cUmG00
文体が稚拙でもいいんだよ
ここは雰囲気を楽しむためのスレなの

380 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/07(月) 14:07:45.81 ID:orLIoQVn0
深イイ!

381 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/07(月) 19:12:53.16 ID:TvebrnB/0
スヴィトリアークの文章は怖い話まとめブログの管理人には好評だな

382 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/07(月) 19:28:57.50 ID:mjKCXnox0
個人の書き方なんざどーでもいいわい
上手いにこしたことはないけど所詮2ちゃんの書き込みだぞ

383 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/07(月) 20:35:03.10 ID:j9sQk1nZ0
>>362
実はコテ消し忘れでレスしたんだろ(笑)

384 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/07(月) 21:02:19.67 ID:y3ZwNUC00
>>379
勝手に決めるなよ

385 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/07(月) 21:31:45.93 ID:X2AsP6Hb0
>>384も何か話を投下してよ

386 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/08(火) 05:47:11.28 ID:IECWXIbZ0
金出してみてもらってるわけでもないし嫌なら見るなで終わり
ぐちぐちいうやつは死んどけ

387 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/08(火) 06:47:34.81 ID:peLFLgDY0
↑↑↑
今回はコテ消してみました

388 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/08(火) 06:54:33.57 ID:T42n4cSG0
>>386
そんなにハートが弱いならネットに書き込むなよ

389 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/08(火) 09:15:51.56 ID:cKJT1T580
煽ってんの同じ奴なんだろうし終わったスレだからって相手すんな

390 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/08(火) 18:28:48.06 ID:e+9t4+9t0
なんで終わったのに荒れるんだろうな

391 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/08(火) 18:49:20.32 ID:eY1hYbm/0
リアルタイムで荒らせなかったからだろう

392 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/10(木) 00:41:31.36 ID:DzYAbwYm0
あげてみる

393 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/10(木) 11:22:09.07 ID:D7MoTXvK0
なにか君が悪いほどレスがないな、なんだかおばけでもでそうだ

394 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/10(木) 13:30:18.99 ID:m8MvAjlX0
他スレ荒らしてる評論家きどりが来ないのはなぜか?

395 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/11(金) 08:16:49.12 ID:4efgoYbxO
期待してるのか?

396 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/15(火) 04:52:56.45 ID:KHzhcgyM0
つまんない話ばっか
改行無しの長文、無駄にこった言い回しや漢字
いかにも素人って感じ

397 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/15(火) 06:25:04.56 ID:GVfBeGBE0
そうかそうか
何日もかけて書いてこんな言われようじゃ語り部なんてやってられないね
もう百物語自体やめてしまえ

398 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/15(火) 12:16:30.76 ID:KHzhcgyM0
すまん、ちょっと言い過ぎた

399 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/15(火) 12:47:37.38 ID:EOfpqLVd0
批判くらい覚悟しとけよ豆腐メンタル

400 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/15(火) 14:26:33.60 ID:CtY4Zxqg0
>>396
いや、どう考えても書き手の方たちも運営の方々も素人なんだが。
いったい何を求めてこのスレに来てるんだ?

プロが推敲した文章を求めてるなら、お金出して書籍を読むべきじゃないか?

401 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/15(火) 14:35:55.14 ID:eZP47Kmf0
来年は百物語無しの方向で。
書くだけ書いてこの言われよう。
挙げ句の果てには豆腐メンタルとか言う奴居るし。
だったらお前ら書けよ。

402 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/15(火) 15:16:19.67 ID:2ZAM4b/s0
来年やるかどうかは来年の発起人が決めること
あなたはもう投稿しなければ良い

403 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/15(火) 17:46:59.37 ID:zNQFXM5N0
今年初めて百物語スレ知った
知らないでも今までの人生無問題だったんだから文句ある人は見なきゃいいだけなのに
なんでわざわざ批判や文句書き込んだりするのかイミフ

404 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/15(火) 18:35:57.71 ID:0IwFtJ3f0
贅沢を言えば、初期のように大盛況で、
春・夏・秋・冬それぞれ開催が復活すれば嬉しいなぁ…
ついでに期間限定復活でもいいからオカラジとの連動。

405 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/16(水) 00:32:54.29 ID:4EXVz5lP0
なんで投稿しない奴がこんなに偉そうな口叩いてんの?

406 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/16(水) 00:35:00.15 ID:PyGTxTmt0
ま、気に入らないやつは今から書き溜めて
来年自分の話を90話くらい出せばよい

407 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/16(水) 00:53:32.16 ID:tFXF/v6w0
批判だけならバカでも出来る

408 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/16(水) 01:26:33.69 ID:0LBL13li0
まあ「下手でもいいから何かあれば出してくれ」と言って集めてるんだし、批判自体が的外れではあるんだけどさ
集めるときに2ちゃんなんでどうしたって茶々を入れてくる人は出るよってことも周知した方がいいのかね

409 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/16(水) 06:27:35.78 ID:9ysTkpzz0
でも2ちゃんネルからは「猿夢」とか「今度は落とさないでね」とかの
名作怪談も生まれてるんだよね

410 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/16(水) 14:04:26.86 ID:xF+S7o9G0
>>396
プロが書く話なんか臨場感に欠けて嘘くさいだけだぞ
素人っぽさが怖さを深めるんだ
それが理解できないなら金を出して小説を買え

411 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/16(水) 18:43:02.72 ID:pQK2IS/b0
何を言ってるか分からないだろうが今あったことを伝えるぜ
の素人的な物言いは嫌いじゃないよ

412 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/16(水) 19:06:11.97 ID:ht2r4Y+s0
素人っぽい文章はなかなか怖くて面白いけど中途半端に上手く書こうとしてるのは最悪
誰とは言わないけど

413 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/16(水) 22:15:47.28 ID:rud5QzHI0
【完全版】『世界中に愛をワールドメイト会員としての20年(2015年8月25日現在) 』ワールドメイト 和魂
http://worldmatefan.blog119.fc2.com/blog-entry-289.html?sp
ここの神様や心霊のお話は凄いわ
なかなかここまでの話は聞けないと思

414 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/16(水) 23:48:45.83 ID:InRlbaNH0
>>413
いらない

415 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/18(金) 20:05:57.12 ID:R6UWbEl00
毎年やってたんだな
良い企画だと思うわ
書き手の方々お疲れさま

416 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/20(日) 12:01:53.32 ID:c9ZphcX+0
糸冬 了

417 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/20(日) 18:20:15.55 ID:abRwGatu0
再開

418 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/20(日) 18:31:40.97 ID:waGI0Cso0
人から聞いた話なんだけど
十何階か建てのマンションがあって
そのひとつの壁面の6階くらいなのかな?
誰も気づかないうちに「サて」ってペイントがされてたらしい

その壁面は、つるっとしてて窓も顔がやっと出るくらいのトイレの換気窓だったり
それがポツポツとあるその程度ののっぺりした壁面
つまり悪戯にしても下からハシゴかけても届かず
建物のその階の窓から身を乗り出して書こうにも無理があるという代物で
誰がいつ書いたか結局分からなかったそう
その後、それは業者が来て屋上から清掃用の器具を降ろして塗り直したそうで
でもしばらくするとまた同じ場所に「ココ」とペイントが

419 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/20(日) 18:33:44.32 ID:waGI0Cso0
「ココ」とペイントされた建物じたい、古い建物だったらしく
しばらくして解体工事があって今は現存してないそうなんだけど
解体するときに例のペイントがあった壁の内側から白骨が出てきたという

今その場所は別の建物が建つわけでもなく
駐車場になってるそうなんだけど
その駐車場でもなにやらおかしなことがいくつもあるらしくって
でもそれはまたの機会に・・・

420 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/20(日) 18:43:44.36 ID:tJ51P7QpO
>>413
2ch名物・夏の風物詩百物語のスレを、また運営さんの汗とがんばりの結晶を、
カルトのマルチ阿呆恨留で汚さないでくれる?

百物語スレは、カルトのマルチコピペ板じゃねーんだよ
塩持って来い、塩!
粗塩な


それに
まだ読んでないし(`・ω・´)これから読むんだから

421 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/20(日) 20:47:13.01 ID:2Rf2hgb30
塩爺

422 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/20(日) 23:05:30.00 ID:4Q6Wol4L0
>>419
続きはよ!

423 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/09/23(水) 23:46:53.63 ID:vHVlftdd0
転載目的のスレ立て

424 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2015/10/12(月) 22:16:48.42 ID:xMOD/QBW0
保守

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