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非リレー型バトルロワイアルを発表するスレ Part36 [転載禁止]©2ch.net

1 :創る名無しに見る名無し:2015/03/05(木) 01:14:17.94 ID:Wob/LOal
1999年刊行された小説「バトル・ロワイアル」

現在、様々な板で行われている通称「パロロワ」はリレー小説の形をとっておりますが
この企画では非リレーの形で進めていきます。

基本ルール
・書き手はトリップ必須です。
・作品投下前に登場キャラクター、登場人数、主催者、舞台などを発表するかは書き手におまかせです。
・作品投下前と投下後にはその意思表示をお願いします。
・非リレーなので全ての内容を決めるのは書き手。ロワに準ずるSSであればどのような形式、展開であろうと問いません。
・非リレーの良さを出すための、ルール改変は可能です。
・誰が、どんなロワでも書いてよし!を合言葉にしましょう。
・ロワ名を「〜ロワイアル」とつけるようになっています。
  〜氏のロワは面白いでは、少し話題が振りにくいのでAロワ、Bロワなんでもいいのでロワ名をつけてもらえると助かります。
・完結は3日後だろうが5年後だろうが私は一向に構わんッッッ!!

前スレ
非リレー型バトルロワイアルを発表するスレ part35
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1393846727/

非リレー型バトルロワイアルwiki
ttp://www26.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/1.html

99 :明日は来るのか(後編) ◆ymCx/I3enU :2015/06/01(月) 22:34:22.22 ID:uO5gTeNd
「……消えたか」

別室に移っていた平野がモニターから様子を見ていた。

「これでこの殺し合いは終了だな……おい、じゅんぺい君はどうだ」

近くに居たゴーグル男に平野はノーチラスに重傷を負わされたじゅんぺいの容態を尋ねる。

「思いの外強く殴られたようで……暫くは安静が必要かと」
「そうか……では、後始末を頼むよ」
「了解しました」

平野から指示を受け、ゴーグル男は去った。

「さて……中々に面白い物だな、バトルロワイアルと言う物は……またやろうかな……?」

バトルロワイアル――殺し合いゲームを、平野は大いに気に入った様子であった。
再び執り行う計画を、彼は頭の中で組み立てて行く。


【ゲーム終了】

【MUR@ニコニコ動画/真夏の夜の淫夢シリーズ/動画「迫真中学校、修学旅行へ行く」】
【北沢樹里@パロロワ/自作キャラでバトルロワイアル】
【原小宮巴@オリキャラ/俺のオリキャラでバトルロワイアル3rdリピーター】

【以上3人 バトルロワイアルより生還】

100 : ◆ymCx/I3enU :2015/06/01(月) 22:36:12.70 ID:uO5gTeNd
投下終了です。
これにて本編は終了、後はエピローグとなります。
あー長かった 何か俺オリ3に続いて主催側優勢エンドになっちゃったけど次は対主催完全勝利エンド書きたい

101 : ◆ymCx/I3enU :2015/06/02(火) 21:07:01.59 ID:LImqOnJc
MURエピローグ投下します

102 :ほら足元を見てごらん、これが貴方の歩む道 ◆ymCx/I3enU :2015/06/02(火) 21:08:51.69 ID:LImqOnJc
92話 ほら足元を見てごらん、これが貴方の歩む道

MURは気が付くと、夜の自宅前道路に倒れていた。
起き上がり、とても懐かしい感覚のする我が家の玄関を開けると、驚いた顔の両親と妹、飼い猫が出迎えてくれた。
全員がMURの帰りを喜び、涙を流した。
居間に移動し父親がMURに話し掛ける。

「心配したんだゾ……! 政府の人から、お前や野獣君達が居なくなっていたって聞いて」
「? どう言う事だゾ? トッチャマ」

父親の話した中の「政府の人」と言う言葉が気になり聞き返すMUR。
そして父親がMURに説明したのは、MURのクラスが「BR法」対象クラスに選ばれた事、
修学旅行に向かうバスの中で会場に連行する為クラスの全員が眠らされたがその時にMURや野獣達一部のクラスメイトが消えていた事。
手掛かりも無く脱走の可能性も低いと言う特異な事態だった為やむなく消失した生徒以外でBR法の競技を行った事。

皮肉な事に平野のバトルロワイアルに巻き込まれた結果MURは命拾いをした形になったのだ。

「そうだったのか……野獣達だけじゃなくてクラスの皆はもう」
「一体何が有ったの? 教えて欲しいゾ」

母親がMURに真相を尋ねる。
MURは信じて貰えるかどうか分からなかったが有りのままの事を全て話した。
自分や自分以外の消えたクラスメイトは、平野源五郎と言う男の催した別の殺し合いに巻き込まれた事。
クラスメイト以外にも大勢の人間――人間以外も居たが敢えて人間とする――がその殺し合いに巻き込まれ、もがき、非情にも命を落として行った事。
最終的に52人も居た参加者の内、自分含め3人しか生き残らなかった事。
最初は半信半疑だった家族も次第にMURの言う事を信じるようになった。

「そーなのかー……兄ちゃん、生きて帰ってきて本当に良かった」

妹がMURに抱き付いた。

「ただいまだゾ……」

妹の頭を撫でながら、MURは涙を流した。

その後、MUR一家は人知れず引っ越す事になった。
BR法によるバトルロワイアル直前に行方不明になった一人であるMURが帰還した事が広く知られれば、
間違い無く政府の調査やマスコミの追求を受ける事になる。
拉致され別のバトルロワイアルに巻き込まれていたなどと話した所で信用されまい。
下手すれば逮捕されてしまう危険性も有った。

出発の日。深夜に最低限の荷物を乗せたトラックがMURの家を出発した。

荷台に隠れるようにMURは乗っていた。

これから先、殺し合いと同じ位辛い現実が待ち構えているかもしれない。
だが、MURは絶対に挫けたりしないと誓った。
あの殺し合いで協力し合い、そして死んでいった友人達、仲間達の事を思いながら。
共に生き残った、別世界の人間、北沢樹里と原小宮巴の事を思いながら。

(俺は頑張るゾ……何が有ろうと、死んでいった野獣達や、仲間達の分も生きるゾ)

固い決意を胸に、MURは慣れ親しんだ町を家族と共に後にした。


【俺得バトルロワイアル7th  MUR  END】

103 : ◆ymCx/I3enU :2015/06/02(火) 22:45:39.97 ID:LImqOnJc
投下終了です。

104 : ◆ymCx/I3enU :2015/06/07(日) 18:22:32.29 ID:MgmUiJpb
エピローグ樹里編投下します

105 :狂乱祭(IFルート) ◆ymCx/I3enU :2015/06/07(日) 18:30:12.84 ID:MgmUiJpb
93話 狂乱祭(IFルート)

「ん……」

北沢樹里が目を覚ますと、まず見えたのは蛍光灯の有る天井。
そして強烈な血の臭い、得体の知れない異臭が鼻を刺激し、樹里は鼻を塞いだ。
身体を起こして辺りを見回す。

「ひっ!?」

窓の所に有った物に樹里は悲鳴を発した。
夥しい鮮血の中に、全裸の女性の下半身が落ちていた。その下半身は片足の先が無かった。
別の窓から恐る恐る外を見ると、上半身が落ちていた。
喉元を抉られた、自分の死体だ。

「うっ……ぷ……」

樹里は部屋の外に出て、そして堪らず嘔吐する。
一通り吐き出し幾分落ち着いた辺りで状況を整理し始めた。
自分が今居るのは、「以前の殺し合い」での分校、さっき目を覚ましたのはその保健室。
そう、足を失い自暴自棄になって介抱してくれた海野裕也を詰ったり、勢いに任せ事に及んだ挙句、
裕也の彼女、倉沢ほのかに発見され裕也共々殺された場所に間違い無かった。

自分は「自分が殺された後」の元の世界に帰ってきたのだ。樹里は思った。

「帰ってきたのね私は……でも、これ、どういう事なの?」

樹里が改めて疑問に思うのは自分の死体が何故あんな事になっているのかと言う事。
自分はほのかに喉を刺され殺された。身体を上下に切断された記憶は無い。つまり自分が死んだ後にああされたと言う事だ。
一体どうやればあんな風になるのか、いやそれよりも何故あんな風に損壊されたのか。誰がやったのか。

「まさか倉沢さんが? ……可能性高いわ」

自分の死体を損壊したのは、倉沢ほのかであると、樹里は推理した。いや、ほぼ断定していた。
ほのかは平野の殺し合いの時に再会した時からも分かるように自分に凄まじい憎悪を向けていたのだから。

「裕也の死体が無い……どこに?」

保健室に一緒に殺された筈の裕也の死体が無い事に樹里は気付く。
良く見れば引き摺ったような血の跡が床に残っていた。
誰かが裕也の死体を引き摺って持っていったと言う事だろうか?
ここで樹里は平野の殺し合いでの、ほのかの言葉を思い出す。

――裕也君と一緒に島から出る為に、一生懸命頑張ってたのに――

「……裕也の死体も倉沢さんが?」

その可能性に気付いた時、樹里は、自分と裕也を殺した後の倉沢ほのかが、
とんでも無い事になっていたのだと自分のしでかした事の重大さを思い知らされる。
廃村で出会った時の様子も思い出すと、恐らく精神に異常を来しているに違い無い。

106 :狂乱祭(IFルート) ◆ymCx/I3enU :2015/06/07(日) 18:31:00.84 ID:MgmUiJpb
「あれ?」

保健室の、丁度自分が目を覚ました辺りに見覚えの有るデイパックが有るのを樹里は見付ける。
「この」殺し合いの物では無い、「平野の」殺し合いのデイパックだ。
開けてみると、中にはしんのすけから譲り受けて以来装備していたスコフィールドリボルバーと予備弾、一通の手紙が入っていた。
差出人は何と平野源五郎である。

『北沢樹里君。この手紙を読んでいると言う事は君は自分の世界に帰った後だろう。
知っていると思うが君は自分の世界での殺し合いで一度死に、蘇って私の殺し合いを生き抜いた。
元の世界の殺し合いでやり残した事も有るだろうから、君が殺されて少し時間が経った辺りに君を戻させて貰ったよ。
その銃は私からの餞別だ。それでは第二、いや、第三の人生を楽しんでくれたまえ 平野源五郎』

色々と突っ込みたい所は有ったものの樹里は黙ってスコフィールドを装備した。
餞別は有難い。この手紙の通りなら「こちら」の殺し合いはまだ終わっていない。丸腰では危険だ。
首にはもう、枷となる首輪は無く、失った足も元に戻ってはいるが、だからと言って自分が絶対的優位では無い。

「殺し合いが終わってまた殺し合いってのも……はあ。
まあ、首輪は無いし足は元に戻ってるし……その辺りはマシか。
……って事はこっちの世界の貝町さんや、倉沢さんは……」

そこまで思考した時、体育館の方から何やら騒がしい声が聞こえてくるのに気付いた。

「……何?」

樹里は体育館へと向かう。

◆◆◆

「……ふふふっ。そうなんですかぁ。よかった。後何十人も戦わなきゃいけないのかと
うんざりしてたんですけど、手間がちょっと省けそうです。ねぇ、裕也君。」

分校、体育館の体育倉庫。倉沢ほのかが引き摺っている海野裕也の屍に話し掛ける。
彼女の目の前には鎖で一塊に拘束された四人。壱里塚徳人、久世明日美、神崎健二、貝町ト子が居た。
尤も状況を把握出来ているのはほのかの正面に居る壱里塚と久世の二人だけであったが。

ほのかは自分のデイパックからP-90を取り出して四人に銃口を向ける。
四人一篇に始末出来る絶好のチャンスなのだから逃がしてはならない。
裕也君と一緒に帰ると言う目的を果たす為の大きな一歩だ、心の壊れていたほのかはそう、本気で思っていた。

「……や……め……!」
「ちょっと! どうなってるの!? 見えないんだけど!? ねぇ!?」
「……倉沢……さん……いいんだ、これで。もう疲れたよ……俺を、姉ちゃんの所へ連れて行ってくれ」
「神崎、てめぇ……!」
「あぁ! 神崎さん! あなたもとうとう救われる時が来たのですね!  私もお供します! 待っていてくださいサーシャさん!」
「ふざけんな糞がぁ! てめえらみんな死ね!」

騒ぐ四人に「うるさいなぁ」と心の中で思いながら、ほのかはデイパックからP-90を取り出し、銃口を四人に向けた。
さっさと引き金を引いてしまおう。こんな所で立ち止まってはいられない。
自分から裕也を奪おうとしたあの女を殺した時からすっかり殺人に対する忌避感は無くなった。
良い事だ、殺人に躊躇するようではこの殺し合いから裕也と一緒に脱する事など出来ない。

「畜生! 嫌だ! 俺は死にたくねぇ! おい! やめろ! やめてくれぇぇぇぇ! 倉沢ぁぁぁぁぁ!」

徳人の必死の命乞いにも、ほのかは全く耳を傾ける事無く、そして、ニヤリと笑って死刑宣告を行った。

「さ・よ・う・な・ら」


――――ここまでが「正史」。

107 :狂乱祭(IFルート) ◆ymCx/I3enU :2015/06/07(日) 18:36:32.39 ID:MgmUiJpb
「止まって」

少女の制止の声と共に、ほのかの後頭部に固い物が押し当てられる。
動きを止めるほのか。狂っていた笑みばかり浮かべていたその顔が、恐怖に引きつった。
声には聞き覚えが有った。だが、有り得ない。有り得る筈が無い。
声の主は、確かにあの時自分が殺した筈だ、でも、この声は――――。


◆◆◆


体育館にやってきた樹里が目にした物。
体育倉庫にてクラスメイトに銃を向けている倉沢ほのかと、彼女の片手に引き摺られている海野裕也と思しき死体。
やはりほのかは正気を失っているのだと樹里は確信する。
切欠を作ったのは紛れも無く自分である事も理解していた。

(声からして壱里塚と、久世さんと、神崎弟と、貝町さん?)

どうやら拘束されて動けないらしいクラスメイトが誰なのか声から判断する樹里。
その中には平野の殺し合いで仲間として行動した貝町ト子も居るようだった。無論、そのト子とは別であろうが。

(止めなきゃ!)

このままではあの四人はほのかに殺される、止めなければ。樹里は音を可能な限り出さないようにして小走りでほのかの背後に近付く。
止めたとしてその先どうするのか、それは樹里自身にも分からなかった。
だが、本来もう自分が関わる筈の無かった「この」殺し合いに再び自分が戻ってきたと言う事はきっと無意味な事では無い筈。

なら、自分が出来る限りの事をやってみよう、まずは第一歩だ。

「止まって」

樹里はほのかの後頭部にスコフィールドリボルバーを突き付けた。

「……え? ……北沢、さん」

ほのかは信じられないと言った心情が読み取れる声を発する。当たり前だろう。
自分が殺したと思った女が、すぐ後ろで自分に銃を突き付けているのだから。
樹里は、ほんの少しだけ笑みを浮かべつつ言った。



「久しぶり、倉沢さん……地獄から、戻ってきたわ」



――――IFルート、開始。



でもそれは、別のお話。



【俺得バトルロワイアル7th  北沢樹里  END】

108 : ◆ymCx/I3enU :2015/06/07(日) 18:37:13.10 ID:MgmUiJpb
投下終了です。
無理矢理締めた感が凄いけど

109 : ◆ymCx/I3enU :2015/06/08(月) 13:23:33.44 ID:Q9I0SJV6
エピローグラスト 巴編 投下します

110 :身体だけは丈夫なので今日も笑っていよう ◆ymCx/I3enU :2015/06/08(月) 13:24:21.16 ID:Q9I0SJV6
94話 身体だけは丈夫なので今日も笑っていよう

(ああ、まさか家に帰れるなんて思わなかったなぁ)

自分に抱き着いて「良かった、良かった」と咽び泣く母親を見ながら巴は思った。

あの光の柱に飛び込んだ所で意識を失い、気付いた時には自宅アパートの自室に倒れていた。
それを母親が発見し、今に至る。母親は少しやつれているように巴には見えた。

母親は警察に捜索願を出していた為、後日巴は警察署へ事情聴取に向かう。
信じて貰えるかどうかは疑問だったが虚偽答弁する訳にも行かず巴は担当した狐獣人の女性刑事にありのまま話した。
すると女性刑事はすんなり信じてくれた。意外に思った巴が何故信じてくれるのか聞き返すと、

「貴方が嘘を言っているようには見えないからね」

とだけ答えた。しかし、もっと別の事情が有るように見えた。
だが恐らく追及した所ではぐらかされるのが落ちだろうし、そもそも特に興味も無い為巴は「そうですか」と頷くに留まった。
ただ、帰り際、女刑事が――恐らく巴には聞こえていないと思っていたのだろうが微かながら巴にも聞こえていた――呟いた一言は少し気に掛かった。

――――……やっぱり彼女も他の事例と……。

気には掛かったが、それだけで、ともかく事情聴取を終えた巴はその後、普段通りの、最初の殺し合いに巻き込まれる前の生活に戻る。
学校の友人から何が有ったのか尋ねられる事も勿論有ったが「風邪を引いた」など適当な事を言って誤魔化した。
刑事に話したような事を何度も言うのは面倒だったし、刑事や母親は信じてくれたが友人が信じてくれる保証は無かったからだ。

二ヶ月程経ったある日曜日、巴はとある地方都市へ出掛ける事にした。
母親は少々渋ったものの、ショートメールで連絡する事にしてどうにか出発する事が出来た。

様々な人々が行き交う大通りを歩き適当に店を回っていたが、昼頃になり空腹になった為、巴はとあるファミリーレストランに立ち寄った。

「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」
「はい」
「禁煙席と喫煙席どちらになされますか?」
「私煙草吸うように見える?」
「あ、いえ、その」
「禁煙席」
「は、はい。空いているお席へどうぞ」

少し店員をからかった後、巴は禁煙席区画へ向かう。

「ん?」

そこで、巴は見覚えの有る三人組を発見する。
小学生位の竜人の少年、高校生位の紺色狼獣人の少年、同じく高校生位の狐獣人の少女。

「あれって……わあ、凄い偶然」

巴はその三人が誰なのかすぐに分かりニヤリと笑みを浮かべる。
彼らも無事に帰る事が出来たのだ、と、彼女にしては珍しく安堵した。



「……え?」
「嘘、え、君は」
「ちょっ、な、何で……!?」

「やあ、久しぶり。そんな幽霊でも見るような目で見ないでよ」


【俺得バトルロワイアル7th  原小宮巴  END】

111 : ◆ymCx/I3enU :2015/06/08(月) 13:25:21.73 ID:Q9I0SJV6
投下終了です。一先ずこれで俺得7終了とさせて頂きます
読んで下さった方ありがとうございました

112 : ◆84AHk0CknU :2015/07/04(土) 00:58:11.65 ID:7TV3G3bQ
ロワ完結おめでとうございます。今回も楽しませてもらいました
初心者ですが自分も新ロワ投下します

愛好作品でロワ

113 : ◆84AHk0CknU :2015/07/04(土) 01:02:07.81 ID:7TV3G3bQ
00『オープニング〜神の暇つぶし〜』

薄暗い会議室のような場所、そこに大勢の人影があった。
彼等は皆自分の置かれた状況に困惑しているようで、不安と警戒心を持って周囲を見渡していた。
と、その時

「どーも。こんちゃーっす」

軽快な声と共に、前方に一人の男が姿を現していた。
どこか神々しさがあるロン毛の男はざわめき出す人々へ話し始める。

「気づいてる人も居ると思うけど、君たちをここに呼んだのは俺だ。
みんな忙しい所悪いんだけどさ、ちょっと俺の遊びに付き合って欲しいんだよね。
その遊びってのは……ズバリ殺し合い!」

突然現れ意味不明な話を始めるロン毛男。
そのマイペースさに傍に居た一人が男に詰め寄ろうとしたが、続く男の行動に動きを止める


「まま、そう焦んないでよ」


ロン毛の言葉とともにポンッという音がする。
音のした方を見ると、詰め寄ろうとした男の頭部が吹き飛んでいた。


「と、遠野ォォォォォォォ!!」


死体となった男の知り合いらしき者の慟哭が響く。
それを皮切りに周囲からも悲鳴が拡がるが

「大人しくしろぉ!バラ撒くぞこの野郎!(神の怒り)」

ロン毛男の怒声に静まり返る。
それを見て満足気に頷き口を開くロン毛。

「バトルロワイアルって知ってるかな?あれと同じで君たち全員で殺し合って欲しいんだ。
勿論タダでとは言わない。ゲームに優勝したらどんなお願いも叶えてあげるよ。
金持ちになりたい、世界中の美女をモノにしたい……死者を蘇らせたい、憎い奴を殺したいとかも、ね」

その言葉に何人かが目の色を変えたのを見逃さず、更に笑みを深めてロン毛が説明を続ける。

「それから君たちの付けてるその首輪。殺し合いなんてやだ〜!とか言って反抗する奴は、首輪を爆発させちゃいま〜す。
そこの彼みたいになるのが嫌ならゲームに乗ることだね。

後の詳しい説明は皆に配るルールブックに書いてあるからそれ見て終わりでいいんじゃない?(適当)
じゃ後は各自頑張って、ハイヨロシクゥ!」

それを最後に殺し合いの会場へ次々とワープする参加者達。

「んじゃ、精々楽しむとしますかね〜っと」
それを見ながらロン毛男――“GO”は静かに呟いた


【遠野@真夏の夜の淫夢 死亡確認】
【主催者:GO@真夏の夜の淫夢】

114 : ◆84AHk0CknU :2015/07/04(土) 01:49:42.62 ID:7TV3G3bQ
投下終了です
名簿は今日の昼辺りにでも

115 : ◆ymCx/I3enU :2015/07/04(土) 13:36:46.30 ID:HxL0rMuE
新ロワ出来たんでOP投下
見てる人はいなくても一応「本スレに投下→Wiki掲載」という順序は守らないといかんと思うので

116 :OP ◆ymCx/I3enU :2015/07/04(土) 13:40:06.25 ID:HxL0rMuE
と思ったら新ロワ投下された方が…乙です
GOは神 GO is god 語録の使い方が上手いです
自分も投下します
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
0話 そんな物始まらなくて良いから(良心)

「これから皆さんにちょっと殺し合いをして貰います」

「そいつ」は絶望的なゲームの内容を俺達に告知した。
――これだけじゃ何が何だか分からんだろうから少し順を追って説明しよう。

俺こと大崎年光は、いつものようにやっている武器屋の営業を終えて、売上金の計算やら何やらした後、
飯や風呂入ったり好きに過ごして寝た。んで目覚めたら知らないホールみたいな場所に居た。
もうこの時点で訳が分からないだろ。しかも寝巻と言うか寝る時の格好に着替えた筈なのに、
良く普段着にしているシャツとジーパン、ジーンズ姿になっていた。

んで、俺以外にも大勢居たんだ。種族は色々、年齢は若い奴が多いか?
何か変態なのかどうか知らんが素っ裸の奴も居たし。首輪まではめてやがると思っていたら、
その黒い金属製の首輪は俺含め全員にはめられていた。外そうとしたが取れやがらねぇ。俺にそんな趣味は無いってのに。

しばらくしてホールに何人か入ってきた。スーツ着崩したボサボサ頭の人間の男と、自動小銃携えた黒い戦闘服の兵士四人。

「えー、皆さん初めまして。わたくし、柴田行隆と申します。以後お見知りおきを。
さて、突然こんな所に連れて来られてさぞ困惑していると思いますが今しばらくわたくしの話に耳を傾けて下さい。
皆さんには、とあるゲームのプレイヤーになって頂きたいのです」

自己紹介した後にボサボサこと柴田が語った「ゲーム」。
そう、ここで冒頭の台詞の場面が来るんだ。

「そのゲームの名前は『バトルロワイアル』! 殺し合いゲームです。
これから皆さんにちょっと殺し合いをして貰います」

いきなり拉致同然(拉致そのものかもしれないが)に人を連れてきて殺し合いをしろと柴田は言う。
イカレている。イカレ過ぎだ。当然柴田に対して抗議する奴がちらほら現れる。
ふざけんな。訳が分からない。何だお前は。と、色々だ。
柴田は自分に向けられる罵倒にも動じる様子は無い。理由は俺達の首の首輪だった。

「やっぱ反抗しますよね? 気持ちは分かります。でもやって貰います。絶対ゲームをして貰う為に、
皆さんの首に特別な首輪を付けさせて頂きました。その首輪には、爆弾が内蔵されています」

曰く首輪には爆弾が付いていて無理に外そうとしたり度を越えた反乱や、逃亡を図ろうとしたりすれば爆発するらしい。
運営からリモート操作でいつでも爆破出来るとも言った。
抗議の声が一斉に止んだ。そりゃ、首にそんな危険物が有ると、いつでも起爆出来ると言われれば。

「どんな物か実際に爆破して試してみましょーか。ハイ、大田山一さん」
「え?」
「貴方は見せしめ要員です。名簿にも記載されていません。良かったですね、ゲームに参加しなくて済みますよ。それじゃ、ピッ」

柴田が上着のポケットから取り出した小さなリモコンらしき物を大田と呼んだ男に向けスイッチを押した。
直後に大田の首輪から電子音が鳴り響いた、かと思った次の瞬間、破裂音が響いて大田の首が宙を舞った。
何人かは悲鳴を上げ、転がってきた生首から逃げ惑う。俺は悲鳴こそあげなかったけど、はっきり言って固まってたよ。
30年生きてきて人の首が飛ぶ場面なんか初めて見たからな。当分忘れられはしないだろう。

117 :OP ◆ymCx/I3enU :2015/07/04(土) 13:41:41.23 ID:HxL0rMuE
「ハイ、お疲れ様でした大田さん。これで首輪の威力は皆さん分かって頂けましたでしょうか」

たった今一人殺したってのに柴田は全く気にする素振りを見せない。
嫌でも分かる。本当に殺し合いをしなければならないと言う事と、柴田行隆と言う男が平然と人を殺せる程度には冷酷だって事。

その後軽くルール説明がなされた。要点だけ言うと、最後の一人になるまで殺し合い最後の一人が優勝になって家に帰れると。
反則は無し、但し首輪が起爆するような真似は駄目だと。
一日四回、死人と入ったら首輪が爆発する禁止エリアの発表を行う放送が流れると。
最後の死人が出てから12時間誰も死ななかったら全員の首輪を爆破すると。
どうあがいても殺し合いをしなければならないシステムって事か。クソが。

「まあルール説明はこの位にしてちゃっちゃと始めちゃいましょうか。
ハイそれじゃゲームスタート。皆さん健闘祈っておりますよ」

物凄く投槍に聞こえる開幕宣言の直後、俺達の足元から眩い光が発生し、眩しさに堪らず俺は目を瞑る。
光が収まってきて、目を恐る恐る開けると、そこはホールでは無く屋外だった。

こうして俺、大崎年光は突然殺し合いゲームをする羽目になったとさ、めでたし、めでたし。

めでたい訳ねぇだろ。

【大田山一  死亡】
【残り52人】

【ゲーム開始】

----
《キャラ紹介》
【大崎年光】
読み:おおさき としみつ
年齢:30
性別:男
種族:人間
特徴:茶色に染めた短髪、中肉中背。白いYシャツにジーンズ、スニーカー着用
職業:武器屋
備考:先祖代々続く武器屋を経営する男。口が悪く怠惰な印象を受けるが根は正義感が強い。
武器屋と言う職業柄、刀剣や銃火器の知識、扱いに一般人よりは慣れている。但し本職の軍人等には敵わない。

【柴田行隆】
読み:しばた ゆきたか
年齢:20代後半〜30代前半?
性別:男
種族:人間
特徴:着崩したスーツ姿、ボサボサの黒髪、長身
職業:不明
備考:殺し合いゲーム「バトルロワイアル」の進行役を務める謎の男。
彼がバトルロワイアルの主催者なのかそれとも単なる進行役でしか無いのか、現時点では不明。
面倒くさそうな投槍な態度が多いが、他人を平気で殺せる位には冷酷である。

【大田山一】
読み:おおた やまいち
年齢:不明
性別:男
種族:人間
特徴:これと言って特徴が無いのが特徴
職業:不明
備考:バトルロワイアルの首輪の威力を見せ付ける見せしめ役の為だけに拉致されてきた哀れな男。
名前の「大田山一」は作者が生まれて初めて思い付いた名前だったりする。
詳しいプロフィールは不明と言うか決める必要も無い為決めていない、ある意味一番謎に包まれた人物でもある。
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118 :名簿 ◆ymCx/I3enU :2015/07/04(土) 13:43:20.69 ID:HxL0rMuE
進行役:柴田行隆

【男】
イライアス・ウィズダム
ウォラゴ
ウラジーミル・イリイチ・コスイギン
大崎年光
緒方修二
隠塚英紀
鉤丸聖人
川田喜雄
キーレン
北原大和
久保永悠歩
倉持忠敏
黒牙
シャーガ
スィヴレバル
須牙襲禅
ゼユック
タロー
トロフィム・マラートヴィチ・クルトィフ
テオ・オトマイアー
千品武紀
鳴海竜也
沼倉勇喜
伏島茂晴
本庄忠朝
黛康裕
ユージーン

【女】
伊藤文子
伊藤椿
大木弓那
籠彩愛
北宇智恭世
霧島弥生
コンゼノア
ザスキア・フェルカー
志水セナ
修明院美宇
新藤真紀
末盛眸美
スカーレット・ガードナー
ゼンル
藤堂リフィア
長嶺和歌子
ハレナ
布川小春
松宮深澄
マリア・アルノーリドヴナ・ベーラヤ
六浦春部
室川美知
盛朋未
山津有岐
レカ

52/52

119 : ◆ymCx/I3enU :2015/07/04(土) 13:47:38.06 ID:HxL0rMuE
投下終了です
ルールやマップは過去作から流用します(マップはEX2)
ロワ名は「優しく俺のオリキャラでバトルロワイアル」です、名前の通り柔めギャグよりでいきたいかなと

120 : ◆ymCx/I3enU :2015/07/04(土) 13:57:07.13 ID:HxL0rMuE
訂正、「優しく軽めに俺のオリキャラでバトルロワイアル」です
略称は「優しく俺オリロワ」

121 : ◆ymCx/I3enU :2015/07/04(土) 22:01:39.54 ID:HxL0rMuE
1話目投下します
登場:大崎年光、籠彩愛

122 :賽は投げられた ◆ymCx/I3enU :2015/07/04(土) 22:02:33.49 ID:HxL0rMuE
1話 賽は投げられた

北に森、西に海、東に展望台らしき建物の見える場所で大崎年光のバトルロワイアルはスタートする。

「……とにかく支給品確認しよう」

近くに置いてあったデイパックを開けて、中身を確かめる。
基本支給品の他、コンバットナイフが入っていた。
当たりだな、と思いながら年光はそれを装備する。
名簿にも目を通すが、自分以外の51人に身近な人物は居ないようだった。

「殺し合い……馬鹿馬鹿しいだろ……乗らねぇぞ」

吐き捨てるように言う年光。普段怠惰な素振りが多く口も良くなかった彼ではあるが他人を殺して生き延びようとは思わない。
それ位の正義感は持ち合わせていた。ゲームに反抗する事を早々に決心する。
反抗=首輪の爆破だと柴田は言っていたが、余程奴の機嫌を損ねるような真似をしたりしなければ簡単には爆破されまいと年光は考える。
些細な事で次々参加者を処刑してしまえばそれこそ殺し合いにならなくなるからだ。
自分の推測が合っている事を祈りつつ、年光は次にこれからの事について思考を巡らせる。

「……52人、俺除いても51人か……乗る奴は出てくるだろうな……あ?」

思考が中断される。
茂みから人が飛び出してきた。金髪ツインテールの、小さな少女。
小学生かと年光は思ったがそれにしては胸がかなり大きく小学生では無いのかもしれない、何にせよその少女は怯えた表情を浮かべていた。
放っておくのもと思い、保護しようと年光はその少女に声を掛ける。

「おーい」
「!」
「えーと、君、一人……」
「あっ、あっ、嫌だっ! あああ!」
「え!?」

少女は逃げてしまった。年光は自分がナイフを抜き身で装備していた事を思い出す。危害を加えられると勘違いされたのだろう。

「待て違う! 俺は殺し合いには乗って……早いなオイ、駄目だ追い付けねぇ……」

少女の足は非常に早く、年光は追跡を一旦諦める。しかし行き先は予想出来た。

(多分あの建物に行くだろうな)

スタート地点から東、つまり少女の逃げ去った方向に有る展望台と思しき建物。
恐らく少女はそこに逃げ込むだろうと考え年光は展望台を目指し歩き始めた。

◆◆

巨乳小学生、籠彩愛は恐怖でパニック状態だった。
友人の長嶺和歌子の家に宿泊し、共にオス犬とのイケナイ遊びに興じた後眠りについた筈が気が付けば殺し合いの場に居たのだから。

(怖い、怖い……! ナイフ持った人居たし、殺されちゃうよ!)

先程自分に声を掛けた男を自分を殺そうとしていると一方的に決め付ける彩愛。
男は彼女を保護しようとしていたのだがそんな事は露知らず。

(わかちゃんどこに居るの? 会いたいよ……あ、あの建物に隠れよう。わかちゃんも居るかも)

隠れられる場所、友人の姿を追い求め、彩愛は古びた展望台を目指し走る。

123 : ◆ymCx/I3enU :2015/07/04(土) 22:04:23.35 ID:HxL0rMuE
【明朝/A-4草原】
【大崎年光】
状態:健康
装備:コンバットナイフ
持物:基本支給品一式
現状:殺し合いには乗る気は無い。展望台へ向かう。先程の少女(籠彩愛)を出来れば保護したい&誤解を解きたい。
備考:無し

【明朝/A-4、B-4境界線付近】
【籠彩愛】
状態:恐怖によるパニック
装備:不明
持物:基本支給品一式、不明支給品
現状:怖い。展望台に隠れる。わかちゃん(長嶺和歌子)に会いたい。
備考:大崎年光を「自分に危害を加える気が有る」と誤解している。

----
《キャラ紹介》
【籠彩愛】
読み:かご あやめ
年齢:11
性別:女
種族:人間
特徴:金髪のツインテール、小学生らしからぬ巨乳
職業:小学生
備考:小学生離れした美巨乳を持った少女。明るい性格だがパニックになりやすい。
友人の長嶺和歌子の影響で、犬との*交(獣*)に目覚めてしまう。
和歌子同様勉強は苦手だが運動神経は良い。和歌子の事は「わかちゃん」と呼んでいる。

《支給品紹介》
【コンバットナイフ】
支給者:大崎年光
分類:刃物
説明:軍用の頑丈で切れ味鋭い大型ナイフ。某ホラーアドベンチャーゲームの初期装備として有名か。
----

・・・・
投下終了です。伏字部分はWiki掲載時戻します

124 :愛好作品でロワ名簿 ◆84AHk0CknU :2015/07/04(土) 22:56:27.49 ID:7TV3G3bQ
おお、新たなオリロワが来ている…投下乙です
遅れましたが自ロワの名簿投下します

6/6【真夏の夜の淫夢】
○野獣先輩/○MUR/○KMR/○AKYS/○虐待おじさん/○ひで

6/6【魔法少女オブ・ジ・エンド】
○児上貴衣/○鞘野楓/○芥倫太郎/○半沢夜華/○穴井美羽/○パラサイト・M

5/5【仮面ライダーウィザード】
○操真晴人/○仁藤攻介/○稲森真由/○メデューサ/○グレムリン

5/5【NEEDLESS】
○アダム・ブレイド/○クルス・シルト/○セツナ/○未央/○六道銀

5/5【名探偵コナン】
○江戸川コナン/○灰原哀/○円谷光彦/○阿笠博士/○ジン

5/5【やる夫スレ】
○入速出やる夫/○キル夫/○水銀燈/○雪華綺晶/○伊藤誠

4/4【御伽噺】
○桃太郎/○浦島太郎/○シンデレラ/○赤ずきん

4/4【コードギアス 反逆のルルーシュ】
○枢木スザク/○アーニャ・アールストレイム/○扇要/○ユーフェミア・リ・ブリタニア

4/4【戦国BASARA】
○徳川家康/○石田三成/○お市/○小早川秀秋

3/3【BLACK LAGOON】
○ヘンゼル/○グレーテル/○ロベルタ

3/3【チャージマン研!】
○泉研/○星君/○ボルガ博士

2/2【仮面ライダーW】
○照井竜/○井坂深紅郎

2/2【コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
○ゼロ/○ロロ・ヴィ・ブリタニア

54/54

昼頃と言ったのに大幅に遅れてしまった
すいません許してください何でもしますから!

125 : ◆84AHk0CknU :2015/07/05(日) 00:31:34.76 ID:TQrv70Qk
早速投下します

126 :Bは血に染まる/真夏の夜の悪夢 ◆84AHk0CknU :2015/07/05(日) 00:35:20.64 ID:TQrv70Qk
俺の目の前で遠野が死んだ。
漫画やアニメみたいに頭をボンッと爆発させて。
俺の大切な恋人がそうして呆気なく……死んだ。

何であいつが死ななきゃならない?あいつが何をしたって言うんだ?
…ひょっとして、これは俺への天罰なのか?
想いを伝える為とはいえ、薬を盛ってレイプなんてとんでもない事をした俺への。


それでも、俺は――――――





深夜の森、その奥にある教会でKMRは一人震えていた。
突然訳の分からない男に拉致された挙句殺し合いを強制される。
おまけに知人が目の前で殺されたとなると恐怖を覚えるのは当然だろう。

そう、知人。自分の先輩である野獣の恋人、遠野だ。
ふいに野獣の事が心配になった。
悲しみと怒りで自棄になっていないだろうか。いや、ひょっとして殺し合いに乗ってしまったんじゃ――

「いや、先輩に限ってそんな事……」

野獣は陽気でお調子者の面があるが、人を殺すような外道ではない。
しかし今はその陽気さも鳴りを潜めているだろう。


そうだ。いつまでも震えていてどうする。悲しみに暮れる今の野獣を支えるのは同じ空手部員の自分達がしなければいけないことだ。

「……このままビビってる訳にはいかないよな」

空手部の仲間はこんなゲームを肯定する輩ではない。
自分が怯えている間にもMURやAKYSは既に行動を開始している筈だ。
ならば自分も動き出さなければ。

「まずは先輩達とAKYS師範を探さなきゃ(使命感)」

決意を新たに荷物を纏め教会を出ようと力強く踏み出す。



<<――BEAST――>>


とそんなくぐもった音が聞こえたのはほぼ同時だった。

127 :Bは血に染まる/真夏の夜の悪夢 ◆84AHk0CknU :2015/07/05(日) 00:38:33.33 ID:TQrv70Qk
「えっ」

何が起こったのか分からない。
気がつくと倒れていた。それに背中が酷く熱い。

あっという間に消え去ろうとする意識の中でKMRが思ったのは


(何で殺し合いなんかする必要があるんですか(正論))


そんな極当たり前の正論だった。






物言わぬ屍となったKMRを静かに見下ろす異形。
ソレはビーストドーパントといった。

「……ほんとに変身できたな」

自分の支給品であるガイアメモリとかいう道具。
何でもこれを使えばドーパントという怪物に変身できるとのこと。
説明書を読んだ時は半信半疑だったが、成る程本物だったようだ。

「こんだけ強けりゃAKYS師範にも勝てるかもな」

もう後戻りはできない、するつもりもない。
遠野を生き返らせる為ならこの手をどれだけ汚したって構わない。
後輩を己の手で殺したと言ったら仲間達は何と言うだろう。
失望し、責めるだろうか。それでも見捨てずに自分を救おうとするだろうか。
だがもう関係ない。結局殺すことには変わりないのだから。


「長居は無用。ほらいくど〜」


愛に狂ったクッソ哀れな野獣が行き着く先は果たして――――


【KMR@真夏の夜の淫夢 死亡確認】



【野獣先輩@真夏の夜の淫夢】
[状態]:健康、ビーストドーパントに変身中
[装備]:ビーストメモリ@仮面ライダーW
[道具]:共通支給品一式×2、不明支給品1〜3(KMR)
[思考]
基本:優勝して遠野を生き返らせる
1:皆殺し、MUR達に会っても容赦はしない
[備考]
※参戦時期は遠野と幸せなキスをした直後
※水泳部と空手部を兼任しているという設定です

128 : ◆84AHk0CknU :2015/07/05(日) 00:46:57.77 ID:TQrv70Qk
投下終了です
駄文失礼しました

129 : ◆84AHk0CknU :2015/07/05(日) 01:01:52.38 ID:TQrv70Qk
続いて2話目を投下します

130 :覚醒 の 黒き 魔王 ◆84AHk0CknU :2015/07/05(日) 01:06:42.65 ID:TQrv70Qk
「全く、迷惑なものだな」

島の最北端に位地する豪邸、園咲邸の居間で筋骨隆々な仮面の男――ゼロはそう呟いた。
仮面のせいで顔は見えないが、声色からは現状に対する不満が聞いて取れる。

ゼロ――ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアには使命がある。
世界にギアスをばら撒き、戦火と混沌を引き起こす魔王としての役割を果たすという使命が。。
最愛の妹ナナリーや無二の親友スザクとすら敵対する事を覚悟し旅立った矢先にこのゲームに巻き込まれ、今に至る。

「こんな下らん催しに付き合う気など無いのでな、思い通りに動かせるとは思わないことだ」

ゼロはこの殺し合いに乗る気は無かった。
己の使命は混沌を活性化させること、そしてそれを実行するのは明日を迎えることを望んだ自らの世界で、だ。
このような狭い箱庭で、しかも主催者の言いなりになって行うことでは断じて無い。
故に取るべき行動は一つ、主催者を殲滅し速やかに帰還することだ。

(とはいえ安易に勝てるような相手でもないか)

魔女C.C.と契約し人間を遥かに超えた魔王となった自分がこうも易々と拉致され、あまつさえ首輪まで着けられている。
それだけでもあの男が途轍もない力を持っているのは確かだ。

(更に気になるのは名簿にあるこの名前……)

ロロ・ヴィ・ブリタニア。
エデンバイタル教団の異端審問官にして呪われた愚弟。
自分の記憶が正しければ奴はネモと契約した騎士アリスによって討たれてた筈。
主催者は本当に死者を蘇生させる力を有しているのか、或いは平行世界のロロか。

「まぁ、それは会って確かめればいいか」

答えを出すのは情報を集めてからでいいだろう、焦っては判断を見誤る事となる。
となると優先すべきは他の参加者の捜索、及びゲームに乗った者の排除となるだろう。
考えを纏めるとゼロはすぐさま行動に移す。

「さて、では行くか」

今ここに、黒き魔王の新たな“反逆”が始まった。



【ゼロ@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:共通支給品一式、不明支給品1〜3(確認済み)
[思考・状況]
基本:主催者の殲滅、元の世界で魔王の役割を果たす
1:他の参加者を探し情報を集める
2:ゲームに乗った人間への対処
3:スザク、ユーフェミアとは一時共闘すべきだろうか
4:ロロは……
[備考]
※参加時期はLAST CODE「ゼロの魔王」終了時
※制限について
・身体能力&回復力に制限
・ガウェイン召喚可能時間10分。再度呼び出しには3時間の間が必要

131 : ◆84AHk0CknU :2015/07/05(日) 01:09:22.25 ID:TQrv70Qk
投下終了です
のんびり進めていきます

132 : ◆ymCx/I3enU :2015/07/06(月) 00:18:04.13 ID:voiGKq1d
投下乙です
ん? 何でもするって言ったよね? では無理せずに、自分のペースで頑張って下さい

【Bは血に染まる/真夏の夜の悪夢】
昏睡レイプは十分天罰下るレベルだと思うんですがそれは、そして(闇に)落ちたな

【覚醒 の 黒き 魔王】
コードギアス系はパロロワで良く出場しているなぁ

自分も2話目投下します

133 :おためしかっ! ◆ymCx/I3enU :2015/07/06(月) 00:19:11.28 ID:voiGKq1d
2話 おためしかっ!

白い山羊獣人の美少年、キーレンは草むらの上で目を覚ます。

「ここは……ああ、そうだ。殺し合いしろって言われたんだった……どうしてこんな事に」

頭を抱えるキーレン。
男娼――彼は少年娼夫だった――の仕事を終えて自宅に帰り眠りについた筈なのに。
しかも今現在の格好は、裸に黒いニーソ、靴と言う仕事用の扇情的な格好。皮を中程まで被ったそれが丸見えの状態。
これも彼にとっては不可解であった。寝る前に寝巻に着替えた筈なのだが。
海が近いせいか吹き抜ける潮風に身を震わせる。

「寒い……はぁ、取り敢えず、僕、何が支給されたのかな」

自分のデイパックを開けて中身を漁るキーレン。地図や名簿、筆記用具等に混じって、園芸用の小さな金属製シャベルが出てきた。
それがキーレンのランダム支給品のようだった。
武器として使えない、事も無いだろうが心許無かった。

「これからどうしようかな……死にたくないな」
「ねぇ、君」
「ん……」

急に声を掛けられキーレンが立ち止まる。見ればそこには黒髪に赤い瞳の少女。
角が生えているようなので純粋な人間では無いようだが。

「何でしょうか」
「私はスカーレット。私にはこの銃が支給されたんだ」
「はぁ」

スカーレットと名乗った少女は手にしたリボルバー拳銃をキーレンに見せ付ける。
何故そんな事をするのかキーレンは分からず困惑していた。彼は自分の今置かれた状況を飲み込み切れて無かったのかもしれない。

「君で威力を試させてちょーだい♪」
「は?」

いきなりスカーレットはキーレンにリボルバー拳銃を向けた。そして引き金を引く。

ダァン!!

銃声が響いた。

「ひっ!?」

咄嗟に身体を捻って回避した為キーレンに怪我は無かった。

「う、うわあああ!!」

キーレンは悲鳴を上げながら、全速力でスカーレットから逃げ出す。背後から何発か銃声が聞こえその度に生きた心地がしなかった。
スカーレットは殺し合いに乗っていると見て間違い無い。逃げなければ殺されてしまう。
今まで仕事柄危ない目には何度か遭ってきた、命の危機に瀕した事だって有る。だが慣れる事は無い。

(嫌だ、死にたくない!)

目から涙を滲ませながらキーレンはひたすらに走った。行き先には教会が有った。

134 :おためしかっ! ◆ymCx/I3enU :2015/07/06(月) 00:19:47.33 ID:voiGKq1d
◆◆◆

「あーあ逃げちゃった」

銃口から煙を出すリボルバー拳銃、コルトシングルアクションアーミー、略称S.A.Aを右手に持ちながら、
スカーレット・ガードナーは山羊の少年を逃してしまった事を残念がる。

「ま、良いや……」

遠方に教会らしき建物が見え、どうやら少年はそこへ向かって行っているようなので追おうと思えば追える。
ただ別に少年に拘る必要も無い。

「ど・う・し・よ・う・か・な」

ふざけた口調で呟きながらこれからの行動をスカーレットは考える。
彼女はこの殺し合いを楽しむつもりで居た。優勝を目指す訳では無く、他参加者を殺す事を。
とある国の過激派組織に属する彼女にとって、別に死と隣り合わせの状況など珍しくも何とも無い。
それに、彼女は殺す事、甚振る事が好きな異常者であった。
進行役の柴田行隆には、むしろ感謝さえしている。面白いゲームをさせてくれるのだから。

「よっし決めた」

しばらく考えた後スカーレットは次の行動を定めた。


【明朝/F-5草原】
【キーレン】
状態:恐怖
装備:園芸用シャベル
持物:基本支給品一式
現状:死にたくない。スカーレットから逃げる。
備考:スカーレット・ガードナーを殺し合いに乗った危険人物と判断。現在G-5教会に向かっている。

【明朝/F-5草原】
【スカーレット・ガードナー】
状態:健康
装備:コルトS.A.A(2/6)
持物:基本支給品一式、.45ロングコルト弾(12)
現状:殺し合いを楽しむ。さて次は……。
備考:キーレンの外見のみ記憶。次の行動については次回登場話にて決定する。

135 : ◆ymCx/I3enU :2015/07/06(月) 00:20:31.17 ID:voiGKq1d
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《キャラ紹介》
【キーレン】
年齢:12
性別:男
種族:山羊獣人
特徴:白い髪に毛皮、瞳孔は普通。黒ニーソに靴の裸ニーソ姿
職業:男娼
備考:戦災孤児で、男娼経営者に拾われ生きる為に男娼になる。が、割と楽しんでいる様子。
やや臆病では有るが基本的に明るく人懐っこい性格。

【スカーレット・ガードナー】
年齢:16
性別:女
種族:人間と悪魔族のハーフ
特徴:黒髪に赤い瞳、黒っぽい角。そこそこのスタイル。白シャツに茶色っぽいスカート、ブーツ
職業:過激派構成員
備考:生まれつきの残酷な性格で、12歳の時に母親を殺害、その後殺人や傷害を重ねる孤児となり、過激派組織に拾われた。
一応仲間と認めた者には手出しはしないようにしている。
年齢の割に子供っぽく、簡単な計算が出来ないなどやや学力に難が有る。

《支給品紹介》
【園芸用シャベル】
支給者:キーレン
分類:その他
説明:園芸用の金属製の小さなシャベル。

【コルトS.A.A】
支給者:スカーレット・ガードナー
分類:銃火器
説明:コルト社が1873年に開発したシングルアクション式のリボルバー拳銃。
S.A.Aは「シングルアクションアーミー」の略。連射と再装填に難が有るが頑丈かつ高威力の弾薬を使える。
今回登場するのは.45ロングコルト弾使用のシビリアン(民間)モデル。
----


・・・・・

投下終了です。

136 : ◆84AHk0CknU :2015/07/06(月) 02:57:20.50 ID:TiKtmwQu
投下乙です。キーレン君は逆レイプされそう(こなみ)
では自分も投下します

137 :狂気の果てに行き着く先は ◆84AHk0CknU :2015/07/06(月) 03:03:52.69 ID:TiKtmwQu
自分にとって奴はどのような存在だったのだろうか。

そんな事決まっている。
私からあの御方を永遠に奪い去り、我ら豊臣を裏切った大罪人。
決して許すことなどできない、この手で斬滅しなくてはならない憎悪の対象。


その筈だ。


ではこの感情はなんだ?
奴をこの手で斬ったというのに何故こんなものが湧いて出る?
奴を殺すことが私の本懐ではなかったのか?


何故だ
何故こんなことになった
何故あの御方を殺した
何故私の元から去っていった


何故だ、家康――――――






突然拉致され殺し合いを命じられた。
爆弾付きの首輪を嵌められ、奴隷のような様となっている。

その全てがどうでもよかった。
この場で重要な事は只一つ。

138 :狂気の果てに行き着く先は ◆84AHk0CknU :2015/07/06(月) 03:05:03.65 ID:TiKtmwQu
「…………いた」

自分と同じく拉致された大勢の人間。
そこに奴の姿があった。

「……あの場に奴が」

見間違えなどではない。
ほんの少し前、己の剣で斬り殺したはずのあの男が。


「家康がいた」


徳川家康が確かにあの場に存在したのだ。


「クッククク………フハハハ……ハーッハハハハハハハハハハハハ!!」

ああ、ならば自分がすべき事は一つしかない。
今の自分に唯一残されたもの。


それはきっと


「待っていろ……家康ゥーーーーーー!!!」


あの男への――――


【石田三成@戦国BASARA】
[状態]:健康、狂気
[装備]:枢木スザクの刀@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー
[道具]:共通支給品一式、不明支給品0〜2
[思考]
基本:家康を殺す
0:家康家康家康家康家康
[備考]
※戦国BASARA3三成赤ルート終了後からの参戦

139 : ◆84AHk0CknU :2015/07/06(月) 03:06:38.24 ID:TiKtmwQu
投下終了です

140 : ◆84AHk0CknU :2015/07/07(火) 04:16:51.91 ID:tSlxbwlT
投下します

141 :赤ずきんと魔法使い ◆84AHk0CknU :2015/07/07(火) 04:25:53.60 ID:tSlxbwlT
走る走る走る走る。
背後から追ってくる“ヤツ”から少しでも遠くへ逃げるため。
少女は脇目も振らずに走り続ける。

足を止めたら終わりだ。
止めたら最後、じわじわと嬲り殺しにされてしまう。
だから走る。ひたすら走る。とにかく走る。

そうしてどのくらい走っただろうか。
チラリと後ろを見たが“ヤツ”の姿は見えない。

(逃げ切ったのかな…?)

ふと目の前に民家が見えてきた。
いい加減体力も限界だ。あそこに入ってやり過ごそうと考えた所で

「鬼ごっこは終わりかい、お嬢ちゃん」

真後ろから声がした。

「ヒッ…」

追いついた“ソレ”を見て悲鳴を漏らす。

如何にも頑丈そうな鋼の肉体。赤く爛々と輝く右目。右手に持った巨大な剣。
明らかに人ではない、怪物がそこに居た。

「餓鬼にしちゃそれなりに頑張ったみてぇだが、運が悪かったなぁ」

怪物の表情に変化は無いが、ニヤニヤと邪悪な笑みを浮かべているのが頭に浮かぶ。
こちらを焦らすようにゆっくりと近づいてくる異形。

その異形は名を“キル夫”といった。





最高だ。
それがこの殺し合いに対してキル夫が思った事だ。

殺しが大好きであり元の世界でも殺人鬼として世間を賑わせていたキル夫。
そんなキル夫にとってこのゲームは自分の誕生日パーティーよりも心を躍らせるものだった。

またそれだけではない。
普段殺しに使っているナイフよりも格段に巨大な剣。
ドーパントという異形へと姿を変えられるガイアメモリなる道具。
これらの支給品も非常に自分をワクワクさせてくれるものだ。

この大剣で豪快に斬り殺したい。
ドーパントになった身体で嬲り殺したい。
この殺し合いを思う存分楽しみたい。

そんな歪んだ願望は偶然最初に出会った少女へと向けられることになる。

142 :赤ずきんと魔法使い ◆84AHk0CknU :2015/07/07(火) 04:29:41.81 ID:tSlxbwlT



「さぁ〜って、どう殺そうかねぇ…」

楽しげに言いながら少女へと近づくキル夫。

大剣で四肢を斬り落とすか。
強化された肉体を利用し、素手で解体するのも悪くない。
ああ、想像しただけでも興奮する。

「や、やだ…来ないでよぉ!」

逃げようとするが腰が抜けてしまったのか、立てずに後ろへ這いずる少女。

(死にたくない、死にたくないよ!誰か…助けて…)

心の中で必死に助けを求める。
誰でもいいから助けて、自分は死にたくないと

「諦めな。お前はここで俺に殺される運命だったんだからよ。」

剣を持った右手をゆっくりと持ち上げるキル夫。
そうだ、ここは現実の世界。
そう都合良く助けなど現れるはずがない。

「精々絶望してくたばっちまいなぁ!!」



そうして振り下ろした剣は少女の首を



ガキィン!



「間一髪、だな」



斬り落とす前に止められた。




143 :赤ずきんと魔法使い ◆84AHk0CknU :2015/07/07(火) 04:33:51.59 ID:tSlxbwlT
「なっ!?」

少女への一撃を止められ咄嗟に後方へ下がるキル夫。
そして自分の剣を防いだ人物を見る。

「大丈夫だったかい?お嬢さん」
「えっ、あっ、ハ、ハイ!」

黒いジャケットを着た茶髪の青年。
顔立ちは整っており、軽い調子で少女へと話しかけている。

「良かった。じゃあちょっと離れててもらえるかな?あっちの厳ついお兄さんと話があるからね」
「えっ、で、でも…」
「大丈夫だって。これでも俺強いしね」

そう言ってキル夫へ向き直る青年。
よく見ると手には掌のマークが付いた奇妙な剣を持っている。
さっきの一撃を防いだのはあれか。

「チッ、いいとこだったのに余計な茶々入れやがって…。変わりに相手してくれんのか?ニーチャンよ」
「ああ。こんな小さい子に襲い掛かるような奴、見逃しちゃおけないんでね」
「おいおい、正義の味方気取りか?俺には馬鹿な自殺志願者にしか見えねーがなぁ」

生身の青年とドーパントとなった自分。有利なのは明らかに後者だ。
だというのにこの男、やけに自信満々でいやがる。

「どんな場所だろうと関係無い」

そう言うと左手に赤い宝石の付いた指輪を身につける。
そしてそのまま手を腰のベルトへと移動させる。

<――Driver On――>

「お前のように誰かを絶望させようとする奴がいるのなら」

<――シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!――>

ベルトの形状が変わり奇妙な音声が鳴り響く。

「な、なんだそりゃ……?」
「しゃ、しゃば、どぅび…?」


「俺は戦い続ける」
「――――変身」

左手の指輪を鳴り響くベルトにかざす。

<――Frame Please ヒー! ヒー! ヒー!ヒー!ヒー!――>

その瞬間彼の姿は 別のものへと変化していた。
鎧とローブを融合させたかのような黒いボディ。
赤く輝く宝石のようなマスク。

そんな姿を見て驚くキル夫と少女を尻目に

「さぁ、ショータイムだ」

“指輪の魔法使い”、仮面ライダーウィザードこと“操真晴人”は敵の元へと駆け出した。

144 :赤ずきんと魔法使い ◆84AHk0CknU :2015/07/07(火) 04:39:27.79 ID:tSlxbwlT
「っ!クソッタレが!」

一瞬で迫ってきたウィザードの一閃を慌てて大剣で防ぐするキル夫。
しかしウィザードの攻撃はそれで終わらず、連続して素早く斬り込む。
キル夫も負けじと防御するが全ては防ぎきれず、身体の各所に傷を負う。

「っの野郎…!離れろやぁ!」

大剣を大きく振り回し距離を取ろうとする。
ウィザードはバックスッップでそれを回避。すると手に持った剣、『ウィザーソードガン』を銃形態へと変え銃口をキル夫に向ける。
大剣を構え直そうとして気付いた。刃が所々大きく欠けてしまっている。
これでは剣としてまともに機能しないではないか。とんだ見掛け倒しのナマクラだったようだ。


キル夫は考える。ドーパントとはまた違う異形となったあの男。
今の少ない攻防だけでも理解できる。奴はかなり手強い。
向こうは銃を持っているがこちらに飛び道具は無い。おまけに唯一の武器も壊れる寸前ときた。
癪だがここは……

(退くべき、だな)

決断は一瞬。ウィザードが引き金を引くよりも早く剣を地面に叩きつける。
衝撃で地面が抉れ、土埃が舞う。
視界が封じられたその隙を見逃さず明後日の方向へと駆け出す。
メタルドーパントの筋力のお陰で地面を抉るという荒業も成功したが、代償として剣は使い物にならなくなった。

「まだゲームは始まったばかりなんだ。焦ることは無いさ」

足を動かしながらキル夫は呟く。
そうだ、何も今殺さなければならないというわけではないのだ。
この先もっと強力な武器が見つかるかもしれない。
そうやって準備が済んだら改めて殺せばいい。

「それまで待ってろよ、顔面宝石野郎」

【キル夫@やる夫スレ】
[状態]:疲労(中)、身体の各所に切り傷、ドーパントに変身中
[装備]:T2メタルメモリ@仮面ライダーW、聖剣・エクスカリ棒@NEEDLESS(柄の部分のみ)
[道具]:共通支給品一式
[思考]
基本:ゲームを楽しむ
1:今は逃げる
2:もっと強い武器を集める




145 :赤ずきんと魔法使い ◆84AHk0CknU :2015/07/07(火) 04:42:24.02 ID:tSlxbwlT
「逃げたか」

視界が晴れた時にはもう相手の姿は無かった。
現在持っている指輪を駆使すれば直ぐにでも追いつけるだろうが、今は他に優先すべきことがある。

「あ、あの…」
「ん。もう出て来ても大丈夫だよ」

変身を解き襲われていた少女の元へ駆け寄る。

「た、助けてくれてありがとうございます」
「なに、いいってことさ。希望を守るのは魔法使いの役目だからね」

少女の不安を取り除く為か、おどけた調子で答える晴人。

「魔法使い……?あの、お兄さんはいったい…」
「あー、まぁその辺の説明はあそこに入ってからにしよう。君も疲れてるみたいだしね」

殺し合いに巻き込まれ怪物に殺されかけたのだ。心を落ち着かせる時間が必要だろう。
はい、と小さく頷き民家へと入る少女の後に自分も続く。

(にしてもこの子……絵本とかに出てきそうな格好だな)





(お兄さん、かっこよかったなぁ)

先ほどの光景を思い出す。
鎧とマントのようなものを身に付け、自分を襲った怪物を撃退した勇姿。

変な人に攫われ、恐い化け物に襲われ、魔法使いと名乗る人に助けられた。
ここに来てからとても常識では考えられない目に遭ってばかりだ。
とはいえ以前も祖母諸共狼に食べられるというとんでもない体験をしているのだが。


そんな事を考えながら彼女――“赤すきん”と呼ばれる少女は民家の扉を開けた。

146 :赤ずきんと魔法使い ◆84AHk0CknU :2015/07/07(火) 04:43:41.89 ID:tSlxbwlT
【操真晴人@仮面ライダーウィザード】
[状態]:疲労(小)
[装備]:ウィザードライバー&ウィザードリング一式@仮面ライダーウィザード
[道具]:共通支給品一式
[思考]
基本:絶望を破壊し希望を守る
1:少女と情報交換する
[備考]
※参戦時期は昭和ライダー対平成ライダー終了後
※制限として魔法使用時の魔力使用量増加
※まだ名簿を確認していません

【赤ずきん@御伽噺】
[状態]:疲労(大)
[装備]:無し
[道具]:共通支給品一式、不明支給品1〜3(未確認)
[思考]
基本:死にたくない
1:お兄さんと情報交換する
[備考]
※外見は金髪の幼女です

147 : ◆84AHk0CknU :2015/07/07(火) 04:45:19.00 ID:tSlxbwlT
投下終了です
チカレタ…(小声)

148 : ◆84AHk0CknU :2015/07/09(木) 01:16:20.54 ID:3qwWNONh
投下します

149 :悶絶少年ロワ外伝 ◆84AHk0CknU :2015/07/09(木) 01:19:03.20 ID:3qwWNONh
痛い

胸が熱くて痛い

当然だろう、刀で斬られたのだから

俺はここで死ぬのか?

こんな意味不明なもんに巻き込まれて?





ふざけんな



まだつくねを助けてないんだよ

楓を一人残して逝けるかよ

ああそうだ

ようやく、真相を知ることができたんだ

ようやくあいつを助ける方法が見つかったんだ

これから始まるんじゃねぇかよ




死にたくねぇ

死にたくねぇよ




チクショウ……



【児上貴衣@魔法少女オブ・ジ・エンド 死亡確認】

150 :悶絶少年ロワ外伝 ◆84AHk0CknU :2015/07/09(木) 01:20:37.87 ID:3qwWNONh


SMバー平野。
表向きはどこにでもある普通のバーだが、裏では監禁した少年を奴隷として客に提供するトチ狂った店。
そんなクッソ汚い店のカウンター席にひとり腰掛けている参加者が居た。

参加者の名はクルス・シルト。
青のブレザーと赤いチェックのスカート。ツインテールに可愛らしい顔立ちと、どこから見ても美少女にしか見えない女装少年だ。

「いったい何がどうなってるんだ…?」

彼は突如巻き込まれた殺し合いに困惑していた。

この場に連れて来られる直前、クルスと仲間達は宿敵アークライトと決着を着けるべく、敵の拠点であるシメオン本社に乗り込んだ。
死んだと思った照山の復活や、姉アルカの死など紆余曲折を経て、アークライトの居る地下の第7セクターへと辿り着いた。

(そのはずなのに、どうしてこんな所に居る?これはアークライトが仕組んだことなのか?)

この殺し合いはアダム・アークライトが自分達を始末する為行ったのではないかと推理する。
しかし直ぐにいや、と自分の言った事を否定する。

(いくら何でも回りくど過ぎる。それに僕たちの仲間を外して、知らない人を大勢巻き込むのも不自然だ)

直前まで共に居たイヴとディスク。少女部隊と戦闘中の照山。
本社の外で戦っているセトとソルヴァ。彼らをあえて呼ばなかったのは何故だ?
また、こちら側に付いた未央はともかく、何故敵対中のセツナまで連れてくる必要がある?

(でもアークライトの仕業じゃないなら、あの男は一体……)

あの得体の知れないロン毛はおそらくニードレスだろう。
会場へのワープや何時の間にか着けられた首輪など、そうでなければ説明が付かない。
尤も、ロン毛以外にも協力しているニードレスがいる可能性もあるが。

「とにかくまずは神父様たちを探そう。それにギド博士ならこの首輪を外せるかもしれないし」

ギドこと六道銀は優秀な科学者だ。彼ならばこの厄介な首輪も解除できる可能性が高い。
とはいえ戦闘力は皆無なので早めに合流する必要があるだろう。
考えを纏め終え、出発する為に立ち上がろうとし


「お?先客か?」

来訪者の出現に動きを止めた。

151 :悶絶少年ロワ外伝 ◆84AHk0CknU :2015/07/09(木) 01:22:48.96 ID:3qwWNONh
…………


「いや〜良かったよ、クルス君みたいな殺し合いに反対する人に会えて」
「あはは…。僕も最初に会ったのが葛城さんで安心しました」

バーを訪れた男性は葛城蓮と名乗った。名簿には何故か『虐待おじさん』という物騒な名が記されているが。
しかし話してみると気さくでな人で、優しそうな普通のおじさんのようだ。

「でもよく僕が男だって一発で分かりましたね?しょっちゅう誤解されるんですが…」
「まぁ職業柄見慣れてる方だからね。流石にクルス君ほど女装が似合う子は居なかったけど」
「は、はぁ。(何の職業なんだろう……)」

軽い自己紹介が終わりお互いの知り合いの話となる。
まずはクルスがブレイド、未央、ギドは安全。逆にセツナは危険だと説明する。
今度はおじさんの知り合いは呼ばれているかを聞こうとした時

「クルス君。会っていきなりなんだけどちょっといいかな?」


おじさんが妙に真剣な顔で問いかけてきた。


「な、何ですか葛城さん。そんな急に改まって」
「実は君にお願いしたいことがあってね……聞いてくれるかい?」
「お願い、ですか?まぁその、僕にできることなら」

お願いとはなんだろうか。
ひょっとして誰か大切な人がゲームに連れて来られてしまったから、探すのを手伝って欲しいとかだろうか。
考えるクルスを余所に、おじさんは何故かネクタイを外すと


「そうかそうか、それは良かった……YO!」


クルスの首を絞めようと襲い掛かった。

152 :悶絶少年ロワ外伝 ◆84AHk0CknU :2015/07/09(木) 01:24:30.51 ID:3qwWNONh
「うわっ!」
驚き咄嗟に後ろへ避けるクルス。

「か、葛城さん!?いきなり何を!?」
「何ってお願いだよお願い。ちょっと君の苦しむ姿を見せて欲しいんだ」

先程と変わらない優しそうな笑顔で言うおじさん。
それを見てクルスは背筋に寒いものを感じた。

「そんなもの聞ける訳ないでしょ!?まさかあなた殺し合いにn「は?(威圧)」

クルスの言葉を遮り笑みを消すおじさん。
さっきとは別人のような怒りの顔を作っている。

「お前さっきお願い聞くっていったよなぁ!なぁ!聞くって言ったのに聞かないって、おかしいだろそれよぉ!」

初対面でそんなお願いする方がおかしいんだよなぁ。

おじさんの豹変に戸惑いつつも、SMバー平野を跳び出し市街地へと逃げるクルス。
その後ろからは何時の間にか両手に日本刀を持ったおじさんが追いかけて来る。

「誰が逃げていいつったオラァ!」

あっという間にクルスに追いつくおじさん。
その化け物染みたスピードに驚くクルスへおじさんが刀を振りかざす。


逃げる暇など与えずクルスへと迫る刃。
クルスの死を確信しおじさんは邪悪に笑う。

この状況、どう足掻いてもクルスの死は確定だろう。



もっともそれは




「シールドオブイージス!!」




彼が“ただの無力な一般人”だったらの話だが。

153 :悶絶少年ロワ外伝 ◆84AHk0CknU :2015/07/09(木) 01:28:18.37 ID:3qwWNONh
「うっ、おおおおおお!?」

クルスを狙った刃は見えないなにかに防がれ、おじさんは大きく弾き飛ばされた。
そのまま地面に激突すると思いきや、素早く身を捻り着地する。

その様子をクルスは冷や汗を掻きながら睨み付ける。
掌をかざした方向からの攻撃を完全に防ぐ『女神の盾(シールドオブイージス)』
もしもこの能力に覚醒していなければどうなっていたことやら。
思わず想像したifを頭から追い出し問いかける。

「葛城さん。あなた、このゲームに乗ったんですか?」
「自分の趣味を優先させてるだけださ。おじさんはねぇ、キッ君みたいな可愛い子が悶絶する顔が大好きなんだよ!(マジキチ)」
(変態だー!この人、神父様とは別方向の変態だー!)
「言う事聞いてくれないなら、君もこいつのようになっちゃうよオラオラ。ホラ、見ろよ見ろよ」

そう言ってデイバックを開き、中から16、7歳程の少年の生首を取り出す。
自分から見せていくのか(困惑)

「なっ…、それは!?」
「言う事聞かずに暴れだすからついお仕置きしちゃったよ。だからクルス君は……大人しくしてろYO!」

言うやいなや再び襲い掛かるおじさん。
しかし今度はクルスの方が一瞬早かった。
デイバッグから取り出したあるものをおじさんに投げつける。

「くるくるぺ〜」
「YO!]

邪魔だと言わんばかりに投げられた赤い玩具を斬る。


ドッゴォォン!


しかし斬りつけた瞬間大きな爆発が起きる。

「っよし!今の内に…!」

爆風を女神の盾で防ぎ一目散に逃げ出すクルス。
自分の能力は防御面では優秀だが攻撃には向いていない。故に撤退を決めた。
できれば今の爆発で倒れてくれよと願いながら、全速力でその場を後にした。


【クルス・シルト@NEEDLESS】
[状態]:疲労(大)
[装備]:無し
[道具]:共通支給品一式、不明支給品0〜2
[思考]
基本:殺し合いから脱出する
1:この場から離れる
2:神父様、未央ちゃん、ギド博士を探す
3:セツナと葛城を警戒
[備考]
※第103話開始直後からの参戦です。その為ギドの正体を知りません

154 :悶絶少年ロワ外伝 ◆84AHk0CknU :2015/07/09(木) 01:29:37.76 ID:3qwWNONh
「逃げられちゃったか、悲しいなぁ」

既に見えなくなったクルスへ向けて呟くおじさん。
刀2本を犠牲にしたお陰で、それほど深い傷は負っていない。
幸いにしてまだ後4本残っている。新たに2本取り出すと腰のベルトに刺す。

「にしても殺し合いに乗ったのかなんて失礼な奴だな。俺はそんな気全く無いのに」

思いっきり殺しに掛かってたうえ、既に一人殺ってるんだよなぁ
この人頭おかしい…(小声)

「そういえばひでの奴も居たな。まぁあんな汚いのどうでもいいか」

少し前に拉致監禁し拷問と陵辱の限りを尽くした相手。
今にして思えば何故あんなクッソ汚いのをターゲットにしたのか自分でも謎だ。
しかし1秒後にはまぁどうでもいいかと思い、その場を立ち去った。


【虐待おじさん@真夏の夜の淫夢】
[状態]疲労(中)、全身に軽い火傷
[装備]六爪@戦国BASARA(残り4本)
[道具]共通支給品一式(水と食料が2人分)、不明支給品1〜5、児上の生首
[思考]
基本:可愛い男の子の悶絶する顔が見たい
1:自分好みの子を探す
2:クルスは次にあったらお仕置きする
3:ひではどうでもいい
[備考]
※参戦時期はひでを虐待し終わって以降


支給品紹介
【バリカンの旧友@チャージマン研!】
クルス・シルトに支給。
泉家のおじいさんロボット『バリカン』の旧友を名乗るロボット。
その正体はジュラル星人が送り込んだロボット型の時限爆弾。
泉家で爆発する前に研の手で海に放り出された。

155 : ◆84AHk0CknU :2015/07/09(木) 01:32:39.70 ID:3qwWNONh
投下終了です

156 : ◆ymCx/I3enU :2015/07/13(月) 12:59:00.20 ID:MPFU3xjY
投下乙です、ペース早いですね
自分も投下します

157 :擬似姉弟 ◆ymCx/I3enU :2015/07/13(月) 12:59:44.11 ID:MPFU3xjY
3話 擬似姉弟

はぁ、どうした物かな。
どうして殺し合いなんかしなきゃいけないのかな。
僕こと、本庄忠朝は、同じく殺し合いに巻き込まれた知り合いの女性、伊藤文子さんと一緒に草原を歩いていた。

「スタート地点が近くて良かったわ……」
「そうですね……一人きりじゃ不安でした」

僕と伊藤さんのスタート地点は程近く、すぐに合流する事が出来たのは幸運だったと言えるだろう。

「寒い……」
「そりゃ、バニーガールの格好では寒いですよ」

寒がる伊藤さん。無理も無い、伊藤さんは肌の露出の多いバニーガールの格好をしている。
確かに伊藤さんはカジノでバニーガールとして働いているけどどうして殺し合いの中でその格好なのか。

「昨日、と言うか拉致される前、確かにパジャマに着替えたんだけどなぁ。
気が付いたらこの格好よ。誰か着せたのかな……」
「うーん、まあ、僕も学校の制服いつの間にか着てますし……」

僕も伊藤さんも気が付いたら服が変わっていた、いや、着替えさせられていた、という状況。
誰が? どうやって? 気になる事は多かったけどそれを深く考えても仕方無いだろうな。
重要なのは僕達が殺し合いに巻き込まれてしまった事と、下手すれば死ぬと言う事。

「これからどうしよう」
「取り敢えず一度、どこかに落ち着きましょう。あっ、ほら、あそこにホテルっぽい建物有りますよ」

遠方にホテルらしき大きな建物を見付けた僕は、指を差して伊藤さんに教える。

「ホテル? ハッ、忠朝君いやらしい事考えて……」
「ません!」
「あらそう?」

考えて欲しかったのかな。
まあ確かにいつ万一の事になるのか分からないからそういう事しちゃいたいなーってのは有るけど。
いや決してホテル見付けたのはそういう気持ちとかじゃ。

「とにかくあそこで休みますよ」
「はーい」

とにもかくにも僕と伊藤さんはホテルに向かって歩みを進めた。

◆◆◆

158 :擬似姉弟 ◆ymCx/I3enU :2015/07/13(月) 13:00:56.11 ID:MPFU3xjY
知り合いの忠朝君に早く合流出来て本当に良かったと思う。
一人きりで居たら不安で、怖くて、心が張り裂けてしまいそうだから。
忠朝君も私と同じで殺し合いに乗っていないようで安心した。
でも私の方がお姉さんなんだし、しっかりしないとなぁ。きっと忠朝君だって怖いに決まってる。

しかしバニーの格好だと潮風がとても冷たい。
海が近いみたいだから風ちょっと強いのよ。
それにしても一体誰がどうやって着替えさせたのかな……いや、着替えさせたのは十中八九、拉致した奴らだろうけど。
裸見られた? うわ。

早い所、忠朝君とホテルに行って休もう。
――――ああ、もし出来るのなら、万一の時に備えて、忠朝君と「コト」に及んじゃいたいな。


【明朝/E-2ホテル周辺の草原】
【本庄忠朝】
状態:健康
装備:不明
持物:基本支給品一式、不明支給品
現状:殺し合いはしない。伊藤さんと行動。ホテルへ向かって休みたい。
備考:現在伊藤文子と共にE-5ホテルへ向かっている。

【伊藤文子】
状態:健康
装備:不明
持物:基本支給品一式、不明支給品
現状:殺し合いはしない。忠朝君と行動。ホテルへ向かって休みたい。
備考:現在本庄忠朝と共にE-5ホテルへ向かっている。

----
《キャラ紹介》
【本庄忠朝】
読み:ほんじょう ただとも
年齢:16
性別:男
種族:竜人
特徴:灰色と白の身体、白髪、女性的な身体付き。学校制服のブレザー着用
職業:高校生
備考:優しいが気弱。それでいて女性的な身体付きの為よくからかわれ、挙句同性に犯されかけた過去を持つ。
近所に住むバニーガールの女性、伊藤文子と親密になっている。

【伊藤文子】
読み:いとう あやこ
年齢:19
性別:女
種族:人間
特徴:金髪の美人、露出の多いバニーガール姿
職業:カジノのバニーガール
備考:怖がりながら明るい性格。近所に住む竜人少年本庄忠朝と親密になっており、一緒にTVゲームや性交を行っている。
年下と接する時は年上だからしっかりしなければと思いつつも甘えてしまう。
----

159 : ◆ymCx/I3enU :2015/07/13(月) 13:01:22.89 ID:MPFU3xjY
投下終了です

160 : ◆84AHk0CknU :2015/07/16(木) 03:38:17.95 ID:MxwHWf+t
投下乙です。忠朝君の過去がさり気にヘビーで草
自分も投下します

161 :少女たちの夜 ◆84AHk0CknU :2015/07/16(木) 03:42:24.33 ID:MxwHWf+t
「どういうことなのかしら、これ」

シメオン少女部隊のニードレス、セツナは現状にため息を漏らした。
聖ローズ学園で起きた連続殺人事件を山田ことクルス、そして梔と共に解決した矢先にこの殺し合いに巻き込まれた。
ここに来る直前誰かに襲われたとかそういうものはなく、本当に気が付いたらこのゲームに呼ばれていた。
おまけに一緒に居たクルスはともかく、別行動中の未央まで呼ばれている。

「しかもあのブレイドまで居るなんてホント最悪ね」

アダム・ブレイド。敬愛する主、アダム・アークライトに楯突く忌々しい宿敵。
シメオンビルでの大爆発の後は行方知れずだと聞いたが、案の定生きていたか。
あのロリコン神父のデタラメな戦闘力は身を以って味わっている。マトモにやり合っても勝機は薄い。
殺さねばならない敵だが、できれば会いたくないのが本心だ。

「まずは未央を探さないとね。そう簡単に死にはしないだろうけどオツムが残念だし」

とにかくまずは仲間の捜索から始めよう。
近い施設を順に回っていくかと考え歩き出す。


…………


「悪いけど止まってくれるかしら」

歩き始めて数分が経過した頃、そんな言葉と共に銃を向けられた。
相手は自分よりも年下であろう桃色の髪の少女。やけに露出度の高い格好をしている。
梔が居たら興奮していただろうなと、どうでもいいことを思いながらも言葉を返す。

162 :少女たちの夜 ◆84AHk0CknU :2015/07/16(木) 03:44:16.35 ID:MxwHWf+t
「初対面の相手に随分と物騒なモノを向けるのね。」
「あら、こんな状況で見ず知らずの相手を信じろって方が無理ではなくて?」
「まぁ確かにそうね」

会話をしつつも相手に対する警戒は解かない。
いつでも能力を発動できるように構える。『速(スピード)』なら相手が引き金を引くよりも速く仕留められる。

「単刀直入に聞くけど、あなたこのゲームでどう動くつもりなの?」
「…とりあえず仲間との合流が最優先ってところね。今はゲームに乗る気はないわ」
「ふーん……」

まじまじと此方を見つめる少女。値踏みされているようで、あまり良い気分ではない。

「ならお互い協力できるってわけね」
「はぁ?」
「私もあなたと同じよ。殺し合いに乗る気は無く、探したい相手も居る。だったら手を組んで損は無いと思わない?」

少女の言葉にセツナは考える。未央の捜索、ブレイド達の抹殺、それに首輪の解除とすべきことは山積みだ。
自分と未央だけでは解決しきれない。ならば協力者は一人でも多いほうが良い。
それに脅しに銃を使ったということはニニードレスではない一般人、若しくは戦闘には向かない能力の持ち主なのだろう。
仮に自分を切り捨てようとしても返り討ちにできる自身はある。故に答えは決まった。

「分かったわ。少しの間だけどよろしくね」
「納得してもらえてうれしいわ」

微笑みながら銃を下ろす少女。同時に緊張感から解放される。
取り合えず名前を聞こうとするがそれより早く少女が、それじゃあと後ろの建物に目を向ける

「中でお話でもしましょうか」





『面影堂』という看板の出ている店に入り、来客用の椅子に腰を落ち着ける。
まずはお互いの自己紹介から始める。桃髪の少女はアーニャと名乗った。
話し合うこと数分。手短に済むと思っていた情報交換は予想に反して複雑になった。

「冗談で言ってるの?あんまり面白くないわよ」
「こっちの台詞よそれ」

アーニャの言うブリタニア帝国。セツナの言うニードレスとBS(ブラックスポット)。
知っていて当然の事をお互い全く知らないという奇妙な状況。
単なる妄想か、あのロン毛に記憶を弄られたか、と考え続けるアーニャ。
そんな彼女を見ながらため息を吐きつつ話しかけるセツナ。

「とりあえずお互いがイカれてるかもとかそういうのは置いておきましょう」
「え?」
「私たちは仲間を探してる、そして互いに争う気はない。今はそれだけで十分じゃないかしら」
「…そう、ね。確かめるのは彼らと合流した後でもいいわね」

163 :少女たちの夜 ◆84AHk0CknU :2015/07/16(木) 03:46:44.23 ID:MxwHWf+t
完全には納得していないようだが同意は得られたようだ。この話題は一旦打ち切り情報交換を続ける。
続いてお互いの仲間の情報。アーニャはゼロと枢木スザクの2人を探しているという。
セツナは未央が仲間、アダム・ブレイド、クルス・シルト、六道銀は敵であると告げる。

続いてお互いの支給品の確認となった。
アーニャは銃が一丁とバッチが二つ。バッチは探偵バッチと言って小型の通信機の役割を果たすという。
もしも別行動を取った時の為にと一つ渡される。断る理由も無いので礼を言い受け取る。

セツナの支給品は包丁が一本、赤青緑黄の4色盤に回るタイマー、袋詰めされたきびだんごの三つ。
どう考えても外れだ。これにはアーニャも苦笑いしている。
まぁ能力(フラグメント)があれば武器は特に必要ない。それに他の参加者よりも多少食料に有利になったのだ。前向きに捉えよう。

話が終わるとアーニャがそれじゃあと立ち上がり、セツナもそれに続く。
面影堂を後にし、当初の予定通り近くの施設から順に当たっていく。
歩いている途中でふとクルスのことが頭に浮かんだ。
止むを得ない状況とはいえ敵である自分達に協力し、自分が怪我をした時には本気で心配してくれた少年。

(悪く思わないでね。どの道次に会えば殺しあうしかないんだから)

思うところが全く無いわけではない。
それでも止まれないのだ。自分はとっくにアークライトに尽くす事を決めたのだから。





(面倒なことになったわね)

心中でそう呟くアーニャ。
否。正確には彼女はアーニャではない。
ナイトオブラウンズのNo.6アーニャ・アールストレイムであるのはその肉体のみ。
中に住まう者は全くの別人だ。

(C.C.とも連絡が取れないなんて……。あの男何者?)

その者名はマリアンヌ・ヴィ・ブリタニア。
ルルーシュとナナリー兄妹の実母にして神聖ブリタニア帝国の皇妃の一人である。
数年前の襲撃により死に瀕した際に覚醒したギアスにより、魂を別の人間の中へと移動しながら生きてきたのだ。
そして彼女には元の世界で『C計画』果たすという重大な目的がある。こんな訳の分からないゲームで足止めをくらっている場合ではない。
一番手っ取り早く帰還できる方法は殺し合いに優勝することだろう。
しかし、優勝者を必ず生還させるという保障はどこにもない。故に今は様子見に徹しつつ情報を集める。
脱出できる明確なプランが見えたらそちらへ、無理なら優勝を目指す。これが彼女の方針だ。

そしてその為に必要な人材。それがゼロことルルーシュとナイトオブセブンこと枢木スザクの二名である。
あの2人の有能さと未熟な面は全て把握済みだ。御するのは難しくない。
2人ともユーフェミアの死には相当な負い目がある。そこを突けば容易く心を揺り動かせるだろう。
特にルルーシュの持つ絶対遵守のギアスはこの場で何よりも重宝する。早めに合流しておきたい。

(それにしてもさっきの話、あれはどういうことなのかしら)

164 :少女たちの夜 ◆84AHk0CknU :2015/07/16(木) 03:50:28.25 ID:MxwHWf+t
先程のセツナの話、全くもって不可解だ。ブリタニアの名は子供でも知っているというのにそれを知らない。
加えて第三次世界大戦とその影響で生まれたBSという汚染地域。そしてニードレスという超能力者。
単なる妄想だと片付けるのは簡単だ。だが彼女は至って健全に見えるし、ただの妄想にしては妙にリアリティが感じられた。
更に不可解なのは名簿にある「ロロ・ヴィ・ブリタニア」の名前。
ブリタニア姓を名乗っているがそんな者には会ったことがないし、名を聞いたことも無い。
ロロ・ランペルージと何か関係があるのだろうかと考えを巡らせるが答えは出てこない。

(…今はルルーシュ達を探す方に集中しましょう。だから精々役に立ってね、セツナちゃん)

全てはアーカーシャの剣の発動の為。そのためなら何を犠牲にしても構いはしない。
セツナからは見えない位置で口元を歪めながら魔女は歩み続ける。




彼女は知らない

この場に居る息子が自分の居た世界とは別の世界の住人であることに

御せると踏んだ相手は、最愛の妹すら切り捨てる道を選択した強大な魔王であるということを

マリアンヌは、知らない


【セツナ@NEEDLESS】
[状態]:健康
[装備]:探偵バッジ@名探偵コナン
[道具]:共通支給品一式、ダディクールが持ってる包丁@やる夫スレ、ドラゴタイマー@仮面ライダーウィザード、きびだんご@御伽噺
[思考]
基本:ゲームからの脱出
1:アーニャと行動し互いの仲間を探す
2:ブレイド一派の抹殺(但しブレイドは確実に殺せる機が来るまで無理はしない)
3:ブリタニア…?
[備考]
※参戦自時期は学園編終了後

【アーニャ・アールストレイム@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:健康、マリアンヌ状態
[装備]:グロッグ17L(17/17)@BLACK LAGOON、探偵バッジ@名探偵コナン
[道具]:共通支給品一式、予備マガジン×4
[思考]
基本:自身の生存を最優先
1:セツナと行動し互いの仲間を探す
2:脱出の方法を探す。無理ならば優勝に切り替える
3:セツナの話とロロ・ヴィ・ブリタニアの名に疑問
[備考]
※ルルーシュに正体を明かすよりも前からの参戦
※現時点での意識はマリアンヌのものです。この先アーニャの意識が表面化するかは不明です
※ゼロ(ルルーシュ)を「反逆」世界のゼロと思っています

165 : ◆84AHk0CknU :2015/07/16(木) 03:55:40.86 ID:MxwHWf+t
投下終了です
後名簿に一部変更を
ユーフェミア・リ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュと半沢夜華@魔法少女オブ・ジ・エンドの2名を外します

もーほんまつっかえ……やめたら?この仕事(自戒)

166 : ◆ymCx/I3enU :2015/07/17(金) 20:54:04.43 ID:iD7emVuN
投下乙です
(名簿変更くらいは)多少はね?
自分も投下します

167 :ユウウツ ◆ymCx/I3enU :2015/07/17(金) 20:55:25.04 ID:iD7emVuN
4話 ユウウツ

「ヌッ……クォクォア……」

黛康裕は砂浜で目を覚ます。
立ち上がって身体に付いた砂を払い落とし、そして自分が殺し合いに巻き込まれてしまった事を思い出した。

「畜生、何だって殺し合いなんか……これからどうすっかな」

近くに有ったデイパックを拾い上げて、これからの事を考える康裕。
参加者には知人が二人居る。同性愛者である彼が通うハッテン場の仲間、犬獣人の沼倉勇喜と、人虎(ワータイガー)のスィヴレバル。
この二人とはそこそこに仲が良いので康裕は二人を捜す事にした。

「あいつら、殺し合いに乗ってなきゃ良いんだけどな……」

懸念を示す康裕。

ダァン……。

銃声が響く。同時に康裕は胸が何かに貫かれるような感覚を覚えた。
激痛。口から溢れる鉄錆味の熱い液体。胸元を見れば胸に大きな穴が空いていて鮮血が噴き出していた。背中も熱い。
何が何だか分からぬ内に、康裕の意識は闇に呑まれ、二度と戻らなくなった。

◆◆◆

海岸近くの食堂の、僅かに空いた窓の隙間から銃口が覗いていた。
その銃、レミントンM700ボルトアクションライフルの持ち主、鹿獣人の緒方修二はスコープ越しにたった今撃った男の様子を確認する。

「当たった……死んだよな……?」

男は砂浜を赤く染めて倒れ動く様子は無かった。

「俺もついに、人殺しか」

自嘲気味に修二は笑う。
成人向け漫画家としてそこそこの収入を得ながら、裏の趣味として自分の自慰動画を裏動画サイトに投稿したりしていたがまさか殺人を犯すに至るとは。
だが仕方無いのだ、やらなければ死ぬ。
やるしかないのだと、修二は心の中で自分に言い聞かせる。

「原稿、仕上げてないのになぁ、落としちゃうかなこりゃ……遺作になるかも……いや、死にたくない。生き残ってやる、誰を犠牲にしようとも」

M700のグリップを強く握り閉めて修二は決意を新たにする。
殺し合いに乗り生きて帰る事を目指すのだ。


【黛康裕  死亡】
【残り51人】

168 :ユウウツ ◆ymCx/I3enU :2015/07/17(金) 20:56:28.01 ID:iD7emVuN
【明朝/D-7海岸沿いの食堂】
【緒方修二】
状態:健康
装備:レミントンM700(3/4)
持物:基本支給品一式、7.62mm×51mm弾(12)
現状:殺し合いに乗り優勝を目指す。自分が生き残る事を最優先する。
備考:黛康裕の荷物を回収しに向かうかどうかは不明。

----
《キャラ紹介》
【黛康裕】
読み:まゆずみ やすひろ
年齢:25
性別:男
種族:人間
特徴:金色に染めた短髪。ヤンキーみたいな見た目。仕事着のツナギ
職業:バイクショップ店員
備考:同性愛者でハッテン場に良く通っている。参加者の内、沼倉勇喜、スィヴレバルはハッテン場仲間
ヤンキーみたいな外見だがそこまでDQNでは無い

【緒方修二】
読み:おがた しゅうじ
年齢:35
性別:男
種族:鹿獣人
特徴:灰色の鹿獣人。長身で痩せ気味。巨根。くたびれたシャツとジーパン姿
職業:成人向け漫画家
備考:そこそこの人気の有る成人向け漫画家。やや気弱で口下手。
自分の自慰動画を裏動画サイトに投稿する趣味を持つ(顔は隠している)。かなりの巨根の持ち主。

《支給品紹介》
【レミントンM700】
支給者:緒方修二
分類:銃火器
説明:1962年にレミントン・アームズ社より発売されているボルトアクションライフル。
堅牢な構造と高い命中精度により警察や軍で狙撃銃として使われている。
本ロワの物はスコープが装着された7.62mm×51mm口径モデル。
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169 : ◆ymCx/I3enU :2015/07/17(金) 20:57:57.46 ID:iD7emVuN
投下終了です。

170 : ◆ymCx/I3enU :2015/07/21(火) 00:04:54.65 ID:F0Mxiw8Z
投下します

171 :No Logic ◆ymCx/I3enU :2015/07/21(火) 00:05:27.78 ID:F0Mxiw8Z
5話 No Logic

黒髪の美少女、大木弓那は自分の使い魔兼家族兼弟的存在兼玩具である、
人狼型魔獣黒牙の姿を探しながら、森の中を歩いていた。

「黒牙、うーん、どこに居るのやら……いつもだったらテレパシー的なの使えるんだけどねぇ。
全然使えなくなってるみたいだし……無事で居てくれると良いんだけど」

自分の支給品である特殊警棒を右手に装備し、黒牙の捜索をする弓那。

「やめて! ひいい」
「私の為に死ね!」
「あら」

道中、兎獣人型の悪魔獣人少女が、青髪に青い竜の両手足、尻尾、翼を持った半竜族の女性に襲われているのを発見する。
半竜族の女性はどうやら殺し合いに乗っているようだった。

(見て見ぬフリもなぁ、仕方無い、助けてあげよう)

弓那は追われている悪魔獣人少女を救援する事にする。

「エイヤー!!」
「なあっ!?」

持っていた日本刀で悪魔獣人少女に斬り掛かろうとしていた半竜族の女性に死角から殴り掛かる弓那。

「いった、何よアンタ!? い、い!?」
「特打!! 特打!! もっと早く!!」
「あぁいったい痛い痛い!!? ねぇちょっともう、痛い!! 畜生!」

半竜族の女性は堪らず逃げ去った。

「大丈夫?」
「うわああん、ありがとう! ありがとう!」

悪魔獣人少女は余程怖かったのだろう、泣きながら弓那に礼を言う。
よしよしと頭を撫でる弓那。

「私、大木弓那って言うの。貴方は?」
「わたし、コンゼノア……」
「貴方、追われてたけど、殺し合いには……」
「乗ってないよ!」
「それは良かった。私も乗ってないから安心して。折角だから一緒に行かない?」
「良いの? ……分かった、一緒に行く」

コンゼノアは弓那との同行を快諾する。
悪魔族としては臆病な性格だったコンゼノアにとって、殺し合いの中での単独行動は避けたかった事も有り、
実際先程襲われた事も重なって、弓那の同行の申し出は有難い物だった。

「ところで、黒と赤の毛皮を持ったワーウルフ見なかった? 黒牙って言って、私の使い魔なんだけど」
「いや見てない、ごめん」
「そっか、いや気にしないで。しっかし凄い格好……さっきの半竜の女も大概だったけど」
「まあ、悪魔だし……」

コンゼノアの、ビキニのような物で隠されている豊満な乳房を見て感想を述べる弓那。
もっとも弓那もかなりの大きさであったが。

172 :No Logic ◆ymCx/I3enU :2015/07/21(火) 00:06:04.32 ID:F0Mxiw8Z
「それより、私、この特殊警棒が支給されたんだけど……貴方は? 何なの?」
「まだ見てないのよ。見る前にさっきの半竜族に襲われたから……ちょっと見てみる」

自分のデイパックを漁るコンゼノア。そして出てきた物は何と小型の短機関銃ミニウージーであった。
予備のマガジンも5個セットで入っている。

「当たりだわ……」
「これ使えばさっきの女にも対抗出来たんじゃないの? とは言っても、
確認する前に襲われたんじゃしょうがないね」
「装備しておこ」

コンゼノアはミニウージーを装備した。
「悪魔なんだから魔法とか使えないの?」と弓那が訊くと、
「この殺し合いが始まってから威力が弱まって使い物にならない、使えなくなった物も有る」とコンゼノアは返した。

◆◆◆

半竜族の女性、レカは憂さ晴らしに日本刀を振り回して細い木や背の高い草を切っていた。

「くっそぉ、あの人間のメス! 邪魔した上にボコボコ殴りやがって! いったい……」

種族柄、致命傷には至らなかったものの、ほぼ全裸に近い格好(胸と秘部はビキニのような物で隠していた)の身体を、
特殊警棒で何度も殴られてダメージが無い訳は無く、その痛みがレカに更なる苛々を発生させる。

「次会ったら絶対殺す! あの人間も、兎みたいな奴も! この殺し合いに居る奴ら全員ぶっ殺して、絶対生きて帰るんだから」

整っている顔立ちを白い牙を剥き出しにし、野獣のように歪ませるレカ。
とある犯罪組織の一員である彼女は、美しい、美女と言っても良い容姿と裏腹に自己中心的かつ攻撃的な性格であった。
そんな彼女がこの殺し合いに巻き込まれて、最終的な目的とする事は、勿論自己の生還、即ち優勝狙いである。

「ウォラゴの奴も居るけど知ったこっちゃ無いわ。私の命が一番大事」

殺し合いには彼女と同じ組織に所属する知人が居たが、そのような事にはお構い無しに、レカは優勝を狙う気でいた。


【明朝/D-6森】
【大木弓那】
状態:健康
装備:特殊警棒
持物:基本支給品一式
現状:殺し合う気は無い。黒牙の捜索。コンゼノアと行動
備考:レカの容姿のみ記憶、危険人物と判断

【コンゼノア】
状態:健康
装備:IMIミニウージー(32/32)
持物:基本支給品一式、ミニウージーのマガジン(5)
現状:殺し合いはしたくない。死にたくない。弓那と行動する
備考:レカの容姿のみ記憶、危険人物と判断。大木弓那より黒牙の情報を入手


【明朝/D-6森】
【レカ】
状態:全身に打撲
装備:日本刀
持物:基本支給品一式
現状:殺し合いに乗り、優勝を目指す
備考:大木弓那とコンゼノアの容姿のみ記憶

173 :No Logic ◆ymCx/I3enU :2015/07/21(火) 00:06:42.44 ID:F0Mxiw8Z
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《キャラ紹介》
【大木弓那】
読み:おおき ゆみな
年齢:17
性別:女
種族:人間
特徴:黒髪、セミロングの美少女。学校制服のブレザー姿
職業:高校生
備考:黒牙と言う、人狼型の魔獣を使い魔にしている。使い魔と言うより弟であり家族であり玩具であり、肉体関係も有る。
黒牙と契約してから、テレパシー等色々使えるようになった(本ロワ内では封印されている模様)。
マイペースかつ、少しSっ気が有る性格。でも基本的に優しい。契約した詳しい経緯は不明

【コンゼノア】
年齢:不明(外見は10代後半位)
性別:女
種族:兎獣人型悪魔
特徴:灰色の兎に似た獣人型悪魔。黒い露出の多い格好をしている。巨乳
職業:悪魔
備考:悪魔にしては気弱で臆病な性格。男複数人に呼び寄せられ輪姦され奴隷にされた事も有る(何とか脱出)。
それなりに強力な魔法も使えるのだが本ロワでは悉く封印か弱体化されておりただのエロい格好の兎状態

【レカ】
年齢:19
性別:女
種族:半竜族
特徴:青い髪に竜の角と翼、尻尾。両手足の肘、膝から先が竜の物。胸と秘部はビキニのような白い布で隠している
職業:犯罪組織構成員
備考:美貌とは裏腹に攻撃的かつ自己中心的な性格。
犯罪組織ギルドに所属しており、略奪、暴行、殺人等多様な悪事を働いている。
ロワ参加者の一人、ウォラゴは同じ組織所属の知人。但し仲が良い訳では無い

《支給品紹介》
【特殊警棒】
支給者:大木弓那
分類:鈍器
説明:伸縮式の金属製の警棒。見た目に寄らず強度が有る。

【IMIミニウージー】
支給者:コンゼノア
分類:銃火器
説明:イスラエルのIMI社が1951年に開発した短機関銃、ウージーの小型版。
携帯性が増しているがマズルジャンプが強くなった。9mmパラべラム弾使用。

【日本刀】
支給者:レカ
分類:刃物
説明:切れ味の良い無銘の打刀。
----

174 : ◆ymCx/I3enU :2015/07/21(火) 00:08:30.68 ID:F0Mxiw8Z
投下終了です。

175 : ◆84AHk0CknU :2015/07/21(火) 03:56:10.08 ID:jtg4t+mQ
投下乙です

【ユウウツ】
ちょっと特殊な性癖の奴が多過ぎやしませんかね…(震え声)

【No Logic】
犯罪組織の一員が女子高生にシバかれてレカ姉貴は恥ずかしくないの?(嘲笑)

では自分も投下します

176 : ◆84AHk0CknU :2015/07/21(火) 03:57:10.56 ID:jtg4t+mQ
ボルガ博士、お許しください!

177 : ◆84AHk0CknU :2015/07/21(火) 03:59:51.86 ID:jtg4t+mQ
ボルガ博士、お許しください!





深夜の山下公園。そこで白衣の老人、ボルガ博士は怒りを燃やしていた。
怒りを向ける相手は自分を殺し合いに呼んだロン毛――ではなくとある少年と宇宙人である。
ここに来る前ボルガ博士はとある宇宙人改めジュラル星人の手で人間爆弾へと改造された。
彼らの目的は各国の科学者が集うレセプションの場でボルガ博士を爆発させることであり、後一歩の所で目的は達成される筈だった。
しかしその直前博士はチャージマン研によりレセプション会場から連れ出され、ジュラルの宇宙船へ排出、その衝撃で爆死という最期を迎えた。
と、こう書けば研の取った行動は仕方が無いもののように見えるが、真実は少し違う。

「許さんぞチャージマン研…。貴様がワシを見殺しにしたことはな…!」

博士が人間に化けたジュラル星人に連れ去られる瞬間を研は目撃していた。
にも関わらず救出に向かう所か、映画を観てそのまま帰宅。呑気にテレビを眺めていたのである。
このキチガイ行動には温厚なボルガ博士も腸が煮えくり返っていた。
故に彼は決意した。必ずやチャージマン研に相応の報いを受けさせることを。


――尤もそれは叶わないのだが。


「むっ!?こ、これは」

まずは他の参加者を探そうと歩き出した瞬間急に動きを止めた博士。
いや、止めたのではなく体が勝手に止まったのだ。
身動きができず困惑する彼の耳に乾いた発砲音が響く。同時に胸の辺りが急に熱くなった。

「ガッ!アァ…」

ようやく動けるようになったのも束の間、地面に崩れ落ちてしまう。
焼けるような胸の痛みに悶えながら自分の死が近づいているのを本能的に感じる。

178 : ◆84AHk0CknU :2015/07/21(火) 04:01:12.53 ID:jtg4t+mQ
(ワシは、いったい、なんの為に……)

変な宇宙人に改造され、キチガイヒーローに見捨てられ、生き返ったと思えば直ぐに殺される。
いくら何でもこの仕打ちはあんまりではないか。いったい自分は何の為に生きてきたのか。
己の不幸を嘆くもどうやら不幸はまだ続くらしい。
背中にポンッと何かが当たる感触がした。残念ながらそれが何かを考える暇は無かった。
なぜなら彼の上半身はかつて人間爆弾となった時のように吹き飛んでしまったのだから

【ボルガ博士@チャージマン研! 死亡確認】

179 : ◆84AHk0CknU :2015/07/21(火) 04:02:15.91 ID:jtg4t+mQ
目覚めよ。実験体C.C.-102





全てが偽りだった。
ルルーシュの双子の弟にしてエデンバイタル教団の異端審問官ロロ・ヴィ・ブリタニア。
そんなものは最初から存在しなかった。
あったのは偽の記憶を植えつけられた哀れな皇帝のお人形。
己が抱く憎悪も、悲しみも、野望も全てが他者の手で造られたもの。

「ふざけるな」

憎い。
何もかもが憎い。目に見える全てが忌々しい。
俺はロロ・ヴィ・ブリタニア。魔王となるべくして生まれた男だ。
魔王ゼロ、自分の正体を知りつつも陰で嘲笑っていたアーニャ、ユーフェミアの騎士である枢木スザク、その他有象無象の参加者どもとあのロン毛男。
その全てを殺し力を奪い取る。それが済んだら皇帝もナナリーもアリスも教団の連中も皆殺しだ。

「まずはゼロ、貴様の力を頂くぞ」

足元に倒れている老人。彼を殺す際「ジ・アイス」のギアスで動きを止めた。
しかしどういうわけか止めている間疲労が身体に蓄積していた。ロン毛が何か細工をしたのだろうか。
いずれにせよ自分の能力だけでは限界がある。(認めたくはないが)
まずはゼロを殺し魔王の力を手に入れる。その過程で参加者から武器を奪い戦力を整える。
自分の支給品は銃と触れた物を爆発させるステッキ、そしてビデオカメラの三つ。カメラはともかく銃とステッキは当たりだ。
不老不死であるゼロの力が手に入ればこの首輪もどうにかできるだろう。
そしてアーニャ。あの小娘はただでは殺さん。時間をかけて嬲り殺しにしてやらねば気が済まない。

「待っていろ、貴様らの全てを奪い取ってやる」

世界の全てに憎悪を抱き哀れな人形は歩き出す。今しがた殺した老人のことなど一切気に留めてはいなかった。


【ロロ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
[状態]:疲労(小)
[装備]:ダッチのリボルバー(5/6、予備弾×24)@BLACK LAGOON、エクスプロド・Mのステッキ@魔法少女オブ・ジ・エンド
[道具]:共通支給品一式×2、ビデオカメラ@真夏の夜の淫夢、不明支給品1〜3(ボルガ博士)
[思考]
基本:魔王となり全てを殺す
1:ゼロを殺し力を手に入れる
2:参加者を殺し武器を奪う
3:アーニャは嬲り殺しにしてやらねば気が済まん
4:ギアスの不調をどうにかしたい
[備考]
※参戦時期は自身の出生の真実を知った直後
※ジ・アイス使用時の疲労増加
※ヴィンセント召喚可能時間10分。最召喚には3時間のインターバル必要

180 :こんなもののために生まれたんじゃない ◆84AHk0CknU :2015/07/21(火) 04:06:21.35 ID:jtg4t+mQ
私たちは永遠なのさ
そう、永遠なのよ





ロロが去り、上半身が吹き飛んだボルガ博士の死体が無残に投げ捨てられているだけの公園。
そこへ一人の少女が訪れた。彼女は血に沈むボルガ博士の下半身を見つけると、恐れることなく近づいた。

「あら、災難だったわね」

ニッコリと微笑みながら告げる銀髪の少女。
彼女の名はグレーテル。
かつて双子の兄と共にとある港湾都市で虐殺騒ぎを起こした危険極まる殺し屋だ。
彼女にとってはこの殺し合いは何時もと同じ遊びでしかなく、博士の死体も見慣れた所か見飽きたものだ。
これよりもっと酷いモノは幾つも見てきたし、自分達で作ったりもした。

「それにしても早速楽しんでる人が居るのね。私も早く混ざりたいわ」

この下半身のみの死体を生んだ加害者へ、そしてまだ見ぬ他の参加者との遊びへと想いを馳せるグレーテル。
両手に持った銃を意識しながら恍惚と笑うその顔はまるで天使のようだった。


【グレーテル@BLACK LAGOON】
[状態]:健康
[装備]:織田信長のショットガン(8/8、予備弾×80)@戦国BASARA
[道具]:共通支給品一式、不明支給品×1(武器ではない)
[思考]
基本:何時もどおりに遊ぶ
1:兄さまを探し一緒に遊ぶ
[備考]
※参戦時期は死亡以前のどこか

181 : ◆84AHk0CknU :2015/07/21(火) 04:08:28.43 ID:jtg4t+mQ
投下終了です

182 : ◆ymCx/I3enU :2015/07/26(日) 23:03:56.34 ID:n20FFSz0
投下乙です

復活したのに大した活躍も無く退場したボルガ博士に(涙が)出、出ますよ…
自分も投下します

183 :欠落オートメーション ◆ymCx/I3enU :2015/07/26(日) 23:04:34.68 ID:n20FFSz0
6話 欠落オートメーション

森の中にひっそりと佇む孤児院。その二階寝室にて、黒と赤の人狼型魔獣、黒牙はゲームをスタートさせる。

「弓那を捜さなきゃ(使命感)」

そして自身のマスター兼姉的存在兼ご主人様である人間の少女、大木弓那の捜索を最優先事項に定めた。
その次に、殺し合いに乗っていない参加者の捜索である。

「つっても弓那どこに居るんだろう」

地図を広げる黒牙。ゲームの会場は中々広い。
広大な会場の中、どこに転移させられたかも見当付かない弓那を捜し出すのは大変だ。
いつも使っているテレパシー能力なら、場所の特定も容易になるであろうが、このゲームが始まってからと言う物、
他の幾つかの特殊能力同様に使えなくなってしまっていた。

「自力で捜すしか無いな。しかしだ……何だ、オレの支給品、これ」

黒牙は自分の支給品に首を傾げた。
古びたビデオテープが五個。全てテープに白いカビが生えてしまっている。
ラベルの類は貼られておらず、何か録画されているのか、未使用なのかは分からなかったが、
何にせよビデオデッキに突っ込むのは憚られる代物。
いやそれよりも何よりも、殺し合いの支給品としてどうしてこんなゴミみたいな物が渡されたのか。

「こんなんじゃ武器になんないよ〜……武器の調達も急務だな」

デイパックの中にビデオテープと地図を押し込み、黒牙は孤児院内の探索を始める。

◆◆◆

道具屋兼薬屋を経営する白猫獣人の男、イライアス・ウィズダムは孤児院一階の集会室にて溜息をついた。
殺し合いに巻き込まれどうするべきか思案していた。

「どうするも、こうするも無いか……」

行動指針はすぐに決定した。
自分の支給品である薪割り用の斧を右手に殺し合いに乗る事を決意する。
このゲームには彼の経営する店の常連客も一人居たが、それに構うつもりは無いようだった。

「!」

物音が聞こえハッとするイライアス。
階段を下りてくる音。この孤児院には自分以外にも参加者が居たらしい。
階段下に隠れて足音の主が現れるのを待ち構える。現れた所を一気に襲うつもりだった。
果たして姿を現したのは、黒と赤の人狼。
イライアスはその頭部目掛けて、一気に斧を振り下ろした。

パシッ

だが、その斧はあっさり人狼の右手によって受け止められてしまう。

「あ……」
「誰? いきなり何すんの」

人狼は無表情で、イライアスに向かって誰何する。
無表情ではあったが、いきなり襲い掛かってきたイライアスに対する怒りが滲んでいた。

184 :欠落オートメーション ◆ymCx/I3enU :2015/07/26(日) 23:05:07.07 ID:n20FFSz0
「聞いてんのかよ」
「うわ!?」

質問に答えず斧を人狼の手から奪い返そうとしていたイライアスに業を煮やしたのか、
斧を掴む右手を思い切り振って人狼はイライアスを床に倒す。
そしてその腹を、踏み潰さない程度にではあるが力を込めて踏み付けた。

「げぇっ!?」
「誰なのか何すんのかって聞いてんだよオレは」
「げほっ! げほっ! ま、待って……待って」

咳き込みながら訴えるイライアス。腹を踏まれた事による苦しみで質問に答える余裕が無い。
それを知ってか知らずか、人狼は尚もイライアスに名前を尋ねる。

「なーまーえーはー?」
「い、イライアス……」
「ふーん……何でオレを襲ったのかな?」
「あ……えーと」

何故と聞かれれば「殺し合いに乗っていたから」としか答えようが無い。
恐怖で錯乱していたなどと言う言い訳は通じないだろう。
自分の蒔いた種ではあるが「詰み」の状態と言っても過言では無かった。
答えに逡巡している内人狼が勝手に代弁してしまう。

「乗ってるんだろ? 殺し合いにさ。
怖くておかしくなってるってカンジでも無さそうだしさぁ」
「……っ」
「おい」
「……そう……です……で、でも、間違ってました! ごめんなさ、い、許して下さい……!」

白状した上で謝罪するイライアス。
正直に罪を認めてしまえばまだ見逃して貰える可能性が有ると踏んだのだ。
普通に考えて自分から襲ったにも関わらず、身勝手にも程の有る思考だがそのような結論に至ってしまう程今の彼には余裕が無かった。
先述したように「自分の蒔いた種」だったが。

「何でも、何でもしますから、命だけは」
「ん? 今何でもするって言ったよね?」

そして余裕の無い心はイライアスに余計な一言を言わせてしまう。

「え? あ、ハイ」
「……じゃあオマエの持ってる斧、チョーダイ」
「えっ、それは」

イライアスの持つ斧を要求してきた人狼。
自分の現時点での唯一の武装を欲しいと言う申し出にイライアスは困惑する。
それを察したのか、人狼がイライアスを踏み付ける足に力を込めた。

「ぎゃああ!?」
「何でもするって言ったのにしないってのはおかしいだろそれよぉ」
「差し上げます! 差し上げますぅ!!」

泣きながらイライアスは要求を呑んだ。

185 :欠落オートメーション ◆ymCx/I3enU :2015/07/26(日) 23:05:35.62 ID:n20FFSz0
「こ、これで、見逃して貰えるんですよね?」
「……」

無言で、人狼はイライアスの腹から足をどける。
息苦しさから解放され安堵するイライアス。

しかし、どう言う訳か、人狼はイライアスの首に腕を組み付かせてきた。
直後、ボキッ、と言う鈍い音が響く。
イライアスの首の骨が粉砕された音。

(え――――なん――――で――――)

イライアスは自分が「殺害」された事に、意識が消えるその瞬間まで最後まで疑問を抱き続けていた。

彼は先程の人狼――黒牙が出した要求を飲めば助命してくれると思っていたが、それはあくまで、
イライアスの勝手な思い込みによる物だった。
黒牙自身は「斧をくれれば助けてやる」とは一言も言っていなかった。

◆◆◆

「何が『助けてくれるんですよね?』だよ、ばーか。
オレがいつ、そんな事言ったんだよ。勘違いしてんじゃねーよ」

口と鼻から血の泡を流し、首が有り得ない方向に曲がり、
筋肉が弛緩して失禁をしている無残な死体となったイライアスに向かって黒牙は罵倒を吐きかける。
彼にとってみれば、自分を襲った時点で排除の対象であり助ける気など毛頭無かったのに勝手に勘違いをされて不服であった。
黒牙は殺し合いに乗る気こそ無かったものの、襲いかかってくる者、危険人物と判断した者は容赦無く排除するつもりで居た。
多少は吟味もするが、基本的にその方針で行くつもりである。

「斧貰うよ」

イライアスの斧を入手し、本格的にゴミとしか思えないビデオテープ達を捨てようとして、黒牙は思い止まる。

「うーん、どうしようかなこれ……」

特に根拠は無いのだがビデオテープはまだ残しておいた方が良い気がした。
ビデオデッキの被害を度外視すれば視聴出来なくは無いだろう。

「残そう」

結局、ビデオテープはまだ持っている事にした。
但し、まず優先すべきは弓那や殺し合いに乗っていない者の捜索。
視聴を試すのは後回し――――黒牙は一先ずそう結論付けた。


【イライアス・ウィズダム  死亡】
【残り50人】

186 :欠落オートメーション ◆ymCx/I3enU :2015/07/26(日) 23:06:19.61 ID:n20FFSz0
【明朝/B-3森の中の孤児院】
【黒牙】
状態:健康
装備:薪割り斧
持物:基本支給品一式、古びたビデオテープ(5)
現状:殺し合いには乗らないが襲い掛かってきた者や危険と判断した者は排除する。
弓那や殺し合いに乗っていない者の捜索。ビデオテープの内容を確認したい
備考:特に無し


----
《キャラ紹介》
【黒牙】
読み:こくが
年齢:外見及び精神年齢20代
性別:♂
種族:魔獣
特徴:人狼型の魔獣。赤と黒の毛皮で獣足のワーウルフの外見。四足形態や普通の獣人形態にもなれる。半ズボン着用
職業:使い魔
備考:ひょんな事から人間の女子高生、大木弓那の使い魔となる。
基本的に温厚かつやや天然であるが、敵と判断した者には残酷かつ冷徹な面を見せる。
魔獣だけあり様々な特殊能力(弓那とのテレパシー等)が使えるが本ロワでは封印或いは弱体化されている物が多い。
元々の身体能力、戦闘力が高い為素手でも戦える、が、身体が血で汚れる為武器を使い方が好きらしい。
弓那と肉体関係を持っている。擬似体液の為、避妊の必要は無いとか

【イライアス・ウィズダム】
年齢:25
性別:男
種族:猫獣人
特徴:白い毛皮の猫獣人。中肉中背。着古したジャケットを羽織る形の普段着姿
職業:道具屋兼薬屋
備考:ファンタジー風世界において道具屋兼薬屋「ウィズダム商店」を経営している青年。
表向きは回復系や補助系等普通の店だが、裏では強力な催淫薬や増精薬等を処方しておりその手の常連の方が多い。
性格は温和ではあるが自分の事を最優先させる。他人を心からは信用しない。だが窮地に陥ると相手に媚びる傾向が有る。
本ロワの参加者の一人、シャーガは彼の店の常連


《支給品紹介》
【古びたビデオテープ】
支給者:黒牙
分類:その他
説明:かなり経年感の有るビデオテープ。テープには白いカビが生えており視聴出来るかどうか怪しい。
ラベルも無く、何か録画されているのかどうかも分からない。五本有る。

【薪割り斧】
支給者:イライアス・ウィズダム
分類:鈍器
説明:薪を割るのに使う中型の斧。恐らく首を飛ばすのには使えない。
一応刃は有るが切る事に特化してはいないので鈍器とする。
----

187 : ◆ymCx/I3enU :2015/07/26(日) 23:06:55.37 ID:n20FFSz0
投下終了です。

188 : ◆84AHk0CknU :2015/07/27(月) 02:25:16.40 ID:tSY7MZ3G
投下乙です
道具屋が魔獣に挑むとか無謀すぎるんだよなぁ…(呆れ)
テープの中身は重要なものなのかどうか気になる

では自分も投下します

189 :その 名 は ひで ◆84AHk0CknU :2015/07/27(月) 02:29:22.95 ID:tSY7MZ3G
「うぅん…、あぁ……」

豪華な装飾が施されたベッドでクッソデカい体操着の少年(と言えるか微妙だが)――ひでがが目を覚ます。
目を擦りながら周囲を見回すとそこが自分の知っている場所では無いことにひでは気付く。

「あれぇ?ここどこだぁ?」

首を捻り現状に疑問の声を漏らす。
確か自分は宿題をやるために少々急ぎ足で帰宅していた筈だ。
それが何故こんな知らない部屋のベッドで眠っていたのだろうか。
ふと思い出す。そういえばガレージのある家の前を通りかかった時、誰かに襲われたような気がした。
ひょっとしてその何者かに連れて来られたのだろうか。

「ま、いいや」

しかしホモガキ特有の楽観的思考であっさりと興味を失くす。
待っていればそのうち何とかなるだろうという、危機感の欠片も無い事を考えながらベッドから立ち上がる。
その時足に何かが当たる感触がしたので足元を見てみると、デイバッグが一つ落ちている。
なんとなしにそれを開けてみると派手な服と仮面、それに大き目の銃とその予備マガジンが出てきた。

「ワーオ!」

妙にテンションの高い声を出すクソデカ小学生。
他にも地図やら名簿やらもバッグの中にあったがそれらには全く興味を示さず、銃と衣装を見つめている。
その目は親にプレゼントを貰った無垢なホモガキのように輝いている。
ひょっとしてこれは自分へのサプライズなのかもしれないとひでは思い始めた。
普段から良い子にしている自分へのプレゼントを誰か優しい人が用意してくれた、きっとそうだ。

「僕ってとってもいいこだからな〜。ヤダハズカシイデスー」

冗談はよしてくれ(タメ口)
完全にサプライズだと思い込んだひでは早速衣装を着てみる。
体操着を脱ぎ、体格の良い裸体の上から衣装を身に付け仮面を被る。
それから銃を持ち鏡の前でポーズを取る。気分はスーパーヒーローだ。

ドンッ!

その時、ひでの後ろにあるドアが乱暴に開いた。
音に気付きひでが振り返ると、そこには前髪をアフロにした男が銃を向けていた。

190 :その 名 は ひで ◆84AHk0CknU :2015/07/27(月) 02:30:25.51 ID:tSY7MZ3G



男――扇要は憎悪の感情に支配されていた。
最初は突然の殺し合いに困惑していたが、名簿を確認しある名を発見した時、その顔は怒りに歪んだ。
ゼロ。自分たち『黒の騎士団』のリーダーであり、反ブリタニアを掲げる英雄。
だがその正体はギアスという悪魔の力で自分達を操ってきた悪魔、ブリタニア皇族のルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ。

「ゼロっ!お前だけはっ!許さない!!」

ブラックリベリオンの時に戦死した同胞や危機に陥った千草の事を考えると更にゼロへの怒りが沸く。
四番倉庫での粛清からは逃げられたが、今度はそうはいかない。
必ずこの手で引導を渡してやる。
幸いに自分の支給品にはサングラスが入ってあった。これならばゼロのギアスも防ぐことができる
そう決意し歩き出すこと数十分。ガレージのある家から物音が聞こえた。
支給された銃を構えながら慎重に家の中に入っていく。
ゆっくりと中に入ると奥の方から声が聞こえる。物音を立てないように近づきそっと様子を窺う。
だが部屋のなかに居た人物を目にした瞬間、扉を蹴破り銃を突きつける。

「覚悟しろ!ゼロォォォォ!!」
「ヒィエ!?」


【ひで@真夏の夜の淫夢】
[状態]:健康
[装備]:ゼロの衣装@コードギアス 反逆のルルーシュ、グレーテルのBAR(20/20)@BLACK LAGOON
[道具]:共通支給品一式、予備マガジン×5
[思考]
基本:?????
0:何だこのオッサン!?(驚愕)
[備考]
※虐待おじさんに拉致された所からの参戦です
※ここが殺し合いの場であることを全く理解していません

【扇要@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:健康、激しい怒り
[装備]:デザートイーグル(7/7)@現実、KBTITのサングラス@真夏の夜の淫夢
[道具]:共通支給品一式、予備マガジン×7
[思考]
基本:殺し合いには乗らない
0:ゼロを殺す
1:誰か殺し合いに反対する者を探す
2:枢木スザクを警戒
[備考]
※R2第19話終了後からの参戦
※名簿のゼロを「反逆」世界のゼロと思っています
※ひでをゼロ(ルルーシュ)と勘違いしています

191 : ◆84AHk0CknU :2015/07/27(月) 02:32:41.06 ID:tSY7MZ3G
投下終了です
もっと文章上手くなりて〜な〜俺もな〜

192 : ◆84AHk0CknU :2015/07/31(金) 01:54:24.05 ID:b/uh6Pr1
投下します

193 :BLACK ACTION ◆84AHk0CknU :2015/07/31(金) 01:56:13.50 ID:b/uh6Pr1
暗い夜道に少女は一人立っていた。

確か自分は自宅で姉妹たちと共に夕飯を取っていたはず。なのにどうしてこんな所に居るのだろうか。

突然の異常事態に困惑しつつ、ふと先程の光景が頭をよぎる。

見知らぬ部屋に自分と大勢の見知らぬ人々。よく見れば大切な家族と友人も居るではないか。

知った顔を見つけ安心しそちらに駆け寄ろうとした時、妙な雰囲気を纏った男が現れ殺し合いを命じてきた。

この人は何を言ってるんだろう、と訝しげに思っていたら突如ボンッ!という音と共に前に居た若い男の首が吹き飛んだ。

呆然としながら体を離れゴロゴロと転がる“ソレ”と目が合った時、嫌な汗が流れる。

ロン毛の男が何かを言っていたが、全く頭には入らず、そうして気が付けばここに放り出されていた。

顔を青くしながら右手で首をなぞると、冷たい金属の感触がした。

途端に恐怖で足がガクガクと震えだす。


怖い、いやだ、死にたくない、殺し合いなんてしたくない、家族や友達に会いたい。


ふと自分の居る場所が道路のど真ん中だと思い出す。

こんな所に突っ立っていては目立つ。それこそ殺し合いを平然と行うような危険人物にでも見られたら…

慌てて周囲を見渡すと一軒のガソリンスタンドが見つかった。

震える足を無理やり引き摺ってそこに辿り着くと、急いで中に入る。

それを見ている者が居るとは気付かずに…

194 :BLACK ACTION ◆84AHk0CknU :2015/07/31(金) 01:57:37.72 ID:b/uh6Pr1



街頭のみが照らす薄暗い道路をゼロはバイクで走り抜ける。
目指す場所は地図中央にある市街地。
マントをなびかせバイクを操る姿はまるでコミックブックから飛び出したヒーローのようだ。
支給品の一つであるこのバイク、ハードボイルダーという名で紫と緑の奇妙な配色がなされている。
園咲邸を出た時玄関前に置いてあるのを発見し、デイバッグに入っていた鍵を試しに挿したところエンジンが掛かった。

(中々便利なものだな)

ゼロ=ルルーシュには乗馬はまだしもバイクの操縦をした事は一度も無い。
学生時代のバイクの運転はリヴァルの役目で、ルルーシュはサイドカーでのんびりしているのが常だった。
そのため折角の移動手段も宝の持ち腐れだと思われるかもしれないが、全く問題ない。
ゼロの超人的な身体能力ならば多少強引にだがハードボイルダーを乗りこなす事も十分可能なのだ。

(このまま一気に中心部まで…ん?)

丁度ガソリンスタンドの近くに差し掛かった時、魔王の視覚が微かな人影を捉える。
影が見えたのは一瞬だが見間違えなどではない。確かに人影が待合室の奥へと移動しているのが見えた。

「寄ってみるか」

瞬時にそう判断すると進む方向を変える。
ガソリンスタンドに入ると給油機の所でハードボイルダーを止める。
相手がゲームに乗っていないならばそれで良し。乗っているのならば排除する。
どちらにせよ他の参加者との情報交換は必須だ。積極的に接触を図るべきだろう。
そう考えつつゼロは待合室への扉を開けた。


…………


中に入るとゼロは室内をぐるりと見回す。
待合室はそこそこ広く内装も小奇麗なもので売店もある。
奥には左右に扉が一つずつあり、天井から垂れ下がってるプレートを見ると右は男女共同トイレで左が事務室らしい。
待合室は透明ガラスなので外から丸見えだ。幾ら何でも殺し合いの最中にそんな場所で呑気に居座る奴は居ないだろう。

(ふむ、ならばこっちだな)

左にある事務室のドアに手をかける。
トイレのような身動きの取り辛い狭い空間にわざわざ入りはしないだろう。
ゼロは事務室の扉を開けると、ゆっくりと足を踏み入れた。

ガタッ

事務室に入ると同時に小さな物音をゼロの鼓膜が捉えた。
音の発生源は左奥にあるデスクの下からのようだ。ゼロはそちらに目を向け声を掛ける。

195 :BLACK ACTION ◆84AHk0CknU :2015/07/31(金) 02:03:25.42 ID:b/uh6Pr1
「先に言っておくが私に殺し合いをする気は無い。無論、襲われれば対処するがな」

言いながら一歩近づくと息を呑むのが聞こえた。

「そちらがゲームに反対する者ならば話がしたい。出てきてはくれないか?」

エデンバイタルの魔王たる自分がこんな穏便な方法を取るとはな、と我ながらどこか可笑しく思った。
だがこの場で余計な荒事を起こすのは得策ではないと理解しているし、不必要ないざこざは避けるに限る。

「もしまだ信用できないのなら私のデイバッグをそちらに投げよう。それで戦意が無いことの証明にならないか?」

デイバッグをデスクの方へと放り投げるとそのまま黙って相手の出方を見る。
これでも信用できないなら仕方ないが当初の予定通り市街地に向かう。時間を無駄にはできない
もし向こうがバッグを奪い襲ってきても余裕で撃退できる自身がゼロにはあった。

「…本当に、殺し合いには乗っていないんですか?」

向こうからの問いかけ、声からすると少女のようだ。

「ああそうだ。」

デスクの下から感じる息遣いなどから少女はまだ迷っているのだろうことが理解できた。
だが意を決したように息を吐く音が聞こえると、デスクの下からゆっくりと立ち上がる姿が見えた。

白のミニドレスに白薔薇の髪飾り、更に右目にも白薔薇の眼帯を着けた白い肌の美少女が姿を見せる。
どことなく儚げな雰囲気のある白い少女。そんな第一印象をゼロは抱いた。
少女は不安気な表情をしていたが、こちらの姿を見ると一変してキョトンとした顔をする。

「…コスプレ、ですか……?」
「違う、間違っているぞ」

思わず素で答えてしまった。






「私はゼロ。さっきも言ったがこのくだらんゲームには乗っていない」
「えっと…雪華綺晶と言います。私も…殺し合いなんてする気はない、です」

椅子に腰掛け向き合いながら自己紹介をするゼロと少女―――雪華綺晶。
雪華綺晶としては黒い装甲服とボディスーツ、マントに仮面というゼロの格好が気になったのだが、当の本人が「気にするな」の一言で済ましたので、余り深く考えないことにした。
もっともゼロからすれば雪華綺晶の格好も少々変わっているように思えたが。
その後は互いの知り合いの話となった。
雪華綺晶によると、姉の水銀燈と上の学年でで幼い頃からの友だちであるやる夫。
この2名は信頼できるし、殺し合いなどには絶対に乗らないとのこと。
逆に伊藤誠は面識は無いが女癖が酷いなど悪い噂が絶えない男子生徒だという。
最初の部屋に居たロン毛男と殺された青年については知らないらしい。
ゼロの方はスザクと扇が信用できる人物だと伝えたが、ロロに関しては今のところ不確定要素が多いので告げずに居た。

「ふむ…」

情報を交換し終えるとゼロは腕を組み暫し思案する。

196 :BLACK ACTION ◆84AHk0CknU :2015/07/31(金) 02:06:06.75 ID:b/uh6Pr1
(思った以上に面倒な事態となっているようだな)

自己紹介の際に聞いたが雪華綺晶は日本の学生だと言う。
それ自体は別段気にすることではない。問題は彼女が自分を全く知らない素振りであったことである。
ゼロはかつて反ブリタニア組織、黒の騎士団を率いて“弱者を虐げる暴力”への反逆を行っていた。
日本解放戦線によるホテルジャックでの人質救出を皮切りに、黒の騎士団は次々と法では裁けない悪を断罪してきた。
当然その出来事は連日のようにニュースで報道され、国を問わず黒の騎士団とゼロの名を知らない者は居ない程の知名度となった。
にも関わらずこの白い少女はゼロを、変わった服装の男の人くらいにしか認識していない。
余程の田舎出身の人間かとも思ったが、話によると都会の学生だと分かったのでそれも違うようだ。

(加えてブリタニアも知らない。いや、そもそも彼女の認識ではそんな国自体存在しない、か)

世界の三分の一を支配下に置く超大国、それが神聖ブリタニア帝国。
かつての極東事変により日本もその配下に治められ、エリア11というブリタニアの属領としての名を与えられるなど屈辱的な扱いを長年に渡り受けてきた。
現在では新皇帝ユーフェミアにより各エリアは解放されたが、それでも日本人との間には未だ溝が残っているだろう。
先程試しに自分はブリタニア出身だと言ってみたが、雪華綺晶からは外国の方でしょうかといった反応しかなかった。
ゼロという存在以上に知らないなど有り得ない事なのだが、彼女が嘘を言っているとは思えなかったし、嘘を付く理由も無い。
これは一体どういうことなのか。ゼロは一つの答えを導き出す。

(パラレルワールド…)

天獄門(ヘブンズドア)に触れたナナリーが見たという無限の可能性宇宙。
そして自身も魔王を受け継いだ時よりエデンバイタルを通して知った異なる世界。
そう考えれば雪華綺晶とゼロ、お互いの常識がまるで違うのもそれぞれが別の世界の住人だからだろう。
ここに来て最初に名簿を見た時のロロに対しての疑問も、彼が自分とは違う世界――或いは時間――から連れて来られたと考えれば納得がいく。

そして改めてこの悪趣味なゲームを開催したロン毛男に疑問を抱く。
50人以上の人間を突如まとめて拉致している。その中にはゼロのように特殊な力を持ったものが居るであろうにも関わらずだ。
さらに並行世界や時間にまで干渉する能力又は技術を手にしているであろうあのロン毛。
ギアスユーザーか、別世界の異能者か、はたまた神や悪魔の類か。
その正体は不明だが自然と警戒心が上がっていく。

「あの、どうかしましたか…?」

と、声のした方へ視線をやると雪華綺晶が心配そうにゼロを見ていた。
どうやらこちらが一言呟いて急に黙り込んだので不安になったらしい。
何でもない大丈夫だ、と言い雪華綺晶の方へ視線を移す。
答えが見つからないのならば今あの男の事をあれこれ考えても無駄と思い、思考を打ち切る。

「そういえば、支給品は何が渡されているかはもう確認したか?」
「え、あっ」

慌ててバッグの中に手を入れる雪華綺晶。

「ご、ごめんなさい。私、まだ…」
「別に謝る必要は無い。今落ち着いて確認すればいいことだ」

怯えて隠れていたことや話の内容からしても雪華綺晶が争いとは無縁の一般人であることはすでに分かっている。
突然巻き込まれた殺し合いという異常な状況で、冷静に行動しろと言うのは酷な話だろう。
そうして雪華綺晶がバッグから取り出した物は二つ。
忍者が使うような10本セットのクナイと裏にダイヤルとスピーカーが付いた蝶ネクタイ。
付属していた説明書を読むと後者は蝶ネクタイ型変声機という名で、声色を自在に模倣できるアイテムらしい。
中々面白い代物だが殺し合いの場では特に必要は無い。

「雪華綺晶。このクナイを私の支給された銃と交換しないか?」
「え…?」
「なに、そう深い意味は無い。ただクナイよりは銃の方が扱い易いと思ってな」

197 :BLACK ACTION ◆84AHk0CknU :2015/07/31(金) 02:11:30.93 ID:b/uh6Pr1
当然ながら雪華綺晶は銃など使ったことは一度も無い。
ただそれでもクナイよりは強力な武器だろうことは確かだ。

「でも、いいんですか?」
「構わん。私もあまり銃は得意ではないのでな」

ゼロの戦闘スタイルは己の肉体とマント、ギアスを武器にした肉弾戦である。
何度か拳銃を使ったこともあるが、無ければ無いで困るものでもない。
ならば自衛の手段として一般人である雪華綺晶に譲っても特に問題はないだろう。
それにゼロの腕力ならば投擲したクナイで銃弾並の威力を出すことができる。
雪華綺晶は暫し逡巡していたが、やがて差し出された銃と弾薬をありがとうございますと礼を言い受け取るとクナイを手渡す。
互いの情報を粗方整理し終えると、突然ゼロがスッと立ち上がる。

「さて。では雪華綺晶」
「…?何でしょうか?」

何だろうかと思い自分も立ち上がろうと腰を浮かばせようとした時


「下がっていろ」


バァン!!


事務室の扉が轟音と共に吹き飛ばされた。





暗い夜道に男は一人立っていた。

とある大学で空手部の師範代を勤めている自分は、今日も部員に指導をする為部室に向かっていた。

それが何時の間にかおかしな所に居て、これまたおかしな男に殺し合いをしろと言われた。

男のふざけた言動に苛立ち一発殴ってやろうとした瞬間、知り合いの首が吹っ飛んだ。

その知人は教え子の恋人だった男だ。彼とは数回話した程度の間柄だが、こんな訳の分からない場で死んでいいような奴ではなかった。

そしてそれはここに連れて来られた三人の教え子達も同様だ。お調子者だったり、不真面目な所もあるが皆良いやつらばかりだ。

こんなふざけた事をしでかしたあのロン毛に怒りが湧くと同時に、どうすれば教え子たちを救えるか考えた。

己が直々に鍛えたのだ。そう簡単にくたばりはしないだろうが、集められた参加者の中には明らかに堅気では無い輩も混じっていた。

そんな連中に襲われればいくらあいつらでも危険だ。


どうすればいい?いったいどうすれば……

198 :BLACK ACTION ◆84AHk0CknU :2015/07/31(金) 02:18:41.06 ID:b/uh6Pr1
そのままじっと考え込み数分が経過した頃、男は覚悟を決めた。

教え子たちのために己の拳を血で染める覚悟を。

今の自分を彼等が見たら大いに失望するだろう。だが構わない。大切なものを守るためになら鬼にも悪魔にもなってやる。

支給品の手甲を装備しどこへ行こうかと思案した時、バイクのエンジン音が聞こえた。

音のした方へ近づくと一軒のガソリンスタンドが在り、バイクが止めてあるのを発見した。

修羅と化した男――AKYSは拳を強く握り締めると、参加者を殺すべく店内へ入っていった…





一瞬何が起こったのか雪華綺晶は理解できなかった。
ゼロが下がれと言ったのとほぼ同時に事務室のドアが破壊され、胴着を着た長身の男が飛び込んで来た。
ハッとゼロの方を見ると、彼は胴着男の放ったであろう右拳を掌で受け止めていた。
ドアを吹き飛ばす胴着男も恐ろしいが、それを平然とガードするゼロも只者ではない。
両者そのまま睨み合っているが、ゼロが沈黙を破る。

「聞くまでもないだろうが、どうやらゲームに乗ったようだな」
「…ああ。恨みは無いがお前らには死んでもらうぜ」

言い終わるよりも早く胴着男ことAKYSが左手でゼロを殴りつける。
しかし当たる寸前、ゼロのマントが生き物のように動き、AKYSの腕を絡み取る。
抜け出そうとするAKYSを待合室の方へと放り投げるが、下に叩きつけられる直前右手で床を殴りつけ落下を防ぐ。

「あっ、あの」
「下がっていろと言っただろう。巻き込まれるぞ」

呼び止める雪華綺晶へ再度警告をしゼロはAKYSを追って事務室を飛び出す。
相手は既に構え直しており、こちらを見つけるや否や怒声と共に正拳突きを繰り出してくる。
ゼロは素早くそれを避け、蹴りを叩き込むが手甲で防がれる。

「チッ…。無駄な抵抗しやがって」
「それはこちらの台詞だ」

今度はAKYSがお返しとばかりに殴りかかるが、ゼロは自分の拳をぶつけて相殺。
互いに己の拳をぶつけ合い、ラッシュの応酬が繰り広げられる

「オルルァ!オルルァ!」
「フンッ…!」

お互い徐々に殴る速度を上げていき、その余波で待合室の自販機や椅子が破壊されていく。
互いに一歩も引かず拳を打ち付けあう。
しかしゼロの拳がAKYSの頬を掠めると、相手の動きが一瞬鈍る。
その隙を見逃さず、ゼロが渾身の一撃を叩き込む

199 :BLACK ACTION ◆84AHk0CknU :2015/07/31(金) 02:23:08.09 ID:b/uh6Pr1
「ぐっ、おォォ!!」

咄嗟に両腕でガードするAKYSだが、ガラスをぶち破り外へと吹き飛ばされる。
追い討ちを掛けるべく自身も外に出ようとするゼロだが、両手に鈍い痛みが走っているのに気付く。
AKYSと激しく拳をぶつけあったせいだろうか。
4メートルを超える起動兵器に蹴り飛ばされても無傷だった己が、これしきで傷を負ったという事実に首を傾げる。
何か体に細工をされたか、胴着の男が思った以上の実力者だったか、或いはその両方か。
だがこの程度の傷どうということはない。
両腕を軽く振り痛みを振り払うと、外へ出て敵を追う。
外へ出ると血が点々と落ちていた。あの男のものだろう。
血はガソリンスタンドを出て左側に続いている。その先を見るとAKYSがふらつきながらもゼロを睨み付けてくる。

「それ程の力を持ちながら、あんなふざけた男の言いなりか」
「……」

呆れたようなゼロの言葉に視線を更に鋭くするAKYS。
ゼロが一気に片をつけようと近付くとAKYSも応戦するべく走り寄り殴りかかる。
拳と手甲が音を立ててぶつかり合い、衝撃でアスファルトが砕け散る最中

『ゼロさん上です!逃げて!!』

雪華綺晶の声が響き、ゼロとAKYSは咄嗟に言われた通り上を見た。

「あれは…」

そこには見た事の無い怪物が宙に浮き、こちらに黒い光弾を放とうとしていた。





雪華綺晶はゼロに言われた通り事務室に隠れながら、間近で起こる戦闘を固唾を呑んで見守っていた。
ゼロも、襲ってきた胴着の男もまるで漫画のキャラクターのようにデタラメな動きで戦っている。
その現実離れした光景に夢でも見ているのだろうかと混乱するが、頭を振って意識を現実に戻す。
ふいに姉と友だちの事が頭に浮かんだ。
自分はゼロという殺し合いに反対する者と出会えた。だが彼らはどうだ?
水銀燈は運動神経抜群だがゼロ達のような動きは当然できないし、やる夫に至っては体育の成績は常に1という有様。
もしも二人が胴着男のような危険人物に襲われていたら?いや、ひょっとしたらもう既に…
脳裏に浮かんだ最悪の光景を必死に振り払おうとするも、一度想像してしまったらそう簡単には消えない。

(姉さん…やる夫さん…)

震えだす自分の体を両腕でキツく押さえつけ俯く。

ガッシャァァン!!

ガラスが割れる音がしたのでハッと顔を上げると、胴着男が外に殴り飛ばされたのが見えた。
男を追ってゼロが外へと飛び出したのを見て、自分も様子を見に行こうかと考えた時。

“ソレ”が目に入った

「なに、あれ…?」

赤い女性のようなモノが宙に浮いている。
上半身はドレスを着ているようにも見えるが、下半身は芋虫のような形で一番下から目玉が覗いている。
顔は下半分しかなく、上には触手のようなものが生えていた。
超人的な力を持つとはいえ見た目は人のそれと変わらないAKYSやゼロと違い、あちらは完全な怪物だ。
突如現れた異形に凍りつく雪華綺晶を尻目に、事は進んでいく。
怪物の両手に赤黒く輝く玉が現れる。そしてゼロ達に当てるべく狙いを定めていた。
ゼロも胴着男も、この怪物の出現にはまだ気付いていない。

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