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あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part327 [転載禁止]©2ch.net

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/06/16(火) 12:49:00.28 ID:w78UIyRQ
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part326
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1425841742/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.shitaraba.net/otaku/9616/


     _             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /    ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'    ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!

296 :Neverwinter Nights - Deekin in Halkeginia ◆B5SqCyGxsg :2015/08/08(土) 22:10:13.46 ID:4iczreup
 
おずおずと遠慮がちに何か言おうとするシエスタを遮り、ディーキンは顔をしかめてさらに言葉を続けた。

「それにね、2人とも。何もできなかったから偉くないなんて、そんなのは間違いだよ。
 冒険者っていうのはね、仲間がみんな協力したから成功できたんだって、そう考えるものなの。
 誰が一番活躍したとか、お前は今日は活躍しなかったから取り分なしだとか……、そんなことを言ってたら、いつまでも仲良しでいられないでしょ?
 わかる? ねえ、わかる?」

ディーキンはちょっと据わった目でそう言うと、通りかかった給仕からワイングラスを受け取って、一気に飲み干した。
そして、返事に困った様子で顔を見合わせるルイズとシエスタに向けて、さらに話し続ける。

「ディーキンなんかね、冒険者になったばかりの時にボスにそんなこと言われてたら、とっくの昔に一文無しで冒険者を廃業してるはずだよ。
 ルイズやシエスタは、ディーキンがもし今日、役に立たなかったら、責めてたの? そうじゃないでしょ?」

「おっ、その通りだぜ! 娘っ子、おめえの先生の言うとおりだ。
 おめえはまだまだ駆け出しなんだし、成功するのはこれからだぜ。今日役に立ったとか立たなかったとかで落ち込む必要はねえ。
 さすがに坊主はよくわかってるぜ。強ええだけじゃなく、なかなかどうして経験も豊富らしいな?」

口を挟んだデルフリンガーに、ディーキンはエヘンと胸を張って見せた。

「でしょ? ディーキンは冒険者の中でも最高にベテランなの!
 ……ああ、いや、その、かなり……、割と……、どちらかといえばベテラン、かもしれない可能性はあるってくらいかな……?」

それから、気を取り直すように咳払いをすると、さらにぐぐっと背伸びをして。

「っていうか……、ディーキンは今日は、主役ってことなの!
 オホン、そのディーキンが、2人にもっと楽しんでほしいって言ってるんだよ。
 もし2人が主役なら、堂々と楽しむべきなの。そうじゃないっていうなら、脇役はディーキンの言うことを聞くの。
 なんて言っても、今日のディーキンはとっても偉い役なんだからね!」

びしっ、と自分たちの方に指を突きつけてそう宣言するディーキンを見て、ルイズとシエスタはつい失笑した。

ウロコに覆われているので最初はよくわからなかったが、よく見ると彼はあちこちで酒を勧められたせいか、ほろ酔い加減になっているようだ。
どうりで、さっきからよく人の言葉を遮ってまで弁舌を振るい続けたり、いつもにもまして雄弁だと思った。

「はいはい、わかったわ。あんたの言う通りよ。
 ……けど、ダンスの相手はさっきみんな断っちゃったし、そうでなくてもあいつらとはあんまり、踊りたい気分じゃないのよ。
 私にだって、パーティを楽しむために相手を選ぶ権利はあるんだから。そうでしょ?」

「ン〜……、」

ルイズにそう言われて、ディーキンは首を傾けて考え込む。
当のルイズ本人は何か言われるのを待たずに、すっと自分のパートナーに近づいて屈み込み、顔の高さを合わせた。

きょとんとしたディーキンに微笑みかけると、ルイズは両手でスカートの裾を持ち上げて、丁寧に一礼する。
それから、わずかに顔を赤らめて咳払いをすると、すっと手を差した。

「小さなジェントルマン。仲間のよしみで、わたくしと一曲、踊ってくださいませんこと?」

ディーキンはちょっと目をしばたたかせると、困った風に頬をかいた。

「……その、すごくうれしいけど。
 ディーキンはおチビだから、ルイズとペアで踊るのは、難しいかもしれないよ?」

「もう……、あんたは歌も踊りも、得意なんでしょ。
 何かほら、適当な方法を考えなさいよ」

「ウーン、そう言われても……」

ディーキンがちょっと悩んでいると、シエスタも同じように脇から進み出て、ルイズと並ぶように屈んで一礼した。

297 :Neverwinter Nights - Deekin in Halkeginia ◆B5SqCyGxsg :2015/08/08(土) 22:12:37.54 ID:4iczreup
 
「その、先生。ミス・ヴァリエールの後で、私とも踊っていただけませんか?
 貴族の方々に申し込むわけにはいきませんし、使用人仲間はみんな仕事で忙しいですから……」

頬を赤らめてそう言うシエスタをルイズは横目でじろっと睨むんだが、文句を言うような不作法はしなかった。

「オオ、シエスタも?
 でも、主役なのに使用人だから貴族と踊れないなんて、ヘンな話だとは思うけど……、」

ディーキンはそこで何か閃いたのか、ちょっと待ってねと断ってから、タバサとキュルケにも声を掛けて引っ張ってきた。

「じゃあね、この全員で、輪になって踊ればいいと思うの!
 みんながずっと、仲良しでいられるようにね。
 この舞踏会で一緒に踊った人たちは、結ばれるって言われてるんでしょ?」

大人と子供のように身長差が大きい組み合わせでは、ペアでのダンスは難しいが、手をつないで輪になって踊るのならば問題はない。
このくらいは今日の主役としての権利だと決めて、さっそく楽士たちに合いそうな音楽をリクエストすると、彼女たちと手をつないで踊り始める。

最初は少し不満そうにしていたルイズや恐縮そうにしていたシエスタも、しばらく踊るうちに楽しげな様子になっていった。
キュルケはもとより、タバサでさえも、相変わらずの無表情ながらどこか楽しげに見える。
不参加のミス・ロングビルを除く今日の主役全員が輪になって楽しげに踊っているのを、他の参加者たちも食事やおしゃべりを止めて見守った。

やがて誘われたように、一人、また一人と願い出て踊りの輪に加わる人数が増えていき、しまいには会場のほぼ全員が輪に加わっていた。

「もっと、もっと。こういうのは、気にしないで大勢でやった方が楽しいよ!」

ディーキンが提案し、責任者のオスマンがそれを快諾したことで、最後には楽士や使用人までもが、一時仕事の手を止めて踊りの輪に加わった。
楽士らの演奏はディーキンが、《動く楽器(アニメイト・インストゥルメント)》などの呪文も駆使して引き継ぐ。
そろそろお開きも近いのだから、このくらいは出しゃばっても罰は当たるまい。

「こいつはおでれーた。てーしたもんだ!
 亜人が仕切って、貴族も平民もみんなを輪になって踊らせるダンスパーティなんざ、初めて見たぜ!」

デルフリンガーがかたかたと鞘を鳴らして、楽しげにはしゃいでいる。
パーティの夜はそうして、楽しく、和やかに更けて行った……。

298 :Neverwinter Nights - Deekin in Halkeginia 解説:2015/08/08(土) 22:31:12.28 ID:4iczreup
 
クロウジャーズ・クロゼット
Clothier's Closet /洋服店の衣装箱
系統:召喚術(創造); 2レベル呪文
構成要素:音声、動作、物質(100gp以上の価値がある宝石1つ)
距離:近距離(25フィート+2術者レベル毎に5フィート)
持続時間:術者レベル毎に1時間
 術者は、合計で100gpまでの範囲で好きな種類の衣服を、何人分でも自由に創造することができる。
呪文の持続時間の間、術者の選択した2つの直立した壁の間に棒と必要な数のハンガーとが出現し、衣類はそこに掛けられた状態で出てくる。
作り出された衣類はあらゆる点で通常の品物と同様であり、魔法のオーラを放射しない。
この呪文の持続時間が終了すると、棒とハンガーとは消えるが、作り出した衣類はそのまま残る。
 この呪文はエベロンと呼ばれるフェイルーンとは別のD&D背景世界に属する呪文だが、ディーキンは何らかの経路で流入してきた知識を得たのであろう。
エベロン特有の“ドラゴンマーク”と呼ばれるものともつながりがある呪文なのだが、それはディーキンには関係の無い話である。
 残念ながら、この呪文が掲載されているエベロン関連のサプリメントは、現時点では日本語未訳となっている。
 余談だが、この呪文はウィザード/ソーサラーの呪文リストにも含まれているので、シャドウ・カンジュレーションでの効果模倣ができる。

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今回は以上になります。
一応、今回で原作第一巻の最後の時点まで進んだ、ということになるでしょうか。
既に魅惑の妖精亭に顔を出していたりと、完全に原作沿いに進んでいるわけでもないですが……。

それではまた、できるだけ早く続きを書いていきたいと思います。
次回も、どうぞよろしくお願いいたします(御辞儀)

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/08(土) 22:31:29.78 ID:mfo0p6ME
乙でした

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/09(日) 09:28:29.73 ID:5TuWD+BP
スコール召喚物は過去にもあったけど、どんな展開になるのか期待してるよ
完結決定の朗報もあったことだし、どんどん新作が出てきてくれたら嬉しいね
ソーサリーとかラスボスとか、だんじょん商店会とか、名作の続きも読みたいな

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/09(日) 15:25:13.11 ID:lfSz3HrL
新しい部類の作品とのクロスに期待

302 :ゼロと獅子  ◆W0F21fXmahBY :2015/08/10(月) 06:13:23.46 ID:+FSPrCyj
20〜25分くらいに投下を開始致します。

遅筆な上に書き溜めも中々できてないのですが、少しずつでも完結に向かいたいと思います。
余談ですが、最初はハルク×ルイズで書こうと思っていたのですが、「もうあいつ一人でいいんじゃね?」みたいになる(今のスコールも大概ではあるが)のが目に見えたので泣く泣く断念しました。
ハルク強すぎんよぉ……

303 :ゼロと獅子  ◆W0F21fXmahBY :2015/08/10(月) 06:21:11.10 ID:+FSPrCyj
 外に出たスコールは、当然のことだがあてがある訳でも無い。面倒ごとは御免と出てきたは良いが、空腹であることも事実だった。
 正直な話、スコールが短気を起こしただけの話でしかない。
 見た限りではスコールの椅子は用意されてなかったし、周囲の目はスコールをまるで歓迎していない。
 あのままあそこにいれば床で飯を食えという話になるような気もして、また無駄な問答になる気もしたのでさっさと出てきたという訳だった。
 どこか外にでも行って何か探してこよう…そう思い、すぐ近くにいた女性に声をかけた。
「…少し良いか?」
「え? あ、は、はい! なんでしょう!」
「いや…このあたりに何か、果物でも良いんだが、採れる場所を知らないか?」
「果物ですか? さぁ…聞いたことは無いですね…」
「…そうか…」
 街ならあるかも知れないが、スコールの持っているギルはこの世界では通用しないだろう。
 そうなると、もうどうにもならないと悟ったスコールは、空腹を紛らわせるために仮眠でもするか…と部屋へ戻ることにした。
「あの! もしかして、あなたが使い魔として呼ばれた平民の人ですか?」
「………あぁ」
 スコールの返事を聞いて、ガンブーレドに目をやっていた女性は笑った。
「あぁ、やっぱり! 不思議な格好をしていて、とてもかっこいい方だと聞いていたのでもしかしたらと」
「…(かっこいい?)」
 女性のことを無言で見つめているスコールが、良く分からないという顔をしたからか、女性は少し照れたように小さく笑った。
 それから、あ、と口を開く。
「もしかしてご飯食べさせてもらえなかったんですか?」
「…そんなところだ」
「それでしたら、こちらへ。軽いものでしたら用意できますから」
「良いのか?」
 スコールにとっては有り難い申し出。だが彼女の身なりを見るにここに勤務している従業員だと推測される。
 迷惑じゃないのか、そう視線で聞いたが、女性はまるで問題ないと笑顔で返してくる。
「すまない、頼らせてもらう」
「はい! あ、私はシエスタと言います! あなたは?」
「スコール・レオンハートだ。レオンとでも呼んでくれ」

 賄い食ですが、と出された物はどれもスコールが食べる学食の料理には無い美味さがあった。
「……美味い…」
「本当ですか? 良かったです」
 こんなに美味しい料理は、エスタの大統領と世界で十番目くらいに美味い? 料理店に行った時以来だ。(何故?がつくかと言うと、あの駄目親父が曖昧だったからだ。それに十番目くらいと言ってもスコールが味わったことのないものばかりだったので比べようもない)
 つい食事の手が進むスコールを、ニコニコとシエスタが見ている。
「……助かる。どうにも、ここに馴染めてなくてな」
「なんで食事をとらせてもらえなかったんですか?」
「…さぁな…」
 子供のような理由で食事を諦めたスコールは当然その話ができる訳もない。
 適当に話題をスルーする。
「…美味かった、ありがとう」
「いえ、喜んでいただけたら良かったです」
「……何かしてほしいことはあるか? できる範囲で依頼に答えるが」
「え? いえ、そんな…」
「貰ってばかりも悪いからな…」
「あ、そうだ。じゃあですね」
 シエスタのお願いを聞いたスコールは、少しだけ後悔したが、それでも恩に報いる為にとそれを引き受けた。

304 :ゼロと獅子  ◆W0F21fXmahBY :2015/08/10(月) 06:22:08.72 ID:+FSPrCyj
「わぁ……」
 思わず感嘆の声をあげてしまうシエスタ。今彼女の視線を奪っているのはスコールだった。
 今スコールが身を包んでいるのはいつもの私服ではなく、給仕服だった。
 シエスタのお願いというのが「デザートを運ぶのを手伝ってください」と言うものだったので、着ることになったのだ。
「やっぱりスコールさんは何を着ていても決まりますね!」
 シエスタも言うとおり、スコールの綺麗とも言える容姿は、そのただの給仕服に驚くほどマッチしていた。
 というよりスコールなら大抵の服なら着こなせるのだろうと思われるが、シエスタの目にはこれが一番ベストなんじゃないかと錯覚を覚える。
「それはどうも」
 やることはやる、とばかりにケーキを乗せた銀のトレイを持っていく。
 広場に出ると、スコールに気付いた生徒たちがざわついた。
 シエスタの後に続いて歩いていくと、女生徒達から熱い視線を送られていることに、スコールは内心でため息を吐く。
「(どこの世界でもこういうのは一緒だな…)」
 自分の容姿のことについて対して気にかけていないスコールに(と言っても年相応にお洒落な格好をしているスコールだが)、そのことについて特に気に掛けることはなかった。
 男子生徒の恨みがましい視線も受け流す。
「ねぇ、あなた」
 一人の女生徒に声をかけられて、そちらへ目を向ける。シエスタは驚いたようにして、頭を下げた。
「…俺のことか?」
「えぇ。確かゼロのルイズの召喚した平民よね?」
「………あぁ」
「ふーん…」
 上から下まで値踏みするように見つめる視線に、うんざりする。この世界の貴族というのは、やはりどうにも好きになれない。
「あなた、私の執事にならない? 今よりもっと良い生活をさせてあげるわよ?」
「……なに?」
 言われたことの意味が分からないスコールが思わず聞き返す。それにイラッとした顔をしたが、すぐに涼しい顔に戻る女生徒。
「私はラザリア・ド・オリアン。もう一度聞くけれど、私の執事になればルイズよりも良い生活をさせてあげるわよ?」
 もう一度言われて、スコールはラザリアを見つめた。その真意を探ろうとして、ただ自分の顔を見ているだけの彼女に理由を察した。
「…悪いが、断らせてもらう。ルイズと契約をしているからな……基本的に依頼が完了しない限り上書きはしない」
「ルイズに随分低い扱いを受けているみたいじゃない? そんな給仕の真似事までさせられて」
「……あんたには関係ない話だ。これにルイズは関わっていない」
 そのスコールの物言いにラザリアは目を見開いた。
 この平民、私のこと今あんたって言った?
 スコールの顔目当てで近寄ったが、やはり貴族としてのプライドを傷つけられるのは許せないと、スコールを睨み付けた。
「あなた、貴族にそんな口の利き方をして許されると思っているのかしら!?」
「…さぁな……だが、俺は明確にあんたの話を断ったんだ。それに食い下がるのに貴族も平民も無いと思うんだがな」
「なんですって!?」
「そもそも…俺はよく知らないが、俺はルイズの使用人ではない。使い魔だ。あんた、他人の使い魔を主の了承無しでこんな話をして良いのか?」
 スコールの話にぐっ、と言葉を詰まらせるが、尚引き下がらない。
「どうせあなた、召喚できないゼロのルイズが金を払って呼ばれた平民なんでしょ!?」
「そんな事実がどこにあるんだ? 俺は不本意だが、あのルイズにここに召喚された。その事実しか知らないな」
 今度こそラザリアは黙った。
 スコールを一睨みした後、数人の友達の輪に戻っていく。
「あ、あなた…あんな風に貴族の人に言うと、下手したら殺されますよ…!」
「…そうか。その時はその時だ…」
 そんなことを言うスコールに、青い顔をしたシエスタも黙ってしまった。
 だがまったく気にしていない様子のスコールに、シエスタは気にしても仕方ないと気を取り直してデザートを配り終える。

305 :ゼロと獅子  ◆W0F21fXmahBY :2015/08/10(月) 06:22:46.00 ID:+FSPrCyj
「なあ、ギーシュ! お前、今は誰と付き合ってるんだよ!」
「つきあう? 僕にそのような特定の女性はいないのだ。薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだからね」
 そんな話声が聞こえてきて、戻ろうとしたスコールは話をしている少年たちの方へ視線を向ける。
 ポロッ、と何か落ちて、スコールはそれを拾い上げた。紫色の液体が入った小壜だった。
 ギーシュがスコールに気付き、その手にしている物を見て不味い、と言うような顔をする。
「おお? その香水は、もしや、モンモランシーの香水じゃないのか?」
「そうだ! その鮮やかな紫色は、モンモランシーが自分のためだけに調合している香水だぞ!」
「おい、ギーシュ! お前のポケットから落ちたものだよな?」
「いや、違う。僕のじゃない。君は何を言っているんだね?」
 ざわざわとうるさくなってきて、自分に注目が集まっていることにスコールは嫌な顔をした。
 面倒ごとに巻き込まれそうな予感、とでも言うのだろうか。
 ギーシュが言い訳をしようとしていると、突然その顔がひきつった。
「ギーシュさま……やはり、ミス・モンモランシーと……」
「違う、誤解だケティ。僕の心の中には――」
「その香水があなたのポケットから出てきたのが、何よりの証拠ですわ! さようなら!」
 パンッと頬をひっぱたかれ、ケティという少女は泣きながら走り去って行った。
 そして更にもう一人、巻き髪の女の子が近寄ってきて、ギーシュを睨み付けた。
「やっぱり、あの一年生に、手を出していたのね? うそつき!」
 その言葉と共に、やはりというかギーシュの頬がパンッと叩かれ、走り去って行く。
「…あのレディたちは、薔薇の存在の意味を理解していないようだ」
 スコールはそのやりとりを馬鹿らしいことと捉え、ギーシュに小壜を渡して立ち去ろうとする。
「待ちたまえ」
 ギーシュは逃がすまいとスコールの肩を掴んで呼び止めた。
 なんだ? と振り返ると、怒りに顔を歪ませたギーシュが立っている。
「君が香水の壜を拾い上げたおかげで二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね?」
「……さぁな…俺には関係が無い」
「なんだと? 平民の分際で口答えする気かね!」
「……(訳が分からん。そもそも二股なんてしているお前が悪いし、小壜を拾っただけでバレる浮気なんてするな)」
「なんだね! 言いたいことがあるならハッキリと言いたまえ!」
「…別に」
 そのスコールの態度にビビっていると判断したのか、ギーシュは見下したように笑っている。
 朝のスコールの訓練風景を見ていた数人だけは、ギーシュを止めようか迷う素振りをしていたが、その間もギーシュは止まらない。
「そういう物を拾ったなら、後でコッソリと渡すのが暗黙の了解だろう。平民は本当に気が利かなくて頭が悪いから困るよ。さあ、土下座したまえ。今ならそれで許してやろう」
 まるで我関せずとばかりに立ち去ろうとするスコールに驚き、慌てて行く手を塞ぐ。
「謝罪もせずに逃げるつもりかね! これだから平民は!」
「黙れ」

306 :ゼロと獅子  ◆W0F21fXmahBY :2015/08/10(月) 06:23:11.03 ID:+FSPrCyj
 自分のミスでフラれた腹いせにスコールに怒りをぶつけようとするギーシュがひどく鬱陶しかった。
 だが揉め事を起こすのも嫌だったので、掴まれた手を払いのける。
「良いだろう…そういう態度をするのなら、決闘だ!」
 ギーシュは自分の手袋を外すと、スコールに投げた。これを受け取れば決闘承諾の合図となる。
 スコールはそれを避け、ギーシュを押して倒し、面倒くさそうにため息を吐いた。
「逃げるのかね!?」
「あんたにも、あんたの彼女にも興味なんて無い。勝手にしてろ」
「なんだと!?」
 心の底からどうでも良い。そういう態度をしているスコールに、怒りが激化するギーシュ。
 このまま逃げられたのでは腹の虫が収まらない。
 本来ならここで決闘をすることは避けようとしただろうが、怒りが限界を超え、薔薇型の杖を取り出した。
 周りがざわつき、すぐに避難を始める。
「おいギーシュ! 落ち着けって!」
「黙りたまえ! この生意気な平民に貴族のプライドを傷つけられたのだ! 黙っておけるものか!」
「ちょっと! 何をやってるのよスコール!」
 喧噪の中、ルイズが慌てたようにスコールとギーシュへ走ってきた。
「そいつに聞いてくれ」
「ギーシュ! いったい何の騒ぎ!?」
「君の使い魔が僕を愚弄したんだ。相応の裁きがあって然るべきだろう!」
 どういうこと? とスコールに視線を投げるが、腕を組んで向こうの方を向いている。
 近くで震えていたシエスタを見つけたルイズは、ヒソヒソと説明を受けていた。
 ルイズはシエスタの説明を聞き、ため息を吐く。
「ギーシュ、あなたが悪いんじゃない。小壜を拾ったことでフラれたからって、それをスコールに押し付けようなんて流石にやり過ぎよ」
「ぐっ…と、とにかく決闘だ! その後も彼は僕を馬鹿にするような言動をしていた、それを許すことはできないな!」
「決闘は禁止されているわ!」
「それは貴族同士のことだろう。彼は平民だ、何も問題は無い」
 ルイズがそれは…と黙ってしまう。そしてスコールの方に耳打ちをした。
「あんた、謝っちゃいなさいよ。土下座でもすればギーシュの怒りも収まると思うし」
 そう言われ、ため息をつくスコール。そして…。
「おい。ここだと周りに迷惑だ」
 ルイズはてっきりスコールが素直に謝罪するものだと思った。
 だがスコールからギーシュに放たれたその言葉は、決闘の了承の言葉。
 それを聞いたギーシュはにんまりと笑い、ルイズは驚いた顔でスコールをにらむ。
「ついてきたまえ」
 何か言おうとしたが、イフリートという召喚獣、それにバハムートと戦っていた姿を見ていたルイズには、スコールがギーシュに負けるとはとても思えない。
 結局、顔を真っ赤にさせながらもスコールとギーシュに続いていくことしかできなかった。

307 :ゼロと獅子  ◆W0F21fXmahBY :2015/08/10(月) 06:23:51.70 ID:+FSPrCyj
「僕はメイジだからね、魔法で戦う。文句はないね?」
 そう言ってワルキューレと呼ばれるゴーレムを数体だした。
「僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するよ」
 そう言ったと同時に、一体がスコールに詰め寄り、拳を振るった。
 ゴスッ! と鈍く激しい音が響き、ワルキューレの拳がスコールの腹部に刺さっているのを見て機嫌を良くするギーシュ。
 しかしその顔はすぐに疑問の表情に変化する。
「(ワルキューレの攻撃は確かに当たった…にも関わらず彼は何故、あんなに平然と立っているんだ!?)」
 苦悶の表情一つ浮かべないスコールに、内心で焦りを感じた。
 だが、囲んでボコボコにすればすぐにやせ我慢もできなくなる、とワルキューレを操ろうとした所で、スコールが動きだす。
「…イフリート……来い!」
 その途端、火柱が現れ、炎を纏いし魔人が現れる。
 魔人は遅い来るワルキューレに対して、非情の一撃を振るった。と言ってもただ殴っただけであるが、その威力は絶大の一言に尽きる。
 殴られただけでワルキューレは吹き飛んだと同時にバラバラになる。その破片には炎が燃えていた。
「な…ぁ!?」
 その光景が信じられないギーシュは固まったまま動けない。
 イフリートは力を込めると、空中に浮いていく。その足の裏には、地面がくっついてきた。
 その地面は球体のようになり、炎が噴き出しそうなくらいに内側から燃え上っていた。
 そのまま高くまで飛んでいき、停止する。
 ギーシュは夢でも見ているのでは? と呆けていた。
 そのギーシュめがけ、イフリートはその燃える球体を思い切り殴りつけ、地面へ吹き飛ばす。
「ギーシュ! 逃げてえええ!」
 誰かの叫び声にハッとなったギーシュは慌てて後ろに、不恰好に尻もちをつきながら転がるように下がる。
 ドォオオオオオオオオオン! 地面に当たった球体は破裂に、爆音と共に燃え上がった。
 そこにいたワルキューレは破片も残らない。
 誰も言葉を発せない。ギーシュは顔を青ざめて、呆然となっている。
 あの強力な使い魔はなんだ? 初めてみる化け物だ。炎の化け物……それにワルキューレはあっという間に全滅させられた。
 そうして考えているギーシュに、スコールはスタスタと近づくと、見下ろした。
「悪いが、あんたの逆恨みに構っている程お人よしでもないんだ。まだやるか?」
「ま、参った…!」
 ギーシュから興味を無くしたスコールは、自分達を囲っている人間を一息で跳び越えて、部屋へ戻っていく。
「ま、待ちなさいよ!」
 そんなスコールに振り回されっぱなしのルイズも、後を追っていった。
 残されたのは、何が起こったのかサッパリと分からない学園生たちと、腰を抜かしてしまったギーシュだけである。

308 :ゼロと獅子  ◆W0F21fXmahBY :2015/08/10(月) 06:24:49.52 ID:+FSPrCyj
ここまでです。

どうでも良い事ですが、こちらはsagaは使わなくても良いんですかね?
それではまた。

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/10(月) 12:18:05.50 ID:NUW2D1Rm
乙でした

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/10(月) 12:57:13.08 ID:+Xu+cT3V
ディシディアに近い性格かね

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/10(月) 14:18:03.61 ID:r2qVcE4x
>>310
イメージはFF8からリノアとの恋愛要素を取り除き、仲間を思いやる心はあるけどあまり自分を表に出さない感じのスコールです
そうなるとFF8の物語が繋がらなくなるかもしれないけれど、そのあたりはゆゆうじょうパパワーで。
リノアが嫌いな訳ではないんですけど、エンディング後の素直なスコールを書いてても楽しく無いなと。
まぁなんならディシディアスコールといっても全然分からないですね

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/11(火) 10:28:36.74 ID:+/QsJ89Y
ちょっと脳裏をよぎったけど、こういう話はありだと思う?
原作で悪の帝王をやっていた使い魔(ベガみたいな感じ)か
昼にギーシュがシエスタに八つ当たりをしていて、使い魔が「うるさい娘だ。そんな女などさっさと処刑でもしてしまえ」と言う
ギーシュには殺すつもりなどさらさらなく「僕は平民とはいえ女性を傷つけたりしない」と怒り決闘を申し込む
使い魔はゲルマニアの成金貴族と思われていて、決闘に勝てるとは思ってないが、誰も(シエスタも)心配したりしない、ルイズは一応心配するかも
使い魔は実は恐ろしい力を持っていてギーシュは負けてしまうが、平民をかばった貴族として マルトーに讃えられる。使い魔はエルフでも見るかのような目で恐れられる
後のキュルケのイベントはなくなるか、もしくはお誘いから邪悪な使い魔の退治に変わる

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/11(火) 12:49:49.63 ID:+/QsJ89Y
風来のシレンがハシバミ草を食べたらどうなるか?
あいつはただの苦い草どころか本物の毒草でも一応飲むことはできるが
ジョジョスレのディアボロも平然と食ってたな

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/11(火) 19:21:17.44 ID:/IEQMTeO
>>312
そんな感じの作品は別に過去にも例があるから好きにすればいいんじゃない?

>>313
ハシバミ草ってのは二次でやたら誇張されてる場合もあるけど単に癖のある味ってだけだぞ
どうなるも何も、うまいと思うかまずいと思うかはわからんが別にどうにもならんだろ

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/11(火) 19:32:46.77 ID:W1u9nDEW
どう考えても改心しそうにない悪党召喚物で完結した作品(一発ネタ以外で)ってなんかあるかしら?
ルイズが使い魔に染まってジョゼフ化したりとか、使い魔がラスボスになるとかあるけど
どっちにしてもアルビオン辺りから展開が原作と完全に別物になるせいか、大体の作品がその辺で止まる…

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/11(火) 22:34:29.80 ID:K4CC0gGa
>>314
タバ冒でハシバミ草の描写を確認してみたけど、シルフィードもタバサも苦いと感じてたぞ

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/11(火) 22:36:26.14 ID:z6oqQunC
ちょっと苦さ強めの日本ほうれんそう想像してる

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/12(水) 07:10:31.60 ID:wNhJzuqY
だから、単に癖のある味(苦い味)ってだけのことだろ?
そんなものを食ってどうなるかと言われてもどうもならんでしょとしか言いようがないじゃない
ウマいと思うかマズいと思うかはわからんけど

319 :123:2015/08/12(水) 08:05:39.61 ID:3i0lvyzN
スコールの人へ、せめて打ち切りは勘弁してよ(^_^;)

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/12(水) 10:46:10.35 ID:JqxAqy5y
>>319
ネットのSSにはよくある話だから気にしてたら身が持たんよ。

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/12(水) 19:03:33.52 ID:oc92imIF
短編でもない限り9割はエタるものと思ったほうがいいよね

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/12(水) 22:25:33.42 ID:47Sro7Th
ディーキンは今回で一巻のラストまでいって一区切りついたみたいな感じかね

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/12(水) 22:39:15.61 ID:3csL5+vD
原作一巻ってssにするとかなり長いんだよな。みんな知ってるシーンばかりなんだからかなり省略していいと思うんだが

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/12(水) 22:44:12.83 ID:TMvJtrk4
あんま省略しすぎると読んでてつまんないやろ
ダイジェスト読みたいわけじゃなし

俺は濃いめの味付け好きだから描写濃いのは歓迎

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/12(水) 23:07:55.76 ID:3csL5+vD
だからといって例えばギーシュとの決闘までに10話近くも費やすようなのは勘弁、実際そんなのもあった
原作と同じ展開をなぞるんだったらダイジェストのほうがいい

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/12(水) 23:12:37.20 ID:TMvJtrk4
単なる好みの問題だと思うけどねぇ
同じ情景を描いて洋画描写次第で別物にもなるし面白さも全然変わってくるのが文章の面白いところ
単に飯食ってるだけのシーンでも面白いつまらないは確実にあるしな

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/12(水) 23:29:47.57 ID:3csL5+vD
好みについては、自分はテンポよく話を進めてほしいと思うほうだからそれはお互い様でいいかな
ただテンプレ展開、才人をただ入れ替えただけってのはどうしても読む気がしないな
それくらいなら完全オリジナル展開、もしくは本編の流れから離れたところで進む物語を見たい
一例としては同じくスコールが召喚されたSeed戦記ハルケギニアはけっこう好きだった

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/12(水) 23:38:24.74 ID:wNhJzuqY
テンプレ展開ってのはどこまでがテンプレに該当するんだ?
サイトの代わりにルイズに召喚されたら、
ルイズとの関係性が原作とは全然変わっていたりギーシュと決闘すんのがシエスタだったり、
そもそも決闘起きなかったりしてしてもテンプレ扱いになるのかな?

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/13(木) 10:09:23.03 ID:VQY7UArQ
>>328
ならないんじゃないか?
それは原作の流れに大体沿ってるってだけで、別物になってるように思う。

名前と口調、戦闘シーンだけ変化してるってやつのことだろか。テンプレとは。

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/13(木) 20:34:56.11 ID:KRNBS7Mx
テンプレなssがどういうものかといえば、昔なろうに銀魂とのクロスがあったけど
銀時ほか新撰組など銀魂の主要キャラの多数がハルケに来てるにもかかわらずアルビオンとの戦争まで大筋に一切の変化なしってのがあった
サイトとは性格も能力も影響力も全然違うキャラが長いこといるにも関わらずに頑ななまでの原作なぞりには呆れたわ。それでもなろうの魔境の中ではましなほうだったが

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/14(金) 01:13:06.81 ID:niCYh8B0
テンプレにならない話か
ニャルラトホテプが召喚されるのを考えてたらシエスタに化けてギーシュをボコったり
フーケの代わりに宝を盗んだりレコンキスタに入ったり実はジョゼフの正体が別のニャルラトホテプだったり滅茶苦茶になった

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/14(金) 21:09:15.65 ID:8I4g50o9
スパークドールズとギンガスパークを召喚したらどうなるだろうか

333 :ゼロと獅子  ◆W0F21fXmahBY :2015/08/15(土) 12:18:08.60 ID:c5GjywDw
>>319
自分で書いてて面白くないな、と思ったら、強引にでも終わらせます。
ですが、せめて一巻ラストくらいまでは頑張ろうと思っています。
いえ、気力があれば良いところまで書ききりたいと思ってはいますが。

この調子だと、私が480KBを踏みそうですね。
ですが、スレ建てをしたことが殆ど無いのでできるか不安ですが、やれるだけやってみます。

12時30分〜35分から投下を開始します。
もしかしたら規制くらうかも知れないので、ケータイから仮支援をするかも知れません。

334 :ゼロと獅子  ◆W0F21fXmahBY :2015/08/15(土) 12:31:29.51 ID:c5GjywDw
それと、今更ですが、重大なミスを見つけてしまいました。
朝起きてバハムートと戦って、その後オスマンと話して、朝食、という流れだったのですが、間に削除した部分があり、朝からいつの間にか昼食という形になっています。
朝食はスコールのせいで食べ損ねたとルイズが言う→ルイズの爆発→昼食
ということにする予定だったので、ルイズの爆発を前後させて
朝食食べ損ね→通常授業→昼食→決闘→ルイズの爆発、とし、最初の二つは短縮という形をとらせてもらいます。
申し訳ありません。


「恐るべき力じゃ……」

 騒動の中心にいたスコールを、遠くから見つめていたオスマンは、椅子に深く体を預けた。

「えぇ……とても強力で強大な力です」

 コルベールもイフリートの破壊力を目の当たりにして、己の炎でもあそこまでの力は出せないだろうと考えていた。
 数分前に揉め事が起きているから眠りの鐘の使用許可を教師が求めている、そうロングビルに伝えられ、その必要は無いと告げると杖を振るい、壁にかけてあった鏡から様子を二人で様子を伺っていたのだった。
 好奇心のつもりで見ていたのだが、あと少し遅ければギーシュはあの攻撃に潰されて命を落としていただろう。

「いかがいたしますか、オールド・オスマン」

 オスマンはその長い白髭を撫で、さてどうしたものかと考え始める。
 正直、スコールの行為はやり過ぎだ、と判断できるものだ。
 あの強大な力を無遠慮に生徒に向けたのだから。下手をすれば、というのはスコールも分かっているだろう。
 だが、オスマンにはスコールがギーシュを殺そうとしたようには見えなかった。

「…まぁ、今回は良いじゃろう。被害は抉られたヴェストリの広場だけのようじゃしな」

 そう言い、窓の外を見る。
 コルベールも少しだけ考えたあと、分かりましたと退室していった。

「(……さて、これからどうなるのかのぅ…)」

335 :ゼロと獅子  ◆W0F21fXmahBY :2015/08/15(土) 12:32:40.88 ID:c5GjywDw
 さて、ギーシュの決闘を終えたスコールが現在何をしているかと言うと。

「………はぁ…」

 ため息をつきながら、教室の掃除をしていた。
 あの後、部屋に戻ろうとしたのだがルイズに連れられて教室に向かい、一緒に授業を受けることになった。
 昼の出来事から自分に視線を寄せられて不快感をあらわにしていたスコールが教室から出て行くか考えた時に、その授業でルイズが教師に当てられ、教室が騒然となる。

「やめてください先生!」
「危険だ!」
「ルイズ、お願い、やめて」

 何が起こったんだ? 周りの反応が分からなかったスコールが教壇に立つルイズに注目する。
 何かしら呪文を言い魔法を放つ……ただそれだけのことだったのに、何故か大爆発が怒り、教卓は吹き飛び室内には黒い煙が立ち込めた。
 近くにいたルイズも煤だらけ、教師も吹き飛ばされて気絶、当然授業は中止になりルイズと使い魔であるスコールには滅茶苦茶になった教室の後片付けを命じられたのである。

「………おかしいでしょ。メイジなのに魔法もロクに使えないなんて」
「別に」

 どうでも良さげに即座にルイズとの会話を拒否すると、ルイズはスコールを睨んで、そろそろスコールに慣れてきたのか、すぐに落ち着きを取り戻してため息をついた。

「無愛想」
「…………あんたが魔法を使えるかどうかなんて俺には関係が無い。あんたが落ちこぼれだったり問題児だったとしても、あんたは俺の依頼主でしかないからな」

 突き放すような言い方に、もう少しくらい優しくしてくれても良いじゃない、と頬を膨らませるルイズ。
 だがそれはそれとして、先ほどギーシュを圧倒した力があるスコールに強く出れない。
 仮に、スコールの機嫌を損ねてスコールが自分の元から去ってしまうと、自分は本物のゼロになってしまう。
 初めてちゃんと成功した魔法なのだ、逃したくはない。
 と、そういえば昼食の時にスコールの席を準備していなかったことを思い出した。

「あの……お昼は、ごめんなさい。スコールの分を準備してもらうの、すっかり忘れてて。もう言ってあるから、夜からは普通に食べれるから」
「……あぁ」

 これにもスコールはやはりあまり気にしていなさそうにしていたので、ホッとして掃除を進める。
 黙々と作業をする二人。沈黙が続いていく。

「ねぇ、あのさ、前に魔女と戦ったって話してたわよね?」

 その沈黙に耐えきれなくなったルイズが、口を開いた。

336 :ゼロと獅子  ◆W0F21fXmahBY :2015/08/15(土) 12:33:06.63 ID:c5GjywDw
「凄い強い魔女だったんでしょ? どうして勝てたの?」
「……俺一人じゃ無理だった。何度も倒れそうになったが、俺には仲間がいた」
「その仲間も凄く強いのね」
「あぁ。そして誰も諦めなかった。大切なものを守るために戦ったんだ」
「時を圧縮する魔女……彼女は何がしたかったのかしら」
「…………さぁな」

 そんなもの知りたくも無い、と会話を途切れさせる。
 ただ、エスタの大統領が何か戯れ言のようなものを言っていたのを思い出した。

「……俺の知り合いが、「彼女は寂しかったんじゃないか?」と言っていたな」
「寂しかった……?」
「そいつはただのアホで、作戦のことも忘れて時間圧縮に飲まれた間抜けなんだが、時間圧縮の中で、死んだ妻と会ったらしい」
「…魔女にも、大切な何かがあったってこと?」
「どうでもいいことだけどな…」

 ある程度の掃除を終えたのはかなり遅い時間になってしまった。
 他の授業も既に終わっているとのことだったので、ルイズとスコールはアンヴィーズの食堂へ。
 アンヴィーズの食堂には、先ほどルイズが言った通りにスコールの席が用意されていた。
 ただし、その席は何故か教員達が座る席と同じ所にあり、スコールはまた不躾な視線に晒されて居心地が悪くなっていたのだが、随分とマシになっただろう。
 特に目の前に座る男はスコールをゴミでも見るかのように見ているので、それについても気分がまるでよくなかった。
 だが食べた物はかなり美味しかったので、それほど気にしないことにしたスコールだった。

 実の所、スコールに食べ物の好みは無い。
 あるものを食べ、あるものを飲む。その中で美味い不味いというものが付随してくるのだ。
 なので、コルベールに酒を勧められた時、スコールは面倒だ、と思った。
 というのも、食事が終わった後に「君の世界について聞きたいから、私の部屋で飲まないかね? 美味しいワインがあるんだ」と言われたのだ。
 であるが、どんな些細なことが元の世界へ戻ることに繋がるかは分からない。
 なるべくならそういうことに協力しよう…そう思って、ルイズにそれを告げてコルベールの部屋で二時間ほどの会話をした。
 普段酒を好んで飲まない(酒を飲んだのはバラムガーデンでのパーティ、その後のスコールたちの祝勝会、それとエスタの大統領に招かれてくらいだ)スコールにアルコールはそれなりにキツく、酔いを覚ます為に外の風に当たっている。
 
「…ふぅ……」

 この世界に来てから既に二日目の夜を終えようとしている。今日の朝まではそれなりに焦りのようなものを感じていたのに、今日一日で様々なことが起こり、そんな焦りも感じなくなりつつあった。
 それにスコール自身驚きを感じている。

337 :ゼロと獅子  ◆W0F21fXmahBY :2015/08/15(土) 12:33:41.44 ID:c5GjywDw
「(バラムガーデンはシド学園長がなんとかしてくれているだろう。今俺が欠けて困ることは何も無い)」

 スコールは現在、バラムガーデンの最高責任者という立場であり、世界中から英雄として扱われている。
 そんなスコールが消えたことにその世界が震撼していることなどスコールは知らない。

「(キスティス、ゼル、セルフィ、リノア、アーヴァイン。元気でやってるかな)」

 キスティスとゼルが、スコールが行方不明になったのはサイファーが絡んでいるかも知れない。
 そう言って風神雷神共々ボコボコにして尋問という名の拷問をしていることなど、スコールは知らない。
 もちろんサイファーに覚えは無いので、ひたすら口論という名の口げんかを繰り広げていることも知らない。

「…ふぅ…」

 再度ため息を吐き、部屋で戻ろうと立ち上がる。
 ルイズの部屋の前まで来て、ふと視線に気づいた。
 ……あれは…なんだ?
 トカゲのような生物がスコールをじっ、と見つめていた。スコールも負けじとじっ、と見つめる。
 やがてトカゲはスコールの足元へ近づいていくと、スコールの足を噛もうと口を開けた。
 後ろにスッと足を下げると、何もない空中で口を閉じる。

「なんだ?」

 そのスコールの問いに、トカゲはただ見つめることで答える。
 残念ながら何を言っているかサッパリ分からないので、謎のトカゲと睨めっこすることになった。

「キュルル…」

 そう鳴いたトカゲが、振り返るとノソノソと歩き出す。
 そして、キュル、と鳴いてスコールの方へ顔だけ向けた。

「…ついて来い、ってことか?」

 なんだか不思議な体験をしているものだが、酔いが回ったスコールは、とにかくいってみようとトカゲが向かった扉の前へ着いて行く。
 扉の前へ来た所で、何の前触れもなくガチャと扉が開くと、中から伸びて来た手がスコールの腕を掴んで中へ引きこんだ。
 少しだけ警戒をしたが、目の前ではかなりきわどい格好をした女がいて、スコールは呆然としてしまった。
 スコールの背後でガチャ、と鍵が閉まる音が聞こえる。

338 :ゼロと獅子  ◆W0F21fXmahBY :2015/08/15(土) 12:34:14.11 ID:c5GjywDw
「………。何の用だ?」

 すぐに落ち着きを取り戻したスコールは、眉間に皺を寄せてその女から目を逸らす。
 若干自分に何が起こっているのかに見当が付き始めていた。
 バラムガーデンでも同じようなことが起き、その時は冷たく突き放して泣き喚かれた上に他の部屋の連中が何事かと見に来て大騒動になったものの、スコールの言い分を信じてくれたので問題は解決した。
 が、こちらではスコールの人となりを知っている人物が殆どいない。何か問題でも起きたら…と内心ため息を吐く。

「いきなりごめんなさい。でも、この溢れる情熱を鎮火する手段を私は持ち合わせていないの」

 そんなことを言う女は、スコールの手を引くと無理やりベッドに座らせた。
 その強引な感じにリノアを思い出す。

「私の名前はキュルケ、そしてこの子は使い魔のフレイム、サラマンダー」
「……それで?」
「あなたはあたしをはしたない女だと思うでしょうね…見ず知らずの男を連れ込むなんて」
「あまり興味が無い」
「でも、私は微熱……松明のように突然燃え上がることもあるの」
「…そうか」
「あなたの姿……あのとてつもない力を持った竜と戦っていた時、そして、あの全てを燃え消そうとする程の力を持った炎の魔人を使役するあなたを見て、私の心も燃え上ってしまったの!」
「………」
「でも、あなたはきっとこんなはしたない女を許してくださると思うわ」
「………」
「あたし、あなたに恋をしてしまったの! まったく、恋はいつも突然ね」

 恋だとか愛だとか良く分からないスコールにとって、この手のアプローチは驚く程無意味だった。
 胸を押し付けられようと、露わになった足を開くような動作をしようと、スコールの表情一つ動かすに至らない。
 そんなスコールに、キュルケは不思議そうな顔をした。
 そしてキュルケにとってはあまりにも意外なことに、スコールはキュルケの肩をそれなりの強さでドンと押して、自分から離れさせ、立ち上がる。

「キャッ!」
「……悪いが、俺はそういうことにも、お前自身にも興味が無い。他を当たれ」
「あなたじゃなきゃダメなの!」
「一方的な行為なんて一人でしているのと変わらないだろ。だったら勝手にやってろ。俺を巻き込むな」
「………!」

 言い終えると部屋から出て行く。
 今まで男子にそんな扱いをされたことが無かったキュルケは、呆然とスコールが出て行った扉を見つめる。

「……ふ、ふふ…クールなのね。でもね、その程度の水をかけられた所で、私の情熱は消せないわよ…!」

 そう決意し、一人で燃え上がるキュルケだった。
 むしろ無下に断られたことでより一層火を強めるのは、キュルケの強さでもあった。

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/15(土) 12:34:48.26 ID:dwewn6qR
仮支援

340 :ゼロと獅子  ◆W0F21fXmahBY :2015/08/15(土) 12:35:32.48 ID:c5GjywDw
 廊下に出たスコールはそんなキュルケの決意など知る由も無く、目の前にいるこちらを睨むルイズにため息を漏らした。

「あんた、何してたのよ」
「別に」
「確か、ミスタ・コルベールとお話しをするって言ってたわよね?」
「あぁ」
「そそそそれがなんでミス・ツェルプストーの部屋から出てきているんですかねぇ?」
「………」
「お酒の匂いまでして! あああああんたキュルケに盛っていた訳ね? そそそそうなのね?」
「そんな事実は無い(なんで声が震えているんだ?)」

 スコールもさっさと否定すればルイズの怒りも収まったかも知れないのに、適当にあしらおうとしてしまうので、余計に風当りをよくしてしまう。
 というか既に嵐の前の静けさのようになりつつあるのだが、それでもスコールは弁明しようとしない。

「ダメ、キュルケだけは、絶対にダメ。手を出されるのも、手を出すのも、ぜぇーったいにダメ!」
「そもそも興味が無い。キュルケにも誰にもだ」

 その一言で、そういえばスコールはこういう奴だった……と怒りの風船から空気が抜けていく。

「………じゃあ、キュルケとは何にも無かったの?」
「コルベールと酒を飲んで戻ってきている最中にあいつにつかまっただけだ。面倒になったからすぐに出てきたが」
「…はぁ……それを先に言いなさいよ…」
「………。いや……。そうだな、悪かった」
「え?」

 スコールの意外な謝罪に、ルイズは素の返事を返してしまう。
 その反応に、若干拗ねたようになるスコール。

「俺だって謝罪くらいできる」
「あ、う、うん…そうね…」
「そこまで考えがいかなかった。すぐに経緯を説明すればよかったな」
「いや、私もその、問い詰める形になっちゃって、ごめん」
「いや」

 二人して謝罪をしあい、お互いに見つめ合うと、ルイズが面白そうに笑いだしてしまう。
 既に夜になっている為押し殺すように笑ってはいたが、今すぐにでも腹を抱えて笑い出しそうな様子だった。

「フッ……」
「あ……」

 スコールが、微笑んだ。
 それを見て、ルイズは、「(こんな顔もできるんだ…)」と心底驚いた。

「夜も遅い。早く寝るぞ」
「あ、うん」

 スコールが少しだけ、ルイズに心を開いた一日の夜。
 ルイズはスコールの顔を思い浮かべ、寝ているスコールをチラ見したりと悶々とした夜を過ごす事になった。

341 :ゼロと獅子  ◆W0F21fXmahBY :2015/08/15(土) 12:37:29.56 ID:c5GjywDw
ここまでです。
見やすいように、他の人の作品を参考にして、スペースを使うようにしてみました。

さて、初っ端からミスをやらかしたりとありましたが、少しずつ先に進めている現状に安堵するばかりです。

この仮支援、上手くいっているんでしょうかね……

それでは次スレを建ててきます。

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/15(土) 12:50:02.59 ID:dwewn6qR
結局連続投稿規制されてしまいましたね……やりにくい……
どこかの投稿サイトかSS速報なども視野になってきますね、これじゃ……

次スレはこちらです。
http:hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1439610102/I50

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/15(土) 12:51:58.11 ID:dwewn6qR
手打ちしたのでミスりました……

http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1439610102/I50

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/15(土) 15:09:48.93 ID:2JBdtydG
乙乙

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/08/15(土) 16:45:52.81 ID:Nv6f2ipw

こんな態度でもモテるイケメンはずるいなぁ!

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